01:43
4.7 km
374 m
彦山・大葉山
彦山 (福岡)
2026年04月02日(木) 日帰り
由布岳合宿において後輩の熱いピークハント熱に触れ、老害も負けていられないと思い久々に糸島の低山を巡ることにした。ピークハントなどばからしい、ピーク数など取るに足らないただの数字である、と人は言うかもしれない。しかしその数字ひとつひとつが過去に歩んできた確かな足跡そのものであると私は考える。272のピークを数える間、どのような心情を持ち、どのような風景が流れ、どれだけの成長をしてきたのか、ひとえに語ることは出来ずとも、ひとときも忘れることはないだろう。百名山のような格式だけを妄信し整備されつくした道を進むのみを登山と呼ぶ者には得られない幸せな経験ばかりである。後輩たちにも、多種多様な山に登って消えることのない足跡を残していってほしいものである。 前置きが長くなったが、要するに山を欲していたのである。もっと言えば冒険を欲していたのである。この欲望を満たしてくれそうな山をひとつ知っている。宮地岳である。雲ひとつない快晴のもと自転車をとばして(心には自転車新法という小さな雲はあったが)、まっすぐ登山口の方向へ向かった。細い農道を通り抜けた先、地図が指す方向にあったのは明らかな私道、そして道の草むしりをするおばあさんであった。山において最も怖いものは何か、それは熊でも猪でも天候でもない、“ヒト”であると私は考える。よって迷わず撤退を選んだ。さすがの最恐低山、登山口までたどり着くことさえも許さないのである。 しかしこれで家に帰るわけにはいかない。そこで目的地を少し北にある彦山とした。グリーンピークながらグレーピークの様相を呈することで有名な山である。途中の道路でアナグマに睨まれながらも今度は登山口に無事に到着し入山。軽く数十分で戻ることができるだろうと下調べもせず進む。取り付きから山頂まではしっかり山道であった。そして登山口と山頂の標高差も200m程度あった。つまり想像よりも厳しい戦いとなったのである。彦山という名からもわかる通りかつて霊山として鎮座した山であり、軽い山なはずなどないのである。最低限の整備はされてはいるようだが不明瞭な道が多くかつてピンクテープだったものは朽ちたホワイトテープと化していたためルートミスを繰り返し、下山したときには手やズボンは茶色になっていた。結局1時間以上の時間を費やすことになったが、妙な達成感があった。高揚感があった。低山の探訪からしか得られない栄養というのはやはりあるようだ。佐野のゲッツーからしか得られない栄養があるように。 まだ少し時間があったので向かいの大葉山へと向かった。こちらは軽トラの轍を頼りに進む時間が長く、そこから少量の尾根歩きをするだけで山頂を踏むことができた。明らかに彦山よりも大葉山のほうがグリーンピークに向いているだろう。この簡単な道が油断を生んだのだろう。下山中に極太の根っこを踏み大転倒したのである。幸いお尻の肉の厚い部分を打っただけであったので大したケガはなかったが、フィギュアスケートなら大幅減点である。下山し家に帰るその瞬間まで気を抜いてはならないと再認識させてくれたグレーピークに感謝である。その後は無事に下山し糸島イオンを物色し帰宅した。ちなみに糸島イオンにはマテ茶はなかった。遺憾である。ともかく満足な一日であった。