13年振りの3,000m峰へ【乗鞍岳・残雪期日帰り】

2022.04.02(土) 日帰り

活動データ

タイム

07:51

距離

14.1km

のぼり

1488m

くだり

1500m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 51
休憩時間
1 時間 56
距離
14.1 km
のぼり / くだり
1488 / 1500 m
29
3 49
2
1
1 51

活動詳細

すべて見る

 自分の中の雪山満足度がまだ足りていないような気がしていて、どこか雪山に行きたいと思い、幾つか候補を挙げていた。とにかく、広い雪原が見たいのだ。  上州武尊山、日光白根山、北横岳……しかしなんだかピンと来ない。ふと、フォローしている方の活動日誌を見ていたら、乗鞍岳に登られていた。  乗鞍岳か……。  遠いけど、3,000m峰で雪山、なおかつ雪原もある。調べると、麓のスキー場のリフト営業は4月3日までと言うのではないか。  良いかも…と思った瞬間、他の候補の山が頭からきれいさっぱり抜け落ちて、乗鞍岳に言い様の知れぬ期待と興奮を抱いてしまった。  しまった。これはもう、行くしか無くなってしまった。  スキー場までの道は雪は全く無くなっていて、ノーマルタイヤでも登れそうだった。  第三駐車場に車を停め、リフト券売場に並んで一回券を2枚購入する。土曜日で、明日が営業終了日であるせいなのか、登山客はとても多い。今日はソロなので、心なしが人が居ることに安心する。  夢の平クワッドリフト、かもしかリフトの二つを乗り継いで登山口に降り立つ。アイゼンを履き、バックカントリーに足を踏み入れていく。  雪はパウダーの箇所とアイスバーンの箇所があって、疲労を極力抑えるために他の人のトレースを辿っていく。  気温は手元の温度計で10℃超え。暑すぎる。登っているとすぐに汗だくになってしまった。  登山道は基本は緩やかな登りが続き、ところどころ斜度がきつめの場所がある。景色は全く変わらない。  樹林帯の間の開けた場所をひたすら登っていくが、遠くに乗鞍岳のピークはずっと見えているものの一向に近付いている気配がない。  中々に気力を削られる登山道だったが、森林限界を超えた辺りから景色が一変した。  見渡す限りに広がる緩やかな傾斜のある雪原、そしてその向こうには雄大に鎮座する乗鞍岳の峰々。そうだ、これだ。この景色が見たかったんだ。  疲れが一気に吹き飛んで、嬉々としてカメラのシャッターを切りまくる。喜び勇んで歩き出し、いざ剣ヶ峰の頂上を目指して進み始める。  が……。  全く景色が変わらない! いや、変わってはいるのだけど、全く近付いている気がしない……。さっきの比ではない!  結局、ここからが本番だった。斜度がぐんと上がり、トレースもまばらでルート取りに余計な思考を持っていかれる。アイゼンの重さを次第に足に感じ始め、進めども進めども目標は近付かない。  朝日岳へのアタックルートが、思い返せば本日の核心部だった。  無心。無心で登るが辛い。  うんと時間をかけて登り切り、ようやく本日最初のピーク、朝日岳に登頂。朝日岳の頂上から見た景色は言葉に出来ないものだった。  まず、圧倒的に剣ヶ峰が美しい。剣ヶ峰に続く稜線といい、剣ヶ峰自身の形といい、筆舌に尽くしがたい。夢中でシャッターを切り続ける。  続いて剣ヶ峰へアタック。実はこの時雲量が多くなって頂上が隠れがちになっていたのだが、ここまで来て3,000m峰に行かない理由が自分の中に無かったので、歩を進める。  3,000m峰は、学生のとき仙丈ヶ岳に登ったのみ。それ以来約13年振りのこの標高にやってきて、なんだか感慨深いものを感じた。  景色も抜群。山頂からはガスがかかって見えなかったけれど、道中、北アルプスから南アルプスまで(御嶽山も見えたらしいが、僕は見落とした)見渡せて大満足。  本当に、本当に良い山行だった。  途中、気さくに応じてくれた青いシェルの方、裏山が北アルプスのスキーヤーの方、ただ一本の滑走に魅入られてしまったBCボーダーの方、山頂でお互いの師匠のお話をした方、とても楽しく会話してくださり、良い時間をありがとうございました。山頂で写真を撮ってくださった二人組の方も感謝です。  ちなみに、下山は辛かった。スキー場内での下山は当分やりたくない……

