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馬事公苑通り→用賀七条通り→美術館通り→ふたば保育園→大蔵団地前→世田谷通り→多摩水道橋→多摩川(川崎側)→二子橋→二子玉川→246→瀬田→用賀→弦巻通り→馬事公苑通り。 今朝は25℃を下回り、少し過ごしやすい陽気だったので、久しぶりに多摩川べりを走ってきた。調子に乗って走ってたらバテてしまって、ニコ玉からの帰りの坂道で少し歩いてしまった。体力、落ちてるなあ。 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『高い窓』の続き。 殺されたフィリップスは、モーニーの用心棒エディー・プルーに尾行されていた。モーニーは妻の愛人ヴァニアーが何か企んでいると睨んでる。ヴァニアーは殺されたコイン商モーニングスターと同じビルにある歯医者で治療していた。希少コイン、ブラッシャー・ダブルーンを盗んだのは、モーニーのクラブに戻ってふつうに歌っていたリンダ・コンクエストではなく、モーニーに借金の返済を迫られたその夫レスリー・マードックで、母親にはその事情を説明したとマードック本人はいうが、そこには明らかな嘘(ブラッシャー・ダブルーンが手元に戻ってきた)が含まれている。リンダいわく、ヴァニアーはミセス・マードックと知り合いで、秘書のマールに何度も電話をかけてきた。なぜマール? 「彼は死んだわ」と彼女は言った。「彼は窓からーー窓からーー落ちたの」 私は大きな右手を出して彼女を止めた。「ああ、その男か。彼のことは聞いたよ。忘れてしまうことはできないのかい?」 「できないわ」と彼女は言った。手の後ろで真剣に首を振りながら。「忘れられない。すっかり忘れるなんて、とてもできそうにない。ミセス・マードックはいつも私におっしゃるの。忘れてしまいなさいって。彼女は本当に長い間、そのことを忘れるように言ってくださいました。でも私にはただそうすることができないんです」 「彼女がもしそのことを本当に長い間、お節介な口に出さなければ」と私は吐き捨てるように言った。「ものごとはもっとうまく運んでいたはずだ。彼女は逆に、それを君に思い出させ続けているんだよ」 娘はそれを聞いて驚き、むしろ傷ついたようだった。「ああ、それだけじゃないんです」と彼女は言った。「私はその人の秘書でした。彼女は彼の奥さんでした。その人は彼女の最初のご主人だったんです。彼女にもそのことはやはり忘れられません。忘れられるわけはないでしょう」 「それから私の頭の中で風変わりな、そしてしばしばあてにならない勘が働いた。「ひとつ訊きたいんだが」と私は言った。「君がそういう反応を起こさせる人はいるかな? 他の誰よりも強く?」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→シズラー桜新町→バス通り→サミット深沢坂上→深沢学園通り→やくも文化通り→柿の木坂一丁目→東横線沿い→碑文谷公園→学芸大西口商店街→野沢→ユニクロ自由通り→駒沢→駒沢緑泉公園→駒沢給水所→ライフ桜新町→馬事公苑通り。 今朝の日の出は5:01でだいぶ遅くなってきたが、最低気温はまだ28℃もあり、相変わらずの蒸し暑さで全然走れない。 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『高い窓』の続き。 探し求めていた希少コインがマーロウの手元に小包で届いたころ、ミセス・マードックのもとにも同じものが戻ってきたという。マーロウのもとに届いた小包の宛名は、フィリップスの自宅に残された日誌の書体と同じ、奇妙な手書きの活字体で記されていた。マーロウが希少コインを探しているという情報を誰かに漏らしたモーニングスターは、すでに死体となっていた。 マーロウは私立探偵としての職業倫理と依頼人を守るために、ときに警察と衝突する。フィリップス殺しの担当者ジェシー・ブリーズ警部補もその一人。「さよなら、愛しい人」で顔を合わせた殺人課の警部ランドールによるマーロウ評。 「ランドールと話した。彼はあんたのことをよく記憶していた。海辺での事件に関してな」「あんたは人を殺すような男じゃないと彼は言っていた。まっすぐで確かな人物だと」 「彼の話によれば、あんたはうまいコーヒーを作り、朝はかなり遅く起きる。気の利いた会話が得意で、五人の別々の証人によって裏付けられない限り、あんたの口にすることを何ごとによらず、そのまま真に受けない方が良いということだ」 「ランドールが言うには、あんたには用心しなくてはならんそうだ。あんたは自分で思っているほど頭が切れるわけじゃないが、いろんなことを招き込んでいく男だし、そういう男はものすごく頭が切れる人物よりも、遥かに厄介な存在になりかねない。それがやつの言ったことだ」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→西弦巻保育園→桜小→宮の坂→豪徳寺→北沢川緑道→羽根木公園→徳明地蔵尊→赤松ぼっくり庭園緑地→松原→赤松通り→早苗保育園→経堂小→経堂すずらん通り→オオゼキ経堂→烏山川緑道→ 鴎友→桜木トンネル→松ヶ丘交番→JRA住宅→馬事公苑通り。 台風8号接近中で、TJARゴールの大浜海岸付近はずっと土砂降りのようでスタッフも応援する人たちも気の毒だが、選手本人は炎天下のロードを85キロ走らされるよりは、多少はマシなんだろうか。関東にも雨雲がかかってきたが、明け方パラついただけで途中からはあがったので、いくぶん過ごしやすい。 豪徳寺の招き猫が駅前にもひっそり立ってることに今日はじめて気づいたが、世田谷線の車両まで招き猫ラッピングが施されてると知って2度びっくり😎 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』が今朝でおしまい。 「私はミセス・フロリアンに名刺を渡した。彼女はその上に濡れたグラスを置いた。それらしい名刺がマリオットのポケットに入っていた。濡れたグラスのあとがついていた。マリオットはそういうだらしのないことをする人間ではない。それはまあ、ひとつの手がかりにはなったよ。そういうとっかかりがひとつできると、いろんなものごとの関連性が見つけやすくなる。マリオットがミセス・フロリアンの口を塞いでおくために、彼女の家の担保証券を押さえていたこととかね」 え〜、そんなとこから? ちょっと飛躍しすぎじゃない? マーロウならそれが許されるの?(笑) 引き続き、レイモンド・チャンドラー『高い窓』を聴き始める。 ミセス・エリザベス・マードックの依頼で、逃亡した息子レスリーの妻で元ナイトクラブの歌手リンダ・コンクエストを調べることになったフィリップ・マーロウ。盗まれた希少コインを取り戻せというのだが、はじめからリンダを窃盗の罪で陥れようとするミセス・マードックの魂胆はみえみえで、たぶん真相はそっちじゃないというにおいがぷんぷんしている。コインはそもそも盗まれていない? それとも盗んだのは息子のほう? #雨ラン #雨中ラン #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→馬事公苑1/2周→用賀九条通り→世田谷清掃工場→世田谷卸売市場→横根稲荷神社→美術館通り→世田谷総合運動場温水プール→大蔵運動公園1周→砧公園サイクリングコース1周+クロカンコース1周→用賀三条通り→弦巻通り→馬事公苑通り。 