■~山岳遭難の現場から Mountain Rescue File №4~ いよいよ本格的な春の登山シーズンが始まります。この時期は、都市部では初夏を思わせるような陽気になることもありますが、北アルプス等の県内の標高の高い山域には雪が残り、ひとたび低気圧や寒冷前線が通過すれば、真冬のような猛吹雪に一変します。今回は、これまで大型連休中に発生した遭難事例を題材に春山における気象判断の重要性について考えます。 https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/mountain_rescuefile.html 長野県警察・山岳情報 ■山岳遭難発生状況(週報):  4月19日に2人パーティーで明神岳を下山中の63歳の男性が落石により、負傷した。  4月19日に単独で風越山を登山中の73歳の男性が足を滑らせて負傷した。 ■令和6年4月21日現在の遭難状況は  56件(死者10人、行方不明1人、負傷者18人、無事救出35人)です。  前年比は、発生件数が+2件、遭難者が+1人です。  内)単独登山は、発生件数が-4件、遭難者が-4人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス  4月15日の週は、県内で2件の山岳遭難が発生しました。明神岳では懸垂下降中に落石で負傷。風越山では、鎖場付近で約20m滑落して負傷、いずれも県警ヘリコプターで病院に搬送されています。明神岳の山岳遭難では、ロープで下降中に浮き石を踏んでしまい、落石が発生してしまいました。落石は様々な原因で発生しますが、人が発生させるものと自然に発生するものがあります。 積雪上で転がる落石は音もなく猛スピードで接近してきますので、休憩中でも油断せず、山側を向いて警戒をしましょう。  県内の各山小屋では小屋開けの準備が進んでおり、登山道の情報が日々発信されています。 登山道の積雪状況については最新の情報をよく確認し、適切な装備の選定をお願いします。 過去のゴールデンウィーク中の山岳遭難では、チェーンアイゼン(軽アイゼン)やトレイルランニング用のシューズ、トレッキングシューズなどで積雪した山域に入山し、滑落や行動不能に陥って救助要請となった事案もあります。