[⛰️百名山⁉️山道ロスト😅]矢筈山・西大巓・西吾妻山
吾妻山・一切経山
(福島, 山形)
2026年05月11日(月)
日帰り
こんにちは~✋
日本百名山シリーズその75❗️
一言で言う感想は、
「ここ、本当に百名山だよね?」
と言いたくなるほど深い・・・。物理的にも深い山でした。
倒木も多く、藪漕ぎあり、踏み抜きあり、迷いまくり。
そんな山です。
・西吾妻山とは?
西吾妻山は、福島県と山形県にまたがる日本百名山のひとつです。
標高は2,035mで、吾妻連峰の最高峰として知られています。
山頂周辺は大きな森と湿原が広がり、落ち着いた雰囲気の山です。
火山の山ですが、蔵王山のような大きな火口はありません。
登山道には池塘(ちとう)や木道が多く、高山らしい景色を楽しめます。
グリーンシーズンは新緑や湿原植物、秋は紅葉が特に人気です。
冬は樹氷やスノーモンスターが有名で、バックカントリーエリアとしても知られています。
ロープウェイを使えば比較的短時間で山頂付近までアクセス可能です。
一方で、ガスが出ると非常に迷いやすい山としても有名です。
派手な絶景というより、「静かな東北の高山」を楽しめる山です。
スタートは、西吾妻スカイバレー沿いにある白布峠園地駐車場から。
ギリギリ福島県側ですが、歩き始めるとすぐ山形県へ入ります。ちょうど県境付近の登山口です。
西吾妻スカイバレーは、福島側・山形側どちらからでもアクセス可能で、高低差のあるワインディングロードを走りながら雄大な山々を望むことが出来ます。
ただ、この時期はゲート開放時間が7時~17時のみとなっており、時間外は通行出来ません。
白布峠園地駐車場は標高約1,400m。綺麗なお手洗いも設置されています。
この時期は、ハナアブのような小さな虫が大量発生しています。害はありませんが、なかなか厄介です。
駐車可能台数は30台ほど。
なお、トイレは駐車場奥側ですが、登山口は手前側になります。
ピークハント山:矢筈山・西大巓・西吾妻山
山レポ
・登山口~矢筈山~西大巓
アスファルトの駐車場を抜け、道路を渡ったところから山道は始まります。西吾妻スカイバレーが7時以降しか開かないため、スタートも実質7時半ごろになります。
この時間になると、もう日はしっかり上がっており、駐車場にも山道にも陽がカンカンに照り付けています。駐車場は福島県ですが、登山口は山形県。そんな不思議な県境感の中でスタートです。
アスファルトから林道へ進むと、登山口にはピンクテープがあります。多少分かりづらいかもしれませんが、探してみてください。右手には笹薮が山道へ飛び出してきています。左側は道路が眼下へ低くなっていき、駐車場も段々と小さくなっていきます。
山道は細いので、谷側に落ちないよう注意が必要です。落ちたらケガでは済みません。天気が良くても、まだ藪の中には残雪が残っている場所もあります。
何度かつづら折りを繰り返すと、倒木で避けられない雪渓があります。なるべく靴を汚したくないものです。振り返ると太陽が高く上がり、背中をジリジリと照らしています。
やがて、ぬかるみの強い山道へと表情を変えていきます。どうやら水はけが悪く、ぬかるみやすい地帯のようで、歩くたびに足元からペチャペチャと音が立ちます。
ブナ林やダケカンバなどの森の中を進んでいきます。
やがて、本当の登山口のような場所が現れます。「森林の垂直分布」の看板や距離看板が出てきます。西大巓まで4.5km、駐車場から300mの位置です。
ここからは、また一段と山道の雰囲気が変わります。ガリー状の山道の両側には笹薮が広がっています。足元には落ち葉がたくさん積もっており、滑る場合もあるかもしれません。
やがてすぐに、また倒木が現れます。細い枝なのでかわすのは容易です。丸太や木板で整備されている場所もありますが、結構年季が入っています。苔が生えているため、踏み位置は考えた方が良さそうです。
大きな木の周りにはツタが絡まっており、春を感じられます。細い枝が山道を遮るように伸びていますが、その枝にピンクテープが付いており、なかなか複雑な気持ちになります。
やがて、ガリー状の山道の中に残雪がある場所も出てきます。うまく避けながら進みます。
至る所に「白布峠から西大巓」までの番号付き看板が設置されており、①から追っていくことで、なんとなく現在地が分かります。⑤を過ぎたところで、白布峠から1km地点の看板が現れます。西大巓まで2km強の地点です。
ふと左の山並みを見ると、雄大な山々が並んでいます。左から西吾妻山、西大巓と、今日の目的地が佇んでいます。
少しずつ山道が荒れ始め、藪漕ぎが増えてきます。細い枝の倒木も増え、山道はさらに荒れていきます。そこにたまに雪渓も加わってくるので、少し厄介です。
ただ、そんな中でも足元にはショウジョウバカマなどの花が広がります。
