01:24
2.2 km
225 m
【黄金敷く瀬戸の海原、暮れゆく街の影法師】五瀬山
雲附山・熊高山・五瀬山 (香川)
2026年06月15日(月) 日帰り
日の傾く頃、五瀬山へ足を向けた。 登るにつれて視界は少しずつ開け、見下ろせば志度の町並みと瀬戸内海が広がってゆく。空にはなお昼の明るさが残っているものの、その光の奥には確かに夕暮れの気配が潜んでいた。 山頂に辿り着いたとき、景色はすでに茜色へと染まり始めていた。瀬戸内海は穏やかに光り、遠くの島々は薄い霞の中へ溶け込んでいる。田に張られた水は空を映し、山の影はゆっくりと平野へ伸びていった。 やがて夕日が海面を黄金色に染め始める。光は静かに広がり、瀬戸内海はまるで溶けた金を流したように輝いていた。屋島の稜線は夕空の中に影絵のように浮かび、その向こうで一日が静かに終わろうとしている。 気づけば、何をするでもなく長く景色を眺めていた。 風が吹き、光が移ろい、島影が濃くなる。ただそれだけのことが、妙に心を引き留めるのである。 山を下りる頃にも、瀬戸内はなお柔らかな光を抱いていた。黄金に染まっていた海は少しずつ夕色を深め、街は静かに夜の気配をまとい始める。それでも、あの黄金色の海だけは、しばらく胸の内に留まり続けた。