やり直し 〜鉢ヶ森〜
山歩きの時間がなかなか取れんき、近場をロイロイするぞね 高知県香美市(旧香北町)と大豊町の境界付近に位置する、地味に思い入れのあるお山 四国百名山選定「鉢ヶ森(はちがもり、標高1,270.5m)を歩いてみよう 知名度は今一つで登山者も少ないが、地元で愛される里山だ 父方の祖母の実家がほど近い旧香北町の永野 先週歩いた土佐矢筈山と同じく、山歩きを始めた頃に分県ガイドとニラメッコしながら歩いた、思い出深い山でもある 当時は比較的歩きやすい、東側の有澤無線中継所跡近くの「ゴトゴト登山口」から歩いた 今日はもう少し手応えのある、西側の「河野登山口」からスタート 「岩屋大師堂」経由でガレ場を上がり、稜線歩きで山頂を目指そう 壇ノ浦から土佐へ落ちのびた安徳天皇は、御在所山から「川ノ内」へ遷る際、妖怪に悩まされた 山上で兜の鉢を埋めて山祗の神と草野姫を祈念したところ、妖怪が現れなくなったという 鉢ヶ森の大山祗神社には、この2神と安徳天皇が合祀されている また、帝が「松尾」でもうけた子が麓へ移り住んだため、その地が「日ノ御子」と呼ばれるようになった (香美市・広報かみ平成24年11月号から要約) 鉢ヶ森の中腹にある岩屋には、弘法大師を祀る大師堂が残る 平安初期、物部川流域で疫病や飢餓が猛威を振るったという 巡錫で訪れた大師がこの岩屋に籠もり、悪疫退散と豊作の加持祈祷を行った 霊験により村が救われたため、人々は大師の徳を称えてお堂を建立した 河野からのコースでは、岩屋大師堂までの参道は整備が行き届いている 大師堂から先は、錯綜する涸れ沢や土砂の流出、薮などの道迷いポイントも 地図を確認しながら慎重に登るのが良いだろう YAMAPのような登山アプリがあれば非常に助かるが、GPSがなかった頃の「初心」を思い出したい 前回の土佐矢筈山からそんな思いもあり、ここにリターンしてきたのだ 映画「リターナー」は、米アカデミー賞視覚効果賞「ゴジラ-1.0」や、日本アカデミー賞を「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで知られる日本のVFXムービーの第一人者、山崎貴監督による2002年公開のSFアクション映画だ 2024年にデジタルリマスター版が公開されていて、今も色褪せない佳作である 2002年、闇取引の汚金を奪い依頼者へ戻す「リターナー」のミヤモト(金城武)のもとに、2084年から時を超えて少女ミリ(鈴木杏)が現れる 未来の地球は宇宙人「ダグラ」の侵略で窮地にあり、彼女は歴史を変えるため最初の「ダグラ」抹殺の使命を帯びて送られてきたのだ やがて現れた「ダグラ」を巡り、ミヤモトとミリは、裏社会を牛耳ろうとする溝口(岸谷五朗)との激戦に巻き込まれていく 金城武は、日本人の父と台湾人の母のもと台湾で生まれ、5言語を操るマルチリンガル 映画「恋する惑星」で一躍注目を集め、1998年の主演ドラマ「神様、もう少しだけ」で日本でも大ブレイク 映画「レッドクリフ」「LOVERS」など、アジア全域を舞台に幅広く活躍する なんといってもこの人、私生活は一切明かさないが、大スターに似合わず地味でとってもいい人らしい 今回は初見のルートだったが、「やり直し」のつもりでYAMAP見ずに「分県ガイド」の紙地図で歩いてみた いや、久し振りの感覚だったが、大いに迷った 全くスピードが上がらず、不安で仕方ない スマホはカメラとしてのみ使ったが、めちゃくちゃYAMAPを見たくなる 怖かったのは特に下り 油断すると涸れ沢に迷い込みそうになるので、基本渡って直進なのだが、実は沢地形が正解だったりする ピンテは所々にあるが、間違ったルートに散見されるのも不安感を煽る 登りで通ったはずだが、覚えていない⋯大師堂まで帰ってきたときの安心感たるや それにしてもこの鉢ケ森 鹿は10頭ほど見たが一人の登山者にも会わず 多くの登山者を集めるお山ではないものの、近づいてみると⋯ 北は梶ヶ森を正面に構え、南は香長平野や土佐湾を見渡せる眺望 ガレ場や薮、稜線歩きに、日帰りにちょうどの程よいルート 安徳天皇や弘法大師に纏わる伝説や遺構も多く残っている⋯ おまけに道は狭いが、高知市内から登山口まで1時間ほど 金城武のように、日常は地味ながら実は中身が濃く山歩きの魅力を秘めている 改めて興味深いお山であると、感じた一日であった 「やり直し」もたまにはよいものだ