実はこのあたりで矢筈山に到着していますが、樹林帯の道中の一部なので、ピークを相当気にしている人しか気づかないと思います。実際、僕も行きは気づかず、帰りに気づきました。山頂には大きな白樺の木が、生命感豊かに佇んでいます。
その後、大きな倒木も増えてきます。手作業ではどうにもならないサイズなので、上から乗り越えます。倒れた白樺はまだ若く、頑丈です。
水音が気になり始め、気づけばふと沢の上を渡っています。
面白いのが、この後もいくつか小さな沢を抜けていくことです。おそらく、吾妻連峰に大量に残った雪解け水が、こうして森の中へ流れ込んでいるのでしょう。空気自体は意外とカラッとしているのですが、水だけは豊富です。
中には、沢沿いを避けるように、橋ではなく、沢に向けてV字にハシゴを2つ掛けている場所もあります。最悪の場合を想定して浄水器を持っていれば、飲み水として使うことも出来るでしょう。
沢に当たるたびに谷筋へ下り、ハシゴで登る。そんなことを繰り返していきます。
木板で渡れる谷筋もあり、やがて大きな倒木と対峙します。高さは顔ほどあり、枝が本体を支えているような形です。何度も人が通ったからか、屈めば下から通れるようにはなっていますが、結構体力を削られます。
その後も、折れたばかりのダケカンバを横目に進んでいくと、西大巓まで残り1.8kmの看板が現れます。
ここを越えたあたりから、雪渓を見る頻度が増えてきます。標高を上げてきた証拠でしょう。
とにかく倒木は多い。あまり整備されていないのか、まだ整備が入っていないだけなのかは分かりません。
ついには、雪渓上を歩かなければならない区間が増えてきます。雪は比較的踏み固められており、歩きづらくはありません。ただ、ここからほぼ避けられない雪渓が続きます。
山道は分かりづらくなり、テープも少ないため、トレースなどを追っていくしかありません。あいにく先行者が1名。そして、その方がとてもルートファインディングの上手い方だったので助かりました。その方について行かせていただきました。
前日のトレースもすぐに消えてしまい、なかなか探し出すのは難しいです。
ふと、大きな段差では、おそらく前の方が崩してしまったであろう雪渓を進みます。木のツタをうまく使って登りましたが、なかなか難儀しました。
その先にも、踏み抜いてしまった跡が何度も散見されます。
やがて、日当たりの良い岩場に出ると、一旦雪渓は無くなります。大きな岩の上を登っていきます。数十メートルも登ると、再び雪渓が戻ってきます。
雪渓の際はかなり踏み抜きやすいので、雪渓に入る時はなるべく一歩目を大きく取り、内側に足を入れます。それでも踏み抜いてしまうのがこの時期です。太ももくらいまでズボッと一瞬でハマります。
ここがポイント㉚くらいです。
もうここからは、常に踏み固められた雪の上を登っていきます。道標はとても少なく、景色は360度同じように見えるので、ルートを探すのに本当に難儀します。
前の人のトレースが合っているのか。
自分の選んだ道が正しいのではないか。
色々と考えながら進んでいきます。
樹林の間隔は段々広くなっていき、サングラス無しでは歩けません。雪目にならないよう、しっかり対策を取りましょう。
「道標を探すゲーム」と言ってもいいくらい道は不明瞭で、その道標自体もかなり少ないです。
ふと振り返ると、雄大な空と景色が広がります。大きな湖も見えているようでした。そして、右手も段々景色が良くなり、とある山の姿が見えてきます。
磐梯山です。
磐梯山がチラチラと、こちらのやる気を上げてくれるように顔を出してくれていました。森林限界が近いことも分かります。
やがて1つ目のピーク、西大巓に到着です。
1,982mの山頂には三角点があり、360度の大パノラマが広がります。西大巓の山頂からは、吾妻連峰特有のなだらかな山並みと、広大な樹林帯を一望できます。
遠くには飯豊連峰や朝日連峰など、東北の雄大な山々まで見渡せます。特に無雪期は、西吾妻山方面へ続く湿原と笹原の景色が開放的で、とても美しいのだと思います。
また、西吾妻山手前にある、オレンジ色っぽい屋根の避難小屋がとても印象的です。
・西大巓~西吾妻山
ここからは、おそらく2パターンのルートがあると思います。
1つは、ヤマップのルート通りに西大巓の先から崖のような急斜面を数mほど下り、トラバース気味に西吾妻山へ向かうルート。
僕は行きにこちらを選びましたが、正直失敗したなと思いました。
まず、直角に近い数mの下りがそもそも雪渓で、とても危ないです。雪にかかとが何とか刺さるので、チェーンスパイクと合わせればそこまでリスクは高くないかもしれませんが、正直僕はかなり怖く感じました。
また、一旦下ってからトラバースで進むルートも雪渓になっており、こちらもまた危ないです。谷筋には多少のデブリが残っており、ここで実際に雪崩が起きていることを実感します。無理にトラバースを進むのは、少し怖さを感じました。
