正月早々、奥高尾を縦走してまいりました。奥高尾縦走コースとは一般的には陣馬山、景信山、小仏城山、高尾山と奥高尾の低山を結ぶ約10.6kmの尾根(最高地点は陣馬山の857m)沿いの道を言いますが、総じて安全に歩けるコースと言えます。 https://mttakaomagazine.com/trails 鎖場や岩場などの危険な箇所はなく、分岐点には道標が設置されています。陣馬山、景信山、小仏城山、高尾山各山頂で茶屋が営業しており、また各山頂と一丁平、もみじ平にトイレが設置されています。(現在小仏城山山頂トイレは使用不能です。)高尾山頂には東京都の水道を引いた水飲み場まで備えられています。また途中でところどころ下山ルートがあり、エスケープルートとしても使えます。ただ茶屋によっては平日や荒天の日には休業するところもあるので、買わなくてもすむだけの水や行動食は必要です。また昨年の台風の影響で奥高尾界隈で今も通行止めのルートがありますので、もし行かれる場合はあらかじめご注意ください。 今回は林道日影沢線入口を出発し、景信山東尾根(バリルート)から景信山、堂所山を経て陣馬山へ、そこから引き返して景信山、小仏城山、高尾山と縦走して4号路~いろはの森コース経由で下山しました。なお当初のアプリの設定が悪かったため、活動データの堂所山までの軌道が部分的に直線になっています。写真とは場所が一致しないところもありますのでご承知おきください。 朝08:00、日影沢林道入口を出発します。都道を左(西)に進み、JR中央線の橋の下を通過してすぐ右に曲がって線路沿いの道を上がります。中央自動車道をくぐると木下沢の梅園です。普段は閉鎖されている正面駐車場の左が景信山東尾根の入口です。入口には踏み跡がついてますが、そのまま進んでしまいますと踏み跡が分かれ、どこに行っても大変です。取り付きはどこからも登れるけれどもどこからも登りにくいという厄介な尾根です。ですが尾根に向かって左、高速道路に近いほうへ寄っていきますと階段があるので登りやすくなっています。1年前にも来ましたが、今回はさっさと階段に出て時間と体力を節約します。ふと見上げると私の前に年配のご夫婦と思しき2人が歩いていました。他に誰かいるとは思えない場所でしたので大変驚きましたが、挨拶して道を譲っていただきました。階段が終わると尾根道は明瞭で迷う心配はありません。緩傾斜と急傾斜を小刻みに繰り返しつつ標高を上げ、こぢんまりしたテーブルと椅子が置かれたお休み処に着きました。上着を脱ぐにはちょうどいい頃合です。一般登山道との合流点に着いてから休憩しようと先へ進みましたが、途中で暑くなってきました。やはりお休み処で休むのが最適でした。 休憩して景信山頂上へ向かいます。傾斜はややきつめですが長くはありません。09:24頂上に到着しました。天気がよくいい眺めです。 一休みして陣馬山に向けて出発です。景信山から陣馬山まではいくつかこぶがあり、それぞれ巻き道があります。今回は行きはこぶ、帰りは巻き道を行くことにしました。こぶを登ったところで眺めがいいわけでもありません。時間と体力を節約するなら行きも帰りも巻き道を使うことをおすすめします。堂所山も巻き道があり、私の前後にいた登山者もほとんどの方が巻いていかれました。その堂所山はベンチが二つ置かれて休憩できるようになってますが、眺めがいい場所でもありません。私はここでアプリの設定をあれこれ弄り回しておりましたが、ここでようやく現在地を正確に表示できるようになりました。 ところで景信山から陣馬山へ至る奥高尾の稜線は、ところどころ日が高くなると霜が解け、それを登山者が踏むために登山道が泥濘化します。歩きにくく転倒しやすくなってますので、もし行かれる場合はお気をつけください。なお昼過ぎにもなりますと陣馬山、景信山、城山いずれも頂上もかなりの部分が泥濘化します。