3度目の蘇武岳は万場スキー場から☆新緑のブナ林を歩く
蘇武岳
(兵庫)
2026年06月14日(日)
日帰り
蘇武岳は、兵庫県美方郡香美町と豊岡市との境界に位置する標高1074mの山。著名な登山家、加藤文太郎や、世界的冒険家、植村直己の原点となった山としても有名です。
初めて登ったのは今から8年前、2018年の秋。山頂がガスガスで、景色を全く眺められなかったことで「また来る理由」リスト入り。
https://yamap.com/activities/2482509
その2年後の夏、再訪。素晴らしい景色を堪能することができました!(^^)
https://yamap.com/activities/6961141
そして今回が3回目。過去2回は、ともに「道の駅 村岡ファームガーデン」を起点とする大糠ルート…山の西側から登るルートだったので、今回は東側から…万場スキー場を起点とし、大杉山を経て山頂に向かう万場ルートで山頂を歩いてみようと思います。
4:55、万場スキー場の登山者用駐車場に到着。とっても広い駐車場です。5:10、出発。天候は曇りですが薄日も差して比較的明るい。気温は16℃。風も穏やかでとても涼しい。
出発してからおよそ15分は、スキー場のゲレンデとリフトを横目に見ながらの舗装路歩き。そのまま穏やかに坂道を登った先が、万場登山口になります。
登山口からは途中滝などを眺めながら沢沿いを歩く。「中の滝」の先の斜面を登ったところが2合目の分岐。尾根を辿って大杉山へ向かうコースと、谷を辿るコースに分かれます。上りは尾根コースで大杉山へ。下りは谷コースから戻って来ることにします。
分岐を右にとって尾根を目指す。3合目辺りは樹林帯の広い中斜面なんですが、岩や木の根などのギャップがほとんどない斜面です。こういうベタッとした平らな地面の中斜面が一番苦手!(>_<)
4合目辺りからは本格的な尾根歩き。傾斜も一気にキツくなってきますが、露岩や石、木の根などの足場もあってとても歩きやすい。こっちの方が全然いい!
標高650mを越えるとブナの木が目立ち始める。そして5合目を過ぎ、標高730m辺りからは一面のブナ林になります(^^)
ここのブナ林はスゴいですねー!ブナの占有率が非常に高い!今年もたくさんのブナ林を歩いて来ましたが、その多くはブナ中心ですが他の木も混じった雑木林のようなブナ林が多かった。しかしここは違います!見渡す限りブナしか見えない。ごくたまにスギの木がありますが、果たして100本のブナに対してスギが1本あるかどうか…それくらい純度の高いブナ林です。
美しいブナ林を眺めながら、厳しい尾根をひたすら登り続けます。さらにこのブナ林が面白いのは、一般的にブナ林の林床はササが多いんですね。ところがここにはササは全くありません!それどころか下草もほとんど見られません。真っ黒な土の斜面にブナがたくさん生えているのです。そんな中、時折り集中的に地面が緑に覆われている部分が見られます。イワカガミが密生してるんですよ。スゴい量です。花期にはかなりたくさんの花が見られそうです☆
9合目を越え、いよいよ大杉山という山頂直下…とんでもない巨大なスギの木がありました!大杉山の大杉です。
これはめちゃくちゃデカい!そしてその姿は老いてなお堂々とした力強さを感じるフォルム。生命力の塊としか言いようがありません。幹に手を当ててパワーをいただく。エネルギーがスゴい。
大杉のすぐ先には展望ポイントがあって、北から東にかけてよく開けています。遠くに来日岳が見えますね。城崎温泉のすぐそばにある山です。眼下には小さな神鍋山が見えています。この山もスキー場の山ですね。山頂部が大きくすり鉢状に抉れている。噴火口跡です。そう、神鍋山は火山なんです!せっかくなので下山した後、噴火口を見に行きましょう!*\(^o^)/*
そして展望ポイントのすぐ先が大杉山山頂。出発してからおよそ1時間45分、大杉山に到着です!☆北方向に木々の間から三川山を望むことができます。
ここまでは西に向かって尾根を登って来たんですが、ここからは進路を南に変えて蘇武岳を目指します。そしてこの先は「四ツ山越え」です!
