忘れ物をとりに…氷ノ山
氷ノ山(須賀ノ山)・鉢伏山・瀞川山
(兵庫, 鳥取)
2026年01月17日(土)
日帰り
2025年1月のあの吹雪
胸の鼓動が聞こえるほど(僕の場合は人工弁でドキドキじゃなくカチカチと音がしますが💦)
の白銀の世界で、自分の足跡さえも瞬時に消えていく恐怖と高揚感を体感した。
あの日、氷ノ山に置いてきてしまった
「忘れ物」を・・・
そして今年、ようやく取り戻しに行くことができました
氷ノ山越避難小屋を過ぎ、山頂へと続く稜線。
そこは、言葉を失うほどの景色が広がっていました。
一歩進んでは振り返り、その美しさに目を細め、また一歩進んでは立ち止まる。
景色に心を奪われすぎて、なかなか山頂が近づいてこない——
そんな贅沢な足踏みを楽しみました。
道中、下山してくる一人の登山者から、とても浪漫あふれる話を聞きました。
氷ノ山をホームとするその方は、少年のように瞳を輝かせながら(実際にはサングラスだったので、輝いていたかはわからないが、きっと輝いていたに違いない)こう教えてくれたのです。
「空気が澄み渡った冬の朝、条件さえ整えば、ここから遠く白山まで見えるんだよ」
にわかには信じがたいその話も、彼の熱量を前にすれば、信じずにはいられませんでした。
いつかこの場所から、遠き白山の嶺を拝める日が来るかな?
山頂を待たずして、私の心はまだ見ぬ景色への期待に震えていました。
すれ違う誰もが、一様に満面の笑みを浮かべています。
「山頂はどうでしたか?」
と尋ねれば、皆が決まって
「風が凄まじかった!」と答え、
けれどその後に必ず
「でも、景色は最高だったよ」と付け加える。
その笑顔をみれば、山頂が凄い素敵な世界だと瞬時に想像できた。
私にとってのクライマックスは、山頂を目前にしたあの場所。
辛かった登りが終わり、ついにその場が目の前に、その高揚感は、何物にも代えがたいものです。
そして、ついに辿り着いた山頂。
まずは三角点にそっと手を触れ、「また来たよ」と心の中で再会の挨拶をする。
氷ノ山は、私が雪山デビューした思い出の山でもある。
広がる360度の大パノラマをカメラに収め、それ以上に心に景色を焼き付けた。
無事に撮影を終えた途端、急に空腹だったことを思い出した。
避難小屋へと駆け込み、雪山の定番、味噌煮込みうどんを作る😆
今回は贅沢に豚肉とお餅を投入。
用意していた野菜は、鍋から溢れんばかりのボリュームに断念しましたが、熱々のうどんを啜れば体は芯から温まり、外の寒さなど忘れてしまうほどでした。
お腹を満たして小屋を出ると、外は一変して「真っ白」なガスの世界。
しかし、しっかりと刻まれたトレース(足跡)が私を導いてくれます。
今回の装備は、登りにスノーシュー、下山にはチェーンスパイクという選択。
これは2025年の幕開け、次郎笈(じろうぎゅう)で出会った佐藤夫妻から教わった知恵です。
トレースの踏み固められた道では、12本爪アイゼンよりもチェーンスパイクの方が足運びが軽く、引っかかりも少ない。
教え通り、実に軽快に下ることができました。
もちろん、道具の選択に正解はありません。季節や天候によって、その都度最適解を見つける。
山で出会う方々から知恵を授かり、一歩ずつ自分のスキルへと昇華させていく。
そうして深まっていく登山という旅を、これからも僕らしく、全力で山を楽しむ男で歩んでいきたい。
そう強く感じた山旅でした。