1月22日(土)今年3度目の雪山は霧氷期待で「笹ヶ峰」と「チチ山」を歩いて来ました 四国には笹ヶ峰が3座あり、参勤交代で土佐藩が使った土佐北街道、新宮近くにある笹ヶ峰(標高1,027m)と南国市最高峰の笹ヶ峰(標高1,131.4m、ここの三角点名は国見山)そして今回私が歩いた石鎚山系の東端に位置する最もポピュラーな「笹ヶ峰」(標高1,859.6m)です 「笹ヶ峰」は奈良時代頃から石鎚修験道の発祥の地で、麓の大生院にある「石鉄山・正法寺」を中心に登拝されていたらしい。山頂にある石積みの祠には「金剛笹ヶ峰石鉄蔵王大権現」と「大日聖不動明王」が祀られています (石鎚修験道の地はその後、瓶ヶ森そして石鎚山へと移行されて行くのです) 叉、笹ヶ峰は学校登山発祥の山で私が子供の頃には新居浜市や西条市の中学生が全校生登山の課外授業として先生に引率されて丸山荘に泊まっていました また、丸山荘近くの丸山にスキー場もあったそうです 子供の頃は親父や担任の先生らに連れられて「下津池」から歩いて登っていました しかし、山歩きを始めた頃(50歳頃)からは旧寒風山トンネル口手前の大規模林道「寒風・大座礼線」にある南尾根登山口からブナを眺めながら登る様になりました 笹ヶ峰南尾根ルートは急斜面で上りに使うのを嫌う人が結構多いですが、四国や北アルプス・南アルプスの急登を歩いてきた私にとってはさほど驚くような傾斜では無く、返って見晴らしの良い笹斜面を歩くのが爽快な気がします 南斜面ですから冬でも比較的雪も融けやすく少な目ですが、積雪の多い時にはラッセルが大変で山頂まで4時間半かかった事もありました 南尾根は3段階に区切られています 第一場は岩崖までの植林地帯急斜面です 寒風山を整備されて来た橋本さんが数年前からここにロープや休憩所を設置されています 岩崖には沢山ロープが有り過ぎて困ってしまいますが、安全には寄与してくれているのでしょう 第2場は岩崖を上がって笹と自然林の尾根を進み、大ブナとリョウブ林を抜けるまでの行程です ミズナラやブナ、モミなどが美しい自然林です 第3場はウラジロモミを抜けて一面の笹原を左手の寒風山、伊予富士や右手の冠山を眺めながら歩き、やがて山頂近くのコメツツジなどの低木帯を抜けて肩部から山頂を見ながらフィナーレです 笹ヶ峰山頂には一等三角点「笹ヶ峰」や先に触れた石積みの祠に出会います 西側には西黒森、瓶ヶ森、石鎚山、更には奥の手箱山、筒上山、 北側には沓掛山・黒森山と瀬戸内海 西側にはチチ山、チチ山の別れから続く冠山、平家平、その左手奥に赤石山系等・・・ 誠に申し分ない展望です 「チチ山」は新居浜市の最高峰で笹ヶ峰と同じ位の標高1,855mです 新居浜から見るといつまでも雪が残っている山です 漢字では「乳山」と書き、江戸時代に別子銅山で働いていた男衆たちがこの山を見上げるとオッパイの形をしているのでそう呼ばれたそうです 獅子舞の鼻から見るチチ山は確かに形よく尖がっていますがオッパイは想像も妄想も出来ません まあ、そんな二つの山を歩いて霧氷を堪能して参りました エントツ山
笹ヶ峰南尾根登山口から 笹ヶ峰~チチ山往復のログ図
マイナカードの登録ポイントでタイヤチェーン(ドイツ製)を買いました 装着簡単なんて宣伝されてもそれなりに面倒で雪道で着けたくないです
ダンプが雨の後走り回って轍(わだち)の山脈を作り、それが凍って普通車の底をガリガリ擦ります 一部乗り上げて車が空転しました (大規模林道 寒風・大座礼線)
笹ヶ峰・南尾根登山口 寒風山の東尾根も霧氷で白くなっています
08時45分出発 高知の方が後から来たのですが、先に出発されました 雪山登山の準備に時間がかかり過ぎました アイゼンを履いた後にレインズボンを履くのを忘れた事に気が付き、またアイゼンを脱いだりと・・・
最初はアイゼン不要でしたが、途中で装着するのが面倒なので履いて行きます
登山口から50分程で岩崖に着きました 地形図にはこの崖マークは載っていません 右手から小さな尾根がここに延びて段差を造っています 以前、右手の尾根に回り込んで這い上がりましたが急で時間のロスになります
岩崖の中断まで太いロープが3本あります 中断を右手に進む場所はロープに囲まれています そこから更に崖部を上る時はロープが有り過ぎてどれをお相手にしたら良いのやらリンダ困っちゃうな~
崖部を乗越すと自然林の直線登山道が続きます ここにも橋本ロープが数か所置かれています
獅子舞の鼻直下の大ブナの枝が折れて痛々しい姿だったが、ここでは胴体から倒壊したブナがある 大座礼山みたいにならないと良いのだが・・・
