03:53
4.2 km
415 m
八塩山に熊は?前編
鳥海山・七高山・笙ヶ岳 (山形, 秋田)
2025.11.12(水) 日帰り
熊谷一族の反乱 「者ども、もはやこれまで!」と出羽国藩主、熊谷熊左衛門は山城である熊ヶ城天守閣に部下を集めて叫んだ。 「兵糧はついに尽きた。このまま坐していては全員飢え死には必定。よって城外に打って出るぞ!」 「子らも一緒に戦うのでござりましょうか?」 「もちろんだ。子供とて必死に戦わなくてはならぬ!一族の存亡がかかっている。 我らは飛び道具には敵わぬが幸い子らも徒手空拳ではない。鋭い牙と爪を持っている。隙を見つけ敵の背後から飛びかかるのじゃ」 「しかし子らはあまりに不憫では?そもそも我らに罪はないのです!」 「分かっておるが、他に手はない。このまま籠城していては飢え死を待つばかりだ」 「行くも地獄、残るも地獄ということですか?」 「さようじゃ。者ども牙と爪の手入れは良いか」 「おお!」 「よし、まずは歌うぞ。から元気を出して歌うのじゃ! ♫出羽の山々、日に映えて我出陣に憂い無し〜」 兵士一同声を合わせる。 「者ども、ときの声上げようぞ!」 大人「ガォーガォー」 子供「クォークォーン」 かくして熊谷一族は全員玉砕覚悟で山城から打って出たのである。 そして熊谷一族の悲劇は出羽、蝦夷国の民にとっても大きな悲劇となった。