西方ヶ岳・蠑螺ヶ岳(福井)
2026.08.23 (日)日帰り
体感だけで言うと、この日は今夏一番の暑さだったような気がします。帰宅した頃にはこの夏初めて車の気温計が40℃になりました。そんな暑い日だからこそ海が見たい!というわけで選んだのが敦賀半島に位置する、蠑螺が岳(さざえがたけ)から西方が岳へのルート。敦賀湾や若狭湾を望みながら稜線を辿る好ルートです(^^)
しかしながら結果から言うと、惨敗です…(~_~;)惨敗登山…
登りたかったピークにも辿り着けた…怪我なく無事に下山した…美しい海の風景も見ることができた…巨木の森も美しかったし、巨岩がひしめく開放的な稜線も素晴らしかった…では何が惨敗なのか?
それはひとえに体調面。体調不良…ではないな。むしろ体調は良い方だった。正確に言えば、この厳しい暑さに対応するためのコンディション調整が上手くできなかった、ということです。それくらいこの日の暑さは尋常じゃなかった…
5:15に駐車地に到着。5:35に出発。なるべく暑くなる前に標高を上げてしまおうという計画。
舗装路歩きおよそ7分で登山口に到着。山に入る。序盤は緩やかな上り坂でスタートしますが、ほどなく急登に突入。この急登が延々と続く。多少アップダウンがあったりフラットな区間もありますが、感覚的には蠑螺が岳山頂までずっと急登というイメージ。
急登に入っても体の動きはすこぶる調子良かった。こんな暑い日は序盤飛ばしすぎると後半バテるから、できるだけゆっくりスタートしよう。そんな意識で登っていました。登山口からおよそ30分ほどで、水島ビューポイントに到着☆木々の間から水島が見えます!
この水島こそが"北陸のハワイ"と呼ばれる景勝地。少し大きめの(と言ってもめちゃくちゃ小さい)島と、木が数本ほどの小さい島が、白砂の弧状の砂州で繋がっているという、異国情緒溢れる敦賀湾に浮かぶ無人島です。砂州の西側は一目見てわかるほどの遠浅の海。夏の間だけ渡し船が運行され、島で海水浴が楽しめます。まさにプライベートビーチとでも言いたくなるような特別感漂う島です。
しかし朝のうちは逆光で島がシルエットになってしまいました。下山時に美しい風景が見られることを期待して、先へと向かうことにしましょう。
ところが、突然の異変!
ここまで快調に歩いて来たのに、水島ビューポイントを越えた途端、突然息が上がる、酷い倦怠感…暑い、苦しい、体が重くて動かない…もうダメだ…動けない…(>_<)
そんな時、登山道の真ん中に座れそうな岩を発見。思わずザックを降ろし岩にへたり込む…口の中がネバネバして唾すら上手く飲み込めない…あー、体の水分が枯れちゃったかも?…直感的にそう思いました。手元の計測で標高わずか384m、出発してからたった1時間でまさかこうなるとは思ってもいなかった。ショック…(~_~;)
あくまで素人の勝手な推測ですが、ウォーターローディングが全くできていなかったんでしょうね。前日は翌日が休みということもあってビールをたくさんいただいちゃったし←いや、毎日だろー!(^_^;)ビールは利尿作用が強く水分を排出してしまいます。ベッドサイドには常に水を置いてるんですが、あまり飲んだ記憶もない。
朝になって水分が足りてない状態に気づかず、そのまま山に入る。序盤の急登でドッと一汗かいたら体の水分が急激に枯渇…で、機能停止…そんな感じでしょう。
とりあえず10分ほどかけて、少しずつゆっくりゆっくり水分を補給する。それから塩分補給も忘れない。上がった息が落ち着き、汗が引くのを待つ…軽い脱水症状ですからね。これでダメなら撤退止むなし!
落ち着いたところで立ち上がりザックを背負う。どーかな?お?ちょっと体が軽くなったな!本当にダメなら撤退ありきを頭の片隅に入れながら、行けるところまで行ってみましょう!
