三ノ沢岳アゲイン with 宝剣岳
木曽駒ヶ岳・空木岳・越百山
(長野)
2026年03月15日(日)
日帰り
2年越しとなる冬期・三ノ沢岳アゲインのチャンス到来
天候やルートコンディションに恵まれ、念願の頂へ到達することが出来た
この日の山行はまるでJazzの即興演奏のように目まぐるしく人と山が交錯
ワンアンドオンリーなひとときとなった
2年前、厳冬期に強風で撤退を余儀なくされた三ノ沢岳
虎視眈々とアゲインの機会を探っていたがなかなか都合が合わず、今年も先送りかと考えていた
ロープウェイが長期メンテナンスで運休していたが2月上旬から再開に、以降三ノ沢岳への歩み実績を探っていたが下旬ごろから目立つようになってきた
直近のレポではルートのトレースや雪質も問題ない様子がうかがえ、週末日曜日の天候も快晴で風は穏やかな予報
諸々の条件が整い、大きな期待を胸に現地へ向かった
ロープウェイとバスの乗車券は事前にオンラインで手配可能なことを知り、さっそく手配実施
当日までキャンセル無料とは大変ありがたい
まずは、不動水を汲みに忍野へ
前回60ℓ汲んだけど、3週間で底を尽きた
今回は70ℓ汲む、次に来るときは不動湯も営業再開されるので楽しみだ
不動水に絡め、周辺のお店でいつもの食材(卵、豆腐類、キムチ、レイクベイクのパン)たちを入手しておく
忍野豆腐がとても美味しいので店のスタッフさんに所以を尋ねてみたら、使っている豆のグレードが違うらしい、むろん名水も寄与していることと思う
そのうち豆腐アイスも試してみよう
山梨を抜け諏訪へ、さらに有賀峠を越えて伊那へ進む
みのわ温泉・ながたの湯へ立寄り、テーピングと山行の着替えもここで済ませておく
続いてみはらしファームでEV充電、長い道のり約250kmを経て菅の台バスセンターPへようやく辿り着いた
今晩はここで車中泊、明朝のバス始発も8時ごろなのでゆっくり静かに過ごすことが出来た
バス待ちの荷物置きだが何時ごろから置くべきか戸惑い4時ごろに下見するともうすでにかなり置かれていた...
すぐ車に戻り自分もザックを担いで置いておいた
二度寝してから朝ごはんや山行の準備、ストレッチも済ませあたりをお散歩
バス停留所に戻ると、相互フォローさせていただいているowl氏がサプライズ登場
すぐ近くにお住まいとのことで、自分がこの日に三ノ沢岳を歩むことを知らせておいたのだけどまさか会いに来ていただけるとは思いもよらず
嬉しい再会に山話が弾み、おもてなしの品々までいただいてしまった
山仲間もボランティア活動で登山者のサポートをされており、交流できて何よりだった
シニア層のエネルギッシュな姿はとても刺激になる
そうこうしていると臨時便のバスが運行されることになり、名残惜しくもまた再会の約束をしてお別れ
臨時便のおかげで9時前には千畳敷へ到着
まずは極楽平までのルートを物色、明瞭なトレースがあることに安堵
快晴で風は穏やか、ベストコンディション
支度を整えてさっそく歩みを開始
極楽平方面へ進む登山者はほぼおらず、自分が先頭かと思いきや先行者がいることに気がつく
三ノ沢岳へ進むのかどうかわからないが少し気が楽になった
急登は堪えるけど一定のペースで淡々と、雪も締まって歩みには問題ない
下山されてきた登山者らは三ノ沢岳あたりでテント泊されたそうな、ルートコンディションは問題ないことを教えてもらった
四つん這いになるほどのこともなく、稜線に乗り上げる最後の部分だけ
2年前はトレースがなく今回よりも中央寄りの斜面を直登したが、その時は猛烈だった記憶が色濃い
今回のルートどりは程よく斜面をトラバースしていてとても効率がよかった
極楽平に達するとまずは火照った体を冷ましてくれる絶妙な心地のいい風に癒される
おののくような強風でなく穏やかな風に安堵、そして先行者のゆーいちさんと挨拶を交わす
山屋の風貌が漂うナイスガイでこの日は下山まで交流させていただきとてもありがたかった
同じく三ノ沢岳を目指されるそうだ、心強い
夏道よりもだいぶ下側をトラバースして稜線へ取りつく
このあたりから頂へ到達できる手応えを十分感じるとともに、三ノ沢岳の個性もじっくりと堪能できそうで心が弾む
際どいエッジがかった稜線、トレースがしっかり刻まれていてありがたい
まるで天上の散歩道、風の脅威を気にすることなく慎重にじっくりと味わっていく
とはいえミスが許されないゾーンも多々あり浮かれてはいられない
緊張感と幸福感のバランスが絶妙、周囲は絶景のオンパレード、まさに雪山の醍醐味に包まれる
檜尾小屋に宿泊された登山者ともスライドし話が出来た、この2日間は極上の歩みが出来てるそうだ
2年前は強風とサラサラの雪質で足元は深くなかなか進まないイメージだったが、こんなにも違うものかと
当時やっとの思いで到達した遭難慰霊碑へ
強風でこのケルンに身を隠し、山頂方面は激しく雪煙が舞う状況を目の当たりにしこの先どうするか悩んだ記憶が甦る
おそらく当時はまだ未熟で三ノ沢岳が許してくれなかったのではと思う
しかしこの日は温かく懐へ迎え入れてくれるかのようだ、先を阻む要素は見当たらない
慰霊碑から先は未知の世界、胸が高鳴る
頂へ向け斜度がグッと上がる、ペースを維持しながら一歩一歩進んでいく
ピークに見えるポイントは肩であり、頂はさらにその奥になる
後を振り返れば木曽駒ケ岳、左手には檜尾岳や空木岳、右手には御嶽山を望むことが出来る天国ロード
風紋は自然が生み出す芸術、それを造り出す風の強さがいかに強いことか実感する
いまこの歩みが出来ることへの感謝の想いが体から湧き出てくるような感覚、このフィーリングを無意識のうちに追い求めているのかもしれない
いよいよ三ノ沢岳の頂へ
山票はないが、なだらかで休憩に適した岩もあり落ち着ける場所だ
四方の眺めに酔いしれていると続々と後方から登山者が登頂されてきた
まずはゆーいちさんと登頂の喜びを分かち合う
続いて登頂されてきたのが何と相互フォローしている のこさん、ケンチャイさん パーティだった!
