山頭火
ユーザーID: 387197
- 活動エリア 長野,山梨,富山
- お住いの地域 東京
- 性別 男性
- 誕生日 1955年
山頭火さんのモーメント
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【丹沢 温泉トレッキング 大山からミツマタ群生地へ】日帰り(初~中級者向き) ~~春が来たら相模湾を見下ろすパワースポットへ。下山後は露天風呂と秘伝味噌だれ「ボタン鍋」を!~~ ◆紹介コース:標準5時間30分~6時間30分、水平移動距離:約11.3m 積算標高差:上り約1,222m、下り約1,450m 伊勢原駅⇒大山ケーブルバス停→大山寺→阿夫利神社→大山→唐沢峠→不動尻→山神隧道→広沢寺温泉(玉翠楼)→広沢寺温泉入口バス停⇒本厚木駅 ※1日、数本、旅館の前までくるバス便がある。厚木バスセンター行きと書かれているが本厚木駅前のことだ。 ◆温トレのグレーディング: コース:★★★☆☆ 難易度:★★☆☆☆ 温泉魅力度:★★★☆☆ ◆百名山データ:【大山】日本三百名山、花の百名山、関東百名山、日本百低山 ※ http://100meizan.org で検索可能。 ◆温泉:廣澤寺(こうたくじ)温泉 元湯 玉翠楼 日帰り入浴可。日帰りは露天風呂のみ。女性風呂は露天の総漆塗り檜風呂。 [泉質]強アルカリ性冷鉱泉 [効能]神経痛、筋肉痛、関節痛など [源泉温度]24℃ 一般社団法人日本温泉協会会員 ◆ベストシーズン:4月~12月上旬。 冬場の登山道はアイスバーンになっている所がある。軽アイゼン、またはチェーンスパイクが必要。不動尻にミツマタ群生地があり、3月中旬~4月上旬には綺麗な花が咲く。 ◆危険個所 冬場はアイスバーンとなる箇所も多く、軽アイゼン、チェーンスパイクは必ず持って行くこと。以前、年末に歩いた時は不動尻から山神隧道間の林道も凍っていた。 ◆コース紹介 丹沢の東側に位置し、江戸時代から大山詣でとして栄えた。都内からもよく見える。今回は大山山頂から一般ルートからちょっと外れ、登山者が少ない広沢寺温泉への下山ルートを紹介。 小田急線伊勢原駅北口からのバスに乗車。バスは頻繁に出ているのであまり時間は気にしなくてもいい。約30分乗車で終点の「大山ケーブル」バス停の到着。バス停前からいきなりの急な坂を登ることになる。江戸時代、富士講が流行った当時、まずは高尾山に登り、富士山に登り、その帰りに大山に詣でてから大山街道を歩いて江戸に戻ったとか。今でも大山の表参道にはお土産屋、湯豆腐屋、大山講たちが宿泊する宿坊が幾つもある。今回はケーブルには乗らずに急な坂を大山寺を経てケーブル終点の阿夫利神社へ約1時間をかけて登る。男坂ルート、女坂ルートの両方があるがどちらもかなりの急坂。阿夫利神社に着くとケーブルカーに乗ってきた観光客で賑わっていることで少し興ざめするかもしれない。 ここからは相模湾が見渡せるので小休止を。ここから本格的な登山道となる。大きな杉の中を大きなゴツゴツとした岩を避けながら登る。山頂まで約1時間20分。途中、ヤビツ峠への分岐の道があるがそこから富士山を眺めることが出来る。表参道には石碑であり、この分岐が二十五丁目と刻まれている。やがて山頂に到着。山頂はあまり広くはない割に多くの登山者が押し寄せるので昼食時はかなりの人出。すぐ裏に下ったところにも平らなスペースがあり、相模湾は一望できないがこちらの方がいつも空いている。大山は東京方面からも眺められる通り、山頂からは逆に東京都心、高尾山、奥多摩、奥秩父などが眺められる。 下山はいきなり急な階段を下りるところからスタート。20分程下ると阿夫利神社へ戻れる分岐となるが尾根を外れて不動尻と標識に書かれた左のルートへ。まだまだ木の階段が続く道。やがて穏やかな草原のところを過ぎると痩せ尾根を通過する。両側が切れ落ちているため、鎖が張られているが集中して歩きたいところがしばらく続く。以前、東屋があったところはベンチだけになっていた。そこをを過ぎると唐沢峠に。ここからは植林された杉の林を下る。下りきった沢沿いのところが不動尻。ここがミツマタの群生地だ。ここから広沢寺温泉まで約4kmの林道歩きとなる。途中に山神隧道と呼ばてるトンネルがある。このトンネルを抜けるとき自分の指先さえ見えない真っ暗な闇の中を歩き、ゾッとするような寒気を感じた。後でネットで調べたら心霊スポットとして有名なところだとか。。翌年の春に通った時には何故か明るいトンネルで何ともなく、その差が大きく今度は狐につままれたような気分になった。 山神隧道から約30分で広沢寺温泉玉翠楼に到着。ここは昭和初期に小田急線が開通した当時からの温泉で山鯨と呼ばれた「ぼたん鍋」が有名な旅館だ。子供の頃に電車の額面広告に「獲ってきて食わせる山鯨」的なコピーが書かれた広告が子供心に記憶に残っているがこの旅館だったのか解らない。しかし館内にはいくつもの猪の剥製が飾られていることからも昔は猟師が獲って来て食べさせていた事は事実なんであろう。温泉は24°の鉱泉だか気持ちの良い露天風呂だ。春には露天風呂の脇にある梅が咲く。女性風呂はとてもユニークで樹齢二千年の古代檜に総漆塗りを何度も重ね塗りをしたものだそう。 以前、料理とお風呂がセットになった猪鍋定食が5,000円だったが、今は個室の休憩付きで11,000円になっていた。 一般社団法人 日本百名山協会 事務局長・温トレ・マスター 加藤洋 #日本三百名山 #関東百名山 #花の百名山 #日本百低山 #日本百名山協会 #丹沢 #大山 #関東ふれあいの道 #玉翠楼 #七沢寺温泉 #温泉トレッキング #温トレ
