日光白根山・五色山・錫ヶ岳(栃木,群馬)
2026.09.01 (火)日帰り
『セーラー服の少女』
世の中には有り得ないと思うことがたまにある。それが真実からかけ離れたことでも、ドラマや映画の中での話なら普通に受け入れ疑問さえ湧かないけれど、実体験なら瞬時に震えてしまい凍り付く。
1981年の12月、東映から「セーラー服と機関銃」という映画が公開された。当時16歳だった薬師丸ひろ子を主役に、ヤクザの跡目を継いだ女子高生が四人の子分達と対立する組織に戦いを挑む話で、作家の赤川次郎が書いた同名の小説を映画化したもの。映画終盤に、主人公が機関銃を撃ち続けたあと「カ・イ・カ・ン」と呟いたセリフは有名で、そんな女子高生なんかおらんわいと突っ込みたくなるが、有りえへん女子高生の話がひとつだけ過去にある。
今から40年近く前、まだ山歩きを始めたばかりで30代だった頃、仲間と二人で群馬県にある利根川水系の上流にある下久保ダム(神流湖/かんなこ)へ出掛けたことがある。深夜3時を回り寂しげで街灯さえない山道が続き、ヘッドライトの灯りを頼りに車を走らせ目当ての場所へと向かっていた。この日は月明かりも無い生憎の天気、峠を越え真っ暗な坂道を速度を落としながら慎重に下り続けていると、前方に黒い塊りが見えて来た。
何だろうと気にしながら車を進め、ヘッドライトに照らされ初めてその正体を見た。
セーラー服を着た女の子が、街灯も無い真っ暗闇な山道を明かりさえ持たずにひとり歩いていたのだ。
何故ここに。
それは、今来た山道には民家などまったく無く、何より足元も見えないほどの暗がりの中を歩けるはずも無く、深夜に女の子が歩いていたことに酷く驚いてしまう。
近付くと、長い髪の毛で隠れた顔、うつむき加減で歩く姿が目に入る。
すれ違ってすぐ、バックミラーを覗くが何も写らぬ鏡におかしいなと振り返ると、白い縁取りのセーラー服を着た少女は忽然と消えていた。助手席の友と顔を見合わせハッとして、瞬時に悪寒が走り逃げる様にその場を離れ車を走らせていた。
カ・イ・ダ・ン
群馬県の道をひた走り、ふと思い出す真夏の夜の出来事だが、半世紀近くも経った今でも覚えていた。そんな怪談は御免だが、まだ明けぬ前の道路を走り今日も目指した山へと向かって行く
錫ヶ岳(すずがたけ)である
この山は群馬百名山に選出され、栃木百名山の四天王としても知られる標高2388mの一座。山頂へ向かうコースには藪漕ぎが多く、道が不明瞭な部分もあるためルーファイが必要となり、急登や倒木も多く注意が必要と言われる難所。
計画は、菅沼登山口から白根隠山・白檜岳を経て錫ヶ岳を目指して戻るピストン山行、行程18km標準コースタイム10時間超の上級者向けだが、山友さんを伴い歩いて来るつもり。今回の登山、少し心配がある。他の方々の活動日記を見ても行動時間が標準コースタイムを遥かに超える所の様で、その真実を確かめにと登りに来たのだ。
朝5時を回り登山口のある菅沼有料駐車場から歩き出す。見上げる空は曇り空、今日の登山は如何なものかと静かに試練の山へ行く
錫ヶ岳である。
活動詳細は、今回も画像とキャプションをご覧下さい。
ふりかえり
登り始めから違和感があり、稜線に出て白根隠山に取り付く頃から胸の苦しさが増し思う様に歩けぬ体、いつもの登山じゃまだ序の口辺りで不調が来るなんて予想外。そんな体で先へと進むたびに異変は更に増し、やむ無く撤退を選択し無念の下山となってしまった。ずっと頑張り続けていても、こんな日もあります。