07:31
12.6 km
1082 m
命の炎を燃やせ-25 霧氷天国の上谷山
上谷山 (滋賀, 福井)
2026年03月16日(月) 日帰り
6:39広野浄水場 9:27手倉山9:38 10:11 P1069 10:52 P1168 11:17上谷山11:23 11:42 P1168 12:04 P1069 12:27手倉山 14:08広野浄水場 職場の山岳部の百四丈滝への山行を、突然襲われた尿路結石で断念して、憂さ晴らしを兼ねて、ここ2日は日帰り山行を繰り返したが、今日はちゃんとした雪山へ。福井と滋賀の県境付近にある上谷山。無雪期は藪山らしいし、もともと雪深いところなので、熊さんの活動が活発になる前の今がベストシーズンの最終盤だろうか。 昨日に行く予定したものの早朝からの雨で順延したが今日は朝から良いお天気の予報。浄水場に6時前に到着したが、誰もいない。平日だから一人旅だろうな。山はガスに覆われている。少し仮眠して、支度にとりかかる。今日はスノーシューの代わりにワカンを採用した。今期に一度も使ってないし、藪の中を歩行するにはワカンの方がよいかなと思った次第。登山靴は3シーズン靴。グローブは防寒テムレスにしたが、寒さと風対策にハードシェル、バラクラバ、緊急対策にダウン、ツエルト、補助ロープなども準備してスタート。 浄水場の門の前の林道を登っていく。すでに雪が積もっている。林道終点は広場になっており、コンクリート製の施設の上に階段で上がるといよいよ登りになる。最初は笹薮の洗礼を受ける。笹がこちらを向いており、敵意を見せてくる。かき分けて登るも、地面にも笹があるので滑る。もっと雪があれば楽なんだろうか。ところどころに赤テープがあるのがありがたい。右手にある尾根を意識して登ると、だんだん穏やかになってきた。藪は突破できたみたいだ。 次は深く掘れて枯葉が堆積した道。よく見かけるが、雪が堆積して締まっている。ここ数日の山行と同じく倒木があり、かいくぐり、跨いで、時々巻いて登る。どこの山でもおんなじだなあ。そのうちに雪がしっかり出てくるが、つながってないのでつぼ足で登っていくが、やがて目の前の細道が雪の急斜面になってきたので、チェインスパイクを装着。今日はCampの爪の短めのもの。爪が短いので、枯葉を踏んでも爪に刺さらず歩きやすい。 目印になるコンクリート製の電柱が1本だけ立っている。電線はない。そういえば少し下に電線と金属製パイプを見かけた。人工物はこの程度であった。目印も、火の用心の標識もない。この電柱あたりから、スノーシューの足跡が目立ってきた。昨日も含め、ここ数日の登山者の足跡であろうか。それに加えて早朝のものだろうか、鹿らしい蹄の跡が残っている。人間のトレースを鹿が利用しているのが面白い。もともとは鹿の足跡を人が追ったのかもしれないが。 よく冷え込んでおり、雪面は締まったままで当初はくるぶし程度まで沈むだけだったが、時々踏み抜いてきたのでワカンを装着して登る。一歩一歩が沈まないので楽だ。目印になる723mピークに到着。登山口から400m上がってきた。ここで一休み。ここから手倉山まで300m上がる。そこから三国岳への分岐まで400m上がる。最後の400mが核心だろうと予想している。 時折吹く風が冷たい。1037mの手倉山まで、急斜面が2か所、さらに山頂手前も急登だった。足を雪面に蹴りこんで登っていく。手倉山は広い山頂で、上谷山と同じく山頂標識がない。ここで一休み。気温は冷え込んでおり、このあたりの霧氷が素晴らしい。青空に映えて美しい。何度でも写真を撮ってしまい、なかなか前に進まない。これを見に来るだけでも価値がある。 ここからいったん下って登り返すと、広い雪原に出るとイグルーが目に入った。