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【温泉トレッキング 黒斑山・高峯山】冬山1泊2日(初級者・中級者向き) ◆紹介コース(高峯山):標準2時間30~3時間30分、水平移動距離:約3.2km 積算標高差:上り約170m、下り約170m 菅平駅⇒アサマ2000スキー場バス停⇒(雪上車)高峰温泉→粒ケ平→高峯山→粒ヶ平→高峰温泉(泊) ◆紹介コース(黒斑山)標準4時間~5時間、水平移動距離:約6.5km 積算標高差:上り約510m、下り約510m 高峰温泉(雪上車)⇒アサマ2000スキー場バス停→(表コース)車坂峠→槍ヶ鞘→避難小屋→トーミの頭→草すべり分岐→黒斑山→草すべり分岐→(中コース)アサマ2000スキーバス停前(雪上車)⇒高峰温泉 ◆温トレのグレーディング: 高峯山(冬期) コース:★★☆☆☆ ※悪天候でなければトレースあり。 体力度:★☆☆☆☆ 難易度:★★☆☆☆ 温泉魅力度:★★★★★ もし高峰温泉に宿泊するのであれば、 アサマ2000スキー場の駐車場まで雪上車が迎えに来てくれる上に スノーシュー・スパッツ・ダブルストックを無料でレンタル出来る。 日帰りの場合はアサマ2000スキー場でレンタルが可能。 黒斑山(冬期) コース:★★☆☆☆ 体力度:★★☆☆☆ 難易度:★★☆☆☆ 温泉魅力度:★★★★★ 大きな危険個所は特になし。 ただし浅間山を一望できるトーミの頭までのわずかの登りが 急坂でまた以前よりも道が崩れて細くなっている。アイスバーンとなる時期は滑落に注意すること。出来れば軽アイゼンに履き替えた方が安全。 ◆百名山データ:【黒斑山】花の百名山、関東百名山、群馬百名山 【高峯山】花の百名山 ◆温泉:高峰温泉(日帰り入浴あり) 露天風呂あり。※悪天候時、夜間は入浴できない。 [泉質]含硫黄-カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉 [効能]神経痛・筋肉痛・リウマチ・切り傷・火傷・皮膚病・冷え症・慢性消化器病・糖尿病・痛風・肝臓病 [源泉温度]35.8℃ ◆冬期ベストシーズン:1月~3月上旬。 今回は冬場におすすめの温トレのご紹介。 新幹線の「佐久平」駅で下車し、高峰温泉行のバスで約1時間、険しい山道を登ると高峰温泉があるアサマ2000スキー場に着く。花の百名山に選ばれた高峰山・黒斑山の2座なので、夏場、周辺には多くの高山植物が咲くらしい。(冬しか来たことがないので実際はよく知らないが)黒斑山だけであれば日帰りでも十分可能です。 でも日本秘湯の会の温泉「高峰温泉」があるので、今回は泊まりのコースを紹介しましょう。 黒斑山は日本百名山のひとつ浅間山を拝む外輪山としての人気が高い。冬になると、浅間山がまるでシュガーパウダーが掛かったチョコレートケーキのように見えてしまうのは僕だけじゃないと思う。 初日、高峰温泉にチェックインしたらスノーシューのトレーニングを兼ねて高峯山に向かう。 宿から雪上車で来た道を少し戻ると直ぐに左手に高峯山への登山口がある。そこからは森林帯の中を進むので風はほとんど気にすることもなく気持ちよく歩くことが出来る。徐々に急な斜面になるが、左手はアサマ2000スキー場のゲレンデ。リフトの音を聞きながら少しの間、頑張ってのぼる。 粒ヶ平というなだらかな森につくと、その先は雪で深く覆われた木々を眺めながら進めるので気持ちいい。やがて細い尾根を進むと高峯山山頂に到着する。帰りはピストンで来た道を戻る。 高揚した気分とは裏腹に身体は冷えている。高峰温泉でゆっくりと身体を温めよう。夜は宿のオーナーによる星空見学会なども開催されるので是非参加してみてほしい。 翌日は朝ご飯を済ませたらすぐに出発するのが理想。雪上車でスキー場のバス停まで送ってもらえる。今回は表コースと呼ばれる尾根道を行き、谷沿いの中コースから帰る。表コースは途中にやせ尾根や積雪が続くとトレースが不明瞭の時期もあるので、初心者には中コースの往復をおすすめしたい。 表コースへはスキー場の駐車場からしばらく車道を歩いていく。車坂峠から登山道に入るが、中ルートとの分岐もあるので標識をよく確かめてから入るように。尾根筋に沿って登れば特に難しいところはない。といいつつ、車坂山を越えて一旦下るところが分かりにくいのでトレースが無い時には注意が必要。 左側に黒斑山の尾根筋が見え始めたところで、浅間山の噴火の際に避難する鉄製シェルターにつく。さらに進んで鬱蒼とした木々を抜けると目の前に大きな浅間山が飛び込んでくる。ここからしばらくは急な坂になっていて、浅間山側は切れ落ちているので注意が必要。