【島崎三歩の山岳通信】第309号(令和5年8月14日)<7月31日~8月6日遭難事例> ★~クイズで知ろう!この夏登りたい「長野県内の日本百名山」を安全に踏破するヒント~  過去3年間(令和2~4年)でとくに遭難者が多かった日本百名山(槍ヶ岳・穂高連峰・白馬岳・常念岳・赤岳)での遭難事例からわかる注意点を、クイズ形式で紹介。  https://yamahack.com/5782 ★救助隊長からの「7つのお願い」  夏山シーズン、信州で安全に登山を楽しんでいただくために「7つのお願い」をまとめました。  https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html ◎山岳遭難発生状況(週報) ・7月30日、2人パーティで上高地から入山した男性(66歳)が、31日、西穂高岳から奥穂高岳に向けて縦走中に滑落する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しましたが、死亡が確認されました。 ・7月30日、3人パーティで燕岳に入山した男性(77歳)が、31日、合戦尾根を中房温泉に向けて下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、安曇野警察署山岳遭難救助隊員、豊科消防署員が出動して救助しました。 ・7月31日、17人パーティで赤岳に入山した男性(16歳)が、宿泊中の山小屋で疲労による体調不良となる山岳遭難が発生し、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助しました。 ・7月30日から3人パーティで八ヶ岳連峰赤岳に入山した男性(60歳)が、31日、南沢を美濃戸口に向けて下山中につまずいてバランスを崩し、転倒・負傷する山岳遭難が発生し、茅野警察署山岳遭難救助隊員及び諏訪広域消防特別救助隊員が出動して救助しました。 ・7月30日、単独で白馬乗鞍岳に入山した男性(50歳)が、31日、白馬鑓ヶ岳を経由して猿倉に向けて下山中、疲労のため行動不能となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員が出動して救助しました。 ・14人パーティで上高地から入山した男性(15歳)が、31日、西穂高岳周辺のテント場において、宿泊中に発病により体調不良で行動不能となる山岳遭難が発生し、1日、長野県消防防災ヘリが出動して救助しました。 ・7月30日から2人パーティで北穂高岳に入山した女性(60歳)が、1日、涸沢に向けて下山中に転倒し負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。 ・7月30日から4人パーティで爺ヶ岳に入山した女性(73歳)が、1日、柏原新道登山口に向けて下山中に疲労のため行動不能となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員が出動して救助しました。 ・7月31日から単独で空木岳に入山した男性(59歳)が、1日、空木岳から檜尾岳へ向け登山中、バランスを崩して転倒し、左足首を負傷する山岳遭難が発生し、2日になっても回復が見込めず自力下山できないため、県警ヘリが出動して救助しました。 ・7月31日から単独で上高地に入山した男性(69歳)が、2日、北鎌沢を経由して北鎌尾根を槍ヶ岳に向けて登山中、疲労と右膝の痛みのため行動不能となる山岳遭難が発生し、3日、県警ヘリが出動して救助しました。 ・8月1日から5人パーティで白馬岳に入山した女性(58歳)が、2日、猿倉に向けて下山中に疲労のため行動不能となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員及び長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動して救助しました。 ・8月1日から2人パーティで南アルプス仙丈ケ岳へ入山した男性(65歳)が、2日、北沢峠へ下山中、疲労により行動不能となる山岳遭難が発生し、3日、伊那警察署山岳高原パトロール隊員及び南アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助しました。 ・8月3日、2人パーティで猿倉から白馬岳を登山中の男性(68歳)が、疲労のため行動不能となる山岳遭難が発生し、長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動して救助しました。 ・8月2日、単独で上高地から入山した男性(46歳)が、槍ヶ岳に向けて北鎌尾根を登山中、3日、滑落して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。 ・8月3日、単独で白馬岳に登山中の男性(59歳)が、4日、岩でつまづき転倒して負傷する山岳遭難が発生し、長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動して救助しました。 ・8月3日、2人パーティで中房登山口から入山した男性(80歳)が、4日、燕岳から大天井岳に向けて登山中に滑落する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しましたが、死亡が確認されました。 ・8月3日、単独で一ノ沢登山口から入山した男性(58歳)が、4日、常念乗越から一ノ沢登山口に向けて下山中に転倒する山岳遭難が発生し、消防ヘリが出動して救助しました。 ・8月4日、17人パーティで中房登山口から入山した女性(67歳)が、5日、燕岳から大天井岳に向け登山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して救助しました。 ・8月4日、11人パーティで中房温泉から入山した女性(64歳)が、5日、大天井岳から赤岩岳に向けて登山中、疲労で体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生し、消防ヘリが出動して救助しました。 ・8月5日、単独で五竜岳に入山した男性(34歳)が、6日、鹿島槍ヶ岳方面に向けて縦走中、落石により負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリ及び長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動して救助しました。 ・8月5日、2人パーティで白馬岳に入山した男性(64歳)が、6日、大雪渓を下山中にスリップして転倒し負傷する山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員及び長野県山岳遭難防止常駐隊員が出動して救助しました。 ・8月5日、5人パーティで上高地から入山した女性(56歳)が、6日、槍ヶ岳から上高地に向けて下山中に体調不良となる山岳遭難が発生し、松本警察署山岳遭難救助隊員が出動して救助しました。 ・8月6日から親子で北アルプス燕岳に入山した男性(8歳)が、テント宿泊中、7日下山予定であったが、体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生し、安曇野警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動し、救助しました。 ○令和5年8月6日現在の遭難状況は 167件(死者21人、行方不明3人、負傷者87人、無事救出77人)となりました。 前年比は、発生件数が+22件、遭難者が+28人です。 内)単独登山は、発生件数が+9件、遭難者が+9人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス 8月1週は、2件の死亡遭難を含む、23件の遭難が発生しました。連日厳しい暑さが続いていますが、標高が高い山域でも、日中は気温が高くなります。北アルプスの一部の山小屋では、好天が続く影響で、水の補給制限やペットボトル飲料の売り切れ等があるため、山小屋に到着しても水の補給ができない場合もあります。事前に情報収集することや、普段より多めの飲料水を携行しましょう。 また、脱水や熱中症と思われる疲労による遭難が非常に多いです。入山前から体調管理を万全にし、ゆとりある山行計画を立てるとともに、行動中は意識して水分やカロリー補給をするなどしましょう。長時間の行動や暑さで集中力が低下することによる、転倒や滑落にも注意が必要です。 今年の夏山は、連日厳しい暑さが続いているため、暑さ対策や熱中症予防を万全にして、安全登山を心掛けましょう。