山頂で泥濘の心配が要らないのは完全舗装された高尾山だけです。 帰ってくるまで富士小屋山と南郷山があったとは知りませんでした。山といっても山道の脇にあるこぶで、道標もないため事前に知らなければ山があることすらわかりません。というわけで山頂を踏みそこないました(笑)。話は戻りますが、景信山東尾根のお休み処から一般登山道に出る間に大久保山という表札のある場所がありました。1年前にはそのような表示はなかったように思うのですが、どなたかが名づけられたのでしょうか。 閑話休題、11:08陣馬山山頂に到着しました。多くの登山者でにぎわっています。ここからは富士山をはじめ丹沢、南アルプス、奥多摩、日光、筑波山などほぼ全周囲の眺めを楽しめます。 11:40頃休憩を終えて出発します。昼時で暖かくなって霜が緩み、山頂直下の登山道は泥だらけです。一休さんの知恵を借り、なるべく山道の端を歩いて回避します。帰りは悉く巻き道を通りましたが、やはり楽でした。道標のない巻き道もあり、見逃したところもあったようです。 13時までに景信山に戻れれば時間的には高尾山まで行けるだろうと見積もっていたところ、12:57に到着しました。お茶を飲んで休んでいるうちに体力が回復してきましたので行くことにします。小仏峠から小仏入口までの山道は通行止めになっていてロープが張られています。また、小仏峠の先にある城山の巻き道も崩落のため通行止めです。 13:50頃小仏城山に着きました。けっこう疲れてきましたのでここでもお茶休憩です。登山を開始してから大体6時間を越えますと疲れの色が濃くなってきます。登山のランクにはいろいろな基準がありますが、一つの目安として6時間が中級と上級の境目というのも実感いたします。なお小仏城山の山頂の便所は現在使用不能です。 城山を出発して高尾山に向かいます。城山から高尾山までは歩きやすいように山道が大変よく整備されています。そのうちエスカレータでもつけるかもしれませんよ(笑)。山道の階段は歩幅にあわないから嫌いだという方がいらっしゃいます。お気持ちはわかりますが、おそらくその階段がなければ足場に乏しく滑りやすかったり、一歩の段差が倍くらいになっていたりで、もとから歩きにくいか手入れしなければ通れないところです。ですから嫌いなのは階段ではなく、階段をつけなければ歩けないような場所ということです。言われなき登山者の恨みをかった階段話でございました。 14:40頃、高尾山に到着です。山というより観光地です。余談ですが31日夜から1日にかけては初日の出を見ようと人が押し寄せ、夜中に入場規制がかかったそうです。ここで観光客の中で息を切らせてリュックを背負っているのは場違いな気がしてきます。東屋で一休みし、4号路からいろはの森コースを下山して日影沢林道入口まで戻ってきました。途中で沢を越えるところがあり、台風の影響で地形が変わってましたが支障なく通過できました。 景信山で小仏のバスは走っているか他の登山者におたずねになっていた方がいらっしゃいました。たずねられた方は自家用車なのでわからないとのお返事でしたが、質問した方と目が合ったのでバスは復旧していることをお伝えしました。すると、木下沢ルートは通行止めになっているが、ここから下山できるかとお尋ねになりましたので、ここを降りていくと小仏入口と木下沢の分岐があり、道標のとおり行けば下山できるとお伝えしたところ、10年ぶりに来たからわからなかったことと礼を言われて下山していかれました。山で遭難するのは恐れを知らぬ初心者と体力の衰えを自覚しない中高年と言われますが、その方が今後くれぐれも遭難者の仲間入りしないよう祈るばかりです。 前々から高尾山のコースタイムは遅めだと思ってましたが、登山道が整備されて速く歩けるようになってきたためかもしれません。陣馬山を歩いてみてご幼少の砌(笑)に縦走した時も泥濘だったことを思い出しました。山によってコースタイムが速かったり遅かったりしますので、登山を計画するときは、他の方の記録も参考にしてみてはいかがでしょうか。 2020/1/3作成 2020/1/4加筆修正
