六所山
越知山・六所山
(福井)
2026年04月25日(土)
日帰り
六所山、ずっと登ってみたかった山の一つである。
以前、越知山に登った時、そこから花立峠、小六所山を経て六所山まで縦走できることを知った。
六所山に登るのには、花立峠か海山峠に駐車して歩くのがコースとして考えられる。もちろん、小川コースから越知神社、別山経由でアクセスする方法もあるが、時間がかかりすぎる。
考えた結果、一番時間のかからない海山峠からアクセスすることにした。
登り口は海山峠から花立峠に向けて舗装路を2〜3分歩いたところにある。
登山道はずっと疑木の階段が付けられていて歩きやすい。コナラ、ミズナラ、リョウブ、ホオノキ等の高い木が新緑を開いている。特にホオノキは葉が大きいので目を引く。道の脇にはカヤの低木(チャボガヤかもしれない)がたくさん生えている。
20分ほど登ると雀ヶ峠に着く。
ここを右手に行くと花立峠である。
峠の近くには、株元から5本に分かれた大きなヤマザクラの木があり淡い桃色の花を咲かせていた。
この峠に置いてある石仏には35と番号がふってある。ここから山頂まで点々と石仏が置かれていて、進むにつれてその番号は大きくなる。
どれも同じ大きさ、同じ形の石仏であるが、何か目標(何の意味もないのだが…)を持って登るために、それらの石仏を全て写真に収めることにした。
雀ヶ峠からは、そのまま直進する。
右手に杉林の谷を見ながらトラバースする。しばらくするとその道は左手に鋭角に曲がり始める。この辺りで前方に六所山が見え隠れする。
道は南に向かうようになり、一旦鞍部まで下ると、今度は西向きに進むことになる。小さなピークを一つ越して、また鞍部に出ると、そこは杉林が広がっている。林床に何もないのは、シカが食べ尽くしてしまったからだろうか…。
そこから急な坂を登ったところが小六所山である。小六所山まで登り口から約40分。
登りきったところ左手には44番の石仏があり、前方のポッカリと開けた山頂中央には大きな石仏がこちらを向いて置かれている。
その石仏には番号は付いていないが、正面には「三界霊位」と書かれている。
三界とは仏教では生きとし生けるものが迷い、生まれ変わり死に変わり(輪廻)を繰り返す3つの世界(欲界・色界・無色界)の総称とのこと。
自分は間違いなく欲界にズブズブに浸って生活している。一瞬、その仏様と目があってしまい、何となく後ろめたく思わず手を合わせた。
その大きな仏様の右横には「小六所山 642m」と書かれた山標が立っている。大きな字で書かれていて、とても見やすい模範的な山標である。
この大きな石仏の真後ろに見えるのが六所山である。その石仏の後ろに回り込んでみると「天恵地恩」と書かれている。
『花見れば 咲かせた根元の わざを知れ 天恵地恩 ゆめゆめ忘るな』そんな言葉を思い出す。
先ほどお参りしたせいか、少しだけ良い人になっているような…。たぶん錯覚だろうけど。
小六所山からは数分進むと、また、直角に右手に折れて北向きに進むようになる。ここも右手は杉林の谷である。
ここからは尾根を歩きながら小さなピークを何個か越えていく。この区間は気持ち良く歩いていける。尾根道の下には並行して林道が走っているのが見える。
その林道に何回か交わりながら登っていく。林道に交わったあとは、ずっと林道を通っても山頂に行けることが後で分かった。また、これまで見てきた新しい石仏だけでなく、古い石仏(古い石仏には光背がついているし、番号の後に“丁”と書かれている)も点々と見られた。
六所山山頂着が11:20、小六所山から約40分かかった。最後の石仏には60の番号が付いていた。
山頂には祠がある。お賽銭を供えようとしたが箱がない。祠には引き戸が付いていたので罰当たりかなとは思ったが、その扉を開けてみた。
中には「ありがたい聖観音堂」と書かれた箱、その後ろには聖観音様の石像が置かれていた。
祠の左脇を見ると、NHK:Eテレの「ニャンちゅう」のような石像がある。狛犬ではなさそうだ。「トトロ」を模したものかもしれないが…。
山頂からは武周ヶ池や越知山方面がよく見えた。
帰りは林道も利用しながら降りた。
林道の法面には露出した青っぽい石が見られる。柔らかい石のようで崩れ落ちているところもある。
笏谷石(しゃくだにいし)と同じ緑色凝灰岩である。
約2,000万〜1,500万年前、日本海の海底火山活動で火山灰が堆積してできたものとのこと。
この緑色凝灰岩は日本海沿岸を中心に広がっていてグリーンタフ地域と呼ばれている。
新緑のもと、石仏に見守られながら山歩きができ、先に書いた「天恵地恩」を文字通り感じた山行であった。
【追記】古い石仏に書かれた“丁”は距離の単位で、1丁≒109mである。
六所山の山頂が60で雀ヶ峠が35、その差が25丁なので、計算すると約2.7kmとなる。
ヤマップの記録とは少し長いような気がするが…。