なかなか手強い急登をひたすら登ること、水島VPから休憩含めておよそ55分、長命水に到着。正確には長命水への分岐ですね。水場は少し坂道を下ったところにあるようです。
下って水場が枯れていたらどーしよー?水音も聞こえない…今の体調で無駄に下ったり登ったりするのはツライな…体に相談してみる。行かなくていい!体がそう言うので先へと進むことにします。
常に水分補給には気を使ってます。10分とおかず、一口、また一口とこまめに水分を補給し続ける。しかし入れる水と出ていく水が拮抗しているような状態。まさに水の追いかけっこ!結局この日一日、体が潤ったという実感は全く無かった…
地図を見ると長命水から先は稜線で傾斜も少しくらいは穏やかになると思っていたんですが…いやいや、とんでもない!厳しい急登はまだまだ続きますし、さらにアップダウンも増えてきた!(>_<)それほど高低差のあるアップダウンではないんですが、今の体調には地味に堪える…(ー ー;)
巨木の森があったり、開放的な花崗岩の巨岩の稜線があったり、普段であればとっても気持ちよく歩けるところなんでしょうが、今日は楽しむ余裕がない…ゴメンナサイ。
長命水からおよそ50分、登山口からおよそ2時間15分、フラフラになりながらもなんとか蠑螺が岳山頂に到着!☆開放的ではありますがそれほど広くない山頂広場には、山頂標示と三等三角点があります。
とにかく休憩!手頃な石に座りまずは水分補給。ゆっくりゆっくり時間をかけて、じっくりと体に水を入れ続ける。そして塩分補給。時間がかかっても構わない。体が納得するまで休ませます。15分ほど休憩したら体も落ち着いてきました。よし、行こう!
ちなみに蠑螺が岳山頂の近くにも絶景ポイントがあるようなんですが、今日は断念します。普段は寄り道大臣の私なんですが、今日は体調を鑑みて寄り道は控えることにします。
さあ、次に目指すは西方が岳。出発してすぐに西方が岳への稜線が見えるんですが…唖然…(~_~;)かなり距離を感じる最奥に西方が岳のピークが見えているんですが、その道中に3つほど小ピークが連なっている!うわー、あのピーク全部越えて行くの!?心が折れる…仕方ない、行けるところまで行ってみよう…
途中海の見える開放的な稜線があったり、巨岩を縫うように進むポイントがあったり、ホント体調がよければめっちゃ楽しいんでしょうけど、残念ながら記憶すらあまりない(ー ー;)大した高低差ではないのに、とにかくアップダウンがキツい!(>_<)特に上りは体が重くて全く歩けない。
途中、カモシカ台への分岐があります。カモシカ台?なんだろー?行ってみたいな…片道200m、往復400m…しかし体が行くことを拒否する。今日は体の言うことを素直に聞きます。自分の体を信じるしかないですから。
蠑螺が岳からおよそ55分、なんとか西方が岳に到着!☆しかしそこには何にも無い…木々に囲まれた畳八畳分くらいの平坦地に、山頂標示と二等三角点があるだけ…
ここに来るためにこんなに苦しい思いをしたのか!?…普段なら絶っっっっっ対にそんなことは思わないんですけど、今日はちょっと切羽詰まってます(~_~;)
この山頂でたっぷり休憩するつもりで頑張ってきたのに休憩する場所すら無い。仕方ない戻ろう。戻りながら休憩場所を探そう…
西方が岳の山頂を離れ蠑螺が岳へと戻る。しかし休憩できる場所がなかなか見つからない。巨岩の岩場は休憩できそうなんですが、直射日光もろ浴び!焼け死んじゃうよ!(>_<)
カモシカ台への分岐を過ぎた辺りであきらめモード…なんとか蠑螺が岳まで戻ろう…しかしここで第2の悲劇!…シャリバテの予感!(~_~;)
水分切れの次はカロリー切れか!?蠑螺が岳まで戻れるか!?
西方が岳からおよそ45分、這いつくばるようにしてなんとか蠑螺が岳に到着。
何か食べなきゃ!しかしとても不思議な感覚…お腹が空っぽなのははっきりと自覚しているんです。空腹です。でも全く食欲がない…というか、食べられる気がしない…でも食べなきゃ下り切れないのはわかっている…頑張っておにぎり1つだけ食べようと思います。
一口かぶりつく…モグモグ…モグモグ…モグモグ…ダメだぁ!飲み込めない!全く喉を通らないよぉ!(>_<)味も全くわからない。無理矢理ゴクリと飲み込む…こんなに食べることを苦痛だと感じたのは人生で初めてかも?結局おにぎり一つ食べるのに20分かかる(ー ー;)
あとはひたすらゆっくりゆっくり水分を入れ続ける。食べたおにぎりがエネルギーとして使えるようになるまでじっくりと時間をかける。
休憩30分…なんとか行けそうだ!下山開始!
長命水まで!長命水までのアップダウンをなんとか乗り切れば、あとは下りオンリー。下りだけならなんとかなる!ってところが私の唯一のストロングポイント。そのためにこれまで下りの技術を磨いてきました。もちろんその自信が過信にならないように、慎重に安全に下るつもりです。
下山開始からおよそ30分、アップダウンを乗り越え長命水に辿り着きました。よし、ここまで来たらあとは下るだけ!