稜線上の小さなピークを4つ連続で越えて行きます。大杉山から四ツ山まで6分、さらに三ツ山までは3分、二ツ山へ8分、最後の金山(一ツ山)へは9分…という感じで、距離も短いし高低差もあまりありません。めっちゃ下って少しだけ登り返し、めっちゃ下って少しだけ登り返し、の繰り返し。少しずつ標高は下って行く。
大杉山→四ツ山→三ツ山→二ツ山、でおよそ50m標高を下げる。その分は金山へのダラダラとした登り返しで取り戻して、結局大杉山→金山で-10m。
金山で10分ほど休憩して、改めて蘇武岳を目指す。階段で一気に標高を上げると分岐に到着。下山に利用する別ルートへの分岐です。
その後山頂直下までのしばらくは、ほとんどアップダウンのない稜線を辿ることになる。めっちゃ楽ちんです!(^^)大杉山まで急な尾根を頑張って登った分、最後は楽できるっていうカラクリですね!☆
突然視界が開ける。野芝の広場です。右上には蘇武岳山頂が目前…というか、すぐそこに見えています。広場の真ん中には石標がある。「蘇武道」と呼ばれる舗装された林道、「妙見・蘇武林道」の案内碑です。
石標の先の斜面を斜行で登る。そして山頂稜線に乗ると、南側には但馬妙見山を見ることができます。「さんちょうへ」・「ようこそ」の標柱を通った先に見える野芝のこんもりとした小丘が蘇武岳山頂!金山からおよそ30分、大杉山からおよそ1時間10分、出発してからおよそ2時間55分、蘇武岳山頂に到着です!☆
山頂には2つの山頂標示があります。一つは木、一つは石で作られている。そして丸い山座同定盤と一等三角点。
山頂はほぼ360度のパノラマ展望です!今日は雲が多いし少し霞がちなので最高の景色とは言い難いですが、それでも素晴らしい眺めです。風も穏やかで気持ちいい!休憩しましょう(^^)
一つだけこの山頂に対し要望があるとすれば…座れる場所…ベンチなんかがあるといいんだけどなぁ…
山頂広場は十分な広さがあるんですが、座る場所がない。野芝の上に直接シートか座布団を敷けば座れるんですが、丘になっていて平坦地があまりないんですよね。野芝にシートを敷いて座っても、そのままヒップそりで斜面を滑り落ちそうに…ならないですけど、なる可能性が無いわけでもない。立派なベンチはいらないです。伐採したブナの丸太を、3つ4つ置いていただけるとめっちゃありがたいです。
30分ほど休憩して下山開始!全くストレス無く歩いておよそ20分で分岐に到着。ここからは上りとは別ルートを進みます。
素晴らしいブナ林の急坂を一気に下る。めちゃくちゃ気持ちいい(^^)およそ25分で林道に出合う。ここは名色と万場に下る道が分かれる分岐点で、一応登山口らしい。ここから万場下山道に入ります。
急斜面を階段で一気に下って、あとは谷筋を沢沿いに下って行く。沢音に耳を傾けながら、また名も無き小さな滝を眺めながら穏やかに下って行きます。
注意すべき箇所は…途中で長い斜行の下り坂があるんですね。斜行にも関わらず傾斜はかなりキツい。左が崖で下は沢。道幅はそれほど狭くなく、滑落の危険性などはありません。ただストッパーになるような露岩や木の根がなく、スピードコントロールが非常に難しい。さらに地面には浮石がたくさん転がっています。
かなりの下り坂なので、少し勢いがついてスピードが出ちゃうと止まれないんですよ!勢いを止めるべきギャップがないですから。しかも浮石だらけでしょ?スピードが出ちゃうとめちゃくちゃ危ない。しかもこの斜行区間は距離がとても長い。スピードコントロールという点ではかなり気を使う難しい斜面だと思います。
万場下山道を進むことおよそ30分ほどで、大杉山2合目の分岐に到着します。ここからは往路と同じ道を下ります。およそ10分で万場登山口に到着。あとはスキー場ゲレンデ横の舗装路を下り駐車場に戻るだけ。登山口からおよそ10分、蘇武岳山頂からはおよそ1時間35分、無事に駐車場に帰着しました☆
それでは先に今回の総括をしておきましょう。
過去2回歩いた大糠ルートも豊かな自然に囲まれた素晴らしいコースでしたが、今回歩いた万場ルートも負けず劣らずの素晴らしいコースでした!
特に素晴らしかったのはブナ林。ブナの純度がケタ外れ!ブナの占有率は体感99%!ブナ以外の木はほとんど見当たりません。そもそもブナ林におけるブナの占有率は太平洋側より日本海側の方が高いんですけど、これほどまでに純度の高いブナ林はなかなかお目にかかれません。
蘇武岳での展望は山頂に限られる。山頂はほぼ360度のパノラマ展望ですが、ルート上での展望はほとんどない。展望よりも豊かな森を楽しみながら歩く山と言っていいでしょう。巨木も素晴らしかった。大杉山の大杉、巨樹の谷のトチノキの巨木、もちろんブナの巨木もたくさん見ることができます。
著名な登山家や冒険家を育んだ但馬の名峰は、とっても奥深い山。経験の浅いビギナーの方にとっては少しその良さがわかりにくい山かもしれませんが、いわゆる"通"の方にとってはとても感動的な山だと思います。
蘇武岳を登ってみて、「う〜ん、なんかよくわからない山だな…」と思ったあなた!5年後にもう一度登ってみてください。「あれ?結構いい山かもしれないな…」と思うはず。そしてさらに5年後に登ったら、「うわー、蘇武岳、めっちゃいい山じゃん!*\(^o^)/*」となるはず!そんな通好みの渋い名峰…それが蘇武岳です!☆
それでは気になる神鍋山の噴火口を見に行くことにしましょう!(^^)→次のレポに続く。