下山するわけだけど下りが悪夢だった。その時の写真はない。それだけ切羽詰まっていたのだ。
最初の悪夢。藪漕ぎで道を見失ったのだ。自分よりも高い藪を掻き分けるのは容易ではない。進むのも戻るのもうんざりする。ヤマップの地図があるのでそんなに道を逸れることはないだろうが元の道に戻るのも難しい。
倒木の乗って高い所から登山道を探す。すると藪が薄くなっている所を見つけた。あれが登山口だと思って藪漕ぎを始める。
倒木から下に降りた瞬間右も左もわからなくなる。
藪の鞭を耐え、藪に足を取られ、時には藪が身体に絡みつき牢屋が形成される。
寒さと藪漕ぎでの疲労が体力を奪っていく。
何とか道のようなものに辿り着いたが、ソレは道ではなかった。ヤマップの地図からも登山道から遠ざかっていた。藪の森に一杯食わされたわけだ。
来た道を戻ろうにも、せっかく藪漕ぎで押し倒した藪が起き上がり再び僕を藪の海に沈める。
倒木に登り次の目印を探すと木の上に黄色い看板がある。登山道はその木の周辺にあるのではないか。
藪漕ぎを始めるが結果は同じだった。ますます登山道から遠くなってしまった。
地図を見ていったん山頂の方まで戻ることにしたが、藪漕ぎの途中でスイッチが切れたように腕の力抜ける。
休憩することにしよう。食べ物はたくさんあるが飲み物以外は喉を通らない。唾液が不足している。
そういえばTVで子供が遭難したというニュースをたまに見るけれど、彼らはどんな気持ちだろうか。僕は一応大人だし、防寒着もあればリュックにもいろいろ入っててまだ余裕がある。それでも不安は隠しきれない状態だ。

何はともあれヤマップの地図でどうにか元の道に戻れた。
今度は道を見失わないように下山する。油断すればすぐに道を見失う。 戻る 次へ

雨、沢、藪漕ぎ、そして遭難?からの日没。悪夢の乗鞍岳の写真

2019.10.05(土) 13:36

下山するわけだけど下りが悪夢だった。その時の写真はない。それだけ切羽詰まっていたのだ。 最初の悪夢。藪漕ぎで道を見失ったのだ。自分よりも高い藪を掻き分けるのは容易ではない。進むのも戻るのもうんざりする。ヤマップの地図があるのでそんなに道を逸れることはないだろうが元の道に戻るのも難しい。 倒木の乗って高い所から登山道を探す。すると藪が薄くなっている所を見つけた。あれが登山口だと思って藪漕ぎを始める。 倒木から下に降りた瞬間右も左もわからなくなる。 藪の鞭を耐え、藪に足を取られ、時には藪が身体に絡みつき牢屋が形成される。 寒さと藪漕ぎでの疲労が体力を奪っていく。 何とか道のようなものに辿り着いたが、ソレは道ではなかった。ヤマップの地図からも登山道から遠ざかっていた。藪の森に一杯食わされたわけだ。 来た道を戻ろうにも、せっかく藪漕ぎで押し倒した藪が起き上がり再び僕を藪の海に沈める。 倒木に登り次の目印を探すと木の上に黄色い看板がある。登山道はその木の周辺にあるのではないか。 藪漕ぎを始めるが結果は同じだった。ますます登山道から遠くなってしまった。 地図を見ていったん山頂の方まで戻ることにしたが、藪漕ぎの途中でスイッチが切れたように腕の力抜ける。 休憩することにしよう。食べ物はたくさんあるが飲み物以外は喉を通らない。唾液が不足している。 そういえばTVで子供が遭難したというニュースをたまに見るけれど、彼らはどんな気持ちだろうか。僕は一応大人だし、防寒着もあればリュックにもいろいろ入っててまだ余裕がある。それでも不安は隠しきれない状態だ。 何はともあれヤマップの地図でどうにか元の道に戻れた。 今度は道を見失わないように下山する。油断すればすぐに道を見失う。

この写真を含む活動日記

53
0

07:34

15.5 km

695 m

雨、沢、藪漕ぎ、そして遭難?からの日没。悪夢の乗鞍岳

櫛ヶ峯(上岳)・駒ヶ峯・乗鞍岳 (青森)

2019.10.05(土) 日帰り

あまり人が来ない低山の試練。 どうやら、まだまだ初心者だった僕がダイレクトに食らったロイヤルストレートフラッシュ。 標高1450m。 多少の雨では怯まず櫛ヶ峯を目指すも、時間の関係上距離的に近そうな乗鞍岳を目指すが…