時期によってはアイスバーンになっているため、軽アイゼンを持っていくとよい。トーミの頭を過ぎると黒斑山山頂はもう目の前。山頂はわずかなスペースしかない。もし山頂の道標が雪に埋もれていたら、掘り返して写真を撮ると楽しい。ここも浅間山側は切り立った崖になっているのでスリップによる滑落には注意が必要。下山はトーミの頭から下ったところにある中ルートを。大きな危険箇所もない。 無雪期には車坂峠へ下るルートをとるが、積雪期はスキー場の駐車場へ真っすぐ下るトレースがあるのでそのルートを。 やがてバス停がある道の向かい側へ出る事が出来る。中ルートでピストンをする場合は、この駐車場の裏から登る事になるが大きな標識はないので注意深く探さないと見落としてしまうかも。バスの時間まで余裕があれば高峰温泉の日帰り入浴で温まってから帰りたいね。
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【温泉トレッキング 会津駒ケ岳】1泊2日(冬山入門~初心者向き) ~~山小屋開きにストックで登れる残雪の山。宿泊は下山して檜枝岐村の掛け流し温泉の民宿へ~~ ◆紹介コース:1日目:標準6時間30分程度、中門岳をピストンした場合はプラス1時間30分程度 水平移動距離::約10. 4km 積算標高差:△▽1291m、 中門岳をピストンした場合はプラス約2.5km 滝沢橋→滝沢登山口→水場→駒ノ小屋→会津駒ケ岳→駒ノ小屋→水場→滝沢登山口→滝沢橋 ◆温トレのグレーディング: コース:★★★☆☆☆(残雪期コース) 難易度:★★★☆☆☆山のグレーティング(無雪期B3) 体力度:★★★☆☆☆ 温泉魅力度:★★★★★☆ ◆百名山データ: 【会津駒ケ岳2133m】日本百名山、東北百名山、会津百名山、新・花の百名山 【中門岳(ちゅうもんだけ)2060m】うつくしま百名山 ※http://100meizan.org で検索可能。 ◆温泉:桧枝岐温泉(桧枝岐温泉4号線) 泉質 単純温泉・低張性弱アルカリ性高温泉 効能 神経痛 / 筋肉痛 / 関節痛 / 五十肩 / 運動麻痺 / 関節のこわばり / うちみ / くじき / 慢性消化器病 / 痔疾 / 冷え性 / 病後回復期 / 疲労回復 / 健康増進 泉温 63.7℃ お風呂 温泉・男女別(石鹸・シャンプー使えます) ◆会津駒ケ岳の山頂直下にある駒ノ小屋の山小屋開きは毎年ゴールデンウィークの時期。11月上旬まで営業している。素泊まり小屋なので自炊が原則。コロナ前から無理に詰め込まず暖かい布団で寝られるようにキャパシティを調整してくれている。自炊場はあまり広くはないので混雑時期の天気のよい日は外のベンチで自炊を楽しむ方が気持いい。残雪期は雪を堀ったところに板を引いてベンチにして雪を固めてテーブルにしている。新緑を楽しむなら雪が消えた5月中旬。そしてハクサンコザクラを代表とする高山植物広がる夏のお花畑と続き、草紅葉で一面真っ赤に染まる錦秋の湿原までそれぞれの楽しみ方が出来る山。この時期の残雪期は12本アイゼンまでは必要なく、6本の軽アイゼンで山頂まで登ることが出来る。会津駒ケ岳の先にある中門岳まで残雪期は東側に雪庇が張り出すので注意が必要。雪が解けると湿原が現れ高山植物が咲く。池塘が点在し、特に朝夕には美しく光り輝く。 ◆コース上の危険個所 コースから外れなければ特に危険箇所はないが、残雪期に融雪が進む時期、急斜面でのスリップや踏み抜き、登山道が曖昧で道迷いしやすい。またバックカントリーを楽しむスキーヤーも多いので下山時にスロープの跡を辿ると思わぬ急斜面や深みにはまりかねばいのでご注意を。途中の水場は急斜面を2分ほど下るため、残雪期には使えない。 ◆檜枝岐村 東京から会津駒ケ岳にへのアクセスはあまりよくない。マイカーでも尾瀬の向かい側にぐるっと回る西那須野インターから一般道を約100km、新宿から約4時間、鉄道を使うと東武鉄道の「会津高原尾瀬口」からバスで「檜枝岐村」まで70分、片道約5時間の道のり。雪解時期は新潟方面から入る国道352号線は通行止で迂回するしかない。檜枝岐村は山々に囲まれた場所で日本有数の特別豪雪地帯と言われ平家の落人伝説が残るが納得できる奥地の更に奥地にある。村を通る沼田街道沿いには江戸時代に凶作の年に間引きされた赤ん坊の霊と母親の嘆きを供養した六地蔵があり、今でも村の人々から大切に守られている。村民の姓は「星」「平野」「橘」で占められ、これらの姓のルーツは平家へとつながっている。 残雪期に訪れると広葉樹の山に囲まれた深い谷の道を何度もくねりながら川上に向かうとやがて開けた平地となり檜枝岐村となる。年3回開かれる檜枝岐歌舞伎が無形文化財となっており、山人(やもーど)料理と呼ばれる山菜、キノコ、イワナ、熊、うさぎなどを煮込んだ鍋料理や、ハコネサンショウウオの唐揚げ、そばを幾重にも重ねて切った裁ち蕎麦、唐辛子を塩つけした山人漬けなど独特の料理がある。 ◆コース紹介 僕らが挑んだ時期は駒ノ小屋がオープンしたゴールデンウィーク。前日に燧ケ岳に登り、夕飯が美味しい掛け流しの温泉がある民宿に宿泊してからの出発となった。