活動データ
タイム
10:52
距離
7.5km
のぼり
1372m
くだり
1371m
活動詳細
すべて見る新居浜のK2、沓掛・黒森 遠くの山から石鎚山系や赤石山系を同定する時、必ず最初に見つけるのが「沓掛山」と「黒森山」のセットですね 沓掛山は南側で尖がっており、黒森山はその北側でギザギザ構えているので直ぐ分かります (剣山系では天狗塚と牛ノ背のセットも同じ様な形ですね) そこを起点に周りの山を同定して行きます 赤石山系でも遠くから見ると良く分かりませんが沓掛・黒森の位置関係から割り出して行きます 私は沓掛山と黒森山の頭文字を取ってセットで「K2」って勝手に名付けました 石鎚山以外に遠くから瞬時に同定出来る山の形は何と言ってもこのK2セットです まあ、どちらの山も登山としてはマイナーで、南側のごく平凡な形をした笹ヶ峰の大展望の人気にはとても敵(かな)いません 案の定、山渓分県登山ガイド「愛媛県の山」2016年新版からこの山は消え去ってしまいました 新居浜で育ちそこから山歩きを始めた私にとって、河又(こうまた)から見上げる春先まで雪を被って垂直の壁の様に立ちあがった沓掛山と黒森山の姿には畏敬の念すら覚えます 沓掛山北東尾根ルート 普通、沓掛山へは笹ヶ峰の鞍部、西山越からチョロっと上がってついでに黒森もって感じですね ところがどっこい、新居浜の河又から国領川の上流、土山谷川と本谷川の間に綺麗な尾根が沓掛山まで男らしくピ~ンと続いているのです 黒森バットレスとバットレス・スペシャル 黒森山の様な細尾根タイプの山は横から支えてやらないと崩れてしまいます 造山活動の過程で褶曲運動によって出来た地球の皺、黒森山の東側では3つの支尾根によってこの細壁を支えています 1つ目は黒森・南峰から東へ短い梁(支尾根)、これを私は「黒森バットレス」と名付けました 2つ目は中央の三角点峰から少し北側にあるピーク(北峰)より北東方向へもっと短い梁(支尾根)これを私は「黒森バットレス・スペシャル」と呼んでいます 細尾根に固有名詞を付けてやると説明する時に何かと便利なのです 普通、バットレスと言えば北岳バットレスの様に岩場に付けられる名前なんですが、四国では天然桧やシャクナゲに飾られた岩場でも許して貰いましょう 3つ目は主稜線とも言える北東へ延びる「シャクナゲの尾」で、これは辻ヶ峰を経て平野部まで続いています 沓掛・黒森裾野の中心に立つJパワー「229番鉄塔」を中心にして、それぞれの支尾根へ取り付いて行くルートがあります この内、シャクナゲ尾根に立つJパワー「231番鉄塔」から「229番鉄塔」を経て桜平橋(サクラナルバシ)まで鉄塔保線路を利用するルートは従来から登山道として利用されており、Jパワー保線路入り口に「黒森山登山口」の標識が立っています 他の短い尾根に関しては究極のバリエーションルートとして以前から私のHPにアップして紹介して参りました 電源開発(J-パワー)保線路以外は当然道は無く、尾根も急斜面で厳しい環境です でも、ここには厳しい岩場に生き続ける天然ヒノキやシャクナゲが栄養や水分を確保する為に縦横に根っ子を太く伸ばして酔狂な登山者の安全や歩行を助けてくれます 物凄く木々の生命力を感じさせてくれる究極の山歩きを味わう事が出来ます 但し、この尾根は地形図では一本尾根に見えますが、現場を歩くと岩場が沢山あり右へ左へとルート取りが必要とされ、特に下りでは行き詰ってしまう事があります 河又(こうまた)登山口と山行ルート 国領川は立川付近では龍川(たつかわ)、さらに鹿森ダム付近からは小女郎川となります。(国土地理院に記されている足谷川は間違い) 清滝や東平への分岐から少し上流で大永山トンネル方面への東側「河又谷」と西側「本谷川」に大きく分岐します。ここが「河又」(こうまた)と呼ばれる場所で、以前住友関係の保養所などが有り、子供の頃父に連れられて遊びに行った記憶があります 伊藤玉男さんの著書「あかがねの峰」によると、別子銅山より以前に銅山峰の北嶺(当時は西条藩)で稼業していた立川銅山の荒銅運搬道筋がこの「河又」から国領川左岸の中腹道が大永山村を経由して新居浜浦まであったらしいと記されています ちなみに、川の分流箇所を下流側から見た場合に河又、川又、河俣、川股、二俣などと呼ばれ、逆に上流側からみた呼び名としては川内、河内、落合、川合、川井、川相などの地名が付けられているらしいです 今回の山行はこの河又から少し県道を進んだヘヤピンカーブの駐車場から出発して、更に本谷川と土山谷川の間に沓掛山へと延びる「沓掛・北東尾根」を這い上がり、帰りは前述の黒森バットレスを下ります 犬返し仲間の「の~ちゃん」には既にマーシーさんと黒森バットレスとスペシャルの2ルートを一緒に歩いて経験伝授済みでした その「の~ちゃん」から3月半ばに「沓掛北東尾根ご一緒願います」とのリクエストがあり、マーシーさん、ジュニアさん夫婦、バンブーさんと一緒に歩ける日曜日の晴天時に行こうと約束をしておりました そして条件が揃った4月2日に今回の山行が実現しました 沓掛山北東尾根は4度目、黒森バットレスは3度目でしたが、何度歩いても渋いルートでした 皆さんのお蔭で充実した一日を過ごす事ができました エントツ山
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