霧氷も雪も無いと少し殺風景だ 新緑の頃が待ち遠しい
リョウブ帯を抜ける場所にある大岩(節理が斜めに入っている)
樹林帯を抜けると左手に縦走尾根と寒風山が目に入る
右手から寒風山~桑瀬峠~伊予富士をアップ
ウラジロモミ霧氷の向こうに冠山と平家平
下部のモミには霧氷が付いていなかったが上のモミには霧氷が現われた 笹原の向こうに山頂部の霧氷帯が見えてテンションが上がる
中央に寒風山 奥の左から鷹ノ巣山~伊予富士~西黒森・瓶ヶ森 更にその奥に筒上山と岩黒山が頭を出す
やっとコメツツジ霧氷帯に突入~
雪が少ないが両手に霧氷
右手には霧氷の向こうにチチ山からチチ山の別れへと続く屋根尾根 縦走路には白い雪の線
ここまで上がると伊予富士から石鎚までの石鎚山系主稜線と 手箱山、筒上山、岩黒山も主稜線の奥に見えます
肩部を進むとやっとスカイラインに笹ヶ峰山頂の標識や岩が見えだしました
岩陰で朝食の行動食とコーヒーを飲んで山頂写真を撮ろうとしたら大勢の登山者が来られたので写真は帰りにゆっくり撮る事にしました
7~8名の女性グループと単独男性も数人来られたのでチチ山へ向かう
チチ山に向けて笹ヶ峰の東肩部へ向かいます
右手の雪原が綺麗だったので登山道を外して谷部へ下ります
この谷部への斜面にはコメツツジが無いので魅力的な雪原になっています
気持ちよく下って行きました
下部で登山道に合流します
シコクシラベの間にチチ山(肩部)がせり上がります
もみじ谷分岐標識 ここから左へ下れば丸山荘です
モミジ谷の笹ヶ峰側はシコクシラベ純林(マツ科モミ属) 本州に生えるシラビソの変種と言われています 四国では剣山系、石鎚山系、赤石山系の標高1700m以上に生えています
チチ山の肩部へ向かって兎の足跡🐾と一緒に上がって行きます
途中で樹林帯の急傾斜があり、凍った雪の上に樹氷が落ちて散らばりアイゼンでも滑って苦労しました 丁度伊予富士の基部にも似たような場所がありますね
笹ヶ峰のモミやコメツツジ樹氷とは又一味違った 樹氷です
頭上は霧氷のトンネルです
瀬戸内海を眺めながら息を整えます
クジラの背中の様な笹ヶ峰を振り返ります
沓掛山を中心に 左に櫛ヶ峰 右に黒森山
チチ山山頂は肩からそこそこ奥にあります 山頂は2つ目の大岩の裏です
私のホームグランド ツナクリ山への渡り尾根から西赤石~物住ノ頭~前赤石~東赤石~二ッ岳まで赤石山系と法王山系が並んでいます 左奥に上兜~串ヶ峰までもが見えました
チチ山北斜面奥に沓掛山と黒森山 沓掛山の南斜面は笹原で雪がいつも少ないです かたや黒森山の東斜面はいつまでも谷部に雪が残ります
四国のK2 沓掛山(K)と黒森山(K) 更に「シャクナゲの尾」が辻ヶ峰~山根・内宮神社へと続きます 海近くにある山は金子山です
チチ山から見ると笹ヶ峰はほぼ同じ高さです
13時10分チチ山の山頂祠に着きました 笹ヶ峰から約1時間10分かかりました
チチ山の祠岩に立って故郷の山(赤石山系)を眺めます
赤石山系をじっくり眺める 山の形って眺める方角や高さによって違って来ますので難しいですね
チチ山から東側 県境尾根方面を眺める 石鎚山から剣山までの県境尾根歩きが懐かしい
アイスキャンディの向こうに笹ヶ峰
帰りの霧氷トンネル急傾斜は快適に下れました
モミジ谷へ下ります 笹ヶ峰はボリュームがある山ですね
空に良い筋雲が現われたのですが、笹ヶ峰まで待ってくれませんでした モミジ谷付近
笹ヶ峰の東肩部まで上がればもう楽なもんです
雪の少ない沓掛山をバックにシコクシラベ等の霧氷が並びます
コメツツジは枝が密なので霧氷と雪が重なってゴツい形になります
やっと笹ヶ峰の山頂近くまで帰って参りました
14時30分 静かになった笹ヶ峰山頂でゆっくり写真を撮ります 奥に手箱~筒上~岩黒 手前主稜線に西黒森~瓶g森~石鎚が並んでいます
山頂標識のエビフライは中の下ランク
現役時代に何度も安全祈願に訪れた笹ヶ峰大権現の祠 外側に不動明王の石像 祠の中に石鉄蔵王権現 が祀られている
こんな場所に公園みたいに百円ショップで買った ゴミ捨て禁止の札をわざわざ持って来て置く人の気が知れない これ自体が明らかにゴミじゃと思わないのでしょうか? 東赤石では銅版標識の杭におなじ物が置かれていました 自然の山では余計なお節介になります
さあ、帰りますぞ 「老人は 下り得意と 皆が言い」
ウラジロモミをすぎれば霧氷ともお別れです 堪能させて頂きました
ブナたちよ 何とか頑張って登山者を楽しませて欲しい
雪の残る急坂はロープを頼らず下ります
ここまで下れば冠山も尖がってカッコよく見えます
笹ヶ峰から1時間40分程で下って来れました