小島林道から小島峠・隔週の横瀬二子山。 2019-11/30

2019.11.30(土) 日帰り

好天予報の週末。今週はKZ氏の御厚意による、横瀬駅からのタクシー利用での武甲山。という予定だったが、ななんとタクシーはすべて予約済みでソールドアウト!とのこと。横瀬の朝になにが行なわれているのか…まったく判らないが、とりあえず計画変更。先々週歩いた小島沢の林道を再訪することになった。 いつも芦ヶ久保駅から利用する松枝行きバスが、折り返して西武秩父駅行きになって戻ってくるのを利用し、芦ヶ久保と横瀬の中間に位置する小島林道の入口、滝ノ枕バス停に移動する。土日祝は一日四本運行の過疎路線。今日も乗客は我々ふたりだけ。 石灰工場の敷地を通過して、小島沢に沿って荒れた林道を歩いていく。遠い山なみを快晴の陽差しが照らしている。しかし小島林道に朝陽は未だ差し込んでくれない。冷たい空気で顔がひりひりと痛い。目出帽が欲しいなあと思いつつテンポよく歩く。 橋を三ヶ所通過すると、前回着地した尾根末端に達する。ここで小休止。今回は小島林道が何処までつづいてどうなっているのか、の検分と、「奥武蔵登山詳細図」に記載の小島峠(焼山と二子山の間のタワ、という文献に拠るとのこと)の位置を探るという目標で歩いている。地形図に記された、林道を示す破線が途切れる地点まであと少し。実際もそのとおりになっていた。橋を渡ると山道になる。 小島沢右岸の山腹トラバース道を延々と歩く。植林帯で変化の無い道は退屈だが、小島沢を徐々に遡っている実感はある。(この右岸尾根の途上から二子山に至るグレー破線が、山と高原地図「奥武蔵・秩父」ではうっすらと記されているが、そのような踏路は発見できなかった) ようやく、横瀬二子山から流れる左俣と、詳細図記載の小島峠地点から流れる右俣が合流する二股に到着。踏跡は微妙に左股を渡渉するように刻まれている。対岸にリボンの目印を目視。小島峠に至る道が存在しているという根拠になるのだろうか。そんな思いで、なんとか右俣に転進する。 右俣よりさらに奥深い、焼山方面から流れてくる沢沿いに入る。右手は前回下った719mの尾根。山腹に道は見当たらず、ガレた沢を文字通り遡行していく。尾根が緩やかになったところで山道に戻り、小屋跡と思しきトタンの残骸を発見。いよいよ小島峠の古道に続くかと思いきや…。 踏跡は見当たらず、単純に719mの尾根を攀じ登る恰好となってしまった。登りやすい角度で、私とKZ氏はそれぞれの道をいく。しばらくそんな感じで登っていると、唐突に明瞭な作業道にぶつかった。KZ氏に呼びかけるが遠くてよく聞こえなかったみたいで、作業道に向かって直登している。 離れ離れだったのがようやく合流して、改めて杣道を眺める。少し登ると水平トラバース道に達し、719mの尾根をぐるりと巡る道の突端まで確認する。途中に植林できないらしき断崖があって、そこだけ自然林の紅葉が眩しい。久しぶりに見る色彩豊かな景色に安堵し、小休止した。 改めて水平道を涸れ沢に逆戻りする。伐採後の植栽途中で視界が開ける場所に達した。見上げると二子山と焼山の稜線が目視できる。小島峠の鞍部が近いと思われるが、肝心の峠道は消失。仕方ないので涸沢に沿って登り続ける。 見上げると沢の詰めた処に今にも転がってきそうな巨岩が山腹に張り付いている。そのまま登り続けていると、ふたたび明瞭なトラバース道にぶち当たる。左の二子山方面はやがて踏路は不明瞭になるのを確認。右に進んで緩やかに登ると、さらに水平道があって合流した。 これが小島峠からの正しい道なのか? そんな思いで、そのまま下ってみる。一回の折り返しで下り続けて、先程の植栽地に戻った。順序としては、水平道から折り返して登る恰好だが、その折り返し点は、先程はまったく気付かなかった。(もう、すぐそこに鞍部が見えている場所なので迷っても大勢に影響はなさそうではあるが) デポしたザックを回収し、ひと登りで稜線鞍部に到達。ここが小島峠ということになるのだろうか。とりあえず小島沢を登りきったので達成感が湧きあがる。すぐそこにある標高790m圏の瘤を東北東に捲いて、焼山林道からの登山道を交差し、ふたたび稜線に乗り、横瀬二子山を目指す。 快晴で秩父市街の景色が広がり、爽快な気分だが稜線の風は強くて冷たいので、足早になってひたすら登山道を歩いていった。擦れ違い、追い越していくハイカーは三名ほどで、好天の奥武蔵なのに少し寂しい雰囲気だった。 横瀬二子山雄岳に、隔週で登頂。大展望の岩場で小休止してから甲仁田山に向かう。途中の岩場は下りなのでやや緊張しつつ通過。舗道に入り、芒の広がる電波塔の甲仁田山に、これも隔週で登頂となった。気持ちのよい平坦な山頂で、遅めの昼食。見慣れないので買ってきた塩バター味のカップラーメンは、ちょっとくどい味だった。 帰途は甲仁田山から南東尾根を下る。当初は正丸峠に登り返して正丸駅まで歩こうかなどと話していたが、疲れたのでバスで芦ヶ久保駅に戻ることにした。あとは下るだけと楽観していたが、甲仁田山南東尾根の下りはとんでもない急傾斜で、KZ氏に借りた軽アイゼンを装着していなかったら、かなり覚束ない行程になっていたと思われ、稀少バスに乗り遅れていたかもしれない。 これで見納めは必至の、甲仁田山の紅葉を愛でながら、粛々と下山する。前回登ってきた、焼山林道への支尾根に分かれるトラバース道に気付かず、そのまま下りきってしまう。尾根末端は完全に踏跡が消えて、少しでも傾斜の緩い斜面を選んで駆け下りていく。車道に出ると、二子山入口バス停がぽつんと立っていた。 松枝バス(正式には西武バス横瀬線)の土日祝は前述の通り一日四本。その最終は隣の長渕バス停始発なので、ひと区間を歩くことになった。発車時刻まで三十分以上あるので、ふたりでのんびり歩く。正丸トンネルが貫く山々に就いて、KZ氏がいろいろ解説してくれる。下山の安堵感とともに、楽しい車道歩きとなった。 長渕バス停に到着して、本日の山歩きは終了。またもや乗客の無いバスに乗車し、今朝と同じ芦ヶ久保駅のバス停に帰着。上りの西武線は程無く到着。池袋行きの快速急行は空いていて、快適に無事飯能に到着した。 収穫の多い山行を反芻しつつ、いつもの通りに乾杯。KZ氏はビール自重でコーラ。餃子、鳥からあげ、チャーハンという、子供のメニューみたいなものを食べながら、私はビールを二杯。

