鳴子の壁ならぬ胡桃の壁! 胡桃ヶ岳東尾根にて斜度あるスキー登山の一考察

2022.02.07(月) 日帰り

活動データ

タイム

03:03

距離

2.3km

のぼり

332m

くだり

331m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 3
休憩時間
1 時間 50
距離
2.3 km
のぼり / くだり
332 / 331 m
1 29
17

活動詳細

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はじめはあんまり参考になるものもないなと思って手付けてなかったのですが、それでもデータとして面白いなと思ったのでアップします。鳴子の里山、胡桃ヶ岳の記録です。 【山鮪、有休の変遷】 1月末から2月頭にかけて、有休を取れる日を4つ用意しておきました。が、ちょうど同じタイミングで寒波襲来…ベストの日を待ち続け、結局まったく晴れなかったので最後のタイミングで夏油に行こうと思うも、雪の降りすぎでお目当てのツリーランエリアが閉鎖…。踏んだり蹴ったりだなと内心涙しつつ、イグルーづくり&未踏ルート開拓にと近場の鳴子で演習を行いました。 【胡桃ヶ岳】 潟沼を囲む鳴子火山外輪山の一峰です。記録を拝見すると上野々上部の車道末端から外輪山をぐるりと一周する記録がメインです。それはそれで魅力的なのですが、スキーだと細かいアップダウンは面倒…ということで、ルート開拓も兼ねて最短で登頂できそうな東側の尾根を攻めてみました。割と下の方はスキー滑走にちょうど良さそうな斜度ですしね。 ところが、1つ盲点が。里山ということでそんなに下調べもせず向かったのですが、東尾根で登ると400m手前でかなり等高線が密です。迂回してもう少し緩い所から登っても良かったのですが、はたしてどのくらいの斜度までならスキーで登れるのかと気になって突っ込んでみました。結果、鳴子の壁ならぬ胡桃の壁。下山後地理院地図を使って角度を算出してみましたが、38度でした。これはまさに、悪名高かった鳴子の壁に匹敵する斜度。実測でなく距離・標高差から割り出したものなのでどこまで正確かは分かりませんが、スキーで登った中では一番斜度のある登りだったので瞬間的には40度とかあってもおかしくなかったかと思います。 東尾根を突破した後は、最近整備されたという外輪山ルートと合流します。赤テープは豊富ですが、立木も豊富なのであんまりスキー向きではありません笑 肝心のイグルー作りも下手すぎてアップは控えます笑 山頂は時折雪雲が襲来したこともあってか景色はほとんど記憶にありません。 下りも行きと同じ壁を下るのはナンセンス&微妙な登り返しもあったので、東尾根手前の鞍部より沢地形をドロップしました。標高差100mもあったかというところでしたが、まずまずの斜面でした。その後植林帯をトラバース滑りし車道(冬季閉鎖)に合流。もう1つの目的だった湯治(乾燥肌が気になっていた)に向かい、汗を流しました。 【スキーによる傾斜の強い登りについて】 スキーで山に登っていると思いますが、斜度もさることながら、より重要なのが雪面の状態と植生。雪面については、当然ガチガチの凍結斜面であれば斜度が緩くてもスキーでは登れません。また、もなか雪や凍結斜面に新雪が積もった状態もスキーでは苦戦します(そんな雪はスキーじゃなくても苦戦しそうですが。もなかはまだアイゼンよりスキーの方が強そうです)。 また、植生が密であれば、小回りの利かないスキーにとっては悪路です。ブナ林なんてのは木の間隔も広く雪も深いので最高ですが、細かい木立が連続するところは小回りが利かないですし、ブナも生えない細い尾根はそういう植生が多い傾向にあるので面倒です。もし狙っている雪山があれば、着雪前の偵察でそういう点も観察していると成功率が上がるかもしれません。例えば、1月の虎毛チャレンジで苦戦した水沢森南東尾根はやせ尾根で、植生もやせ尾根に顕著な針葉樹(注、人工林でなく天然針葉樹です)でした。夏場そういう植生が認められたり、またgooglemapの航空写真で深緑色の尾根だったりしたら苦戦を予想していた方がいいかもしれません。 肝心の胡桃の壁ですが、ジグを切ったり、カニ歩きしたり、木を掴んだりといろいろ試して突破しました。雪はそこそこ締まっていたので登れましたが、斜度的には雪崩発生リスクのある角度なのであまりお勧めはできません。 スキーで登る分には、30度までがギリギリというところではないでしょうか。事実、月山の鍛冶月光は28度のようで、毎年スキーで登り通すかアイゼンに履き替えるか悩んでいます。やはり稜線直下なんかは凍結しているのでスキーでは歯が立たずアイゼン・ピッケルの出番と言うところなのでしょうが。今回のように樹林帯で雪の状態も悪くなければ40度近い斜度でも行けなくはない…のかもしれませんが時間はかなりかかります。未開拓ルートを狙っている方は参考にしてください。 ちなみに下りについては、38度が自分の経験では最高値のようです。この38度という数字は、これまた有名な「横倉の壁」と同じ数値です。ただ山相手であれば、たとえ瞬間的にであっても、38度という数値は決して珍しいものではない気がするので、蔵王スキー場で横倉の壁に挑んでイメージを掴むことも大切になってくるのかなと思います。(私がトレーニングでよく行く夏油の最高傾斜は35度のようです)。 ちなみに角度については、Excelで「=180×ATAN(標高差/距離)/PI()」という計算式で求められます。

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