昨年の年始、辻山で遭遇して以来の再会に喜びもひとしお
2人の明るい性格は元気をもらえるしエネルギッシュな活動ぶりは目を見張るものがある
居合わせた皆さんと記念撮影までさせていただきとても嬉しいひとときに
楽しみにしていたレイクベイクのパンで補給、これほど山と相性のいいパンってないのではと思うほど
しばらく山話しながら充実した山頂でのひとときを堪能
後ろ髪をひかれる想いだが下山へ
2人は相変わらずスピーディな歩みぶり、あっという間に先を進んでいかれた
下山なりの眺めや歩みを楽しみながら、宝剣岳か島田娘どちらに向かうか悩む
やはり未踏の宝剣岳が気になる、ただ極楽平からのルート展開を予習しておらず特に冬期の注意点など抑えていないのが心残り
無理のないところまで挑んでみることに
2人がライチョウ探しをしているところでお別れの挨拶、斜面を直登して取りつきへ向かう
取りつきあたりに先行者がいることを確認、こっちへおいでと手招きしている
挨拶すると宝剣岳まで導いてくれるとのこと、自分一人では少々不安もあったのでありがたく同行させていただくことに
御年78歳とのことに仰天、年齢を全く感じさせない風貌はかなりの熟練者とみた
マスターと呼ばせていただくことに
しばらくはマスターが先導し、岩と雪のミックスな険路を慎重に進んでいく
マスター曰くこの日のコンディションは絶好で何の問題もなくいけるだろうと、幾度も経験していることが伺えた
クサリが出ていることはありがたかったが、岩をホールドしながら進まなければならない崖っぷちゾーンもありミスが許されないシーンは緊張した
アイゼンの足さばきにも気を使った
緊張が続いた中頃まで進んだあたりで、先頭交代を告げられる
クサリ、岩、鉄杭など四肢を使って登り上げていく
トロルの舌を通過、マスターはここで舌に乗って自撮りするべきだろと仰ったがとてもそんな余裕はなくスキップする
そこからひと登りで宝剣岳の頂へ到達した
山頂には岩があり、皆さんその上に立って記念撮影するのが恒例らしいが自分は到底無理と決めつけていた
マスターが登頂されてくると、登れと仰る...ならばやってみるかと、意を決して岩に乗ってみた
正直なところ怖かった、けれどどこかで吹っ切れた感はある、ポーズの指令もあり何枚も記念撮影いただいた
宝剣岳山頂から眺める三ノ沢岳はダイナミックでこの視点は唯一無二と感じた
いやー、まさに予期せぬセッションだった
マスターは極楽平へ戻るのは難しいので八丁坂方面へ抜けたほうがすんなりとのこと
マスターは北稜も一緒にどうだ?と仰るがさすがにそれは自分のスキルを超越しているので丁重に自重させていただいた
八丁坂へ向け下山、たしかにこちらのルートは逆側に比べればさほどリスクはないと感じた
北陵に取り付くマスターへお別れの挨拶をして乗越浄土へ
初めて訪れたが多くの登山者の姿に驚いた
八丁坂も混み合っていてどうやって進路をとるか思案していたら宝剣岳の頂から唄が聞こえてきた
あらら、マスター岩の上に立って奏でてるじゃない
カッコ良すぎますよ
スゲー人と交流できてとても貴重だった!
八丁坂は雪が緩み侮れなかったけど、慎重かつスピーディに攻略
なかにはプチ滑落されるシーンも直面して、巻き込まれたら怖いなと思った
初めての千畳敷の歩み、もう数ヶ月後には高山植物が咲くなんてね
13:55発のロープウェイに乗車できるよう急足で下山完了
三ノ沢岳で交流したみんなも列に並んでいて、再びご挨拶
ゆーいちさんとはバスの席も隣となり、山話に花が咲きました
実り多い山行に感謝!
濃密なひととき、アンフォゲッタブルな体験
至福の雪山歩きでした♪
この山行中、静けさ極まる美しい雪山を眺めていたら頭の中にこの曲が自然と流れてきました
天から舞い降りる即興の美しいメロディが山とマリアージュ
心に沁みわたります
Keith Jarrett
Bordeaux Concert 「Part Ⅲ」
https://youtu.be/A-VL1n8xLPA?si=CE_vn6c-ypaZ8Cm4