The低山!魅惑の飯盛山 謎だらけの岩ルート
玉野市
(岡山, 香川)
2023.01.22(日)
日帰り
【玉野市の名(迷)スポット・胸上】
この日は気温が低かったので、温暖な玉野市で舗装道路と神社の参道を歩くつもりでした。
今回、訪問したのは玉野市胸上(むねあげ)地区です。
玉野市にある自然の人気スポットは、みやま公園や王子が岳などの南西部、
金甲山(きんこうざん)や貝殻山などの岡山市との境界周辺の北東部に集中します。
日頃より天邪鬼(あまのじゃく)で冒険心が強い我々は
休日でも訪問する人が少ないと思われる飯盛山(めしもりやま)とその南一帯に広がる
胸上地区を訪問することにしました。
ログを見ていただければ察しがつくと思いますが、地形図上に道がないところも多く、
迷いに迷って参道入口をスルーし、“名(迷)スポット”に辿り着くことができました😓
【胸上八幡宮は意外と魅惑的なスポット】
出発点は胸上八幡宮です。
“胸上(むねあげ)”は変わった地名ですが、
当地を訪れた神功皇后(胸上八幡宮のご祭神)が、胸が晴れるようないい景色だと
褒め称えたのが由来だと言われています。
鳥居<写真01>をくぐり、155段ある長い急な石段を上りました。
1470年頃に宇佐八幡宮から勧請された由緒ある神社です。
古く立派な社殿を期待していたら、拝殿<写真05>はなんと鉄筋コンクリート製でした😱
戦前に作り替えられたそうですが、コンクリート製の拝殿は初めて見ました。
この神社の魅力は本殿の多彩で見事な彫刻<写真08,09>と、
境内から望む瀬戸内海の風景<写真10,12,13>の美しさです。
いきなり、出だしから胸上の魅惑的なスポットを楽しむことができました。
【人が来ない冬の海岸(波張崎)で野鳥がリラックス】
胸上八幡宮を出た後は、飯盛山(めしもりやま)に向かう予定でした。
頂上に由加神社<写真49~52>があるので、参道をピストンして楽勝のはずが、
我々“(道が)ないない探検隊”にありがちなパターンで、
「道が、ない、ない、ないないない・・・」
墓地で行き止まりになり引き返すこと2回、飯盛山への道を完全に見失ってしまいました。
迷ったおかげで、その途中で化粧地蔵<写真15,16,18>なるこの地区ならではの
変わった地蔵を見ることもできました。
海岸に出てしまったので、ひとまず、飯盛山へのアプローチを後回しにし、
南に突き出た半島・波張崎(はばりざき)に向かいました。
ここには縄文時代早期の押型文土器が出土した遺跡がありますが、
工場の私有地であるため立ち入り禁止となっていました。
しかし、前回の赤磐(あかいわ)市の二井(ふたい)大池で経験したとおり、
人が来ないからこそ、リラックスする野鳥たちが見られると考え、
波張崎の西側に面して広がる海岸を凝視しました。
すると、集団睡眠モードのヒドリガモ群団や
採食行動真っ最中のヒドリガモ、カルガモなどが視界に入りました。
ふだん人が来ないせいか、予想通りあまり警戒心を持たれませんでした。
特にヒドリガモの一部は我々がかなり近づいても、
逃げるというより移動するだけでしたので、どアップの撮影<写真24>ができました。
波張崎の東側には胸上浜<写真27>が広がっていました。
ここではイソシギ<写真29,30>やハクセキレイ<写真31,32>が
餌を探しながら砂浜を歩く可愛いシーンが見られました。
また、海岸特有の奇岩<写真33,35>や多種多様な貝殻が
たくさん砂浜に打ち上げられているシーンも見られました。
もちろん、海岸目線で見る豊島(てしま)や小豆島などの
風景も十分に楽しむことができました。
【低山なのに魅惑的な飯盛山の東尾根ルート】
海岸を歩いた後に、いよいよ本命の飯盛山(めしもりやま)に向かいました。
標高わずか100mの超低山で、胸上浜の西に位置します。
由加神社<写真49~52>の参道からアプローチしようとすると、
再び西にまわり、かなり遠回りとなるので、とりあえず予定変更で県道74号線に出ました。
新池の畔に上がる踏み跡があったので、急で滑りやすい斜面を運動靴で登り、
池をのぞくと、何もいませんでした。
しかし、畔はきれいで普通に歩け、南側も細い踏み跡が畔に沿って続いているようでした。
一か八かでその道を進もうかと提案すると、あの急斜面を下りたくなかった連れは即賛成。
もっとも、斜面には低い枯れ草しかなく、端のほうなら木の枝を掴んで下りられるのですが。
さて、ここからは恒例の“(道が)ないない探検隊”と化しました😅
茂みに突っ込むと、たまに木の枝をよけるくらいで、池の畔沿いに歩けました。
これはもしや、めったにない“(道が)あるある探検隊”のパターン?