乗鞍岳 今回、行動食はボトルに入れてみた。結果的には、何となく食べにくかった
今回、行動食はボトルに入れてみた。結果的には、何となく食べにくかった
乗鞍岳 スキー場第三駐車場から。すでに目標となるピークが見えていて興奮を誘う
スキー場第三駐車場から。すでに目標となるピークが見えていて興奮を誘う
乗鞍岳 驚異の気温13℃。この時、汗だくになる未来が見えた
驚異の気温13℃。この時、汗だくになる未来が見えた
乗鞍岳 まずは夢の平クワッドリフトに乗る
まずは夢の平クワッドリフトに乗る
乗鞍岳 続いて、かもしかリフトに
続いて、かもしかリフトに
乗鞍岳 ウィンタースポーツを辞めて数年。こうしてリフトに乗るのも久し振りである
ウィンタースポーツを辞めて数年。こうしてリフトに乗るのも久し振りである
乗鞍岳 スキー場の一番上に到着。この格安中華製アイゼン、きちんとしたものを買うまでの繋ぎに考えていたけれど、何だかんだ使い続けている
スキー場の一番上に到着。この格安中華製アイゼン、きちんとしたものを買うまでの繋ぎに考えていたけれど、何だかんだ使い続けている
乗鞍岳 いきなりの急登。山はいつだってこうだ
いきなりの急登。山はいつだってこうだ
乗鞍岳 雪解けの雰囲気、残雪期である
雪解けの雰囲気、残雪期である
乗鞍岳 大勢の登山客と共に登っていく
大勢の登山客と共に登っていく
乗鞍岳 誘うように、目線のはるか向こうに乗鞍岳が鎮座している。それにしても最高の天気
誘うように、目線のはるか向こうに乗鞍岳が鎮座している。それにしても最高の天気
乗鞍岳 振り返った後ろ側も最高の景色だった
振り返った後ろ側も最高の景色だった
乗鞍岳 中央アルプス。まだ行ったことないから山名までは同定できない・・・
中央アルプス。まだ行ったことないから山名までは同定できない・・・
乗鞍岳 南アルプス。甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳、北岳も見える。富士山まではたぶん見えない?
南アルプス。甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳、北岳も見える。富士山まではたぶん見えない?
乗鞍岳 あんなところに人が
あんなところに人が
乗鞍岳 ぐんぐん高度を上げていく
ぐんぐん高度を上げていく
乗鞍岳 ようやく森林限界に到着
ようやく森林限界に到着
乗鞍岳 本日会った唯一の動物。ホシガラスかな
本日会った唯一の動物。ホシガラスかな
乗鞍岳 偶然、飛ぶ姿を写真に収めることができた
偶然、飛ぶ姿を写真に収めることができた
乗鞍岳 自然の造形美。どれだけ見ていても飽きない
自然の造形美。どれだけ見ていても飽きない
乗鞍岳 乗鞍岳剣ヶ峰、そして蚕玉岳に朝日岳
乗鞍岳剣ヶ峰、そして蚕玉岳に朝日岳
乗鞍岳 森林限界を越えた先は、絶景。圧倒的な雪原が眼前に広がる
森林限界を越えた先は、絶景。圧倒的な雪原が眼前に広がる
乗鞍岳 北アルプス。よくよく考えてみると、穂高連峰をこの目で見たのは初めてかもしれない・・・。いつか行ってみたい
北アルプス。よくよく考えてみると、穂高連峰をこの目で見たのは初めてかもしれない・・・。いつか行ってみたい
乗鞍岳 延々と連なる登山客と乗鞍岳
延々と連なる登山客と乗鞍岳
乗鞍岳 バックカントリー勢もこの日は大勢おられた
バックカントリー勢もこの日は大勢おられた
乗鞍岳 ガリッガリの雪。いい感じにアイゼンが食い込んだ
ガリッガリの雪。いい感じにアイゼンが食い込んだ
乗鞍岳 本日の個人的核心部、朝日岳への直登ルート。このえげつない斜度。
本日の個人的核心部、朝日岳への直登ルート。このえげつない斜度。
乗鞍岳 朝日岳へと到着。ちょうどガスる
朝日岳へと到着。ちょうどガスる
乗鞍岳 晴れ間にパシャリ。蚕玉岳、剣ヶ峰、大日岳
晴れ間にパシャリ。蚕玉岳、剣ヶ峰、大日岳
乗鞍岳 圧倒的威容。ここからの眺めが最高にカッコいい
圧倒的威容。ここからの眺めが最高にカッコいい
乗鞍岳 ガスってしまって北アルプスが見えない・・・
ガスってしまって北アルプスが見えない・・・
乗鞍岳 蚕玉岳に到着。ここからビクトリーロード
蚕玉岳に到着。ここからビクトリーロード
乗鞍岳 心の汚い僕には読めなかった
心の汚い僕には読めなかった
乗鞍岳 小屋は雪に埋まっていた
小屋は雪に埋まっていた
乗鞍岳 ビクトリーロードというにはちょっと斜度きつめ?
ビクトリーロードというにはちょっと斜度きつめ?
乗鞍岳 遂に、剣ヶ峰へ到着!
遂に、剣ヶ峰へ到着!
乗鞍岳 おつかれさまです、相棒
おつかれさまです、相棒
乗鞍岳 歩いてきた稜線。岩と雪のまだら模様が本当にきれい
歩いてきた稜線。岩と雪のまだら模様が本当にきれい
乗鞍岳 とりあえず一枚
とりあえず一枚
乗鞍岳 この日は雲がとても多くて、雲好きな僕には最高の景色だった
この日は雲がとても多くて、雲好きな僕には最高の景色だった
乗鞍岳 下山。蚕玉岳と朝日岳のコルから下山したが、本当に怖すぎた
下山。蚕玉岳と朝日岳のコルから下山したが、本当に怖すぎた
乗鞍岳 日がだんだん傾き始め、背後から差す陽光が雪原を美しく照らしていた
日がだんだん傾き始め、背後から差す陽光が雪原を美しく照らしていた
乗鞍岳 本日登った山々。これで見納め
本日登った山々。これで見納め

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