日影沢林道入口です。右奥に見える柵のところから路肩に10数台分の車が停められます。
中央自動車道下を通過したところです。正面のプレハブ小屋のある所が駐車場で、小屋の左が東尾根です。
東尾根入口です。プレハブ小屋は写真の左手前の方向です。
中央自動車道のすぐそばに出ます。
階段を登ります。
階段の先の山道ははっきりしており、迷う心配はありません。
お休み処
大久保山とかかれた表札が左右に掲げられています。
木下沢林道からの登山道との合流地点です。現在は林道が通行止めとなっているため登山者はいません。
木下沢林道からの登山道と小仏バス停からの登山道の合流地点です。
景信山です。ここほど三角点が大切にされている山も珍しいのではないでしょうか。
登ってきた東尾根
富士山です。朝のうちは雲がないのできれいに見えます。
巻き道分岐です。奥高尾縦走ルート上にはいくつかの巻き道があります。景信山から陣馬山に向かう場合、ほとんど(あるいは全部か)分岐右が本ルート、左が巻き道です。本ルートを行ったところで眺めがいいわけではないので、特に目的がなければ巻き道をお勧めします。
堂所山分岐です。
堂所山の山標
山頂にはベンチが置かれています。展望はありません。山標の左にあるのは御料局三角点ですが初めて見ました。
堂所山から奥高尾の尾根(陣馬山方向)へ下る山道です。笹が茂ってますが、道はわかります。
明王峠の茶屋。店は開いているかもしれませんが、人が見えません。
日陰は霜が残っています。
ここを登ると陣馬山山頂です。山道は泥濘化しています。
陣馬山山頂
丹沢方面の景色
奥多摩方面の景色。中央が大岳山です。
富士山。雲が出てきました。
道標のない巻き道。奥が陣馬山方向です。地図と照合したところ、ここが奈良子峠のようです。
ここも道標のない巻き道です。奥が景信山方向です。
景信山に戻ってきました。
小仏峠
小仏峠から城山に向かってすぐのところにある分岐です。どちらに行ってもすぐ合流します。
小仏城山の四等三角点です。
山標と天狗の置物
天狗の背中はえぐれています(笑)
天狗を背にして茶屋方向を撮りました。中央やや右よりのところにあるのが三角点です。
足つぼの道と呼ぶことにしました(笑)。
もみじ平へ登る階段。左は巻き道です。ここは巻かずに直登します。
高尾山頂下の広場です。高尾山を知らない人ならこれを見ても山頂とは思えないのではないでしょうか。
高尾山の山標
三角点
山頂下にある建設費1億5千万円のトイレです。
4号路といろはの森コースの合流地点です。道標を確認すれば道を間違えることはありません。
いるはの森コース途中にある休憩用の椅子です。足場が傾いてますので、ご自身の身長にあわせて腰掛ける位置を左右に調整してください。ですが熊出没の注意書きを見るとゆっくり休んでいられません。
いろはの森コースと日影沢林道の枝道の交差する地点です。いろはの森コースは右の細い道です。
一つ前の写真の場所にある道標です。上向きの細い矢印にいろはの森と書いてありますが、正しくはいろはの森コースです。この先にいろはの森と呼ばれる特定の地域はありません。敢えて言うならば、いろはの森とは道の先も含め高尾山頂からここまでの山道一帯の森です。私は初めて来た時にこれを見て左を向いている太い矢印の林道を進んでしまいました。どちらに進んでもキャンプ場・バス停に出ますが、林道は遠回りです。
左はいろはの森コース、右は日影沢林道です。左から降りてきて振り返って撮影したものです。現在、日影沢林道は通行止めです。
キャンプ場にいた猫