白き霊峰・白山(御前峰)❄
七倉山・奥長倉
(石川, 福井, 岐阜, 富山)
2026年02月28日(土)〜03月01日(日)
2日間
その名の通り白い白山に登ってみたいと思っていたが、それは決して簡単ではない。
ゲートが閉ざされ、吊り橋の板が外された後は、どこから登ってもその道のりは長く、立ち入る人も少ない。
上がっているレポは、いずれも一日が40時間はあると思われるへん〇いの国の住人たちのもので、日帰りと言いつつその行動時間は24時間を超えている。
残念ながら一日は24時間で山での行動可能時間は頑張ってもその2/3程度の虚弱な一般ハイカーである私に、そのまねは出来ない。
冬季白山登頂を実現するには、どうしたらいいか?と考え、
1.時期は雪が締まってきた2月中旬以降。
2.日帰りは無理なので、一泊。
3.ルートは百四丈滝下降点までのトレースが期待出来、そこまでは冬季に登ったことがある加賀禅定道。
ピストンにして荷物は途中でデポ。
4.長い行程だけに、お天気必須。
と考えてはいた。
が、ぼんやり生きていたら、いつの間にか二月も終わり。
白山なら三月中は大丈夫だと思っていたが、なんだか今年は雪が少なく気温も高くなってきて、思ったより賞味期限は短いかもしれない。
2/28-3/1天気がいけそうなら決行しようと思い、たてた当初の計画は、
初日:早朝から導水管ルートから登り、稜線上でテント泊
二日目:荷物をデポして御前峰にアタック、ピストンで下山 だった。
しかし、日曜は晴れ予報だが土曜の天気は悪く、雪に霧。
気温が高く、山頂は雪でも前半は雨で雪も緩いだろう。
おまけに土曜~日曜朝まではかなりの強風で、稜線上のテント泊は無理。
見送るか悩んだが、もうチャンスも残り少なく、
初日;9時出発、一里野温泉スキー場からゴンドラで標高を稼ぎ、体力を温存して奥長倉避難小屋まで(避難小屋泊)
二日目;荷物をデポして深夜1時頃出発で御前峰にアタック、ピストンで下山。
に行程を変更し、予想より天気や雪の状態が悪かったら随時大汝、七倉、滝と目標を変えることにして決行することに。
幸い、もの好きな二人の同行者にも恵まれた。
いつも以上に前置きが長いように、結構行くまでに迷った山行だった。
長距離運転のため、深夜に一里野温泉スキー場に到着して車中泊していた(夜間もトイレ使用可、駐車場無料)が、朝眼が覚めると、しっかり雨。
しかし9時前には小雨になってくれたので、予定通り出発。
ゴンドラ(900円)に乗り、標高約1000mの山頂駅に到着したが、残念ながらそこでもまだ雪になってはくれず、小雨の中スタート。
気温が高く踏み抜き多発し、序盤でスノーシューに換装して登っていく。
眺望はもちろんないが、予報ほど風はなく、淡々と標高を上げた。
雪庇地帯に突入すると急なアップダウンが続くためアイゼンに変更したが、雪面はぼこぼこで思った以上に雪の状態が悪い。
沢山あるクラックや穴に気を付けて進むが、踏み抜きがひどくて重い荷物(冬は避難小屋泊でもテント装備は必須)を背負った身にはしんどい。
口長倉を過ぎて少し斜度が緩くなったところで、再びスノーシューに戻し、なんとか14時過ぎに避難小屋に到着した。
避難小屋は一階と二階があって広く(美しくないが一階にトイレあり)、この日はわたしたち三人と途中何度か前後した男性二人組の計5人。
こんな雨雪で強風予報の日には、本当に避難小屋はありがたい。
濡れた衣服を着替えたら、雪から水を作りつつ、早速持ってきたアルコールで乾杯。
おつまみを分け合い、追加のお酒をいただき、色々話して楽しい時間だった。
条件が悪いときほど、一人じゃないことが嬉しい。
翌日は深夜出発のため、18時頃には就寝。
