立山(富士ノ折立・大汝山・雄山)への計画を立ててみたが、やっぱり行くなら一般登山道国内最難関の一つ「剱岳」へも登ってみたい。このチャレンジのために鎖場でのトレーニングも重ねてきた。そしていよいよ。 初日 立山駅からケーブル、バスと乗り継いでついた室堂。ここで既に森林限界を超えていて目の前に広がる山々と青い空にテンションが上がりまくり。期待を胸にこの時点ではテント泊装備の重さも感じずズンズンと歩く。雷鳥沢への下りは長く今回の計画でこれを最後の上りにもってこなくて良かったと強く思った。雷鳥沢キャンプ場から橋を渡りいよいよ別山乗越までの上り。これが思った以上にキツかった。ここへきて背中の重さを実感した。途中、初めて雷鳥を見た。登山道にちょこんといた雷鳥は人を恐れるでもなく悠々と草を食みながら草の中に消えていった。 剣御前小屋ではじめてザックを下ろして休憩。ここからようやく剱岳が雲の間から見え隠れ。剱山荘への道にはすぐに雪渓が。剣御前小屋で話を聞くとアイゼンがいるほどではなくストックでバランスを取れば大丈夫ということなのでそちらに進む。真夏に雪も初体験。楽しい~!剣沢キャンプ場と剣沢小屋を眼下に見ながら雪解け水が流れるところを渡り全部で3か所の雪渓を越えて剱山荘が見えてきた。天気も良く景色は最高で心は軽やかだが背中は重くあと少しの剱山荘が遠く感じた。 荷物を下ろして部屋に案内されるとラッキーなことに二人で一部屋を使えることに。荷物を整理して昼ごはん。今日は牛丼をチョイス。これがまた最高においしかった。もちろんビールを忘れずに。この剱山荘、本当に素敵なところで外観も内観もとても清潔でキレイ。水道は飲料水だし温水シャワーまで使える。トイレは水洗。部屋も広くて快適。言うことなし。そしてここのスタッフたちの笑顔がみんな素敵でいつも優しく声をかけてくれとても気持ちがいい。 夕方、気になっていたが情報が全然なかった「黒ユリのコル」のことをスタッフに聞くととてもいいところだということで早速行ってみた。先客は1名のみだったが他に誰も来ることはなく穴場のスポットだ。あいにく雲の中に日が沈んでいったが晴れていれば海に沈む夕日が見れるとのこと。またここからの剱岳の威風堂々とした姿は圧巻だ。ここに行く人は少ないみたいだが是非行った方がいいと思った。小屋に戻り夕食。これがまた品数も量も多く食べきれないほどだった。朝食は弁当にしてもらい明日に備えて早めに就寝。 二日目 ヘルメットを被りヘッデンを着けて4時には出発。剱山荘の裏から一服剣を目指す。昨日の装備から最小装備のアタックザックなのでなんと身軽なことか。すぐに第一の鎖場。ここはウォームアップという感じでクリア。一服剣のピークから前剣を見るとただただ聳える壁にしか見えない。本当にこの壁が登れるのだろうか?日の出も過ぎ、ヘッデンを消しても道が明瞭に見えるようになり一歩一歩前へ進む。前剣へ取付くと先ほどの見た目ほどは険しくないが急登には変わりない。ガレた道を足元に気を付けながら登っていく。前剣の頂上で暫し休憩の後、いよいよ剱岳に向かって前剣を下る。うわさに聞いていた一本橋。慎重に渡るがここは難なくクリア。その先の何度かの鎖場も無事に抜け、いよいよ「カニのたてばい」鎖もしっかりして足場もあるので思ったほどではなかったが気を緩めることなく登り切り頂上を目指して最後の急登。途中から富士山や八ヶ岳、特徴的な槍ヶ岳を含む北アルプスなどすでに素晴らしい眺望!やったー!ようやく山頂に到着!!自分自身のチャレンジが達成できたことを噛みしめながら360度の大展望を楽しむ。この最高の天気、素晴らしい景色でなかなか降りることができず頂上を大満喫!達成感に気を緩めることなく下山開始。一歩一歩確実に歩む。さて「カニのヨコバイ」予習はしていたので右足から降ろしたが足が短く足場が見つからない。ようやく見つけて足を下ろすと今度は左足の足場も思いのほか遠く、これも足を延ばしてやっと足が着く。 足さえ着けばあとは3点指示を保持しながら進みクリア。この後も慎重に歩きながら全13か所の鎖場すべてクリア。途中で登山道に何か茶色い影がスーっと走ったが何か分からずそのまま進むと岩の上に顔を出してこちらを見ている。