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13年振りの3,000m峰へ【乗鞍岳・残雪期日帰り】の写真

2022.04.02(土) 10:02

振り返った後ろ側も最高の景色だった

この写真を含む活動日記

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07:51

14.1 km

1488 m

13年振りの3,000m峰へ【乗鞍岳・残雪期日帰り】

乗鞍岳 (岐阜, 長野)

2022.04.02(土) 日帰り

 自分の中の雪山満足度がまだ足りていないような気がしていて、どこか雪山に行きたいと思い、幾つか候補を挙げていた。とにかく、広い雪原が見たいのだ。  上州武尊山、日光白根山、北横岳……しかしなんだかピンと来ない。ふと、フォローしている方の活動日誌を見ていたら、乗鞍岳に登られていた。  乗鞍岳か……。  遠いけど、3,000m峰で雪山、なおかつ雪原もある。調べると、麓のスキー場のリフト営業は4月3日までと言うのではないか。  良いかも…と思った瞬間、他の候補の山が頭からきれいさっぱり抜け落ちて、乗鞍岳に言い様の知れぬ期待と興奮を抱いてしまった。  しまった。これはもう、行くしか無くなってしまった。  スキー場までの道は雪は全く無くなっていて、ノーマルタイヤでも登れそうだった。  第三駐車場に車を停め、リフト券売場に並んで一回券を2枚購入する。土曜日で、明日が営業終了日であるせいなのか、登山客はとても多い。今日はソロなので、心なしが人が居ることに安心する。  夢の平クワッドリフト、かもしかリフトの二つを乗り継いで登山口に降り立つ。アイゼンを履き、バックカントリーに足を踏み入れていく。  雪はパウダーの箇所とアイスバーンの箇所があって、疲労を極力抑えるために他の人のトレースを辿っていく。  気温は手元の温度計で10℃超え。暑すぎる。登っているとすぐに汗だくになってしまった。  登山道は基本は緩やかな登りが続き、ところどころ斜度がきつめの場所がある。景色は全く変わらない。  樹林帯の間の開けた場所をひたすら登っていくが、遠くに乗鞍岳のピークはずっと見えているものの一向に近付いている気配がない。  中々に気力を削られる登山道だったが、森林限界を超えた辺りから景色が一変した。  見渡す限りに広がる緩やかな傾斜のある雪原、そしてその向こうには雄大に鎮座する乗鞍岳の峰々。そうだ、これだ。この景色が見たかったんだ。  疲れが一気に吹き飛んで、嬉々としてカメラのシャッターを切りまくる。喜び勇んで歩き出し、いざ剣ヶ峰の頂上を目指して進み始める。  が……。  全く景色が変わらない! いや、変わってはいるのだけど、全く近付いている気がしない……。さっきの比ではない!  結局、ここからが本番だった。斜度がぐんと上がり、トレースもまばらでルート取りに余計な思考を持っていかれる。アイゼンの重さを次第に足に感じ始め、進めども進めども目標は近付かない。  朝日岳へのアタックルートが、思い返せば本日の核心部だった。  無心。無心で登るが辛い。  うんと時間をかけて登り切り、ようやく本日最初のピーク、朝日岳に登頂。朝日岳の頂上から見た景色は言葉に出来ないものだった。  まず、圧倒的に剣ヶ峰が美しい。剣ヶ峰に続く稜線といい、剣ヶ峰自身の形といい、筆舌に尽くしがたい。夢中でシャッターを切り続ける。  続いて剣ヶ峰へアタック。実はこの時雲量が多くなって頂上が隠れがちになっていたのだが、ここまで来て3,000m峰に行かない理由が自分の中に無かったので、歩を進める。  3,000m峰は、学生のとき仙丈ヶ岳に登ったのみ。それ以来約13年振りのこの標高にやってきて、なんだか感慨深いものを感じた。  景色も抜群。山頂からはガスがかかって見えなかったけれど、道中、北アルプスから南アルプスまで(御嶽山も見えたらしいが、僕は見落とした)見渡せて大満足。  本当に、本当に良い山行だった。  途中、気さくに応じてくれた青いシェルの方、裏山が北アルプスのスキーヤーの方、ただ一本の滑走に魅入られてしまったBCボーダーの方、山頂でお互いの師匠のお話をした方、とても楽しく会話してくださり、良い時間をありがとうございました。山頂で写真を撮ってくださった二人組の方も感謝です。  ちなみに、下山は辛かった。スキー場内での下山は当分やりたくない……