この日は駒ノ小屋に宿泊予定だったので朝ごはんをゆっくりと食べてのんびりとしたスタートとなった。クルマで5分ほどで滝沢登山口へ。既に多くのマイカーで溢れていたがわずかな隙間にクルマを停めることが出来た。支度を整え出発。5分程歩くといきなり稜線への急な階段と九十九折の道が始まる。その日は朝から晴天で5分も歩くと汗をかいたが、そこから10分も登ると雪のある登山道となった。融雪が進み道と日陰で凍った道が交互に現れた。アイゼンを着けるか悩みながら登る。と突然クマ笹の向こうから人の声が。ルートファインディングを見止まって登山道からそれた登山者たちだった。「こっちが登山道ですよ!」と声をかけると熊笹をザワザワとかき分けて若い登山者が顔を出した。バックカントリー登る人も多いのでスロープに吊られて無意識に下ると登山道から外れて歩いては降りられないような斜面に降りてしまうので注意が必要だ。 登山口から1時間半程登るとちょっとした広い平坦な場所へ。ここでランチを楽しんだ。ポカポカ陽気の中、ホットメーカーでサンドウィッチを焼いた。雪で冷やしたフルーツゼリーを食べて再び出発。更にブナの林の中、ひたすら尾根の稜線を登る。やがて森林限界を超えると緩やかな斜面に出た。ここから会津駒ケ岳の山頂や無雪期には道がないため歩けない三岩岳が見えてきた。時折、雪の斜面を登っていると距離感を掴みにくくなることがある。すごそこに見えるピークが登ってもなかなか着くことが出来ない不思議な感覚になるのだ。丸い稜線を登ると目の前に駒ノ小屋が突然、見えてきた。チェックインを済ませ、山頂へ向かう。やはり目の前に見える山頂がやたらに遠くに見える。20分程で山頂に到着。山頂の標柱が雪に深く埋もれていた。振り返ると燧ケ岳、尾瀬ヶ原、至仏山を眺めることが出来た。メンバーの一人が「富士山!」と叫び指差す。その指先にうっすらと、しかし確かに富士山が見えた!その時には少し興奮した。カメラに写らないとも思ったが帰ってからPCで見ると画像にほんとにわずかながらぼんやりとだがその姿を捉えることが出来た。まだ日暮れまでには時間があったので更に奥の中門岳へ向かう。稜線は右手側が雪庇で大きく迫り出しているので慎重にルートを選んだ。40分程、ほぼ平坦な雪原をと僅かな登り返しをすると中門岳の山頂らしき場所に着いた。GPSで場所を確認するとほぼ間違いなく山頂に立っている。2mはあると思う山頂の標柱はまだ雪の中に埋もれていたようで探し回ったけど遂に見つけ出すことは出来なかった。何もない誰もいない広い平原でぐるりと写真を撮った。 小屋に戻り、外にある雪のベンチで肉を焼いてパスタを食べていると静かに陽が沈んでいった。 ※交通機関、登山道の状況などの最新情報は確認をお願いします。 一般社団法人 日本百名山協会 事務局長・温トレ・マスター 加藤洋
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【温泉トレッキング 安達太良山】1泊2日(初~中級者向き) ~~本当の空があるという、安達太良山へ!残雪期、温泉掛け流し付き山小屋で体を温める!~~ 遂にくろがね小屋が50数年ぶり3月31日を持って建て替えるため休業に入ります。先日、NHKの72時間という番組で取り上げられたこともあって31日まで全て満室。日帰り入浴は可能なので建替え前のくろがね小屋の温泉を楽しんでみてはどうでしょうか? No.15【安達太良山】1泊2日(初~中級者向き) ~~本当の空があるという、安達太良山へ!残雪期、温泉掛け流し付き山小屋で体を温める!~~ ◆紹介コース:1日目:標準2時間~2時間30分、2日目:3時間~3時間30分 水平移動距離:1日目:約4.0km、2日目:約5.9 km 積算標高差:上り下り約827 m、 あだたら高原スキー場入口(奥岳登山口)→勢至平→くろがね小屋(泊)→峰ノ辻→安達太良山→仙女平分岐→薬師岳展望台→あだたら高原スキー場入口(奥岳登山口) ◆温トレのグレーディング: コース:★★★☆☆ 難易度:★★☆☆☆山のグレーティング(B2) 体力度:★★☆☆☆ 温泉魅力度:★★★★★ ◆百名山データ:【安達太良山】日本百名山、花の百名山、新日本百名山、東北百名山、会津百名山、うつくしま百名山 ※http://100meizan.org で検索可能。 ◆温泉:くろがね温泉 小屋の玄関前に真っ黒な鐘がぶら下がっているのでくろがね小屋だと思う人がいるようだけどそれは間違い。「鉄山(くろがねやま)」の中腹にあることからこの名が付いた。江戸時代は「湯日」「十文字」「深堀」「岳」へと名も温泉地も場所を変えているが元湯はこの源泉を引き湯にしている。現在の「くろがね温泉」はこの「くろがね小屋」のみ。 [浴室]男女別内湯 [泉質]単純酸性泉 PH2.48 [適応症] 神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、五十肩、疲労回復、慢性皮膚炎 [源泉温度]56.7℃ ◆温泉:岳温泉(だけおんせん) 活火山安達太良山の中腹にある温泉で源泉は「くろがね小屋」の上にある。