オコジョだ!なんて可愛いんだろう⁉こちらの歩みに合わせて少し前を走っては振り返り走っては振り返り、暫く一緒だったがそのうちガレ場の中に消えていった。思いがけず出会ったオコジョも初遭遇だったので嬉しい。あとはガレ場の浮石に気を付けながら前剣、一服剣を残りの4か所の鎖場を通過して剱山荘が見えてきた。最後まで油断することなく剱山荘に到着。朝食の弁当を食べていなかったので昼食として頂き、ビールのあてに暖かいおでんも。今回は初日は剱山荘、二日目は剣沢キャンプ場でテン泊の予定なのでゆっくり休憩してから剣沢キャンプ場へ移動・・・が!!一緒に登った友人がまさかのテント忘れ!!一人でテントでも良かったのだが小屋で泊まることに・・・剣沢小屋も温水シャワーを使うことができ快適だった。食事はテン泊用に持ってきたものを自炊で。翌日は立山縦走なので早めに就寝。 三日目 この日は5時過ぎに出発。先ず目指すは別山。二日間の疲れの上にまだ十分に目覚めていない体に重い装備を背負っての急坂がかなり堪えた。それでも稜線に出るころには元気が出て来て別山登頂!荷物を下ろして身軽になって北峰へ。ここから見る剱岳は全容が見えて素晴らしい絶景だ。一度下って次は真砂岳。この先の内蔵助小屋の裏には日本で唯一の氷河がみられる。ここからもう一度下ってから富士ノ折立へ上り返し。これが今回最後の大きな登りとなる。荷物を置いて岩場を登り頂上に立つ。黒部ダムが良く見える。次は大汝山。山頂小屋で冷えたジュースでのどを潤す。ここに荷物を置いて同じく岩を登り山頂に立つ。残るはあと一つ雄山へ。雄山に着くと山頂でお祓いをしているとのことで700円を払って山頂への階段を上がる。山頂で神主さんのお話を聞き、そこにいる人たち全員でお祓いを受けた後、万歳三唱!立山頂上社務所で御朱印を授かり下山開始。ここから一の越山荘まで下り休憩と思ったが、そのまま一気に室堂まで行き、コインロッカーに荷物を預けて日本最高所のみくりが池温泉で汗を流す。 ゆっくり休憩した後はバスとケーブルで立山駅まで。 テント装備と3日間の山行ということで予想よりコースタイムは遅れ休憩もたくさん取ったがむしろそれがゆっくりと景色を眺めたり疲労しにくく歩くことができたので筋肉痛や歩いているときの足の攣りはなくこれくらいのペースが良いと分かった。また登山前(アミノバイタル SUPER SPORTS)、登山中(アミノバイタル アミノショット パーフェクトエネルギー)、そして一日の終わり(アミノバイタル GOLD)と積極的にアミノ酸を取っていたのも良かった。 今回はテン泊装備を全く使わなかったので本当トレーニング登山だった。しかしこれはジャンダルムや大キレットへ挑む為のトレーニングと前向きに捉えよう!この装備で立山縦走できた事は少し自信にもなったがやはり軽いに越したことはない。 ULザックのデビューだったがこれは本当に良かった。背負心地も良かったし何よりも軽さに助けられた。 また、詰め込み方もスタッフバッグをやめてシュラフやテントを直接詰めたがこれが成功!あとは食料とクッカー類、ファーストエイドキットなどでどれだけ削れるか?以下、今回の携行品を次回のために。 総重量 約14.4kg(ベース11kg+水3.4kg) ◎ザック(KAKWA55) ◎インナーバッグ(ISUKA ウェザーテック インナーバッグ 60L) ✕テント(プロモンテVL27) ✕シュラフ(ドライ シームレス ダウンハガー900 #3) ✕マット(サーマレスト型番不明) ◎ダウンジャケット(スペリオダウンジャケット) ◎ダウンパンツ(スペリオダウンパンツ) ◎ウィンドブレーカー(patagonia フーディニ ジャケット) 〇スタッフバッグ(GRANITE GEAR ドリームサックピロー) 〇パジャマ上(WIC.T) 〇パジャマ下(WIC.リラックス パンツ) △保温着(Answer4 Power Grid™ Full-Zip Hoodie) 〇温泉セット(ULポーチ) 〇Tシャツ(WIC.T) 〇パンツ 〇靴下(WIC.