還暦記念の富士登山<後編>
8/12
4:20起床
だいぶ疲れていたのであろう妻に起こされた。
昨晩、雑音で寝れなかったので耳栓をして寝たのだが効果はなかった
昨晩よりもイビキのボリュームが倍増していた。疲れているからしょうがない
またしても集合時間にギリ到着、小石の侵入を訴える妻にゲイターを装着するのに手間取る。
同行者を待たせて恐縮しながら心に余裕のないまま出発。
5:05 今日は少し下山した途中でご来光を拝む。2日ともご来光を拝めた。ガイドさんと添乗員さんもこんなことはめったにないとのこと、改めて今回の幸運に感謝。
清々しい気分の中、添乗員さんに耳栓をつけたままである旨指摘される。
起床してここまで普通に会話して、ガイドさんのアナウンスも聞き取れていた。耳栓の性能に愕然とした。数年前に建設作業用で買った安物である。経年劣化の影響か、そもそも劣悪品だったのか。
恥ずかしい思いをしつつ再び下山する。
夜のうちに降雨があったのかザレ道は程よく湿っていて土埃が立たない。
昨日の下山時は土埃対策で手ぬぐいををマスク代わりに巻いての下山だったが、呼吸がしにくく後で取っ払った。
マスクをし慣れない我が身としては度重なる幸運、有り難い。
余談であるが、コンタクトレンズ装着の方はこの土埃に往生するらしい。事前対策としてメガネに変えておられた。
途中、何回か山小屋に物資を運ぶクローラー運搬車とすれ違った。山小屋で買うペットボトルの水500円、納得できる。
ザレ道の下山のコツをつかみ順調に下山。ゴールはすぐそこである。途中馬とすれ違う、6合目から歩けない人が利用するらしい。料金は40,000円とか、、
ゴール直前に登り坂があった、蓄積した疲労に追い打ちをかける。もうちょっとだ自分を鼓舞し進む。毎年参加する菜の花マラソンにも終盤長い登り坂があるがその感覚に近い。坂を上り終えると樹林帯に入る、一気に幸福感に包まれる。これから山頂を目指す登山者に言葉をかけられる余裕もあった。
そしてゴール、苦しくもそれに代えがたい感動や経験を与えてくれた富士山に一礼して荷物を預けたレストハウスに向かう。
荷物の整理をして、休憩・買い物の後集合。ここで3日間サポートしてくれたガイドさん2人とお別れ。彼らのサポート無しには登れていないだろう。後述になるが、1泊目の山小屋から2日目下山された方がおられた。若いほうのガイドさんが5合目までサポートして下山し、折り返して9合目手前で我々に追いついてきた。何たる体力、聞けば現役大学1年生の19歳であった。アルバイトでガイドをしているとのこと。
体力はもちろん、サポートする技術、我々との接し方、すべてがプロであった。あと、2泊目の山小屋で待機し山頂を目指さず3日目そこから一緒に下山を選択された年配のご夫婦がおられた。ご主人は下りのザレ道で膝を痛められ歩けなくなった。どうなるのか皆で心配したが、前述の若いガイドさんがポールを横一文字に構え、ご主人は後ろ向きにこれにつかまり慎重に下っていく。後ろ向きに歩くことで膝への負担がかなり軽減されるらしい。加えてご主人のザックはもう一人の先輩ガイドさんが隊列の先導をしながら持って下りた。ガイドさんが2人付いていて成せる事、ただただ感謝しかない。我々と別れた後、別のツアーで再びガイドするとのこと。何たるスタミナお化け恐れ入る。ガイドさん2人に謝意を伝えバスに乗り込む。お待ちかねの河口湖湖畔のホテルでのお風呂と昼食だ。疲労と2日風呂に入っていなかった事もあり、いつもの温泉より数倍気持ちよかった。ワイン風呂なるものがあったが、電気風呂とかも怖くて入れない小生にはチャレンジする勇気がなかった。昼食はお弁当であったが、温かい味噌汁が体に染み入る。
羽田で同行者や添乗員さんと解散し、帰路に就く。
機内や車中で、妻と思い出話をしながら帰ってきた。風呂に入り、健康と当り前のように生活できる環境に感謝し床に就く。
天候や同行者・添乗員さん・ガイドさんすべてに恵まれた初めての富士登山、最高の思い出になりました。
感謝!
<おわり>