TJAR2022、土井陵さん凄かったね。異例のスピードで最後まで駆け抜け、4日と17時間33分の新記録でゴール。異次元すぎて言葉もない。ゴールシーンをインスタライブでリアルタイムで見れて感動した。土砂降りのずぶ濡れで疲労も相当なはずなのに本人はケロッとされてるところがまた空恐ろしい。まだ苦闘中のみなさんも応援してます! オーディブルはレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』の続き。 「あの連中の頭にあることはわかる」とレッドは言った。「警官の問題点は、頭が悪いとか、腐敗しているとか、乱暴だとか、そういうことじゃないんだ。警官であるというだけで、ちょっとした余得が手に入ると考えるところにある。しかしそれも昔話だ。今はもう事情が違う。もっと要領の良い連中がたくさんいて、おいしいところを取っていくからだ」 ムース・マロイはヴェルマを探していた。ヴェルマが裏切って彼を売ったと知ってか知らずかはまだわからない。マーロウは、ミセス・グレイルに雇われた身でありながら、マロイに肩入れした。そのことにもっと早く気づくべきだった。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→千歳通り→塚戸十字路→榎→上祖師谷神明社→入間町一丁目南→成城富士見橋通り→成城みつ池緑地→不動橋→明正小→成城三丁目緑地→世田谷通り→砧小→妙法寺→打越辻地蔵尊→大蔵運動公園→砧公園→用賀七条通り→馬事公苑通り。 今日は山の日だが、山に行く余裕はないので、しかたなく成城の富士見橋に富士山を拝みに行く。疲れや眠気、痛み、途中で投げ出したくなる気持ちと戦いながら、いままさに苦闘を繰り広げているTJARの選手たちのことを思いながら、自分もがんばらなきゃと気合いを入れ直す。 こちらのサイトから選手たちの現在地がチェックできます。→ https://ibuki.run/ev/8962784157632477979/map オーディブルはレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』の続き。 「なあ、いいか、あんた」と大男は真剣な口調で言った。「俺はたしかにあんたに急所を握られているが、それくらいはなんとでもなる。警官は金ほしさに不正に手を染めるわけじゃないんだ。そういうこともあるだろうが、いつもいつもじゃない。金が絡むのはむしろ珍しいことかもしれん。警官はシステムの中で絡め取られるんだよ。上からやれと言われたことをやむなくやっているうちに、身動きがとれなくなる。でかくて見晴らしのいい立派なオフィスにどっしり腰を据えて、上等なスーツを着て、上等な酒の匂いをさせて、種をくしゃくしゃ噛んでいればスミレみたいな息になると思い違いをしているあの男ーーあいつが全てを命令しているわけでもな。わかるかね?」 「市長はどんな男だ?」 「市長なんてどこだって同じようなもんだ。政治家だよ。あんた、市長が命令を下すと思っているのか? 頭がどうかしてるぜ。この国のどこが間違っていると思うね、ベイビー?」 「凍結資産が多すぎるという話を聞いたが」 「人が正直でありたいと思ってもなれないところさ」とヘミングウェイは言った。「それがこの国の抱えている問題なんだ。そんなことをしていたら身ぐるみはがされちまう。汚いことをしなくや、飯を食っていけないのさ。多くの愚か者が、我々に必要なのはクリーンなシャツを着てブリーフケースをさげた9万人のFBI職員だと思っている。とんでもない考えだ。あいつらだって、均してみれば俺たちとそう変わりゃしない。俺が何を考えているか聞かせてやろうか。俺はこの小さな世界を初めからそっくり作り直せばいいと思っているんだよ。それで『道徳再武装論(モラル・リアーマメント)』が出てきた。こいつはなかなか見所がある。MRAだよ。こいつは良い線をついているぞ」 思い通りにならない人生や、薄汚れた世の中をリセットできる、クリーンにしたいと思う厨二病的な正義感は、いきすぎるとたいてい人種差別や優生思想のような排除の理論と結びつく。自分が正しいと信じて疑わない心はやがて、自分と異なる意見は認められない、そんな人たちは許せない、存在そのものが不要だ、とエスカレートしていき、いつしか、自分がかつて忌み嫌っていたはずのモンスターに自分自身が成り果ててしまう。自分たちの利益にのみ汲々とし、他者、とくにマイノリティや弱者に不寛容で、世の中を牛耳ってるっぽく見えるモンスターに。実は、そんなわかりやすいモンスターなんていないし、過去を消すことはできないし、世の中をリセットすることもできない。ただ、過去を断絶することはできなくても、あきらめなければ、人生は何度でもやり直すことができる。そう信じている。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→都立桜町→コジマ用賀→用賀中町通り→谷沢川→等々力通り→玉川野毛町公園→丸子川→玉川大師→瀬田郵便局→五郎様の森緑地→用賀三条通り→弦巻通り→馬事公苑通り。 家を出た瞬間モワッとした空気に包まれ、今日も一日暑さとの戦いだと悟ってげんなりする。今朝の最低気温は28℃。日中は35℃超えの予報。セミも元気に鳴いてるよ。 丸子川沿いのいつも走ってる道に「次大夫堀東通り」という名前がついてたことを知る。丸子川自体が次大夫堀(六郷用水)の名残だから、当たり前っちゃ当たり前なんだけどね。 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』の続き。 霊能術者ジュールズ・アムサーに消されることを懸念して、ジゴロのリンゼイ・マリオットはマリファナ煙草の内側に、アムサーの名刺となんらかのメッセージ(見えない文字で書かれた?)を残した。ハッタリをかましたマーロウは、アムサーの用心棒のネイティブアメリカンによってボコボコにされ、別の管轄の警官によってドラッグ漬けにされて、アル中患者用の治療施設にぶち込まれた。口封じのために。だが、われらがマーロウは、そんなことで黙るような男じゃない。 「それでいい、マーロウ」と私は歯の間から声を絞り出した。「お前はタフガイだ。身長180センチの鋼鉄の男だ。服を脱いで顔もきれいに洗って、体重が85キロある。筋肉は硬く、顎もかなりしぶとくできている。これくらいでは参らない。頭の後ろを二度どやされた。喉を絞められ、半ば失神するくらい銃身で頭を殴られた。薬物漬けになり、頭はたがが外れて、ワルツを踊っている二匹のネズミみたいな有様だ。さて、私にとってそれは何を意味するのだろう? 日常業務だ。よろしい、そろそろ掛け値なしにタフな作業に取り組もうじゃないか。たとえばズボンを履くとか」 「階段を降りようと足を前に踏み出したところで、咳の音が聞こえた。はっと後ろを振り向くと、そこから始まっている別の廊下の、ドアのひとつが半開きになっているのが見えた。私は絨毯の上をそっと歩き、その半ば開いたドアの近くで歩を止めた。しかし中には入らなかった。くさび形の光が、カーペットの私の足元に落ちた。男はもう一度咳をした。胸の奥から出てくる深い咳だった。穏やかで安らかな咳だ。余計なことには首を突っ込まないのが賢明だ。私が求めているのは一刻も早くここを出ていくことだ。