坂上田村麻呂による発見と言われ、江戸時代中期まではこの「くろがね小屋」付近に温泉街があったが鉄山の一部が崩壊、土石流によって温泉街が埋まり多くの死者を出し、現在地より湯川を6km程、下った不動平に移転した。この時から引湯管を用いた温泉供給が始まった。当初、土管を桶として地中に埋めたが湯冷めするために松の木管に変更するなど大掛かりだったようだ。やがて戊辰戦争の際に官軍の拠点になることを恐れた二本松藩によって温泉街は焼き払われ、その後の再建でも火事によっての温泉街全焼などの苦難が続く。現在の「岳温泉」は明治末期に約4000本の松木をつないで元湯から8kmの距離を引き湯した場所。昭和57年~平成18年まで全国にさきがけ「町おこし」のきっかけを作った独立国「ニコニコ共和国」もこの地。当時の松木が保存されている。 ◆ベストシーズン:くろがね小屋が1年中、営業しているため冬季でも登頂が可能で冬山入門コースでもある。最低、軽アイゼンは必要。最近はスノーシューで登る人も多く見かける。雪の多い積雪期にはラッセルを強いられこともあるので初心者のみの入山は避けたい。深緑、紅葉の時期は気持ちのいいトレッキングが楽しめる。 ◆コース上の危険個所 冬期はくろがね小屋の手前にトラバースするところが100m程あるが軽アイゼン、ストックで慎重に歩けば問題はない。積雪期以外は特に危険箇所はない。 ◆コース紹介 登山口となる奥岳登山口までの定期バスはなく、通常は岳温泉まで。週末、紅葉シーズンのみシャトルバスが岳温泉から奥岳登山口(あだたら高原スキー場)まで1日、数本運行している。(現在、運休)登山口には大きな無料の駐車場があるので車のアクセスが俄然、楽だ。 僕らはクルマを駐車場に停めて出発。スキー場のゲレンデに目を奪われると右側にある林道が登山口であることを見落としてしまいそうになる。この時期は残雪の林道をしばらく進み鳥川にかかる鳥川橋を渡ってはじめて左手に登山道が現れる。林道経由では15分ほど遠回りになるが急斜面の上りを避けたいのであれば迂回も体力的には楽だ。この林道は「くろがね小屋」のそばまで小屋の関係車両が入るため、また江戸時代の温泉街への道でもあったからか登山道は道幅もあって歩きやすい。やや急となる登山道を登りきると傾らかで気持ちいい勢至平に着く。6月上旬にはレンゲツツジの群生が見られるところ。休息にはもってこいの場所だ。ここまで約1時間強の道程。この先もほとんど平坦な道を山を迂回するように進む。やがて無雪期にはないトラバースがあるが慎重に歩けばクリアーできる。そこをすぎれば「くろがね小屋」が目の前に見えてくる。普段から歩き慣れている方には物足りなさも感じるかも知れない感で「くろがね小屋」に到着。 現在は福島県観光開発公社が経営している。小屋の入口には大きな黒い鐘がぶら下がっていて知らない登山者がこれを見て「くろがね小屋」と名が付いたんだと自信ありげに話をしていた。 小屋は1階が食堂兼休憩場所、トイレ、内湯の温泉があり、吹き抜けの2階が宿泊場所。個室はないが幾つかも間仕切りがあり、カーテンを締めればある程度のプライバシーも保てる。温泉は細かい湯花が浮遊して薄く白く濁っており、硫黄臭で酸味のある肌に優しい温泉。風呂は4人でぎゅうぎゅうだが気持ちよく入れる。 この小屋の夕食は歴代の管理人が引き継いだカレーライスが有名だが、カートリッジ式のガス台や土鍋も貸してもらえるので冬場などは材料を持ち込んで鍋料理で夕食にするのも楽しい。僕らは大量のおでんを持ち込み、小屋で販売している地酒と一緒に楽しんだ。 小屋から1時間程で乳首と呼ばれている安達太良山山頂に到着する。 下山は積雪期はピストンが主流となるが3月下旬には積雪も少なくなり、あだたらスキー場方面に下ることも出来る。あだたら高原スキー場のロープウェイ山頂駅の方に緩やかな道を1時間半ほど下り、山頂駅手前を左の登山道に折れる。直ぐに高村光太郎の智恵子抄の中の「東京に空が無いといふ。 ほんとの空が見たいといふ。」で有名になった記念碑が建っているが下山していくと記念碑の裏側になってしまい気を付けないと通り過ぎてしまう。またすぐ先に薬師岳展望台があり、紅葉時期の展望は素晴らしい。ここからスキー場の脇を1時間程下ると出発地の奥岳登山口へ降りる。 ※交通機関、登山道の状況、温泉入浴などの最新情報は確認をお願いします。 一般社団法人 日本百名山協会 事務局長・温トレ・マスター 加藤洋