芦ヶ久保駅で松枝からの折り返しバスに乗車。滝ノ枕バス停で下車。快晴の朝なのに日陰の山間。

芦ヶ久保駅で松枝からの折り返しバスに乗車。滝ノ枕バス停で下車。快晴の朝なのに日陰の山間。

芦ヶ久保駅で松枝からの折り返しバスに乗車。滝ノ枕バス停で下車。快晴の朝なのに日陰の山間。

この前歩いたばかりの石灰工場敷地内を通過。小島林道に入る。

この前歩いたばかりの石灰工場敷地内を通過。小島林道に入る。

この前歩いたばかりの石灰工場敷地内を通過。小島林道に入る。

橋を三ヶ所通過すると、前回着地した尾根末端。今回は小島林道が何処までつづいてどうなっているのか、の検分。

橋を三ヶ所通過すると、前回着地した尾根末端。今回は小島林道が何処までつづいてどうなっているのか、の検分。

橋を三ヶ所通過すると、前回着地した尾根末端。今回は小島林道が何処までつづいてどうなっているのか、の検分。

小島沢右岸の山腹トラバース道を延々と歩き、いよいよ二股に行き着く。踏跡は微妙に左股を渡渉。リボンの目印を目視してなんとか右俣に転進する。

小島沢右岸の山腹トラバース道を延々と歩き、いよいよ二股に行き着く。踏跡は微妙に左股を渡渉。リボンの目印を目視してなんとか右俣に転進する。

小島沢右岸の山腹トラバース道を延々と歩き、いよいよ二股に行き着く。踏跡は微妙に左股を渡渉。リボンの目印を目視してなんとか右俣に転進する。

焼山方面に深く分け入る沢を目指す。小島沢右俣のさらに鋭角に右に別れる沢。(沢名を付けるとするとどうなるのか?)