しかしこの屋敷にどんな人間がいるのか、もし見られるものなら見ておきたかった。中にいるのは責任ある地位に就いている人間かもしれない。ひとこと挨拶しておく必要があるかもしれない。私はその光のくさびの中に足をそっと僅かに踏み入れた。新聞ががさがさという音を立てた」 「僅かに隙間っのあいたドアの奥で、ぼそぼそという声が聞こえた。それに答える声を私は待った。何も聞こえなかった。電話の会話だった。私はドアのそばに行って聞き耳を立てた。ほとんど呟きに近い低い声だった。話している内容は聴き取れない。最後に電話を切るかちゃっという乾いた音が聞こえた。 そのあと部屋の中では沈黙が続いた。 こんなところは一刻も早く立ち去り、できるだけ遠くに離れるべきなのだ。ところが私はドアを開けて、静かに中に入った。それが私という人間だ」 何にでも首を突っ込まざるを得ない男、フィリップ・マーロウ。できるだけリスクを回避して安全志向でいくタイプとは真逆の、ディテクティブストーリーにうってつけの、タフでニヒルであきらめ知らずの傷だらけのヒーロー。 次元大介役を50年つとめた声優、小林清志さんが逝ってしまった。ルパンによく出てくる、若くて気の強い、しかし、どこかウブなところもある女性の原型は、もしかしたら、「好感の持てる娘」ことアン・リオーダンなんじゃないかとふと思った。たとえば、こんな記述から。 「あなたはきっとくたくたになっているはずよ」と彼女は言った。「ベッドに入った方がいいんじゃない?」 「ここでかい?」 彼女は毛根まで赤くなった。顎がぐっと突き出された。「何がいけないの? もう子供じゃないんだから。私がいつどこで、どんな風に何をしようが、誰の知ったことでもないはずよ」 私はグラスをわきにやり、立ち上がった。「私が分別を発揮しようという気になるのはきわめて稀なことだが、たった今がそうだ」と私は言った。「タクシーの乗り場まで車で送ってくれないか。もし君が疲れていなければだが」 「なんていう人かしら」と彼女は怒りを露わにして言った。「頭をあやうく叩き割られそうになって、わけのわからない麻薬を打ちまくられたのよ。あなたに必要なのは一晩ぐっすり眠って、朝すっきりと目を覚まし、新たな気持ちでまた調査に取りかかることじゃないの?」 「むしろ長く眠りすぎたような気がしていたんだがな」 「愚かしいことを言わないで。本来なら病院に入っているべきなのよ」 「彼女は立ち上がり、私に向かってぐっと顎を突き出した。「あなたは今すぎベッドに行くのよ。うちには予備の寝室があるし、さっさとそこのベッドに入ってーー」 「君の部屋のドアに鍵をかけると約束してくれ」 彼女は赤くなり、唇を噛んだ。「あなたって凄腕の探偵に見えることもある」と彼女は言った。「でもときどき救いようのない下品な人間にしか見えない」 「彼女はうちまで送ってくれた。その身体は怒りに満ち、唇は一文字に閉じられていた。運転ときたらそれはすさまじいものだった。アパートメント・ハウスの前で私が降りると、彼女は冷え冷えとした声でおやすみなさいと言って、そのまま小さな車で通りの真ん中にぐいと飛び出していった。ポケットから鍵を取り出したときには、もうその姿は見えなくなっていた」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→西弦巻保育園→桜小前→宮の坂→豪徳寺→菅原天神通り→甲州街道→上北沢→上北沢地区会館→赤堤通り→恵泉裏通り→経堂五丁目→千歳通り→馬事公苑通り。 今朝も気温はそんなに高くないが、じっとりとまとわりつくような湿気で、ダラダラ走りに終始してしまった。日曜早朝ということもあって車の通行量が少なかったので、甲州街道を西進した。 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』の続き。 アン・リオーダンは「ただひとつ覚えておいた方がいいことがある。それは、あなたはこのショーにかなり遅れてやって来たんだってこと」と言った。そうこなくっちゃ。そんなに偶然が重なってたまるかっての。 「この件に関して私が気に入っているのは、みんなが知り合いであることだ」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→弦巻通り→用賀一条通り→ニトリ環八用賀→瘡守稲荷→二子玉川商店街通り→新二子橋→久地かすみ堤→二ヶ領用水→久地消防署際→緑ヶ丘霊園北口→ 松壽弁財天→東高根森林公園→野川柿生線→下作延小→津田山第二公園→久地不動緑道→久地神社→久地円筒分水→二ヶ領用水川崎堀→旧大山街道→二子橋→二子玉川→246→瀬田→用賀→弦巻通り→馬事公苑通り。 今朝は昨日に引き続き、比較的過ごしやすい気温だったので、2か月ぶりに川向こうまで足を伸ばしてみた。緑ヶ丘霊園から東高根森林公園に直接降りる道を見つけて行けたのはいいんだけど、森の中でずっと大量のブヨ?につきまとわれたのには難儀した。顔のまわりを手で払い除けるんだけど、どれだけ手で追い払ってもまとわりついて離れない。しまいにはイライラして、二度も耳かけタイプのワイヤレスヘッドフォン(Powerbeats Pro)まで一緒に払い落としてしまった。山に行くときは虫除けスプレーはマストだけど、まさか街中の公園で必要になるとは思ってもみなかったよ。学習学習。 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』の続き。 マーロウにの現金引き渡しのボディガードを依頼して殺されたリンゼイ・マリオットは、フロリアンズ元オーナーの未亡人の自宅に抵当権を設定していた。だが、その事実をマーロウは、まるで雲の中からつかみとったように見える。伏線はまるでない。 「腕時計に再び目をやった。昼食の時間はもう過ぎている。最後に口にした酒のせいで胃が熱かった。腹は減らない。煙草に火を点けた。配管修理工のハンカチみたいな味がした。私はオフィスの向こう側にいるレンブラント氏に会釈をし、それから帽子をとって外に出た。エレベーターに向かう道のりの半ばあたりで、あることにはっと思い当たった。何か理由やきっかけがあって思い当たったのではない。煉瓦が空から降ってくるみたいに、勝手に向こうからすとんとやってきたのだ。私は立ち止まって大理石張りの壁にもたれ、帽子をしばらく頭に馴染ませ、それから出し抜けに笑い出した」 マリオット殺害現場にたまたま?居合わせたアン・リオーダンは亡き警察署長の娘も、(いまのところ)唐突感がありすぎ。それに、リオーダンが「死んだ後、マリファナ煙草がポケットに見つかるというのは、ちょっと気の毒すぎるんじゃないかと思った」からというだけ?の理由で勝手にマリオットの遺体から持ち出したマリファナが、怪しげな心霊相談ジュールズ・アムサーにつながる糸だった、というのも唐突感がある。ふむふむ。 リオーダンが探りをいれ、盗まれた翡翠のネックレスの持ち主ミセス・グレイルがご登場。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→シズラー桜新町→バス通り→都立園芸→玉川警察署→用賀中町通り→等々力→等々力不動前→目黒通り→多摩川→虹橋→多摩川台公園→玉川田園調布→学園通り→八雲三丁目→太鼓坂→深沢ハウス→駒沢公園→新町一丁目→駒沢給水所→セブンイレブン新町三丁目→馬事公苑通り。 