三国岳から夜叉丸、三周ヶ岳などの素晴らしい山並みの絶好の展望地に作られたイグルーは2人くらい入れて、入り口にトイレらしいものまで作られており見事だ。相当技術の高い方が作られたのだろうな。少し融け始めてつららもできているがまだ、使用には問題ない。もう少し持ちこたえそうだ。 この先を進むと1069mピークとなり、ここから大下りして左手の尾根に登りなおす。直登は見るからに急に見えたので右から回り込むように登ったが、下りに下降してみると直登でも全く問題なかった。気温が上がってきたのか、霧氷が風にあおられてものすごい勢いで落ちてくる。固まって落ちてくるので降雪より激しい。フードを被るが遠慮なしに当たってくる。お天気が良いので楽しいのだけど。トレースは霧氷が積もって見えないばかりでなく、霧氷の積もった斜面は締まりがないので、ワカンの爪は刺さらず、ズリズリと滑っていく。 ここからは雪庇の尾根を慎重に進む。先日の鎌ヶ峰から大日が岳への雪庇を思い起こす。それよりは雪の量は十分で、樹林の様子を見て、雪庇の上を登ったり、右手に回り込んで回避したりして進んでいく。山岳部の仲間たちも百四丈滝へののぼりでこのような雪庇のある急斜面を登ったはずだ。来年こそは行きたいな。 ようやく三国岳方面への分岐となる1168mピークまで来た。三国岳へは、かなり下って稜線をアップダウンする。相当に遠く私の体力では日帰りのピストンはとても無理だ。ここを行く方は素晴らしいな。それにしても見事な展望だ。近くに金糞岳も見える。遠くには白山連邦も見事だ。いつまでも見ていたい絶景。上谷山への稜線も美しく、いくつもピークが見えるので、どのピークが上谷山なんだろうか。 でも、それより気になるのは、この稜線だ。ほとんどレポではコメントされてないが、この分岐から上谷山への稜線は藪の尾根だ。標高差はわずかだがアップダウンがあり、最初は尾根が藪で通れないので、一歩下をトラバースしていく。ここは南斜面で雪が緩く、下に向かって樹林が全くないので滑ったらどこまでも落ちていきそうだ。無事に通過できれば、大きく下っていくが、尾根をつぶしながら降りていく。幾分、幅のある稜線ではあるが北風が強く、荒れた天気だと怖そうだ。 風がきつくてトレースが消えているが、ルート自体は明瞭。登り返して山頂かと思ったら、まだ先であった。2,3度騙されてようやく山頂だった。ここから下谷山へ下降する稜線も見える。そちらのルートも行けるが、最後の着地点が急降下で大変との情報があったので今日はピストンで引き返そう。 藪の細尾根を慎重に通過する。つぼ足なら深く潜りそうだし、横滑りしにくいワカンでよかったのかなと思いつつ、無事に通過できた。あとは、自分のトレースで帰ろうと思ったが、霧氷の堆積で、行きのトレースさえも見えないところもあった。どれだけ落ちてきたのだろう。とりあえず、イグルーの場所まで下りて一休み。中に入って横になろうかと思ったのだが、気温が上がって下りにくくなりそうなので、そろそろ帰ろう。南斜面は思い湿った雪、日陰の箇所は霧氷の積もった締まらない雪。どちらもありがたくない。特に北面の急斜面の下降ではワカンの爪が効かず、ズリズリと滑っていく。広ければ尻セードしたいところだが樹林でツリーホールもあるので、それで足を痛めたら一大事だから止めておいた。 できるだけワカンのままで降りて、雪が切れてしまったところでチェインスパイクに換装して降りた。すっかり忘れていた藪の洗礼を再度受けて下山した。途中で出会ったのは逃げていく鹿一頭のみ。静かな山行であった。 素晴らしい展望だけでなく、霧氷が素晴らしかった。仲間を連れてきたい山がまた一つ増えた。
