龍王山
龍王山・高見島・佐柳島
(香川)
2026年03月12日(木)
日帰り
高見島の船着場にいるソロ登山断固拒否御婦人をご存知だろうか。
いや、私も実際にお会いをしたことはないのだが、たくさんの方の活動日記に度々登場してくるなかなかに強烈そうな御婦人で、数多の報告を元に再現してみるに「この間よそもんが登っりょる時にイノシシに襲われたきん、ほんまわややったんで!絶対に1人で登ったらいかんきん!」と目敏くソロ登山者を見つけては叱りつけてくるといった最早登山口までが登山みたいな島民がいるということなのである。しかも、行政や警察に確認してもそのような騒動はないし、ソロ登山も禁止していないといった回答だったようだ。御婦人自身は善意で声かけをしていると思ってそうなあたりが余計面倒くさい。
色々と対応策を考え、①上陸したら船着場をすぐに離れる②話かけられたらエセ中国語で躱すの2パターンでなんとか乗り切る決意をし、6:55発の船に乗るため、多度津港へと辿り着いた。切符売り場にて高見島の往復と伝えると、「はい、高見島。高見島…高見島ですよね?」と再確認をされる。というのも、この路線は佐柳島という猫の島で有名な離島にも着岸する便となっており、女性の1人客が高見島で降りる訳ないだろうと混乱をさせてしまったようだ。なんせ高見島はランチを食べる場所どころか商店すらない。さすがに私も切符を売る側なら確認すると思う。
30分ほどの船旅を経て、7:20に高見島へと上陸した。船着場の建物外に誰もいないことを確認し、そそくさと足早に立ち去る。無事にそれらしき人に捕まることもなく、登山口へと辿り着いた。スムーズにいきすぎて拍子抜けだ。私は心のどこかでその御婦人に会いたかったのではないかと錯覚をするほどに。
安心したところで第ニの関門、荒れた登山道が待ち構えている。これも皆様方の活動日記を確認し、直登ルートは荒れ過ぎて危険なレベルとの情報を得ていたので、新しく整備された周回ルートをピストンすることにしてある。
登山口にて竹の杖をお借りし、気合を入れて登山を開始する。しばらく歩いてみるも危険箇所はなく、道を間違えない限り藪こぎもなさそうだ。至る所に登山道と書かれたラミネートの目印やテープがつけられているので、進む方向が分からなくなったら立ち止まって辺りを見回せば、道迷いの心配もそれほどないはずである。だが、やはり厚く堆積した落ち葉やイノシシの掘り返し跡が酷く、整備された登山道に慣れている人は少し面を食らってしまうかもしれない。登山靴とストックの装備かつたまに振り返って下山時のルートを確認しながら進めばおおよそ問題はないだろうと思われる。
落ち葉に足をとられながら特に変わり映えもしない道を歩いていくと、手島と小手島が見える展望所に出た。やっと視界が開けたことで、しま山に来ているぞという気持ちが高まる。そのままぐんぐん登っていくと傾斜が緩やかになり、今度は粟島の方面に開けた展望所に出てきた。粟島にあるしま山100選の城山は既に登頂済みではあるのだが、当時はしま山100選の存在を知らず、YAMAPを起動せずに登ったため、踏破のためにまた訪れなければならない。今年中に行けるだろうか。
平坦な道を突き進み、無事に龍王山の山頂へと到着した。そこにあるのは小さい看板と三角点のみ。特に見どころはなかったため、登山口付近の浦集落を散策するために早々に下山をする。
登りの時にも気になっていたのだが、ところどころにミントの群生ができており、その噂に聞く繁殖力の高さに恐れ慄く。高山のある地域はいいな、色とりどりの可憐な花が登山道を彩ってくれて。見ろよこれ、ミントぞ?山頂でスペアミントぞ?
浦集落まで戻ってきた。ここの集落は山がちの島に張り付くように石垣が積まれており、段々畑のように家屋が立ち並ぶ町並みをしていることが特徴だ。しかし、高見島は高齢化が進み、島民はたったの20名程度。この浦集落には現在人が住んでいないようである。瀬戸芸にて空き民家を活用しているとはいえ、いずれ無人島になってしまうのも時間の問題で、この町並みも消えゆくのかもしれない。どこにもない景色なだけに、なんとか形だけは残せまいかと考えてしまう。龍王山の登山道においても、その荒廃具合から近い将来登れなくなってしまう可能性が高い。気になる方は早めに登っておくことをお勧めする。
10:25発の船に乗り込み、離れゆく島を眺めながら物思いに耽る。私が天寿を全うする頃には、一体どれだけの有人島が無人島になっているのだろうか。
下山メシ🍽️
・お好み焼き 天
父親が甲斐甲斐しく船着場まで迎えにきたなと思ったら、お好み焼きにビールまで奢らされた。タクシー呼んだ方が安いがな。昔ながらのお店でモダン焼きは想像通りの味。うまい。