ヤマシャクヤクを探しに
仰烏帽子山
(熊本)
2026年05月06日(水)
日帰り
今年の春は例年より雨が多く、そのまま初夏に突入した感じがする
その天候不順の影響で活動日も範囲も少なからず制約を受けてきた
それでも早春にはフクジュソウに出会った 霧雨の中見たえびの岳のノカイドウにヒカゲツツジ、それから澄んだ青空の下に映える市房山のアケボノツツジも頗るよかった 春に見ておきたい花々を何とか拝むことができた
それでもなおヤマシャクヤクだけはまだ見ていない それがどうも心残りで何とか見られないものかと事前に計画を立てておいた仰烏帽子山周辺に出かけることにした
連休最終日の5月6日、天気予報によれば曇りでところによっては雨らしい 微妙な予報だが唯一の休みである 今日行くしかないと奮起して仕事あがりにそのまま熊本に車を走らせる ただ、可能なら長距離運転だけは回避したかった そういうわけで目的地は相対的に近場である山江村だ 数年前の球磨川大氾濫のような災害が起こらないことを祈念するばかりだが、いつまたそんな災害が起きて登れなくなるかもしれない そんなことを危惧してというのもある 今回はその山江村にあるマロン岩峰からアタック、絶景とヤマシャクヤクを求めて仰烏帽子山までさすらう…
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取付点は万江川沿いを縫うように走る県道17号線坂本人吉線の人吉市街地から10kmほど進んだところにある 駐車場は九州自動車道の真下にあるが、そこをすべて一組のキャンパーが占拠していたので仕方なく通行止めの橋の袂に駐車して開始
廃林道は今まさに現在進行形で着実に自然に還りつつある 道は落石で埋め尽くされ、シダが覆いおまけに木も生えている とくに谷を横切るような場所は崩落が酷くて滝になっている トサカ岩を経てそんな廃林道を上り詰めるとやくし山とマロン岩峰との分岐となり、ここから本格山道となる
標高1,000超えたあたりで早速お目当てのヤマシャクヤクの株が出現し始めた そしてあちこちに群生しているのがわかった 残念ながらマロン岩峰までのルートにある株はほぼ散ってしまって花はなく鞘だけとなっていた 花は咲いたら寿命2〜3日と云われるから致し方ないのだが、それこそタイミングが合えば、舌を巻くような光景が広がっていたに違いない
それにしても出だしからこんなにいい雰囲気だから、さらに標高を上げれば白花だけでなく紅や黄色に染まるそれも見つかるかもしれないと思い期待はおのずと高まっていく
予想通りマロン岩峰から高岳に続く岩稜帯や斜面には白く可憐な花がたくさん見られた しかも鹿の食害を受けた痕跡はあまりなかったように思う 色変わりシャクヤクを見つけるまでは至らなかったが今年も美しい花を見られた 訪う者も少ない山域で独り占めにて見つけ放題それだけで十分、大変満足である
もう一つの楽しみの景色はといえば、下山してくるまでほぼ曇りに弱い雨雲で遠くは見通せなかった それでもそれぞれのピークから互いのピークを臨んだり、見晴らしのいいところから進んだ道をなぞって地形を確認したりと結構面白がっていた 仰烏帽子山では刹那だが太陽が顔を覗かせ雲が流れて海が見えた 八代の海におそらくだがきっと海に浮かぶ天草までも…
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今回はめったに人が立ち入らない山域に入るので藪払い用の道具としてノコを携行していった それをザックに括り付けていたのだが、どうやらそれをどこかに落としてしまったらしい ノコを収める鞘だけをぶら下げているという情けない惨めな姿だ それは手に馴染んだものだっただけに失くしたショック、意気阻喪して片隅には暗い気分をずっと引きずったまま… おかげで高岳ではちょっと苦労した 落としたのはおそらくマロン岩峰までの急登を進んでいたどこかであろうと見当をつけて下山時に注意深く探しながら下っていったけれどそれでも見当たらない 以前にも仰烏帽子山にいったとき手袋を片っぽ失くした経験があるが、どうやら少なくとも自分は仰烏帽子山に何らかの捧げ物しなければならないらしい