焼山方面に深く分け入る沢を目指す。小島沢右俣のさらに鋭角に右に別れる沢。(沢名を付けるとするとどうなるのか?)

焼山方面に深く分け入る沢を目指す。小島沢右俣のさらに鋭角に右に別れる沢。(沢名を付けるとするとどうなるのか?)

沢音の途切れる辺りで標高点719mのある尾根に登る。そして作業道を発見。小島峠から延びるトラバース道を下って探索。植林帯だが一部残った自然林で紅葉。彩度の無い沢歩きばかりだったので突然のカラーが嬉しい。

沢音の途切れる辺りで標高点719mのある尾根に登る。そして作業道を発見。小島峠から延びるトラバース道を下って探索。植林帯だが一部残った自然林で紅葉。彩度の無い沢歩きばかりだったので突然のカラーが嬉しい。

沢音の途切れる辺りで標高点719mのある尾根に登る。そして作業道を発見。小島峠から延びるトラバース道を下って探索。植林帯だが一部残った自然林で紅葉。彩度の無い沢歩きばかりだったので突然のカラーが嬉しい。

作業道探索を終えて涸れ沢方面に歩を進める。その途上でひょっこりと二子山が出現。早く陽当たりのよい尾根に乗りたいなと思う。

作業道探索を終えて涸れ沢方面に歩を進める。その途上でひょっこりと二子山が出現。早く陽当たりのよい尾根に乗りたいなと思う。

作業道探索を終えて涸れ沢方面に歩を進める。その途上でひょっこりと二子山が出現。早く陽当たりのよい尾根に乗りたいなと思う。

稜線鞍部目視できるところまで来た。沢の詰めた処に今にも転がってきそうな巨岩。

稜線鞍部目視できるところまで来た。沢の詰めた処に今にも転がってきそうな巨岩。

稜線鞍部目視できるところまで来た。沢の詰めた処に今にも転がってきそうな巨岩。

稜線直下で明瞭なトラバース道に突き当たる。下方検分後、ようやく鞍部に到着。ここが小島峠なのだろうか。(専門家の裁定を待つ)

稜線直下で明瞭なトラバース道に突き当たる。下方検分後、ようやく鞍部に到着。ここが小島峠なのだろうか。(専門家の裁定を待つ)

稜線直下で明瞭なトラバース道に突き当たる。下方検分後、ようやく鞍部に到着。ここが小島峠なのだろうか。(専門家の裁定を待つ)