東北に大雨を降らせた前線が去り、気温も23℃まで下がって、今朝はやっと人間らしい生活が送れるレベルに。湿度は高いので汗はかいたが、多少はまじめに走ることができた。 オーディブルは今朝からレイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』を聴き始める。 ムショ帰りの大男ムース(ヘラジカ)・マロイがいまでは黒人専用になってしまったバー、フロリアンズを訪れて探していたのは、かつての恋人ヴェルマと、8年前に警察にタレコミ、自分を刑務所送りにした密告屋。 「私には仕事がある。そちらから帰ったあとで飛び込んできた。金の入る仕事だよ。悪いな」 「だからこの件からは抜けるってか?」 「そんな風に言われても困るね。私だって生活費を稼がなくちゃならない。それだけのことだ」 「わかったよ。おたくがそういう考えなら、そりゃしかたないさ」 「考えも何もない」、私はあやうく怒鳴りつけそうになった。「あんたのためにせよ、ほかの警官のためにせよ、手先になってただ働きしているような暇は持ち合わせていない」 「わかった。好きにしろや」とナルティーは言って電話を一方的に切った。 私は切れてしまった受話器を握って、それに向かって怒鳴った。「いいか、この街には千七百五十人もの警官がいる。なんでこの私が、そいつらのお手伝いをしなくちゃならんのだ」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→世田谷通り→野川→吉沢橋→花みず木通り(砧線跡)→246→瀬田→用賀→弦巻通り→馬事公苑通り。 連日の暑さですっかり歩き癖がついてしまったので、今日はゆっくりでいいからなるべく歩かないでいこうと思って、ペタペタ足を動かし続けていたけど、ニコ玉からの登りでついに力尽きて歩いてしまった。滝汗💦 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』が今朝でおしまい。 ラスティ・リーガンと一緒に失踪したとされていたモナはエディー・マーズの頼みで姿を隠していただけだった。とすると、やっぱりラスティ・リーガンはエディー・マーズに消されたのか? マーロウは会う人会う人にそのネタをぶつけ、対象を絞り込んでいく。その意味で、『そして夜が蘇る』の沢崎の「それ、どこから出てきたの?」的な唐突感は、少なくともこの作品に関してはない。 ヴィヴィアンは父に真相を知られたくないという理由で、老将軍が死ぬのを待っていた。だが、老将軍はただ死ぬのを待つだけの、人畜無害な老人なんだろうか。警察を使ってリーガンを捜索しておきながら、マーロウにもリーガン探しをほのめかしたのは、実は、うすうす身内を疑っていて、それがウソであればいいと願ってのことではなかったか。リーガンが見つかれば杞憂ですむし、たとえ悪い予想があたったとしても、めくらましされて死ぬくらいなら、そのほうがマシだと思っていたのではないか。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→用賀→瀬田→246→二子玉川→兵庫島→多摩川河川敷→駒大玉川キャンパス→天神森橋→砧南中→仙川→水神橋→丸子川→岡本公園→下山橋→旧小坂緑地→玉川病院→瘡守稲荷→瀬田郵便局→五郎様の森緑地→用賀SBS→用賀一条通り→弦巻通り→馬事公苑通り。 久しぶりに川向こうの川崎側に遠征しようと思ったが、暑くていっこうにペースが上がらず断念。二子玉川から河川敷に降りて駒大玉川キャンパスまで行って帰ってきた。とくに後半はグダグダで盛大に歩いてしまったが、今朝の最低気温は28℃。行っただけでもよしとしたいって自分に激甘すぎ💦 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』の続き。 カーメンに思いを寄せる運転手オーエン・テイラーがカーメンの裸体写真を撮っていたガイガーを撃ち殺し、ガイガーの仕事を横取りしようと企んでいたジョー・ブロディーがテイラーからその写真の乾板を奪い取り、ガイガーの愛人キャロル・ランドグレンがガイガーを殺したのはガイガーの商売道具を盗み取ったブロディーだと思い込んでブロディーを撃ち殺す。それで一件落着? そんなはずはない。駆け落ちしたとされるヴィヴィアンの夫テレンス・リーガンとエディー・マーズの妻の行方はわからないまま。二人はエディー・マーズに消されたのか? #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→農大通り→烏山川緑道→粕谷八幡神社→粕谷区民センター通り→祖師谷中橋→祖師谷公園→仙川→大蔵住宅→大蔵運動公園→砧公園→用賀七条通り→馬事公苑通り。 今朝は空の青が濃くていい天気!なのはいいんだけど、明け方でも27℃までしか下がらず、暑さでぐったりきて、後半はほとんど散歩になってしまった💦 オーディブルはレイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』の続き。 カーメンに求婚歴のあるスターンウッド家の運転手オーエン・テイラーは車ごと海に転落して死に、ガイガーのエロ本を盗み、カーメンの裸の写真を手に入れ、脅迫してきたのはカーメンの元彼氏ジョー・ブロディーだった。カーメンの姉ヴィヴィアンの夫で酒の密売業者ラスティ・リーガンは、ヴィヴィアン行きつけのカジノのオーナー、エディ・マーズの金髪の妻と駆け落ちした。エディ・マーズは死んだガイガーの家主でもある。 金持ち一家の爛れた雰囲気を表すヴィヴィアンの言葉。 「ええ、私はルーレットが好きよ。そしてスターンウッド家のものは、全員が負け試合を好むの。ルーレットとか、ある日ふっと家出してしまう男と結婚するとか、五十八歳で障害レースに出て、転んだ馬の下敷きになって一生歩けなくなるとか。スターンウッド家はお金を持っている。でもそれで買うことができたのはレインチェック(雨天順延券)だけ」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→桜新町→サザエさん通り→呑川緑道→都立大→呑川柿の木坂支流緑道→上馬→城南信金駒沢→駒沢公園通り→パークシティ弦巻→駒沢給水所→弦巻ハイム→蛇崩川緑道→世田谷中央図書館→東急バス弦巻営業所→西弦巻保育園→馬事公苑通り。 曇りだと思って外に出たら霧雨がすぐに小雨から本降りになり、その後、小休止をへてスコールのような土砂降りになったけど、気温も高いし、濡れたほうが暑いよりマシということで、ずぶ濡れになって帰ってきた。これくらいの気温(27℃くらい)だとレインウェアなしのほうがラクかもね。 トレランシューズは知らないうちに種子や卵を拾ってきて植生を乱す可能性があるという記事を読んでから毎回欠かさず洗うようにしている(だいたい泥だらけで洗わないと汚いしね)けど、ふだんのランシューズは、使用後に毎回グランズレメディをスプーン半分ずつ振りかけて臭い対策するだけで、滅多に洗わない。今朝の雨でシューズまでぐしょぐしょになったので、このクリフトン8は累積700キロ超えではじめて洗った。よく考えるとばっちいね。 オーディブルは今朝からレイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』を聴き始める。数年前にKindle版を読んだはずなのに、ものの見事に記憶が抹消されてて笑う。