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【雪山 温泉トレッキング 硫黄岳】1泊2日(冬山入門~中級者向き) ~~ピッケル&12本アイゼンが初めての雪山入門にうってつけのコース。宿泊は暖かい鉱泉に入れる夏沢鉱泉の泊まり~~ ◆紹介コース:1日目:標準30分~2時間程度、2日目:3時間30分~4時間 水平移動距離:1日目:約4.0km、2日目:約8.0km 積算標高差:△▽1221m、 ※1日目の徒歩時間はトレーニングで歩いたオーレン小屋までのピストンも含んでいます。 桜平→夏沢鉱泉→オーレン小屋→夏沢鉱泉(泊)→オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳→夏沢峠→オーレン小屋→夏沢鉱泉→桜平 ◆温トレのグレーディング: コース:★★★☆☆☆(雪山コース) 難易度:★★★★☆☆山のグレーティング(無雪期B3) 体力度:★★☆☆☆☆ 温泉魅力度:★★★★☆ ◆百名山データ:【硫黄岳】残念なことにどの百名山にも選定されていない。 ※http://100meizan.org で検索可能。 ◆温泉:夏沢鉱泉 標高は2060m、桜平 登山口より 約30分で着く通年小屋。料理が美味しく豪勢との事で人気のある山小屋。縦走路から外れていること、登山口まで路線バスが入っていないこともあって八ヶ岳の中では静かな山小屋時間を過ごせる。 冬でも鉱泉を沸かしてくれているので冷えた体を温めてくれるのが嬉しい。冬の食事は「ボタン鍋」が中心。他にも食べきれないほどの食材が出る。野菜はオーナーが麓で育てたものが中心。もちろん美味! ◆泉 質 硫黄泉 冷泉沸かしの湯 ◆効能 胃腸病、糖尿病、皮膚病、神経痛、 ◆泉 温 7℃ ◆知覚的特徴 無色透明 硫黄もかんじる美味しい鉱泉である。 炭酸分も含んでいる。 お風呂 温泉・男女別(石鹸・シャンプー使えます) ◆ベストシーズン:夏沢鉱泉は通年営業しているため冬季でも登頂が可能で冬山入門コースでもある。夏沢鉱泉でピッケル、12本アイゼン(スリーシーズン用登山靴でも装着可)のレンタルもあるので冬山が初めての登山者がまずは体験してみようという山にもぴったり。もちろん冬山経験者と登る前提で!雪の多い積雪期にはラッセルを強いられこともあるので初心者のみの入山は避けたい。深緑、紅葉の時期は気持ちのいいトレッキングが夏沢峠の先まで楽しめる。 ◆コース上の危険個所 夏沢峠から先、硫黄岳山頂までは左側の東斜面が噴火口跡。特に積雪期は左側に近づき過ぎないように。また硫黄岳山頂手前が常に風が強い箇所があり、低体温症、バランスを崩しての滑落に注意が必要。初心者にはまだ雪が浅い12月下旬~2月頃までがオススメ。 ◆コース紹介 桜平への道は狭く急カーブが続く林道で定期バスもなく、またマイクロバスでの入るのは難しい。夏沢鉱泉に宿泊する場合は「茅野」駅からワゴン車で送迎してもらえる。事前の予約で人数と到着する時刻を伝えておくこと。無雪期であれば桜平周辺に無料の駐車場が幾つもあるのでそこに駐車が出来る。但し、無雪期の週末は夏沢鉱泉に近い駐車場は夜明前から満車になる可能性が高い。 冬季は年末年始を除いて夏沢鉱泉のみが営業している。先ほど書いたように夏沢鉱泉への宿泊予約をしておけば桜平まで送迎をしてもらえる。桜平から30分程、雪の林道を登ると夏沢鉱泉に到着する。僕らが年末に訪れた時はザックは夏沢鉱泉まで運んでくれたので手ぶらで歩いた。 新宿朝1番のあずさに乗って茅野から送迎車に乗れば昼前には夏沢鉱泉に到着出来る。夏沢鉱泉はランチも美味しい。中でも野菜たっぷりニンニク入りカレーライス、ハンバーグランチがオススメ。室内ではバーナーが使えないので冬場はちょっと自炊は無理。 お昼を食べたらピッケルとアイゼンをレンタルして歩行訓練へ。オーレン小屋までもあまり急斜面もないけど、軽アイゼンとは違うので歩行の仕方、オーレン小屋周辺の急斜面でピッケルの使い方をトレーニング。「夏沢鉱泉」に戻ると食堂には大きな薪ストーブで暖かい鉱泉に入って芯まで身体を温める。宿泊する部屋は小部屋仕切りになっていて僕ら7名は二部屋をもらった。廊下にはハンガー掛けや石油ストーブが置かれているのでとても暖かい。また寝る前に湯たんぽを無料で貸出してもらえるので朝までぐっすりと休むことが出来た。その湯たんぽの湯で朝は洗顔、歯磨きに使う。さて、いよいよ夕飯へ。冬場は「ボタン鍋」とその他にも食べ切れないほどのおかずが出た。食事が終了いた後は就寝時間まで食堂を開放してもらえる。 翌朝、朝食を済ませていよいよ硫黄岳の山頂を目指す。実は半分以上の宿泊者はアイスクライミングの人たちで山頂まで向かったのは僕らを含めて4パーティ。昨日、トレーニングで歩いたオーレン小屋には冬季小屋と冬季用トイレがあっていざという時に助かる。オーレン小屋を過ぎてもなだらかな道が夏沢峠まで続く。夏沢峠には夏沢ヒュッテと山びこ荘の2軒の小さな山小屋あるがどちらも冬季は休業。トイレもない。ここから本格的な雪山コースへ。しばらくは稜線にそった樹林帯が続く。ここから山頂まで左側は噴火口跡で500mも切れ落ちているので踏み抜かないように要注意。やがて樹林帯を抜けると急激に風の当たりが強まってくる。斜面は風の性もあって雪が吹き飛ばされていて岩が露出しているところも多く見かける。強風に煽られながら幾つか九十九折の道を登り、ケルンを過ぎると山頂へ到着。山頂は広がった平らな場所で晴天であれば目の前に横岳、赤岳、阿弥陀岳が。もちろん北アルプスや立山連峰、振り返れば浅間山や四阿山など上信越の山並みも望める。山頂の風は以外と穏やか。山頂手前の斜面の方が常に風が強いと夏沢鉱泉の親父さんも言っていた。 