ラスト鳥海 蟻ノ戸渡&影鳥海
鳥海山・七高山・笙ヶ岳
(山形, 秋田)
2026年03月28日(土)〜29日(日)
2日間
秋田生活1年間の最後の山は、当然ながら鳥海山一択
ただし、問題はどこから登るか…
一番素敵なコースは中島台ですが、2月末に快晴&ほぼノートレースの美しい白銀の世界を満喫済み
同じコースでそれを超える体験はできないと思うと、中島台を選ぶ気にはなりませんでした
そんな中、2月の鳥海山山頂でご一緒した方から情報をいただいた、稲倉岳から蟻ノ戸渡を越えて山頂を目指すコース、考えただけで気持ちが昂りました
運よく週末は両日とも好天予報だったため、この一年でやり残した「影鳥海」を見ることも叶えるべく、テント泊で影鳥海を見るという贅沢な計画としました
※影鳥海とは、朝日や夕日によって、鳥海山の影が空や雲に映し出される現象
ただし、蟻ノ戸渡の難易度は、初見で分からないこともあり、状況によっては撤退ということも視野に入れてスタートです
林道から入り、まずは唐吹長峰に登りますが、ルーファイに失敗し悪戦苦闘
素直に尾根沿いを登るのが正解でした
次に目指す稲倉岳は、一度は登ってみたかった山
樹林帯を抜けると、そこには広大な斜面が待ち受けます
山頂に立つと、これから向かう蟻ノ戸渡が見えますが、その姿に少々怯みます
ここでワカンからアイゼン、ストックからピッケルに換装し、ヘルメットを着用
準備をしながら視線を先に向けると、そこにはなんと先行者の姿が見えました
一番の核心である登りのルートをどこにとるのかが気になります
難所を越え、安全圏に入ったと思われところで、目一杯大きな声で「ナイス ファイトーーー!!」とエールを送りました
それに応え手を振ってくれて、何かを言っているようでしたが聞き取れず、でもきっと応
援してくれているに違いないと、嬉しくもあり、大きな励みになりました
予習していた一つ目の難所は、右に巻くことで特に問題なし
ただし、ここで80mも滑落した人がいるようなので、油断は禁物です
そして二つ目の難所である登り
大きく右から回り込んで登る方が楽にも思えましたが、先行者がとったルートの近くまで行ってみることに
かなりの斜度があるものの、すぐ右手には灌木があり、そこを頼りにルートを取ることにしました
先行者がサラサラの雪に足場を作れず断念した跡がありましたが、あえてそこの雪を崩し足場を作り登ることに成功
最初の5m~8mくらいは、体感的にほぼ垂直
その後も気は抜けず、ようやく二本足で立てる場所まで登ったところで振り返り、登り終えたことの達成感と、それ以上の安堵感に浸りました
ここからは絶景を楽しむだけのボーナスタイム…のはずが、夏道に合流するまでがやけに長く感じられ、それほど疲労が溜まっておりました
外輪に入ってからも、山頂までがとても遠く感じ、風も次第に強まり、行者岳から先は手元の風速計で14m/s、さらにガスも出て真っ白に…
七高山を踏んだ後、新山方面に下ります
予想通り、下りきったところでは比較的風の影響は少なかったので、ここで幕営することに
ただし、風はそれなりにあり、物が飛ばされないよう慎重に設営しました
風が強いので、新山は明日登ることにし、早めの夕食を取ることに
今回は軽量化のため酒類は持参せず、インスタントラーメンと〆の雑炊という質素な内容でした
翌朝、日の出時刻に合わせテントを出発し、急いで新山山頂へ
すると、東の空の雲上から太陽が昇り、西の空には影鳥海が現れ始めました。
興奮が抑えられず、
「鳥海山ありがとーーー!!」と、ありったけの声で叫びます
日が昇るにつれ影は徐々に濃くなり、これまで見てきた日の出の中でも、特に印象的なものとなりました
6時を過ぎても40分以上消えない影鳥海、一般的には10分程度で消えることが多いらしく、かなりレアな現象のようです
最後まで見届けることはせず七高山へ向かい、前日見られなかった眺望を楽しみます
テントに戻って朝食をとり、ゆっくりと撤収し、9時前に下山を開始
外輪に沿ってルートをとり、壮大な景色を思う存分味わいながらゆっくり進みます
特に千蛇谷入口から見上げる山頂は一番のお気に入りポイントで、ここでもザックを下ろし、しばし鑑賞
その後も、普段は怠るレイヤリングをこまめに行ったり、行動食を取ったり、その度に立ち止まって鑑賞タイム、最後の鳥海山を名残惜しみながら歩きました
この1年で8回登らせていただいた鳥海山
どれも素晴らしい思い出ですが、最後にこんな素敵な2日間を過ごさせてくれて、
鳥海山、ホントにありがとーーー!!