1冊の本を何度でも味わえる安上がりな男です😎 稀覯本を扱う古書店の看板に隠れて高級猥褻本の貸し出し図書館を営むA.G.ガイガーから将軍のもとに届けられた謎の請求書。調査を依頼された「私(フィリップ・マーロウ)」がガイガー宅で目にしたのは、撃たれたばかりのガイガーの死体と、ドラッグで正気を失い、涎を垂らした全裸のミス・カーメン・スターンウッド、かの将軍の娘その人だった。 こんな思わせぶりな書きっぷりが「らしさ」を醸し出す。 「車を停め、コンバーティブルに外気を入れ、瓶のウィスキーを一口飲み、そこに座っていた。何を待っているのかはわからないが、とにかく待っていればいいと、何かが私に告げていた」 「私はもう一度柵をまたぎ、フレンチ・ウィンドウを蹴って内側に開けた。帽子を手袋がわりに使い、下側の板ガラスの大方を抜き去った。そして中に手を突っ込み、ウィンドウを敷居に固定してあるボルトを外した。あとは簡単だ。ウィンドウの上部は固定されていない。留め金がかちんと外れた。私は敷居を乗り越えて中に入り、顔にかかったカーテンを払った。 部屋の中にいた二人は、私がそのような乱暴な入り方をしても、まったく注意を払わなかった。死んでいるのは一人だけだったのだが」 「フラッシュ・ライトは私の目にした白い稲妻だった。気の触れたような悲鳴は、頭が飛んだ裸の娘の、閃光に対する反応だ。三発の銃声は、ほかの誰かがその場面に新たなひねりを加えようとしたことを示している。それを思いついた人物は、裏階段を駆け下り、車のドアをばたんと閉め、一目散に去った。たしかに一理ある物の見方だ」 #雨ラン #シャワーラン #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→千歳通り→経堂五丁目→恵泉裏通り→赤堤通り→上北沢地区会館→上北沢→鎌倉街道→塚山公園→神田川→永福橋→瀬田貫井線→下高井戸→赤松交番→西福寺通り→経堂→農大通り→馬事公苑通り。 いやあ暑い暑い。蒸し蒸しする。涼を求めて神田川沿いまで行ってきたけど、全然ダメ。世界陸上をやってるオレゴンでは30℃も超える日もあるっていうんだから、すごいよね。マジ尊敬する。 オーディブルは竹宮惠子『少年の名はジルベール』の続き。 片方の言い分だけを聞くわけにもいかないから、萩尾望都『一度きりの大泉の話』をKindleで同時併行で読み進めてる。 「私の表現はもう彼女のように新しくない……。あれほど反発していた古い型に、自分も陥ろうとしている……」 「それはさ、はっきり言って、ケーコたんの作り方がもう古いってことでしょう?」 本当は、ほかの誰も関係ない、自分だけの問題なんだけど、そうは思えず、相手と比べて自分は……とやってしまうのが、決して強くない人間の、人間たるゆえんなんだと思う。スランプの原因はたいてい、自分が思い描く理想と比べて、インプットの量が圧倒的に足りてないためのガス欠にすぎず、誰も関係ないんだけど、そうだとわかるのに、自分も5年近くつらい時期を送った。何かを生み出そうとする人なら、きっといつかはぶちあたる壁。乗り越え方に正解はなく、乗り越えられない人もいっぱいいる。 「萩尾さんの縦の斜線」について。 「マンガはオープンソースだから、使うなとは誰にも言えないが、そっくりそのまま使わないと意味がないほどの完成された手法を、彼女は作り出していたことになる。その新しさに惹かれるようにして、大泉には、大学の漫画サークルの学生たち、手塚治虫ファンクラブの人たち、個人のマニアックなファンたちが次々と訪れた。ほとんどが萩尾さん目当てだった。 こういうことが日常的な出来事としておこっていたのだから、「大泉サロン」は私におって、文化的に豊かな場所であると同時に、自身の表現への不安を日々意識させられるという、精神的に非常にきつい場所にもなっていった」 自分を守るために(仮想敵となってしまった)相手と距離をおきたい気持ちは痛いほどわかる。というか、一時的にはそれ以外に手はないと思う。ただ、そのタイミングが相手とシンクロすることはほとんどなく、たいていズレる。竹宮さんにとってはもう限界、ギリギリのタイミングだったのかもしれないが、いい意味で自立していて他人に依存するところの少なかった萩尾さんには寝耳に水だったということだろう。別れを主導した竹宮さんにとっては、それは立ち直るためのきっかけだったかもしれないが、萩尾さんにとっては、それがあとあとまで尾を引く、どころか何十年も封印せざるを得なかった苦しみとして心の奥底にしっかり刻印されてしまう。 異なる才能が出会い、高め合えるのは、思うにアイデア出しの部分だけで、そこから先は自分で深堀りしていくしかない。知らなかったことを知り、気づいていなかったことに気づく体験は、なにものにも代えがたいすてきな時間だが、打てば響くような関係は、決して長くは続かない。そこで受けた刺激を育み、自分だけの言葉、自分なりの表現に置き換えてアウトプットするのは自分しかいない。そういうものだと思う。 「この一番つらい時期、仕事を依頼することで精神的に支えてくれたのは、結果的にYさんだったと思う。 Yさんは『別冊少女コミック』の編集長で、直接の担当ではないのだが、私は勝手にYさんと働いている気分でやっていた。なぜだったのかはよくわからない。徳島から私を東京に呼んでくれた編集者だったから? たぶん、この人の印象が強烈すぎて、その他の編集者が印象に残らなかっただけなのかもしれない。言いたいことを我慢できないYさんが、この時期は何の文句も言わず、なぜ成績のよくない、いつも缶詰コースの私にページを与えてくれていたのか。 ずっと締切が守れない状態だった。タクシーで神保町の編集部に向かうのだが、呼吸を車の揺れに合わせないと、すぐさま吐き気が込み上げてくる。自律神経失調症という言葉さえ知らなかったことが逆に幸いしたのかもしれない。流されるわけにはいかないと、気持ちのうえだけで必死に耐えている。気が付くと体重は42キロにまで落ちていた」 編集者と作家の関係は、夫婦に似ている。よそから見て、あれこれ言うのはひかえます。反省。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→ライフ桜新町→駒沢給水塔→新町一丁目→駒沢公園→自由通り→自由が丘→九品仏→ねこじゃらし公園→八幡通り→駒沢公園通り→サミット深沢坂上→バス通り→シズラー桜新町→馬事公苑通り。 ここ数日いくらか過ごしやすい日が続いたけど、昨日から蒸し暑さがいや増して、今朝もねっとりとイヤな汗が出た。あープール行きたい! オーディブルは竹宮惠子『少年の名はジルベール』の続き。 版元編集者には耳の痛い話が続く。 「指定色もいつも赤。それもキンアカ!! チカチカすんのよ! こないだ紫って大きく指定しといたのに、赤に戻ってきたんだよ〜。指定の意味ないし、著者校の意味もないの」 「編集って、はなっから、こっちの言うことを聞く気がないのかも……」 「あの人たちは、常にメジャー志向で動くからね。センスの良し悪しじゃなくて、数の論理だけで決めるよね。でも多数決だけで判断すると、きっとすぐに作品は古くなるよ。こっちの意見を通すためには、ケンカする人も出てこなきゃ」 「おまえねー、普通の女の子と男の子が好き合う話ですらわけがわかなくて困ってんだぞ、俺は。それを女の子が好きな、男の子と男の子の微妙な友情って、いったい何なんだよ。