下山路は同じ道を戻ることになるが下りは特に12本アイゼンを自分の反対の足やスパッツに引っ掛けて転ばないように注意しよう。夏沢峠まで降りれば特に危険な場所もなくなるので集中して歩きたいのは山頂から夏沢峠まで。下山後は夏沢鉱泉で再び温泉に浸かり、ハンバーグランチを食べて送迎車に茅野駅まで送ってもらった。 ※僕が硫黄岳のこのコースを歩いたのは2022年2月中旬です。交通機関、登山道の状況などの最新情報は確認をお願いします。 一般社団法人 日本百名山協会 事務局長・温トレ・マスター 加藤洋 #日本百名山ではない #八ヶ岳 #オススメの山 #送迎あり #送迎 #夏沢鉱泉 #硫黄岳 #日本百名山協会 #温泉トレッキング #温トレ #温トレマスター #温泉百名山 #冬山入門 #ピッケルレンタル #アイゼンレンタル #薪ストーブ #野菜たっぷりカレーライス #スタッフが優しい #親切 #手作り野菜 #ご飯が美味しい #通年営業 #初心者 #雪山入門
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【温泉トレッキング 那須岳】 1泊2日 ◆紹介コース:1日目 3時間30分~4時間、2日目 6~7時間山麓駅→峰の茶屋跡→茶臼岳(那須岳)→姥ヶ平→沼原分岐→三斗小屋温泉(泊)→大峠→三本槍岳→朝日岳→峰ノ小屋跡→山麓駅 ◆温トレのグレーディング: コース:★★☆☆☆ 体力度:★★☆☆☆ 難易度:★★☆☆☆ 温泉魅力度:★★★★★ 危険個所は朝日岳~峰の茶屋跡にある岩場をトラバースするくさり場。悪天候だと滑りやすいので注意。また峰の茶屋跡の手前にある剣ヶ峰のトラバースは5月末まで雪渓が残るため、滑落に注意。 ◆百名山データ:日本百名山、関東百名山、栃木百名山 ◆温泉:三斗小屋温泉(日帰り入浴なし)屋内風呂2,内1つは女性専用。露天風呂は混浴(夕方女性専用時間あり)。 [効能]アルカリ性単純泉(低張性中性高温泉)源泉温度 : 40 - 58℃無色透明の源泉 三斗小屋温泉から隠居倉方面へ5分ほど登ると温泉神社があり、更に登ると音を立てて湯気が立ち上る源泉がある。 ◆ベストシーズン:5月末~11月上旬。 5月末まではところによって残雪があり、初級者だけでの温トレは危険。ルートによっては道標も少なく、登山者もほとんどいないコース。 未だ白煙を上げる那須岳は茶臼岳の別称。深田久弥の日本百名山の書中では『那須岳とは那須五岳の中枢を成す茶臼岳、朝日岳、三本槍岳のこと』と書かれているため、茶臼岳が那須岳という呼び名で定着してしまった。紹介するコースはこの三山を巡りながら徒歩でしか行けない三斗小屋温泉に宿泊する温トレ。三斗小屋温泉には露天風呂付きの「煙草屋旅館」と露天風呂はないが食事が部屋で食べられる「大黒屋」の2つの温泉小屋があるけど、僕の好みはやっぱり山の中の露天風呂ある「煙草屋旅館」。食事は年中おそらく同じ。4回ほど泊まったことがあるけどメニューはすべて同じだった(笑) 2日目は江戸時代に会津藩が黒磯と会津をつなぐために作った会津中街道を歩いて大峠まで登る。江戸時代に敷き詰められた石畳も荒れてしまい、かえって歩きづらいルートになっている。登りきった大峠には戊辰戦争で官軍を待ち受けた会津藩の塹壕跡が今でも残っている。 三本槍岳までの三山を巡るには三斗小屋温泉を早朝に出発したい。なぜなら山麓駅から更に20分程、下った大丸にある「日本秘湯の会」の「大丸温泉旅館」には川に沿って露天風呂(混浴と女性専用)が5つもあり、日帰り入浴も可能だからだ。(日帰り入浴11時30分~14時30分まで)
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【日本百名山 深田久弥ルート 槍ヶ岳】 今では北アルプスの一番人気の一つ「表銀座縦走コース」。燕岳から大天井岳を経て西岳そして東鎌尾根から槍ヶ岳を結ぶ尾根道。槍ケ岳を遠くに眺めながら徐々に槍ヶ岳に近づいていく道程は山好きであれば誰でも心躍ります。 特に西岳を過ぎ、東鎌尾根を辿る道は槍へ迫るプロローグとしてはテンション高まりっぱなしの道!鎖場、鉄梯子、急階段が続く道ですが慎重に歩けば問題はありません。 深田久弥氏は一高時代19歳の1922年に初めて学校行事でこの道を歩きました。 とは言っても喜作新道はまだ出来ていない頃と「百名山紀行」に書かれていますがそれは本人の思い違いだったようです。 (山と渓谷社発行のヤマケイ文庫 深田久弥選集「百名山紀行」の編集後記には既に開通していたとあり深田久弥氏の思い違いだったと記されている) 喜作新道は小林喜作氏という地元の猟師が槍ヶ岳への近道として長男と二人で切り開いたものでこの道がなければ「表銀座縦走コース」も生まれず、今のようなブームもなかったかも知れません。残念なことに小林喜作氏は喜作新道を切り開いた3年後の1923年3月に黒部峡谷の棒小屋沢の猟小屋で雪崩に巻き込まれ長男とともに亡くなっています。 深田久弥氏は当時、最もポピュラーだった燕岳から常念岳を経由し、今は廃道となった一ノ俣谷を下降。一ノ俣から槍沢を遡行し、殺生小屋(現在の殺生ヒュッテ)へ。殺生小屋で一泊して槍ヶ岳へやっと辿りつきました。槍に登った後、上高地へ下山し、当時2軒しかなかった上高地の宿の一つ清水屋へ宿泊。まだバスも通っていなかったため徳本峠を超えて新島々まで下山したようです。 今では2泊3日で歩けるコースとなった表銀座縦走コースですが、それまでは中房温泉-合戦尾根-大天井岳-東大天井岳-二ノ俣尾根-二ノ俣谷-槍沢-槍ヶ岳-上高地-徳本峠-新島々という5~6泊を要するルートだったようです。 《深田ルート》 中房温泉-燕山荘-燕岳-大天井岳-常念岳-一ノ俣-槍沢-殺生小屋-槍ヶ岳-殺傷小屋-横尾-上高地-徳本峠-新島々
