07:53
14.2 km
1807 m
栗ノ木段・白ガレの頭・前黒法師岳
黒法師岳・前黒法師岳・不動岳 (静岡, 長野)
2026.01.03(土) 日帰り
今日はカモシカの分岐を夢の吊り橋方面へ進む。今回は深南部入門編として、テント泊で周回もできるルートを左右から日帰りで歩いてみる。核心部はまたのお楽しみ。 ゲートで協力金を渡して林道を歩いていく。やはり朝日岳がどんと聳えている。吊り橋はスルーして進んでいくと、二つに割れた前黒法師岳登山口の看板が地面に落ちている。崖にしか見えないが、ワイヤーや鉄の階段があるのでここを登るのだろう。やれやれ。崩れる砂礫に足を取られないよう注意して取り付く。 石垣の残る湯山集落跡に出て、こんな山奥の更に山奥にどうして住もうと思ったんだろうと一升瓶や割れ鍋を眺める。 今日も男子弁当だなぁと茶色の林を登っていくと、うっすらと雪の白が混ざり始めて目に新鮮に映る。チェーンスパイクを履くほどではないかなと白ガレの頭を過ぎ、展望地との看板があって覗いてみると樹間から僅かに聖岳たちが見えた。展望地でこれならこの先も展望はないんだなと苦笑する。 鬱蒼としたコメツガの森を進み、斜度が上がる手前でスパイクを履くと、もっと早く履いておけば良かったと思うほど快適に登れる。 ふと顔を上げると見覚えのある団子標識が目に入る。着いちゃったのか、と周囲を見回すと、辛うじて遠くに海が見えるだけでご褒美はないに等しかった。 黒法師岳を間近で見たかったので進んでみるが、密林に阻まれて何も見えない。何てストイックな山だ、と帰路に着く。 昨日気付いたのだが、ウルトラガスではなくパワーガスを持ってきており、しかも残りが少ない。室内では使えたが屋外で沸くかな、と陽だまりで300mlの水を勢いのない火にかける。30分後にどうにか湯になってガスは力尽き、昼食を摂って体は温まったが手足が冷えてしまった。この時期は凡ミスが致命的になりかねないと自分を戒める。 下山後の蕎麦を楽しみに下っていく。倒木の切り口に顔が描いてあって和んだり、スパイクが効いて雪も根も落ち葉も滑らないのが救い。 湯山集落を過ぎた辺りでふと二股に分かれた若木が目につく。枝先を辿ると崖からも二股に分かれた成木が枝を伸ばしており、手を繋いでいるように見えた。その時、強い風が抜けて冬のはずなのに初夏のように柔らかい光に葉が輝き、何故か報われたような気持ちになる。今この瞬間に至っただけで、ここに来た甲斐があったと思う。 登山口でスパイクを脱ぎ、山菜そばで温まって家路についた。