ボツだ! ボツ! ……おまえとこんなことで話し合ってる暇なんかないんだよ。仕事してんだぞこっちは。どうすんだよ、これ」 これにはさすがに腹が立つ。無から有を生み出し、付加価値をもたらす仕事をしてるのは、圧倒的に作家サイド。編集者はそのサポート役。認識が逆だよ、まったく。 「小学館のYさんはどうか? Yさんには実は、一番最初に見せに行った。なんだかんだ言っても頼りになると思っていたからだ。 Yさんは、「無理」と、とくに作品を見ずに言い放った。 「だっておまえ、ページ開いたら裸の男の子がいきなり出てきて抱き合ってんだぞ。こんなものは載せられないよ」 「ちゃんと、足2本しか絡まないように描きました。ベッドシーンで足3本以上だと警察に行って始末書だって、教えてくれたのはYさんでしょ!! それに表現上、必要なシーンなんです。こういうことができないから、少女マンガはいつまでも表現の幅が狭いし、奥行きがないままなんですよッ」 Yさんは机の上に置いてあった雑誌を手に取って、私に突き出した。 「おまえは知らないかもしれないけどね。こう見えても、この雑誌は、皇居に納めさせていただいているんだからねッ!」と、真顔で言う。 はぁあ〜〜、と思った。 今もって、謎だ。納得がいくわけがない。勝ち誇っている意味がわからない。私は偉い人に向けて描いているのではない。新しい世界を見たい読者に向けて描いているのだ」 Yさん、はっきり言って、編集者に向かないよ。だいいち著者に向かって「おまえ」って何様だよ。 「読者は女の子たちだ。愛というものを考えるのだったら、精神面を描くだけでは、到底足りないと思っている。肉体的な部分が入ってこないのでは、半分しか描けていないと思うのだ。少女マンガの世界では、「愛」とか「恋」とかを言葉ではよく使うけれど、使える素材があまりにも足りなすぎるのだった。あれも描けない、これも描けない。現状としては、少女マンガでは、描けないことだらけ……。 そのうえ、読者の少女たちは勝手だ。精神面だけじゃなくフィジカルも描いて、と言いつつ、露骨な表現には極めて厳しい。うまく描かなければ、とことん批判される。 生身の肉体を少女は愛さない。少女が愛する人形が生身とほど遠いことや、少女マンガに描かれる少女が体重を感じさせないのもそのせいだ。でも私は、生身の肉体が発する体温や、つないだ手と手に伝わる力が本来の人間らしさだと考えていて、好きだった。 当時、青年誌では、むしろ積極的に、重みや厚みや弾力のある身体性を意識したマンガ家が多くなっていた。白土三平、小島剛夕、上村一夫、平野仁などが描く女性の、体重のある美しい身体が好きだった。 愛や恋を言うだけなら誰にでもできる。恋をするふりすらもできる。しかし、その「愛」や「恋」のなかに、実際に身体ごと踏み込んでいくと、それは少女マンガ誌の規制のなかで展開されているものとは、まるで違うものになる。なぜなら愛の話にひとたび踏み込んでいこうものなら、その前に妊娠だとかなんだとかという話にもなってしまうからだ。どうすればそうした世俗的なところを離れて深い部分を語っていけるのだろう……それが、私の最大の悩みだった。 ほかにも健康的な恋愛のみを描くことが要求された。映画のなかでは様々な形で「道ならぬ恋」というものが描けるが、少女マンガ誌を舞台にすると、まず「道ならぬ恋」は描けなかった。先生と教え子の恋、兄と妹の恋、姉と弟の恋、淡い想いまでならいいが、真剣に描こうとすると全部は描けない。少女たちが読者であるがゆえに、そして時代が1970年代だったから、何も描けなかった。ボーイ・ミーツ・ガールのあと、いろいろあったけれど、キスして結ばれて、「ああ、良かった」となるだけなのだ。 恋愛して、結ばれたあとの話があったとしても、「こんにちは、赤ちゃん」にしかならない。それだとファミリーものになってしまうし、そこに愛の話がいくら入ってきても、質の違うものにしかならない。フィジカルな何かを入れられる方法はないものか……と考え始めると、決まってやるべき仕事に身が入らなくなった」 「本当は月刊誌こそ、私向きの媒体なんじゃないかとつい思ってしまう。 「隣の芝生は青い」みたいなものかもしれないが、このときの私は週刊誌というものを、「始まってしまったら、地獄だとしか思えない媒体」と思い始めていた。うまくいっていないから余計にそう思っていたのだろうが。 月曜日にアイディアを出し、火曜日と水曜日を使ってネームのやりとりをし、それを木曜日と金曜日、場合によっては土曜日、日曜日までを使ってペン入れする。その繰り返しだった。 人気が上がらないと、週ごとになんとか手を売って話の流れを変えてみたり、印象を変えたり。週刊の場合、瞬時に結論を導き出す分析能力が伴わないと悲惨なことになる。判断力が落ちると締切がものすごいスピードで襲ってくる。 これは体験した者にしかわからない時間間隔だと思う。時間がカギなのだ。編集者が付きっきりになって、筋が通っているかどうか、面白さがあるかどうか、力強さがあるかどうか横から逐一言わないと、作家という生き物は物語に振り回されてしまうだけになる。 一人で全部を考え、自分を律していくことは、とても難しい。相当に成長していても難しい。うまくいったことは、私にも数えるほどしかない」 生みの苦しみ。比べるのもおこがましいが、何かを生み出そうともがいたことのある人なら、伴走者の存在が助けになることは納得してくれるはず。編集者こそ、クリエイターの味方であってほしい。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→西弦巻保育園→桜小前→宮の坂→豪徳寺→菅原天神通り→松原大山通り→明大前→甲州街道→玉川上水→代田橋→玉川上水緑道→大山→東北沢→三角橋→池ノ上→淡島通り→若林陸橋→松陰神社→世田谷通り→世田谷中央病院→ボロ市通り→浄光寺→世田谷中央図書館→いちい保育園→弦巻五丁目→馬事公苑通り。 今朝は気温もやや落ち着いて、湿度100%を通り越して霧だか霧雨だかわからないような水滴のなかを走ってきた。おかげで暑くはなかったが。甲州街道から代田橋のほうに向かう玉川上水の脇に細い通路があることに気づいて行ってみた。代田橋の駅ホームの真下をくぐり抜けるんだね。 オーディブルは佐藤究『テスカトリポカ』の続き。 エル・チャボ(坊や。コシモ)とパドレ(父さん。バルミロ)。おれたちは家族だ(ソモス・ファミリア)。 #街ラン #雨ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→シズラー桜新町→バス通り→サミット深沢坂上→駒沢公園通り→都市大等々力→八幡通り→ねこじゃらし公園→九品仏川緑道→緑が丘→東工大→呑川緑道→サザエさん公園→長谷川町子美術館→馬事公苑通り。 今朝の最低気温は25℃で多少は涼しかったけど、湿度は95%超えということで、気持ちのいい朝にはほど遠く、相変わらずのろのろ走りととぼとぼ歩きの繰り返し。そろそろ身体が慣れてくれるといいんだけど。桜新町に住んで25年くらいになるが、長谷川町子美術館の裏に、サザエさん公園なる緑地があることをはじめて知った。まあ、なんてことのない小さな公園なんだけど。 オーディブルは佐藤究『テスカトリポカ』の続き。 コシモあらため断頭台(エル・パティブロ)の怪力がおそろしすぎて、末永と野村がやっている悪魔の営みが児戯に聞こえてしまう、この倒錯した感じをなんと呼べばいいのか。