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【深田久弥 日本百名 ルート 蓼科山】 深田久弥氏は蓼科山に二度、登った。一度目に登ったのは昭和10年の秋。 おそらく茅野駅辺りから登り始め、大門峠を経て蓼科牧場まで歩いたのだと思う。まだ白樺湖のダム建設の構想もなく静かな白樺の湿原だった時だ。深田氏は蓼科牧場で前泊。放牧した馬を捕まえに来た馬主達と楽しい夜を過ごした。 翌朝、将軍平から蓼科山頂へ。一人ぼっちの静かな山行。誰もいない石コロだらけの広い山頂で1時間程のんびりと休んだ。 僕が初めて登った時も山頂は一面のガスに覆われていて、その広い山頂で標柱や祠を探すのに苦労したのを覚えている。そして深田氏は南斜面に真っ直ぐ下る道を親湯(しんゆ)まで下った。この道は信玄棒道(しんげんぼうみち)と呼ばれる道で戦国時代に武田信玄が多くの兵を一度に移動できる様に自動車が走れる程の幅広く緩やかな道を越後に向けて作ったものだ。それが今も親湯までほとんど変わらずに残っている。その一帯はその当時、既に蓼科高原と呼ばれ、夏には避暑地として賑わっていたらしい。茅野へのバスも走っていた。 深田氏はその二年後にも山登りが初めてという知人を連れて親湯から蓼科山頂へ。そして大河原峠から佐久へと下った。 深田氏は親湯が気に入って友を連れて行ったのだと僕は勝手に思っている。僕個人は、蓼科山の山頂のピークを真っ直ぐに越える大石の続く道よりも回り道にはなるけれど大河原峠から北横岳との間にある滝ノ湯川沿いの笹原が続く登山道が静かで好きだ。ここで目の前まで近づいて来て僕らをジッと見つめるニホンカモシカにも出会った。今では幾つものルートから日帰りでアクセスできる様になった蓼科山。冬山の入門としても楽しめる山になったけど、もし時間の余裕があれば2つある小さな山小屋のどちらかに泊まって北八ヶ岳を堪能するのも楽しいですよ。どちらもアットホームな癒やされる山小屋ですよ。
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《youtubeに森の寺 チャンネルを開設》 現在、京都府北部の綾部市、舞鶴市で展開している森の寺のyoutubeチャンネルを開設しました! 現在、7つの寺院を詳細させて頂いています。全て国宝や重要文化財を持つ1000年を超える寺院で森の中にあるお寺です。 まずは各寺院のご紹介を御住職自ら解説を頂いている貴重な映像です。是非、ご覧ください。 真言宗 醍醐派 君尾山 光明寺(きみおさん こうみょうじ) 開創 599年 (推古天皇7年) 住職 楳林誠雄(ばいりんせいゆう) https://www.youtube.com/watch?v=UL6h0y9dmNY&t=5s 真言宗 醍醐派 青葉山 松尾寺(あおばさん まつのうてら) 創建 708年(和銅年間) 住職 松尾象空(まつおぞうくう) https://www.youtube.com/watch?v=WOKqFL74Leg 高野山 真言宗 塩岳山 楞厳寺(えんがくさん りょうごんじ) 創建 732年(天平4年) 住職 爲廣哲堂(ためひらてつどう) 副住職 爲廣英隆(ためひろえいりゅう) https://www.youtube.com/watch?v=fYUIunJHAi4 真言宗 東寺派 鹿原山 金剛院(かわらさん こんごういん) 創建 796年(延暦15年) 住職 松尾義空(まつおぎくう) https://www.youtube.com/watch?v=ukvBrQ_NtB0 高野山 真言宗 那智山 正暦寺(なちさん しょうれきじ) 創建 942年(天慶5年) 住職 玉川弘信(たまがわこうしん) https://www.youtube.com/watch?v=MihUxktY654&t=5s 高野山 真言宗 神宮山 岩王寺(じんぐうさん しゃくおうじ) 創建 949年(天暦3年) 兼務住職 松井真海(まついしんかい) https://www.youtube.com/watch?v=0RPjRL23LzE 臨済宗 東福寺派 景徳山 安国寺(けいとくさん あんこくじ) 創建 993年(正暦4年) 代理住職 梅垣周徹(うめがきしゅててつ) https://www.youtube.com/watch?v=ebuouQY3V9U
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