横瀬二子山の展望岩場。この前より陽差しが強くて彼方はぼんやりとした眺望だった。

横瀬二子山の展望岩場。この前より陽差しが強くて彼方はぼんやりとした眺望だった。

横瀬二子山の展望岩場。この前より陽差しが強くて彼方はぼんやりとした眺望だった。

甲仁田山電波塔に到着。ススキの風景が郷愁。

甲仁田山電波塔に到着。ススキの風景が郷愁。

甲仁田山電波塔に到着。ススキの風景が郷愁。

甲仁田山からの横瀬二子山。今日はあの山の向こう側の谷を延々と登ってきたのだなと感慨。

甲仁田山からの横瀬二子山。今日はあの山の向こう側の谷を延々と登ってきたのだなと感慨。

甲仁田山からの横瀬二子山。今日はあの山の向こう側の谷を延々と登ってきたのだなと感慨。

甲仁田山南東尾根の急勾配を初めて下る。見納めであろう晩秋の奥武蔵を味わいながら…と思うがすごい傾斜でアイゼン装着でおそるおそるの下降。

甲仁田山南東尾根の急勾配を初めて下る。見納めであろう晩秋の奥武蔵を味わいながら…と思うがすごい傾斜でアイゼン装着でおそるおそるの下降。

甲仁田山南東尾根の急勾配を初めて下る。見納めであろう晩秋の奥武蔵を味わいながら…と思うがすごい傾斜でアイゼン装着でおそるおそるの下降。

尾根が緩やかになり、紅葉の道を歩く。陽の傾く時刻にこの尾根を歩くのは初めて。趣深い。

尾根が緩やかになり、紅葉の道を歩く。陽の傾く時刻にこの尾根を歩くのは初めて。趣深い。

尾根が緩やかになり、紅葉の道を歩く。陽の傾く時刻にこの尾根を歩くのは初めて。趣深い。

断続的に現われる急勾配の下降。その合間に紅葉の眼福。

断続的に現われる急勾配の下降。その合間に紅葉の眼福。

断続的に現われる急勾配の下降。その合間に紅葉の眼福。

もののけのような形状の岩にはっとする。紅葉の道は間も無く終わり、バス時刻を気にしながら速足の下山が始まる。

もののけのような形状の岩にはっとする。紅葉の道は間も無く終わり、バス時刻を気にしながら速足の下山が始まる。

もののけのような形状の岩にはっとする。紅葉の道は間も無く終わり、バス時刻を気にしながら速足の下山が始まる。

最後は二子山入口バス停付近に終わる尾根を下る。最末端付近は道は無い。なんとか突破して車道に。長渕バス停まで歩く。

最後は二子山入口バス停付近に終わる尾根を下る。最末端付近は道は無い。なんとか突破して車道に。長渕バス停まで歩く。

最後は二子山入口バス停付近に終わる尾根を下る。最末端付近は道は無い。なんとか突破して車道に。長渕バス停まで歩く。

芦ヶ久保駅で松枝からの折り返しバスに乗車。滝ノ枕バス停で下車。快晴の朝なのに日陰の山間。

この前歩いたばかりの石灰工場敷地内を通過。小島林道に入る。

橋を三ヶ所通過すると、前回着地した尾根末端。今回は小島林道が何処までつづいてどうなっているのか、の検分。

小島沢右岸の山腹トラバース道を延々と歩き、いよいよ二股に行き着く。踏跡は微妙に左股を渡渉。リボンの目印を目視してなんとか右俣に転進する。

焼山方面に深く分け入る沢を目指す。小島沢右俣のさらに鋭角に右に別れる沢。(沢名を付けるとするとどうなるのか?)

沢音の途切れる辺りで標高点719mのある尾根に登る。そして作業道を発見。小島峠から延びるトラバース道を下って探索。植林帯だが一部残った自然林で紅葉。彩度の無い沢歩きばかりだったので突然のカラーが嬉しい。

作業道探索を終えて涸れ沢方面に歩を進める。その途上でひょっこりと二子山が出現。早く陽当たりのよい尾根に乗りたいなと思う。

稜線鞍部目視できるところまで来た。沢の詰めた処に今にも転がってきそうな巨岩。

稜線直下で明瞭なトラバース道に突き当たる。下方検分後、ようやく鞍部に到着。ここが小島峠なのだろうか。(専門家の裁定を待つ)

横瀬二子山の展望岩場。この前より陽差しが強くて彼方はぼんやりとした眺望だった。

甲仁田山電波塔に到着。ススキの風景が郷愁。

甲仁田山からの横瀬二子山。今日はあの山の向こう側の谷を延々と登ってきたのだなと感慨。

甲仁田山南東尾根の急勾配を初めて下る。見納めであろう晩秋の奥武蔵を味わいながら…と思うがすごい傾斜でアイゼン装着でおそるおそるの下降。

尾根が緩やかになり、紅葉の道を歩く。陽の傾く時刻にこの尾根を歩くのは初めて。趣深い。

断続的に現われる急勾配の下降。その合間に紅葉の眼福。

もののけのような形状の岩にはっとする。紅葉の道は間も無く終わり、バス時刻を気にしながら速足の下山が始まる。

最後は二子山入口バス停付近に終わる尾根を下る。最末端付近は道は無い。なんとか突破して車道に。長渕バス停まで歩く。