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→千歳通り→塚戸十字路→榎→祖師谷公園→仙川→大蔵運動公園→砧公園→用賀三条通り→弦巻通り→馬事公苑通り。 安倍晋三元首相が銃で撃たれて死亡するという衝撃的な事件から一夜明けた。機械と違ってコピーがきかない人間に意見や考えの違いがあるのは当たり前。まるっきり同じ人がいたら、そっちのほうが気持ち悪い。多様な意見が共存してるのはむしろ社会が健全なあかしなのに、自分が気に入らないからといって一方的に他人の意見を封殺しようとするすべての圧力に反対します。いまの自分にできるのは、明日の参議院議員選挙で投票すること。淡々と日常を動かし続けることが暴力によって誰かの口を封じようとする勢力に対するなによりの抵抗になると思うから。 追記: と思ったら、犯行の動機は何やら違うみたいで、明後日の方向からの逆恨みっぽい。犯人にとっては切実な問題なんだろうけど、民主主義とか言論封殺とかの主語の大きな話とは無関係な可能性が。てっきりそうだと思い込んでこんな書き込みをしてしまった自分を深く反省したい。自戒のためにログはそのまま残しておきます。でも、選挙には行こうね。 オーディブルは佐藤究『テスカトリポカ』の続き。 「ところがだ、調理師(エル・コシネーロ)。この世界には「待つ」ことを拒む連中がいる。超のつく富裕層さ。連中は「待つ」のが大嫌いだ。憎みさえしている。とにかく金の力で何でもショートカットしたがるんだ。 自分の息子や娘が「心臓移植さえすれば助かる」状況で、じっと順番を「待つ」のに耐えられない。耐えられるはずがない。いつだって近道を通ってきたんだからな。そこで連中は臓器ブローカーにこう言ってくる。 「心臓を買いたい」、と」 「連中が売っているのはもちろんスラム街の子供たちの臓器で、どうやったって貧しさの連鎖から抜けだせず、盗みや売春で稼いで、麻薬を売り、なかには金をもらって殺人までやったような子供もいる。 そんな子供たちが、自分たちよりもっと悪い大人に捕まって、あえなく解体され、血の資本主義(ブラッド・キャピタリズム)のマーケットに出まわるんだ。 すべてに値がつく。 髪はかつらになるし、頭蓋骨は観賞用、血液だって一滴残らず売り物になる」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→世田谷通り→清水川公園→清水川緑道→岩戸川緑道→喜多見公園→水道道路→喜多見東記念公園→多摩堤通り→野川→コヤマドライビングスクール→吉沢橋→花みず木通り(砧線跡)→二子玉川商店街通り→瀬田玉川神社→瘡守稲荷→ニトリ環八用賀→用賀一条通り→弦巻通り→馬事公苑通り。 台風→低気圧の通過でひと湿りあったおかげで、今朝は若干過ごしやすく、明け方は23℃まで気温も下がった。涼やかな風も吹いて走りやすかったが、後半は狭い緑道を通って風が遮られ、日も照ってきたので失速、ランニングは25℃を超えると別競技になる説を実感する。 オーディブルは佐藤究『テスカトリポカ』の続き。 ジャカルタに潜伏したカサソラ兄弟の生き残りで、アステカ戦士の血を継ぐバルミロと、ひき逃げ殺人を起こして日本を脱出してきた心臓血管外科医・末永充嗣。復讐に燃える麻薬密売人(ナルコ)と、他人の命を左右するパワーを忘れられない凄腕の医師(メディコ)が組めば、どんなビジネスが始まるかは、火を見るよりも明らかだ。麻薬密売人(ナルコ・トラフィカンテ)ならぬ心臓密売人(コラソン・トラフィカンテ)。 「心臓が止まれば誰でも死ぬ。心臓は洞結節の出す電気信号で作動しているポンプであり、そこで開始される血液循環が生命体を維持している。このような複雑なポンプが、いかにして生み出されたのか? 奇跡としか言いようがなかった。〈神〉がいるのかどうか、末永は答えを持たなかったが、少なくとも心臓という装置の完成度は、〈神〉の所業としか言いようがなかった」 いま生き残っている生物はすべて、人間だけでなく、もっと単純な生き物であっても、何億年にわたって、数々の淘汰圧をくぐり抜け、勝ち残ってきた「結果(成果)」なのであって、そこだけを見て、「こんな精巧なシステムがたまたまできるわけない」と思いたがる心根はどこから来るのだろうとずっと不思議に思っている。 ほんのちょっとしたゆらぎであっても、何度も繰り返されるうちに、当初からは想像できないような複雑な事象を生み出すことを明らかにしたカオス理論や複雑系の科学を持ち出すまでもなく、はじめはもっと原始的な、別の機能を果たしていたシステムが、さまざまな淘汰圧にさらされるうちに、新たな機能を獲得し、そのときの環境に適合するように徐々にカスタマイズされ、洗練されていく例など、枚挙にいとまがない。 途中のプロセスを全部すっ飛ばして、結果だけを見ることの愚に対する戒めとして、高校時代の友人が残した「バーコードは一日にして成らず」という含蓄のある言葉を贈りたい。バーコード頭という結果だけを見れば、「なんでこのおっさんはこんな変な髪型をしてるのか?」「恥ずかしいと思わないの?」「誰か教えてやれよ」「家族は何も言わないの?」という疑問が次々と浮かんでくるが、その友人曰く、「途中経過を知らないから、そういうこと言うんだよ。毎日、毎年、少しずつ少しずつ、薄くなった頭頂部を隠すために分け目を変え、何年もかけて7:3分けが8:2分けになり、9:1分けになっていくわけで、毎日顔を合わせてる人は逆に気づかないんだよ」と言われて、目からウロコが落ちたのだった。以来、目の前の現実は現実として受け入れつつも、そこに至るまでの道程を知らずに一方的に批判することは避けるようになった。友人と、バーコードには感謝している。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→農大通り→経堂→ユリの木通り→豪徳寺→北沢川緑道→羽根木公園→北沢川緑道→環七・宮前橋→若林小→若林公園→世田谷区役所通り→世田谷通り→松ヶ丘交番→JRA住宅→馬事公苑通り。 今朝の最低気温は25℃で曇り☁️。直射日光がなければ、この気温くらいまではそれほど苦もなく走れるみたい。雲ありだけど雲なく(爆 オーディブルは佐藤究『テスカトリポカ』の続き。 「もともと自分たちを〈メキシコ人(メシカ)〉と読んでいたのは、アステカ人のほうだったのさ」「スペイン人はアステカ人の王様を殺し、神殿(テオカリ)も壊したよ。都を滅茶苦茶にして、その上に宮殿と憲法広場(ソカロ)を作ってしまった。どこだと思うね? そう、メキシコシティさ。昔はあの場所に、〈テノチティトラン〉という夢みたいな美しい都があったんだよ。何もかも奪われたのさ。それでもアステカは、征服者(コンキスタドール)のものにはならなかった。連中はアステカの恐ろしい神々を怒らせたよ。白人の文明に取りこまれたふりをして、アステカの神々は奴らのはらわたを食いちぎり、首を切り落として回っているんだよ。麻薬戦争は終わらないだろう? あれは呪いなのさ。最初にアヘン(オピオ)を持ってきたのは東洋人だったけれど、それもアステカの神々が呼び寄せたんだよ。いいかい? 