網張スキー場〜犬倉山・姥倉山
三ッ石山・大深岳・諸桧岳
(岩手, 秋田)
2024.03.24(日)
日帰り
The day.
数年前に三ッ石山を目指した時の、天候不良で引き返した山行のリベンジを考えていましたが、時間的制約のため、網張スキー場から、岩手山のよく見える犬倉、姥倉山を目標としました。
約9か月前に、右顔面咬傷(右頬骨・眼窩底骨折、左右上顎骨骨折、鼻骨骨折、etc)、右肩咬傷および右頭部多発爪裂傷という熊外傷を負ったおっさんのリハビリ登山に相応しい天候でした。
余談ですが、自分が襲われた時は散歩?登山中に動物の走ってくるような足音、地鳴りが3秒ほどした後に、1mほど先の藪からいきなり熊が飛び出てきて、熊だ、と視認した1秒以内には上に乗られて攻撃をされていました。まず顔の骨がボキボキ折れる音が聴こえ、次いで肩を咬まれ、同時に両手の爪で額から後頭部にかけての頭皮をガリガリ引っ掻かれた格好で、体感2分弱は攻撃されていましたが、なるべく両腕で顔面を守るようにしていました。予期せぬ出会い頭の威嚇攻撃だったのか、親離れ前の狩りの練習だったのかはわかりませんが、パッと見そんなに小さくはない熊だったと記憶しています。
この数ヶ月でひたすらに熊に関する書籍や文献、動画などを調べてみましたが、顔面外傷ではやはり結構な割合で、文献によっては半数以上の症例で眼球損傷があるようです。自分の遭遇状況では何もできることはありませんでしたが、もし距離時間的な余裕があれば、視線を逸らさず、なるべくこちらを大きく見せ、もし向かってきてしまったらたらうつ伏せて首の後ろを守るのが良さそうです。熊同士の戦いでも基本は①顔?マズルを咬み、②両手で顔面を左右から殴り、③相手が倒れたらすかさず首の後ろに咬みつき脊椎〜脊髄を狙って致命傷とするようです。ちなみに襲われて生還した方には応戦した人の割合が高いですが、逆に重症となるケースも多いそうです。大声を出したり、スプレー等で刺激したりするのは諸刃の剣的対応と言えるでしょう。どうしようもない時には急所である目や鼻先を攻撃するしかないと思います。
最近はマスコミでの報道も多くなっていますが、命に別状はないという表現であっても機能的、心理的な後遺症は計り知れません(皮膚軟部組織・筋肉欠損、骨折、神経損傷、PTSD、etc)。出会わなければ問題ないといっても、統計的には人口1万人当たり、1年間で2-3人は熊に襲われているようです。2023年以降はもっと多くなっていると思います。当たり前ですが野に行かなければ襲われる確率は極めて低いですし、行く機会の多い人はもっと高いです。ツキノワグマに関して言えば、親離れは1歳半頃ですので、2022年が豊作で2023年の冬〜春にたくさん子熊が生まれたとすれば、2024年秋までは非常に危険です。出会い頭的に遭遇するパターン、子育て中の母熊に遭遇するパターン、親離れ前(1歳〜1歳半)の熊に遭遇するパターンではブラフチャージだけでは済まない可能性が高いからです。
個人的には、襲われないためにできることとして、
・なるべく早朝夕暮の時間帯を避ける
・人の入らない里山を避ける
・なるべく多人数で行動する
・できれば鈴等音の出る物を持ち歩く
・出会い頭になりやすい渓には近づかない
等々が思いつきましたが、いずれも例外はたくさんあるので、皆様自身の考えるきっかけになれば幸いと存じます。長文乱文失礼しました。