水と緑が織りなす生命の巡り―八淵の滝から武奈ヶ岳・蓬莱山へ
武奈ヶ岳は豊富な水源が緑を濃く潤わせ、生命に満ち溢れている。 今回は生命の源、水と緑が織りなす自然の豊かさを巡っていこう。 行程︰北小松駅→寒風峠→ガリバー青少年旅行村→八淵の滝→八雲ヶ原→武奈ヶ岳→奥の深谷→南比良峠→蓬莱山→ホッケ山→和邇駅 【始まりから支流へ】 寒風峠からガリバー村へは、前日の雨の影響か登山道に流れていく泥川から始まり、沢横の道に至る。全体的に崩落しており、数歩歩けば蜘蛛の巣だ。もはや髪の毛が蜘蛛の巣ワックスで無造作ヘアに固まり、頭の上に蜘蛛が住み着いてしまうレベルだった。川でワックスと蜘蛛を落とす。そして、生き返る。澄んだ水と雨上がりの苔の匂いを味わいながら、体にこもった熱を溶かしていく。 【滝の自然と人工物の融合】 そして期待の八淵の貴船の滝。圧倒的な水量が飛沫を飛ばしながら現れる。驚くべきは自然と人工物の一体感だ。水落ちる場所に下った後、向かい側の岩場にはホッチキス(ステップ)が打ち込まれ、鉄梯子がそびえ立つ。 通れない大自然はたくさんある。しかし、ここは通れる道。この道を切り拓いた先人たちに思いを馳せる。「この滝に登ってみたい、岩場の上からの景色を見たい」と。 そして萎縮する気持ちより、いまだ見ぬ景色への憧れが勝り、川の中へと足を踏み入れていく。 【潤う湿原地帯】 八雲ヶ原の湿原帯では、池と力強い緑が溢れかえっている。たっぷりと水を吸い上げ、自由奔放に伸びていく草たち。とても好きな景色だ。 【武奈ヶ岳までの沢】 高度を上げるにつれて沢が現れ、山の潤いの深さを物語る。たまらず水に入り、体を整える。 【緑溢れる大地へ】 武奈ヶ岳の山頂を踏む儀式を経て、御殿山へと続く緑の稜線に心を通わせる。 武奈ヶ岳は、少し離れた御殿山方面から見る緑濃き稜線の姿が美しい。大地からしっかりと水を吸い上げ、たっぷりと潤っている。なんと美しきことか。 【再び川と交わる】 中峠から南比良峠の間、奥の深谷は登山道を流れる川から始まり、岩がゴロゴロした沢跡を下っていく。そして、沢沿いの登り返し。 至る所に川の痕跡が濃く残っており、水で潤っている。 【その稜線の果てへ】 蓬莱山を経た直後、見事な緑の稜線へと至る。どこまでも続く起伏となだらかなカーブが美しい。 ここまで水と交わり、水を巡る旅をしてきた。その潤いの先にある景色を、自然が水の恵みを経て創り出したものとして味わい深く受け止める。 そして、眼下に広がる琵琶湖と、水を取り囲むように広がる街並みを見下ろす。自然も人も、すべてが水で繋がっている。その事実が、たまらなく美しい。