海を越えて、アステカの偉大な神々のもたらす災いが、どこまでも広がっていくんだよ」 あるときある瞬間に特定の何かーー天変地異や身内の死などの不幸な出来事、あるいは幸福な出会い(セレンディピティ)ーーが起こるのは、たいてい「たまたま」なんだけど、そこに何らかの意味を見出してしまうのが人間で、無理やり解釈して古くから伝わる一連の物語(神話や宗教)に紐づけるのが、呪術者や宗教家の存在価値そのものだった。宗教が力を失ったいま、その役割を果たしつつあるのが陰謀論で、「たまたま」が受け入れられない人たちに「真実の物語」を提供する。「あれとこれは全部つながっているんだ」と語り、「それを知っているのは我々だけ」とさも秘密を共有しているかのようにふるまい、真実を知らない無知蒙昧な民と選ばれし自分たちを峻別する。彼らの手にかかれば、この世のすべての出来事には意味があり、つながっていて、それは正義の我らと敵対する闇の勢力のあいだの永遠の闘争、みたいな形に収斂されるが、現実には、そんなわかりやすい闇の勢力なんて存在しなくて、さまざまな人びとの思惑が絡み合った結果、たまたまその瞬間に、たまたまその人の身のまわりで起きたにすぎない。なぜ人は、「たまたま」を信じることができないのか。たまたま原始地球とティアがぶつかって地球と月が生れたり、たまたま突然変異が起きて新しい種が誕生したり、たまたまあの人とこの人が出会ったり。そこには何らかの意図もなければ、神も介在しないと思うのだけど。 それにしてもレコンキスタを「国土回復運動」と訳したのは、どうなんだろ。キリスト教徒によるイベリア半島の「再征服」じゃないか。で、再征服をはたした余勢をかって、そのまま新大陸の「征服」に乗り出した。キリスト教徒にとって、イベリア半島に住むムスリムも、アステカ帝国やインカ帝国の民も、どちらも野蛮人だったのかもしれないが、いちばん野蛮で容赦なかったのは、むしろ彼らのほうだった、というのは歴史が証明している。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→弦巻四丁目→弦巻通り→蛇崩川緑道→三宿通り→世田谷公園→三宿→烏山川緑道→村田医院→上町児童館→松ヶ丘交番→世田谷通り→JRA弦巻公園→馬事公苑通り。 今朝の最低気温は26℃。暑熱順化どころか連日の暑さにすっかりやられて、途中からほとんど散歩になってしまった💦 プール行きたい。 オーディブルは今日から佐藤究『テスカトリポカ』を聞く。 最近南米コロンビアを舞台にした『エメラルド王』という自画自賛のノンフィクションを読んだばかりだけど、麻薬カルテルがらみの作品はどうしてこうも大言壮語というか、おどろおどろしい文体なのか。思わず笑ってしまった😎 ナルコ=麻薬密売人。怪力の巨人・土方コシモ。 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→都立桜町→コジマ用賀→用賀中町通り→谷沢川→駒沢通り→多摩美→五島美術館→第三京浜下トンネル→玉川野毛町公園→等々力渓谷→等々力→用賀中町通り→深沢不動→駒沢公園通り→新町一丁目→駒沢給水所→ライフ桜新町→馬事公苑通り。 連日35℃超えの猛暑で、最低気温も26℃までしか下がらないから、早朝とはいえ、暑い暑い。涼を求めて水のあるところを走るようにはしているが、そういうところほど、ひと息ついて歩きたくなり、結局全然走れない😎 オーディブルは山本周五郎の新潮文庫版短編集『日々平安』が今日でおしまい。 最後の短編「失蝶記」は「橋の下」に並んで、同志に裏切られ、幼馴染の親友を斬った谷川主計(かずえ)の述懐。耳の聞こえない谷川には、残念ながら「人違いだ」という友の最後の叫びは聞こえなかった。 「攘夷論は民心を統一する手段の一つだ、これはまえにも繰り返し云ってある、攘夷という名目は、それに対立するこの国、日本と日本人ぜんたいの存在をはっきりさせる、これまでかつて持ったことのない、共通の国民意識というものがそこから初めて生れるだろうし、すでに生れていると云ってもいいだろう、したがって王政復古が実現すれば攘夷論は撤回されなければ、杉永の云うとおりこの国は亡びるかもしれない、そのくらいの見識を持たない人間はないと思う」 共通の敵の存在を利用して国論を統一するのは、どこの国の統治者も使う手だが、それは劇薬であって、黒船頼みも度が過ぎると、不断に自己を見直し、変革する気風が失われ、やがて外圧がなければ何も変えられないほど守旧派がはびこることになる。幕末明治の人たちはみずから開国して、時代の荒波をくぐり抜けるだけの見識と気概をもっていたが、いまの日本は、世界はどうか。ロシアのウクライナ侵攻で、力による現状変更が現実となったいま、戦後民主主義の枠組みは風前の灯となっている。西側先進国が誇る自由民主主義を採用している国々は、人口ベースで世界のわずか13%にすぎない。中国やロシアの独裁政権が異常に見えたとしても、現実には、世界の約7割が非民主主義≒権威主義的な国なのだ。 → 岐路に立つG7(上) 対強権、価値観超え結束:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62180080Q2A630C2MM8000/ #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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馬事公苑通り→西弦巻保育園→桜小前→宮の坂→豪徳寺→菅原天神通り→松原二丁目→玉川上水→上北沢→上北沢区民センター→桜上水交番→緑丘中→経堂赤堤通り団地→北沢川緑道→西福寺通り→経堂→農大通り→馬事公苑通り。 やけに暑いと思ったら、今年は史上最短の梅雨だったそうで、例年より半月以上も早く梅雨が明けてしまったらしい。夏の渇水が心配。暑さに弱いのはもとからで、数年前までは夏場は一切走れず、時折プールに通うくらいだったことを思えば、歩くようなペースであっても身体を動かしてるだけでもマシだと思い直して、またまた自分を甘やかしてる。このいくじなしめ😎 オーディブルは山本周五郎の新潮文庫版短編集『日々平安』の続き。 「若き日の摂津守」は山本周五郎には珍しく、作者が地の文で登場してきて文献を漁る姿が描かれる。森鴎外の「渋江抽斎」を思い出した。 それにしても、「つねにみずばなやよだれをながし」「自分が誰であるかを、いちいち側の者に訊いた」という、藩主のことを記したとは思えない、実に思い切った記述に興味を抱き、そこから話を膨らませて一編の物語を紡ぎ出していくそのやりかたに舌を巻く。重臣たちに「狂倚の質」という札を貼られ廃嫡された兄の二の舞にならぬよう、愚鈍なふりをするように育てられた摂津守光辰は、長年の習慣でそのくせが抜けなくなってしまっていた。 「三年待ったとて同い年ゃ同い年」 「七年待ったとて同い年ゃ同い年」 「二十年待ったとて同い年ゃ同い年」 「五十年待ったとて同い年ゃ同い年」 そりゃそうだw と笑わせておいて、 「死ぬまで待ったとて同い年ゃ同い年」 ときて、とたんにそこに深い意味が感じられるのが周五郎の技というか、魔法なのだろう。 「ーーそれはむろん、もっと先のことだろう、年月をかけてゆっくりやる、仕損じたとき再起のできないようなまねはしない、辛抱することでは誰にも負けないからな」 #街ラン #朝ラン #早朝ラン #ランニング
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