05:13
16.6 km
1095 m
#121 丹沢山塊【高松山】
高松山・大野山 (神奈川)
2025.07.05(土) 日帰り
<登頂した山> 松田山-第六天-高松山-太尾山 今回はまず感想から。イヤな予感はしていました。ソロだったら間違いなく別の山を探したであろう微妙な天気予報、実際に現地へ向かう途中降り続いた雨、そして西丹沢というロケーション……それでも本山行を実行に移したのは、どこかで甘さがあったからに他なりません。ヤツらを甘く見ていた。というわけで今回は、YAMAP富嶽三十六景のラインナップに名を連ねる、西丹沢・高松山編。主に反省会となります。 さて今回は、狙った山が曇りの予報でもまるで躊躇わず、「トレーニングには涼しい方がいい」と登り始めるアスリートな先輩との2名山行です。せっかくの機会なので、ひとりではあまり歩かないようなロングトレイルを計画しておりました。嵯峨駅から大野山を踏破し、一度山北駅まで下った後、今度は高松山へ登り返し、最後にいくつかのピークを獲りつつ松田駅に下山。総歩行距離は、実に30km弱です。しかし!朝一辿り着いた嵯峨駅周辺には、まるで駐車場が見当たらない。それならと向かった大野山つぶらの公園の駐車場は8時まで開放されない。道の駅山北はがっつり工事中。駐車スペースを見つけられずに開き直った我々は、当初の計画を反転させ、松田駅から山行を開始することにしました。 まずは駅から舗装路を登り、小径を挟んでコキアの森を経由し、再び舗装路の登り坂。登山というよりウォーキング気分で進むこと約1時間。最初のピーク・松田山に到達します。思えばこの街歩きの延長のような感覚が、我々の足元への油断を招いたのかもしれません。事件が起こったのは、この後、第六天に向かう途中、なんてことはない草むらを歩いていたときのことです。 先に気づいたのは同行者、遅れて私が気づきました。靴紐が勝手に動いている!?もちろん、そんな生半可な超常現象ではありません。紐のような胴体を、何かを探すようにぐねぐねと蠢かせる異形……そう、丹沢に巣食う悍ましき魔物、ヤマビルです!!実物を見たのは初めてですが、動画で見た姿の100倍気持ち悪い!というか多い!片足あたり10匹ずつくらいへばりついています。ほとんど脚を止めていないのに、一体いつのまに……ザックに忍ばせていたヤマビルファイターを吹きかけると、ウゴウゴと苦しみ悶えてさらに気持ち悪い。覚悟を決めて裾を捲ると、靴の中にも3匹ほどの侵入者がいました。許すまじ。 長袖長ズボンにミドルカットのブーツ、厚手の靴下で防御を固めていた私は吸血の被害を受けず、ただただ気分が落ちたのみでしたが……半袖短パンのアスリートスタイルだった同行者は、手足に3箇所の噛み跡を残されたようで。大流血とならなかったのは、不幸中の幸いでした。お互いが全てのヤマビルを一旦引き剥がすのに、15分くらいかかったでしょうか。ハイペースに山行を進めていたので、浪費した時間自体は大したダメージにはなりません。しかしこれ以降、足元にばかり意識が行ってペースが全く上がりません。そして実際、よくよく見るとそこかしこに蠢いているんですわ。エラいところに来てしまった…… ただでさえメンタルに傷を負ったというのに、辿り着いた高松山の山頂はガスに巻かれて真っ白。ヤマビルのインパクトを上書きできる光景にも巡り会えませんでした。踏んだり蹴ったりじゃないか。待っていて改善する雰囲気でもなかったので、休憩もそこそこに下山を開始します。同行者ともども足元に神経を尖らせながら歩くこと1時間、ヤマビルの気配が薄い工事現場のような登山道に到達します。そこからさらに1時間、舗装路を降り、人里を抜け、ようやく山北駅に到着です。「ヤマビルに襲われたら登山どころではない」というコメントを拝見したことがありますが、まさしくそのとおり。ここから隣の山へ入り、再び魔物と戦い、絶景は望み薄な山頂を目指す。そんな気力はありませんでした。相談するまでもなく、ここで山行終了です。無念…… なお、数分前に電車が出てしまっており、次の電車が1時間先というオマケがつきました。入店した駅横のカフェのナポリタンが昔ながらの喫茶風でとても美味しかったので、まあイーブンという話はありますが……不完全燃焼です!歴代で最も敗北感があります。これはもう是が非でも、早いうちに思い出を塗り替えねば。心機一転!