活動データ
タイム
07:51
距離
14.1km
のぼり
1488m
くだり
1500m
活動詳細
すべて見る自分の中の雪山満足度がまだ足りていないような気がしていて、どこか雪山に行きたいと思い、幾つか候補を挙げていた。とにかく、広い雪原が見たいのだ。 上州武尊山、日光白根山、北横岳……しかしなんだかピンと来ない。ふと、フォローしている方の活動日誌を見ていたら、乗鞍岳に登られていた。 乗鞍岳か……。 遠いけど、3,000m峰で雪山、なおかつ雪原もある。調べると、麓のスキー場のリフト営業は4月3日までと言うのではないか。 良いかも…と思った瞬間、他の候補の山が頭からきれいさっぱり抜け落ちて、乗鞍岳に言い様の知れぬ期待と興奮を抱いてしまった。 しまった。これはもう、行くしか無くなってしまった。 スキー場までの道は雪は全く無くなっていて、ノーマルタイヤでも登れそうだった。 第三駐車場に車を停め、リフト券売場に並んで一回券を2枚購入する。土曜日で、明日が営業終了日であるせいなのか、登山客はとても多い。今日はソロなので、心なしが人が居ることに安心する。 夢の平クワッドリフト、かもしかリフトの二つを乗り継いで登山口に降り立つ。アイゼンを履き、バックカントリーに足を踏み入れていく。 雪はパウダーの箇所とアイスバーンの箇所があって、疲労を極力抑えるために他の人のトレースを辿っていく。 気温は手元の温度計で10℃超え。暑すぎる。登っているとすぐに汗だくになってしまった。 登山道は基本は緩やかな登りが続き、ところどころ斜度がきつめの場所がある。景色は全く変わらない。 樹林帯の間の開けた場所をひたすら登っていくが、遠くに乗鞍岳のピークはずっと見えているものの一向に近付いている気配がない。 中々に気力を削られる登山道だったが、森林限界を超えた辺りから景色が一変した。 見渡す限りに広がる緩やかな傾斜のある雪原、そしてその向こうには雄大に鎮座する乗鞍岳の峰々。そうだ、これだ。この景色が見たかったんだ。 疲れが一気に吹き飛んで、嬉々としてカメラのシャッターを切りまくる。喜び勇んで歩き出し、いざ剣ヶ峰の頂上を目指して進み始める。 が……。 全く景色が変わらない! いや、変わってはいるのだけど、全く近付いている気がしない……。さっきの比ではない! 結局、ここからが本番だった。斜度がぐんと上がり、トレースもまばらでルート取りに余計な思考を持っていかれる。アイゼンの重さを次第に足に感じ始め、進めども進めども目標は近付かない。 朝日岳へのアタックルートが、思い返せば本日の核心部だった。 無心。無心で登るが辛い。 うんと時間をかけて登り切り、ようやく本日最初のピーク、朝日岳に登頂。朝日岳の頂上から見た景色は言葉に出来ないものだった。 まず、圧倒的に剣ヶ峰が美しい。剣ヶ峰に続く稜線といい、剣ヶ峰自身の形といい、筆舌に尽くしがたい。夢中でシャッターを切り続ける。 続いて剣ヶ峰へアタック。実はこの時雲量が多くなって頂上が隠れがちになっていたのだが、ここまで来て3,000m峰に行かない理由が自分の中に無かったので、歩を進める。 3,000m峰は、学生のとき仙丈ヶ岳に登ったのみ。それ以来約13年振りのこの標高にやってきて、なんだか感慨深いものを感じた。 景色も抜群。山頂からはガスがかかって見えなかったけれど、道中、北アルプスから南アルプスまで(御嶽山も見えたらしいが、僕は見落とした)見渡せて大満足。 本当に、本当に良い山行だった。 途中、気さくに応じてくれた青いシェルの方、裏山が北アルプスのスキーヤーの方、ただ一本の滑走に魅入られてしまったBCボーダーの方、山頂でお互いの師匠のお話をした方、とても楽しく会話してくださり、良い時間をありがとうございました。山頂で写真を撮ってくださった二人組の方も感謝です。 ちなみに、下山は辛かった。スキー場内での下山は当分やりたくない……
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