城山 「越前波多野城BASHADO」周回
大佛寺山
(福井)
2024.04.13(土)
日帰り
ここ10日ほどで子鹿山、天子山と低山の周回コースを続けて歩いたので、今日ぐらいはゆっくりと家で過ごそうと思っていた。
朝遅くまで布団の中てグズグズしていたが、カーテンの隙間から明るい光が溢れ入っていると、やはりムズムズとしてくる。天気が良いと落ち着かない。
「奥の細道」の序文に「〜春立る霞の空に〜 そゞろ神の物に徒(つ)きて心をくるわせ 道祖神のまねきにあひて 取るもの手につかず〜」というくだりがある。
まさに、そんな気分である。
遅く起きたので、遠くの山には行けない。どこか手頃な山がないかと考えてみる。
そうだ。城山(じょやま)に行こう。
昨年5月頃に登ったが、その時はピストン。頂上の下に分岐があり周回するコースはまだ足を踏み入れていない。
そのルートは、中世に山頂の山城まで物資を馬車で運んだ山道である。近年、地元の有志が整備し「越前波多野城こもれびBASHADO」と呼ばれている。
早速、山支度をして、車に乗り込む。
12時前に登山口に到着。
山頂は山城の遺構が残っているが、そこまでは車が走れる舗装していない林道である(もちろん地元の方しか車の乗り入れはできない)。
途中、鉄塔の立つところに展望所があり、九頭竜川が福井平野に流れ出す風景を見ることができる。ここは眺めが良い。
ショウジョウバカマ、カタクリ等の春早く咲く花は終わりかけている。
今はイカリソウの白い花とヤマルリソウの瑠璃色の花が目立っている。
低灌木のクロモジ、キブシ、ヒサカキ、モミジイチゴ等は花を咲かせているが、シデやコナラ等の高木はようやく葉が展開し始めた頃である。
山城跡に入るところには木柵が設けられている。その柵の入口左手にはウワミズザクラが植わっている。花芽は付いているが、開花はまだまだ先のようである。
その柵を入ると急な坂である。ジグザグに登るが、所々でイノシシの掘り返した跡がある。一時、豚熱で個体数が減ったと聞いていたが、また、増えてきたのだろうか。困ったものだ。
急登を尾根にまで上がると、そこが分岐点である。左に行くと山頂、右に行く道が「越前波多野城こもれびBASHADO」である。
まず山頂に向かう。ここからはいかにも山城という感じがする。
この城山(じょやま)の山城跡は灌木や藪がなく、広く遠くまで見渡せ、地形の凹凸がよく分かり、私はとても気に入っている。(この状態を保つために地元の方々が手を入れてくれているのだろう。有り難い。)
頂上からの展望を楽しみ、もとの分岐に戻り、「越前波多野城こもれびBASHADO」へと進む。
基本、ずっと尾根道である。道は整備されていて歩きやすい。ところどころに「馬車道」と書かれた標識があるので、道を間違うことはない。
木々の葉が開いていないので、チラチラと周りの風景が見えるが、展望がきくところは、唯一、一本目の鉄塔下から少し右に入る道(鉄塔の監視道?)に進んだところである。
頂上から15分ほど歩くと、一旦林道に出る。そこからすぐに登山道に戻り、さらに30分ほど進む。
そこで、再度林道にでる。ここは近くに小屋が建っている。また、「観音峠」と書かれた石柱の横に「聖観音」が祀られている。
その右横にも小さな観音様が祀られている。さらに、その右には道祖神が祀られている。男女の神様が仲良く微笑みながら手を繋いでいらっしゃる。
芭蕉の書いているように、私は「この道祖神のまねき」でここまで来たのかと変に納得できた。
そこからはまた、登山道に入り歩き続ける。道は深くえぐれていて、そこに落ち葉が厚く降り積もっている。フカフカして歩きやすい。
鉄塔のあるところを3か所通っていくが、2本目の鉄塔から下には登山道に黒いプラスチックの階段が置かれていた。
そのうち、林道に出るので、そこからは林道を歩いて中部縦貫自動車道の脇に出る。ヤマップ地図では、中部縦貫自動車道を跨いで県道に出るルートが示されていたが、山際の道を歩いた。
しかし。その道は途中で行き止まりになっている。
仕方なく縦貫道の高架下を通り、獣避けのドアを開けて、県道へと向かった。
駐車場に戻って見ると、活動時間は約3時間であった。