サポーテック トレッキングソックス) 〇タオル 〇アタックザック(PAAGO WORKS RASH20) 〇ヘルメット(blackdiamond ビジョン) ◎ストック(SINANOフォールダーTWIST125) △ファーストエイドキット ✕ソーヤミニ ✕プラティパス1L ◎ヘッデン(LED LENSER MH5 / 400ルーメン) ✕予備ヘッデン(PETZLアクティックコア) ✕ランタン(キャリー・ザ・サン) ✕モバイルバッテリー(10,000m)×2 ◎コンセント付モバイルバッテリー(5,000m) ✕予備電池(単4✕3) △コード類 ✕予備靴紐 ✕細引き ✕ボールペン ✕テーピングセット 〇歯ブラシセット ✕携帯トイレ △クッカー 〇FD570(蓋つき) ✕FD400(マルチディッシュ) △チタンマグ(ノーブランド) ✕カップ(SEA TO SUMMIT シートゥサミット X-カップ) 〇バーナー(SOTOウィンドマスター) ✕ライター(BICミニ) 〇ガス(SOTO110) 〇箸(スノーピーク 和武器) 〇スプーン(ユニフレーム FDシリコンスプーン グリーン) 〇ziplocスクリューロック473ml 〇ziplocスクリューロック730ml ✕finetrack/ナノハンカチ 〇finetrack/ナノタオル △PAAGO WORKS/ダブルフェイスポーチ 2L 〇グローブ(おたふく手袋 FB-61 ブラック M) ✕予備グローブ(アクシーズクィーン トレッキング グローブ UV メッシュ グローブ AG6714-N00 M) ✕山旅旅防風ミトン ✕マルチツール(LEATHERMAN SQUIRT PS4) ✕ゴミ収納(O.D.ガベッジバッグ4L) ✕ソックオンサンダル 〇トレール クール アームカバー ◎=必須 〇=使用したが要再考 △=一部使用 ✕=不使用 靴(SCARPA リベレHD)
室堂到着!雲がやや多いものの青空も見え、景色最高!
室堂到着!雲がやや多いものの青空も見え、景色最高!
地獄谷
地獄谷
この橋を渡るといよいよ本格的に登山開始
この橋を渡るといよいよ本格的に登山開始
初めて雷鳥に出会った。
初めて雷鳥に出会った。
剱御前小舎
剱御前小舎
こちらから・・・アイゼンは不要だった(ストックでバランスを取りながら)
こちらから・・・アイゼンは不要だった(ストックでバランスを取りながら)
初雪渓歩き
初雪渓歩き
剣山荘が見えてきた。
剣山荘が見えてきた。
到着!!
到着!!
一服剱と前剱、ここからは剱岳は見えない。
一服剱と前剱、ここからは剱岳は見えない。
別山の麓には剣沢小屋
別山の麓には剣沢小屋
おかずの種類も豊富な夕食。ご飯と味噌汁はおかわり自由。
おかずの種類も豊富な夕食。ご飯と味噌汁はおかわり自由。
クロゆりのコルから雲の中の夕陽
クロゆりのコルから雲の中の夕陽
クロゆりのコルからの剱岳の勇姿
クロゆりのコルからの剱岳の勇姿
一服剱からの前剱。壁にしか見えない。
一服剱からの前剱。壁にしか見えない。
一本橋
一本橋
この景色、ビールが美味すぎる!!
この景色、ビールが美味すぎる!!
別山への上り返し・・・キツかった。
別山への上り返し・・・キツかった。
硯池
硯池
別山北峰からの剱岳もカッコいい!!
別山北峰からの剱岳もカッコいい!!
黒部ダム
黒部ダム
この稜線を歩いて大汝山、雄山へ
この稜線を歩いて大汝山、雄山へ
室堂到着!雲がやや多いものの青空も見え、景色最高!
地獄谷
この橋を渡るといよいよ本格的に登山開始
初めて雷鳥に出会った。
剱御前小舎
こちらから・・・アイゼンは不要だった(ストックでバランスを取りながら)
初雪渓歩き
剣山荘が見えてきた。
到着!!
一服剱と前剱、ここからは剱岳は見えない。
別山の麓には剣沢小屋
おかずの種類も豊富な夕食。ご飯と味噌汁はおかわり自由。
クロゆりのコルから雲の中の夕陽
クロゆりのコルからの剱岳の勇姿
一服剱からの前剱。壁にしか見えない。
一本橋
この景色、ビールが美味すぎる!!
別山への上り返し・・・キツかった。
硯池
別山北峰からの剱岳もカッコいい!!
黒部ダム
この稜線を歩いて大汝山、雄山へ