なので途中から、段々とトラバースルートから尾根に向かい、尾根沿いを進むことにしました。
尾根沿いは、雪解けしている部分では湿原と笹原の景色が広がり、圧倒的に歩きやすいです。ただ、無トレースなので正直楽ではありません。足首くらいまでハマることもあります。
そして、シラビソやコメツガが群生しており、ルートファインディングの難易度も高いです。雪の量によって滑って進めなかったり、踏み抜いたりと、かなり考えさせられます。
ただ、高山特有の針葉樹帯を抜ける雰囲気は、このルートでしか味わえないものがあります。
30分ほど歩くと、元のトラバースルートと合流します。
どうやら無雪期は丸太などで整備されているようですね。一部、整備された登山道が見えており、雪解け水で山道が沢のようになっていました。
近づくと踏み抜いてしまうので、なるべく近づかないようにします。
とはいえ、雪の薄い山道外を歩くと植生にダメージを与えてしまうため、そちらのルートファインディングも重要になります。なるべく大きな岩を足場にして、点々と進んでいきます。
やがて、立派な木道に入ります。
ただ、年季は入っているようで、所々安定しない場所もあります。しかし、濡れるよりはいいですね。しっかり使わせてもらいます。
キープレフトが出来るように、2本の木板が整備されています。湿地帯の雰囲気がとても良いです。
木道沿いに歩いていくと、左手に小屋が見えてきます。西吾妻小屋です。
1階にも2階にも扉があり、冬場でも使えるようになっています。中も広く、使い勝手は良さそうです。ただ、中のトイレを使うと小屋内が地獄のような状態になるのでは……と少し疑問に思いました。
小屋の裏には、まだ1m以上の残雪が残っています。
ただ、このような場所の周辺には山菜がたくさん生えるものです。足元にはふきのとうがたくさん生えており、自給自足も不可能ではなさそうです。まだ花の出ていない新芽もたくさん生えていました。
小屋前の分岐を右手へ進み、山頂方面へ向かいます。
このあたりから踏み抜きが増えてきます。
実は西吾妻山は眺望の無い、針葉樹に囲まれた山頂になっており、再び森の中へ入ります。すると方向感覚を失いやすくなり、薄い雪にズボッとハマってしまいます。
気づけばピークハントしているような感覚です。
特にこの時期は、山頂看板を探すのも一苦労です。多くの人が来られているからか、山頂看板付近は綺麗に除雪されていましたが、手持ちの看板などはおそらく雪の下だったかと思います。
そのまま山頂をスルーし、奥へ進みます。
しばらく進んでいきますが、ここも細い山道に雪解け水が重なり、まともに足を置くと水の中に浸かってしまいます。なるべく岩から岩へ移るように、気を付けながら進みます。
一旦開けると、シラビソの群生が眼下に広がります。
眼下には木道、その奥には何やら祠のようなものが見えてきます。
雪でルートが分からないため、色々と道を読みながら下っていきます。それでも時折、ズボッと。腰までハマる時もあります。
ズボンの腰の位置から雪が入り込み、「つめた~~!」となる瞬間ですね。ポケットのチャックも閉めておかないと、この時に後悔することになります。
湿地帯を見ながら、なるべく山道に沿う形で進みます。
やがて、岩場を登り切ると、開けた広い平らな岩場が現れます。
そこには天狗岩と呼ばれる大岩と、吾妻神社が設置されています。
そして、吾妻神社裏からの景色が本命です。
背後には西吾妻山、正面には飯豊連峰や朝日連峰が広がり、鳥海山や、右手には蔵王山も見えています。
ぜひ、山頂を踏んだ後には吾妻神社まで来ることをおすすめします。
という訳で山レポでした!
今回、西吾妻山の険しさを知った旅でした。
倒木は多く、道標は少なく、道中は厳しい。
何より苦戦したのは下りでした。下から見ると山道が見えるのに、上から見ると山道が見えない。そんな状況にかなり苦戦を強いられました。
残雪期ということもあり、帰りの樹林帯は特に360度すべて同じような景色なのです。道標を探しても少ないため見つからない。ヤマップで地図を見ても、実際にはルート上にいるのに「ここ進めなくない?」と感じる場面も多く、何度も回り込むことになりました。
チェーンスパイクを付けていたので、出来るだけ雪上を歩きたいという気持ちもあり、後半はもう大まかにしか確認せず、直登気味の雪上を滑り下りていました。
おかげで何度も何度も、つぼ足、つぼ腰……。
冷たい冷たい……。
雪が無くなっても、樹林帯には倒木が多く、やや厄介です。
そんな思いをした、険しい山、西吾妻山です。
ただ、「次回は無雪期に来たい」。
そう思わせてくれたのも、この山の特徴です。
インスタグラムで毎日山の動画を上げているので、良ければ是非ご覧ください😄
https://www.instagram.com/mizu.outdoorman/?hl=ja