しばらく下ると今日初めてのハイカーに出会う。女性を含めた3人組。軽く立ち話。「山頂まであとどれくらいかかりますか?」と聞かれたので、「蠑螺ですか?蠑螺なら1時間くらいですかねー?」と答えると、「うわー、やっぱり1時間かかりますか!?」などと言いつつ、この3人組はまだまだ元気(^^)直後に女性一人とすれ違うが、3人組と同じグループの人かもしれません。
人と話して少し元気でたな、なんて思いつつ下っていると、次は2人だったか3人だったかの若いお兄ちゃんたちとすれ違う。結構バラけて登って来たんですが、こちらのお兄ちゃんたちはキツそうですねー!滝汗かいて顔真っ赤にして、挨拶もままならない。そりゃそーですよ!気温のまだ低い早朝出発の私でさえこんなにキツいんですから、これから気温のピークを迎える時間帯に、よくこの山登って来たな!?…なんて思ってしまいます。
その後、ソロの女性とすれ違う。彼女はキツそうながらも淡々と、黙々と登って行く感じ。なんやかんやで女性は強い!粘り強いし、辛抱強いし…男はすぐ弱音吐いちゃいますから(^_^;)いやー、尊敬しちゃいます☆
下りだけならなんとかなる…確かになんとかなってるんですけど、やっぱり体調のせいですかね?自分的にはちょっと違和感を感じながらの下山です。傍目には普通に下ってるように見えたかもしれませんが、着地の瞬間が雑だったり、リズムが思うように行かなかったり…体が上手く動いてないんでしょう。自分だけが感じる些細な違和感ですが、終始苦戦しながらの下山となりました。
長命水からおよそ25分で水島VPに到着☆あー、やっぱり昼間の方がキレイだわ!青い海に緑の小さな島が2つ。白い砂州がそれを繋ぐ。砂州の西側は遠浅で色が違って見えますね。ハワイと言うよりは、モルディブとかのマリンリゾートがイメージ的には近いかな?
さらに下る。登山口が近づいて来たところで小さな沢を渡るんですが、そこで遅ればせながら熱中症対策!
冷たい沢の水に両手を浸します。もう何度も紹介してる方法なんですが、改めてご紹介(^^)手の平など体の末端には毛細血管が集中してるでしょ?そこを冷やすことで血液が冷えるんです。その冷えた血液が体を巡ることで、深部体温が劇的に下がる。それが熱中症対策になるんですよ。
しゃがんでひたすら両手を浸し続ける。体が納得するまでたっぷり時間をかけましょう!どれくらい経っただろーか?3分?5分?いや、もっと長いかも。汗がスゥーッと引いて、体の内側からひんやりと涼しさを感じる。
よし、バッチリ!行こう!…と思って歩き出したらすぐ登山口。絶好調の時間が短か過ぎた!(^_^;)
舗装路を少しだけ歩いて、無事駐車地に帰着しました☆
下山後も全く食欲がありません。一応敦賀の美味しいラーメン屋さんの目星もつけてはいたんですが、全く食べたくない。お腹壊れたっていいからコーラをガブ飲みしたい!頭の中はそれでいっぱい(^_^;)
帰路コンビニに立ち寄り、600mlのペプシとファミチキを購入。エアコンをガンガンに効かせた車中でコーラを一気飲み!ぶはぁぁぁ〜、生き返ったぁ!*\(^o^)/*
その後も何も食べずに帰宅。結局帰宅後に冷たいうどんをサラッと食べて終了。明日仕事終わりに美味いラーメンを絶対食う!そう心に誓いながら深い眠りに落ちました☆
では今日の総括を。
とにかく体調管理不足の一語に尽きます!ウォーターローディング、大切ですねー。過酷な真夏の登山では当日だけではなくて、前日からしっかりと体に水分を蓄えておかなきゃならないことを痛感しました。
それにしても水分が枯渇した人間の脆いこと、脆いこと!(^_^;)全く体が動かないですから。無事に下山できた今になれば笑い話ですけど、歩いている最中はとてもじゃないけど笑えるような状況じゃなかった!
こういうことはあってはならないことだし、もちろん反省はしています。しかしいいことも悪いことも何事も経験で…こういう苦しい思いをしたからこそ、たくさんの気づきがあったし、これからの対応、対策もまた変わってくると思う。
熱中症、高山病、脱水症状…みんなやってるなぁ(^_^;)命の危険がない些細なことで言えばシャリバテも何度も経験あるし…それでも予期せぬアクシデントは起こり得るもの。柔軟に対応しながら、必ず無事に下山することを改めて誓います。命に関わる怪我だけは絶対経験しないように!
山についても少しだけお話ししておきましょう。
今回西方が岳を登頂したことで、伊勢三山、淡路三山に続いて敦賀三山を完登することができました。
本来ご当地百名山とかに全く興味が無い私ですが、このご当地三山というのはちょっと違う意味合いを感じています。キャンペーン的なものではなく、古くから地域の人々に親しまれてきた、我が故郷の名峰三座…地域密着型の山なんですね。地域の歴史と文化に根付いた山々なわけです。
きっとまだまだ知らないご当地三山があると思います。地域の人々が思いを寄せたご当地三山…これからも大切に歩いて行きたいなと思います(^^)