活動100回目はキツネノカミソリ訪ねて『古処山』へ!
古処山・屏山・馬見山・江川岳
(福岡)
2023.06.25(日)
日帰り
【活動100回目】
先週土曜日、夫婦揃って夕刻から博多にて急務出張。
博多泊翌日はともに仕事フリー。
久しぶりに夫婦揃っての山行ができるチャンス到来。
妻はかねてより古都秋月ゆかりの「古処山」に色々秘めた想いがあったようで、ちょうど●8年目の結婚記念日に当たる日曜日、「古処山」に連れて行って欲しいとのお願い。
実は、自身ヤマップを始めて次回が区切りとなる活動100回目の記念日。
偶然とは言え、願ってもない記念すべき登頂シュチエーションにワクワクしながら、もちろん「オッケー」の即答。
気になる天候はというと、降雨確率50%前後の残念な梅雨空予報。しかし、この機会を逃したら、次回はいつになるか分らないという思いから雨対策をして魅力溢れる「古処山」に夫婦でお邪魔(登拝)することとしました。
登山口は妻の体力を考え、「古処山」登山道5合目に位置する林道終点にある登山口をスタートに選択。
登山スケジュールは、(1)天候が悪ければ無理せず「古処山」山頂までの往復とし、(2)もし天候と家内の体力が許せば思い切って「屏山」まで足を伸ばすこととにしました。
結果、心配した天候の崩れはほとんどなく、また妻の体力にも余裕があったため、プラン(2)「屏山」まで足を伸ばし、縦走自然道途中にあるカルスト地形由来の「屏山自然羅漢」や、「屏山」山頂の「トトロのフィギュア」を妻に見せることができました。屏山山頂では、思いがけず、沢山の白い花弁が素敵な「やまぼうし」(山法師)に遭遇。我々を優しく迎えてくれました。
当初、「屏山」まで行くのは無理かもしれないと言っていた妻でしたが、「屏山」登山道分岐点先に群生する特別天然記念物のツゲ原始林に出逢った頃から、不思議と鈍り始めた足も再び動き出し、心も鼓動も躍らせながら九州自然道の雰囲気を楽しめたようです。
ただし、「屏山」縦走路途中に現れる嘉穂アルブス版「ミニ百段ガンギ」、また「屏山」から「古処山」山頂に右から巻くコースに現れる石灰岩塊群の連続急登には、妻は一際苦労したようです。
しかしこれも嘉穂アルプスの醍醐味。ありがたい山岳宗教聖地に設置された縦走路での厳しい洗礼として尊い経験をさせていただいたと解釈しています。
今回の山活目的の 「古処山」山頂では、妻は懸命に何かを探している様子(事前に知らされず)。
どうも、ヤマップユーザー芳子さんの活動レポでたびたび登場する「キツネノカミソリ」がそれだったらしい。
確かに、山頂には「オオキツネノカミソリ 花まもり2020」と書かれた看板が一際目を惹く位置に設置。よく見ると、その周囲には防護ネットに囲まれた植物群生領域が鎮座。
妻は、さらに「芳子のカミソリ」と書かれた「小さなお札」があるはず、と防護ネット周囲を隈無く探索したものの、結局、お目当のお札(芳子のカミソリ)には出会えず。どうも探索場所を間違えたようでした。
「キツネノカミソリ」。
とにかく名前がエグくエキセントリックで格好いい!
開花時期(7月)は7、8月。
今回はまだ花弁を有さないカミソリのような細長い葉のみが伸びだした雑草様姿(「キツネノカミソリ」さん無礼をお許し下さい)でした。
実は、NHK人気朝ドラ「らんまん」高知編でも、「キツネノカミソリ」は登場しており、その可憐かつ魅力的な花容は全国の視聴者の話題になっています(NHK提供写真あり)。
牧野博士が生涯を費やして執筆した「新日本植物図鑑」(1961)(復刻版あり)にも、当然ながら「キツネノカミソリ」は紹介されており、そこには、山麓原野に生ずる多年生草木、花蓋は橙色6片、そして有毒と記載されています。
学名(ラテン語)は現在「Lycoris sanguinea」となっていますが、牧野博士は「Lycoris sanguinea Maxim」と記載しており、「オオキツネノカミソリ」のみの解説しかありません。Maxim(大きい)が重要かもしれません。
ちなみに「キツネノカミソリ」は、ヒガン花科に所属し、きつね色の花色と剃刀のような葉が特徴とされています。ただし呼び名には、その他諸説があります。
一方、私は「古処山」山頂にて、法螺貝鎮魂吹奏をするという目的を叶えました。誰もいない山頂を条件でしたので、吹奏できてラッキーでした。
下山後、下山のタイミングをはかったように雨が降り出しました。こちらもラッキーでした。
その後、予定通り、秋月城址探索と日本で初めて「種痘」(いわゆるワクチン)の作成に成功した朝倉藩医『緒方春朔』の記念石碑も見学してきました。
【終わりに】
結婚記念日、100回活動記念日、
そしてこの記念すべき日に、娘からプレゼントされた「八咫烏」安全登山バックルも初使用できたことに高い意義を感じています。
とにかくすばらしい一日でした。
無事下山できたこと、そしてすべてことに感謝の気持ちでいっぱいです。
嘉穂アルプス、次は江川山、馬見山にお邪魔したいと考えています。
追記
【古処山】
「古処山」は 朝倉市北端と嘉麻市のあいだを隔てるように聳える嘉穂アルプスの1つの山で、標高895.5mと「宝満山」とほぼ同じ高さに相当します。一方「屏山」は、「古処山」から2キロほど東に縦走すると出会える少し背の高い隣山で、標高926mの山です。「屏山」からさらに東に進むと「江川山」や「馬見山」(嘉穂アルプス最高峰)が位置します。