夜間は予報通り風が強まり、小屋ががたがたいう音が聞こえたが、準備をして1時過ぎに外に出ると晴れていた。
風も苦痛というほどではなく、月あかりである程度の視界もある。
昨日ぐずぐずだった雪も締まってくれていたので、アイゼンで出発。
ほどなく差し掛かった美女坂は相変わらずの急登で、ここも穴やクラックが沢山。
暗い中落ちないよう細心の注意をして、何度も樹林に巻いて登って行った。
稜線上にたどり着くと風は強まったが、歩くのに支障はなし。
クラックや穴も目立たなくなり、歩きやすくなった。
雪も固めで、アイゼンで問題ない。
月明りとGPSを頼りに歩を進め、滝の下降点を過ぎ、いよいよ未踏の領域へ。
いくつかある小ピーク、そして夏は藪の四塚山と七倉山の山頂は全て登り、その稜線を繋いでいく。
出発から約5時間が過ぎ、大汝が間近になったころ、周囲が明るくなってきた。
大汝峰に到着すると、目の前には雪をまとった剣ヶ峰と御前峰。
北アルプスもはっきり。
まもなく日が昇り、周囲を赤く染めていく。
長いブラック登山の後だけに、最高の日の出が本当に嬉しかった。
大汝峰からの下りは、夏道の岩場は中途半端な雪で隙間にはまりかねず危なかったので、横の雪面から降下。
御前峰も、大汝側の斜面やお池側の夏道は急なので、右に回り込んで登ることにする。
登るにつれ景色は素晴らしくなっていったが、風は強まった。
やがて吹っ飛ばされそうな爆風になり、風が吹いてくる方向へ肩からタックルするように全力で押し返しながらじりじりと標高を上げていく。
幸い山頂直前で少し風は弱まり、無事冬季白山・御前峰に登頂出来た。
やった、嬉しい!!
白山には何度も登ったが、そこからの景色も今は静寂の白に覆われている。
雪を纏った別山は、荘厳な美しさ。
室堂の建物たちも、大半は雪の中。
雲海に浮かぶ、懐かしの福井の山々。
先ほどまでいた大汝峰に剣ヶ峰。
お池群の目覚めには早く、まだまっしろな雪原。
ここは白き霊峰・白山。
この山域で飛びぬけて高く、そこからの眺望は高度感がある素晴らしい絶景。
ずらりと並ぶ北アルプスの山々も、その美しさに花を添える。
花の時期も紅葉の時期もいいが、やはり白山は白の季節にこそ最も輝く。
雨の中のずぼり地獄も、長いブラック登山も、十分に報われた。
山頂で最高の時間を過ごした後は、長い長い下山。
前半は行きには暗かった七倉山や四塚山からの景色が新鮮で白い稜線歩きが楽しかったが、百四丈滝を上から眺めた後は辛い時間だった。
急でぼこぼこな美女坂を下り、避難小屋でデポした荷物を回収した後はその重さが堪え、繰り返すアップダウンにHPは激減した。
足の裏もだんだん痛くなり、三人ともよれよれでゴンドラの営業時間終了が迫っても急ぐことも出来ない。
なんとか山頂駅にたどり着いた時には、営業時間を10分過ぎていた。
が、神は我々を見捨てなかった!
職員さんが駅の裏の高台まで様子を見に来てくれていて、最終のゴンドラに乗車することが出来た。
ありがとうございます~!
大汝でのぴったりな日の出やぎり登頂可能な天気や風、ゴンドラ滑り込みと、なんだかんだ運に恵まれた二日間だったと思う。
白い霊峰・白山へ登ってきました。
スタートは雨、踏み抜きも多く修行状態だった一日目、二日目も長いブラック登山と強風にメンタルと体力を削られ、長い長い下山と足の裏の痛みはかなり辛かったです。
それでもなんとか快晴の空の下、冬の御前峰の山頂に立つことが出来ました。
大汝での感動的な日の出、美しい雪の別山、ずらりと並ぶ北アルプス、極上の白い稜線歩き、記憶に残る素晴らしい山行でした。
同行してくれた二人に、感謝です。
久しぶりにかなりの長文になってしまった。
山行自体が濃厚だった+PCでうつと長くなるらしい。
適当に読み飛ばしてください。