ザラ峠が見えてきた。 戻る 次へ

【五色ヶ原】お花畑と熱燗とテント泊の写真

2020.08.01(土) 13:32

ザラ峠が見えてきた。

この写真を含む活動日記

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11:25

13.8 km

1541 m

【五色ヶ原】お花畑と熱燗とテント泊

立山・雄山・浄土山 (富山)

2020.08.01(土) 2 DAYS

《アプローチ》 車=1時間38分(金沢-立山駅)、立山ケーブルカー=7分(立山駅-美女平)、高原バス=50分(美女平-室堂) 《登山コース》 ・1日目(8月1日) 9:23室堂-10:46浄土山北峰-10:56/11:12浄土山南峰(食事)-11:22龍王岳-12:59/13:10獅子岳-14:03ザラ峠-14:52五色ヶ原キャンプ場 ・2日目(8月2日) 7:05五色ヶ原キャンプ場-7:18/7:23五色ヶ原山荘-7:59ザラ峠-9:15/9:28獅子岳-11:03/11:10龍王岳-11:22/11:43浄土山南峰(食事)-12:08/12:19一ノ越-13:01室堂 ・1日目(8月1日) 数日前、会社から帰宅すると"BACK TO HIKE"と記された大きな未晒クラフトの荷物が届いていた。すぐにピンときた。約4ヶ月前に注文しておいたザックである。人気ガレージブランドである山と道のULバックバック「ONE」。本格的な夏山シーズンが到来し、いつ届くのかなと心待ちにしていたのだ。 ONEを購入したのは、四角大輔の『バックパッキング登山入門』に感化されてテント泊に挑戦したくなったからだ。僕の場合、障害になりそうなのが体力の衰え。足腰への負担を軽減するには、持ち物を徹底して軽量化する必要がある。 そう考えて、Locus Gearの超軽量テント「Khufu HB」と山と道のONEを買った。重量はKhufu HBが934g(シェルター+インナーメッシュ+ペグ16本)、ONEが750g(容量は50-55L)。こうなるとテントやザックを早く使いたくて仕方がない。週末に梅雨が明けそうな気配だったので、思い切って五色ヶ原へ行くことにした。今の季節ならさまざまな高山植物も楽しめるはずだ。 午前3時50分に金沢を車で出発。自宅を出る前にザックとサコッシュの重量を計ったら、それぞれ9.65kgと0.75kgだった。これぐらいなら何とか許容範囲だろう。山でのテント泊は初めて。目的地に近づくにつれ、気持ちが昂ってくる。5時28分、立山駅の駐車場に到着。 立山黒部アルペンルートは6月19日から営業を再開したが、今夏は乗車定員を減らし、営業時間も短縮する。立山駅のケーブルカーの始発は7時40分になった(例年は7時)。ネット予約を受け付けないので、当日、切符売り場に並ばなければならない。 5時45分頃から並び始めたが、すでに切符売り場は40人以上の長蛇の列。ようやく7時から販売が始まり、僕は8時発の臨時便の切符を購入できた。始発の次の次である。ケーブルカーもバスも定員は通常の半分程度。高原バスは霧の中を走り、9時10分に室堂に到着。室堂の天気は晴れたり曇ったり。早朝まで雨が降っていたことを考えれば、御の字だろう。 9時23分、室堂をスタート。五色ヶ原までの道のりは予想以上に長く、つらかった。登頂した浄土山(標高2,831m)、龍王岳(同2,872m)、獅子岳(同2,714m)の3座は、いずれも急峻な岩場やガレ場が続き、宿泊地を雷鳥沢にしておけばよかったと何度も後悔した。運動不足に加え、いつもより重いザックを担いだのが堪えたようだ。 しかし、後から振り返れば、登山道沿いのお花畑はきれいだし、ライチョウの親子には2度も遭遇した。この季節に歩くコースとしては最高である。午後2時52分、五色ヶ原キャンプ場に到着。テント場はチングルマのお花畑の中にあった。 さっそくテントを設営し、チングルマ荘と名づける。山岳テントにはめずらしい形状が異彩を放っている。5時頃からインスタントラーメンで腹ごしらえ。日が暮れて冷えてくると、日本酒をバーナーで温める。居酒屋チングルマの開店である。絶景と行動食のナッツをつまみに熱燗を飲む。ああ、何という幸せ。あっという間に酔いが回り、千鳥足で寝袋の中に潜り込む。その後の記憶はない。 ・2日目(8月2日) 疲労のせいか、酔いのせいか、それともチングルマ荘の寝心地がよほどよかったのか、午前3時近くまでぐっすり眠った。その頃からテントの周囲が騒がしくなり、4時30分に起床した。驚いたことに、昨晩、30張近くあったテントの約半分が撤収されていた。いつもながら山の朝は早い。 天気は快晴。周囲の山々がすべて見渡せる。朝食は「リゾッタ」。お湯を注いでかき混ぜ、わずか3分でリゾットができるというスグレモノだ。5時過ぎ、赤沢岳の方角から日が昇り、キャンプ場に生気が戻る。 キャンプは朝起きてから撤収するまでが特に楽しい。夜露に濡れたテントを乾かしながら、のんびりとコーヒーを淹れる。至福の時間。ザックを軽量化するためにいつもより持ち物を減らしたが、日本酒とコーヒーは省かなかった。僕にとってお酒とコーヒーのないキャンプは考えられない。 テントを撤収し、7時5分、五色ヶ原キャンプ場を出発。室堂へ向かう前に五色ヶ原山荘に立ち寄り、700円のキャンプ場使用料を支払う。ザラ峠まで下り、獅子岳への急峻なガレ場を登り返す。ここが今日いちばんの難所。振り返れば、昨日は霧の中に隠れていた五色ヶ原や薬師岳が目に飛び込んでくる。 獅子岳山頂で休憩し、鬼岳を巻き、龍王岳山頂へ足を伸ばし、浄土山南峰で立山連峰を見ながら昼食を取る。昼食といっても、行動食を食べているからアンパン1個で十分。北アルプスの山々を眺めながらの道中は楽しかった。浄土山南峰から一ノ越を経由し、午後1時1分に室堂に帰還。高原バスと立山ケーブルカーを乗り継ぎ、2時27分に立山駅に到着した。 今までテント泊をしなかったことが悔やまれるぐらい、充実した2日間となった。天候に恵まれた上に、目的地の選択も結果オーライだった。ただひとつ、背もたれのある軽量の椅子があれば、居酒屋タイムとコーヒータイムをもっとくつろいで過ごせただろう。次に買う登山グッズは椅子で決まり、である。