03:55
9.7 km
164 m
放蕩息子〜青木ヶ原樹海
大岳山・御岳山・御前山 (東京, 山梨)
2025.10.12(日) 日帰り
フラット登山 金や女にだらしないわけではないが、職場や電車で座る姿勢がだらしなく先週末に首を痛めた。先週の土曜日は左半身が痺れてしまって、持っていた傘は震えながら手から離れた。そのままうずくまりしばらく動けなくなった。整形外科では、単なるストレートネックという診断だった。大事には至らなかったが、安静のために、毎週のように続けていた山歩きを先週は棄権した。 身長が190cmある男の扱いを、職場もようやく理解してくれたようで、PC回りの備品を用意してくれた。湿布薬も効果があり、首の痛みはすぐに緩和した。 今日は首が痛くなる前に計画されていた、ピークを目指さないフラット登山で、青木ヶ原樹海を歩いた。 https://yamap.com/magazine/65915 大月駅からトーマス号に乗って河口湖駅に行く。姿勢を正して背筋を伸ばす。電車の窓が低くて景色が全く見えなくなった。 河口湖駅から富士急バスで目指すのは、本栖湖。バスの中はカオスだった。富士山が見えてくると一体感が生まれ、それが微笑ましく、同時に雄大な山を見つめた。 本栖湖から東海自然歩道を歩く。樹海と聞いて、迷い込むことをイメージして不安でいたものの、実際には道はよく整備されていて、最高だった。こういう道を歩き続けたい。誰かにとっての道百選があれば推薦したい。足が軽やかになる。首も痛くない。 車道に沿っていて騒々しく感じるときもあったが、樹海の中はほとんど静かで、鳥の声すらあまり聞こえない。湿気があって、苔むす木の根や萌出るキノコに、雨上がりの森の香りが加わって癒しにつながった。 お昼はみんなで食材を持ち寄りカレーを作って食べた。米の代わりとして自分は鯖と野沢菜のおにぎりを持参した。その後に安納芋のプリンやハッピーターン、マシュマロのようなチョコをいただく。ソロでは味わえない数々の品に舌鼓を打つ。トマトと鯖とカレー、三大好きな食べものを一度にコンプリートした。ま、コンプリートするハードルはあまり高くはない。 同じような景色が続く道の上。苔のふさふさした手触りを犬に例えたり、木のツルツルした表面をなぜだろうと見上げたり、いろいろな人が集まるグループは発見が多くておもしろい。富岳風穴に出て活動を終了した。 「ふうけつと読みます、かざあなじゃないです」というのもなんだかおもしろいし、活動終了後はずっと時間に追われていたのもおもしろかった。ピークを獲得していく山歩きでは、もちろん心の裏には主に達成感という名の豊かさが溢れかえっているけれど、表に出てくるのは疲れだ。対してフラット登山では、達成感はそんなにないが、余裕があるから表も裏も別の名の豊かさが表れるところに良さがあるのかなと、1回目を終えた感想を持った。 河口湖駅のそばで、ほうとうを食べた。こうやって美味しいほうとうを時間に追われながら食べられるのも楽しい人生の一部だと感じる。放浪息子かもしれないが、放蕩息子にならずに、これからも少しだけでもまじめな部分は失わずに、社会の一部で奉公していこうと思う。