池の西畔まで進もうかとも思ったのですが、標高70m小ピークに寄りたくなったので、
南斜面に取り付きました。
意外にも、ここも木の間は歩きやすく、標高45m辺りでヤブになりかけただけですみました。
木の枝をよけることもほとんどなく、順調に進んでいると、不意に巨岩<写真40>登場。
かなりの横幅だったのですが、近寄って別の角度から見るとペッタンコ😮
この右を巻いたらかなり崩れやすい斜面で、連れが落ちそうになり大騒ぎしました。
ここは滑るとなかなか止まれそうにないので、運動靴で来る所ではありませんでした😅
幸い、すぐに痩せ尾根に乗れ、再び南下しました。
標高70m小ピーク手前で突然現れた謎の岩<写真41>には、なんと、矢穴がありました。
いつの時代かわかりませんが、明らかに人の手で割られたと思えます。
また、この周辺だけが岩だらけなのも気になりました。
この時点で、山城跡を疑いました。
標高70m小ピークは展望は効かないものの平坦で、曲輪(くるわ)でもおかしくありません。
ここから下りる途中、高さの割に妙に急な斜面と幅の狭い平坦地のセットが連続2回。
これはやはり山城か・・・。
木の間をどんどん進み、高さ2m足らずの石積みを乗り越え、地形図の実線の道に下りました。
地形図では南北に道がありますが、どちらも歩けるのか微妙な感じに見えました。
とりあえず北上すると普通に歩けましたが、なぜか両サイドに乱雑な石積みが続いていました。
バリケードなのか、不要な石を積み上げたのか、これも謎です。
山城築城に使用したのか、大坂城や江戸城の石垣にと切り出した破片か、はたまた墓石利用か。
北側にゴルフ場があるので、進入禁止で置いたか、
造成の際に出た石をここによけた可能性もあります。
石の中には、小さくきれいな断面の石もあり、新旧交ざっていそうな気もしました。
謎の石積みロードは、途中で微妙に逸れた箇所でトゲに引っかかっただけですみ、
さて、どこから西に登ろうかと石積みを恨めしく見ながら歩いていると、
前方が不明瞭になった箇所で西斜面に谷のような踏み跡のような部分が見えました。
どこから取り付くの、ここでしょ!と木を掴みながら
意外にも歩きやすい尾根に上がると、またしても天然か人工か不明な石積み<写真44>。
小ピークのように思えましたが、後で地形図を確認すると、単なる尾根の途中😅
これを乗り越えましたが、連れは左を巻き、細道っぽかったと言っていました。
尾根の木の間はやはり細道のようにも見え、標高90m手前では立派な切り通し<写真45>も。
これは、山城の道か、飯盛山(めしもりやま)の由加神社<写真49~52>の参道か。
直進するときれいな道が神社まで続いていたのかもしれませんが、
右(北)を巻いて切り通しの上に上がりました。
たまに小さな石積みとまばらなササの間を抜け、南西に下っていると、
気づいたら突然、目の前の景観が一変しました。
なんと、登っている最中には一度も見ることができなかった
瀬戸内海や近くの島が広がっていたのです。
喜々としてさらに近づくと、海の手前に恐怖の滑り台<写真46>と断崖絶壁😱
ふと足元を見ると、同じような断崖絶壁😱
注意深く少しだけ東へ移動、絶壁越しの素晴らしい景観<写真47>を望むことができる
最高のロケーションで動画も撮りました。
帰宅後にGoogleマップの航空写真を確認すると、この周辺だけ陥没したようになっており、
四方はこのような断崖絶壁でした。
採石中に崩落したのでしょうか。これも謎です。
断崖絶壁の「Danger Zone」を確実に過ぎた辺りからトラバース開始、
北西に進むとすぐに歩きやすくなり、次第に道らしくなってきました。
最後は飯盛山頂上にある由加神社の狛犬と祠の間に出ました。
下山は、ちゃんと土道の参道を下りました。
たまにある階段は大量の落ち葉でほぼ見えませんが、ここは運動靴でも大丈夫です。
途中からコンクリートの細道になり、舗装道路に合流して振り返ると、
なんと、唯一スルーした幅1mもない細道でした😅
胸上八幡宮<写真01~13>から西も訪問する予定でしたが、
もう心は満ち足り、お腹は空っぽなので、そのままゴールしました。
もしも、当初の予定通り由加神社の参道を進んでいたら、
絶対にあの断崖絶壁に辿り着くことはありませんでした。
いったんは引き返したのに、恐怖の滑り台<写真46,47>の上辺りに再び戻っているので、
瑜伽(ゆが)大権現様のお導きかもしれません😊
山の王道(?)を歩んでいる方にはお薦めできないルートですが、
下りに利用した参道を頂上まで進み、さらに少し東に進むと
比較的楽に辿り着くことができます。
いや、断崖絶壁をスルーして切り通し<写真45>まで行ってしまうかも。
とにかく、謎の岩や地形が多すぎて、標高100mの超低山なのに
予想以上に魅惑的な飯盛山(めしもりやま)でした。
実は、寒いのであまり高い場所には行きたくなかった連れが、
楽してさっさと帰ろうと選んだのですが、
すっかり気に入ったらしく、新たなミステリースポットを求めて
別ルートで再訪したいと張り切っています。