[昔話]ペテカリ東尾根 2002-08-23

2021.06.20(日) 日帰り

活動データ

タイム

00:00

距離

0m

のぼり

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くだり

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活動詳細

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昔、山をやっていた頃、毎年のお盆休みは兄と登山するのが慣例となっていました。東京に住んでいた兄と盆休を示し合わせ日高の山に登ったり、逆に年末年始には八ヶ岳や南アルプスを案内してもらったりと、その年のメイン山行になることを相互にしていました。 幌尻岳、カムイエクウチカウシ、1839峰…そんな感じで日高山行は毎年の通例行事になっていたところ、2002年は知床に行ったため日高はお預けにしていたのですが、知床から帰ってくると、やっぱり行きたくなるんですね。ただ、知床に注力していた分、下調べがないので沢はやめて、それでも少しハードにということでペテカリ東尾根を急きょ登ってみることにしました。 これまでの日高山行の中で1番ツラかった山行でしたが、その分思い出も沢山あります。 頂上からの展望、忘れることができません。そんな昔話です

 私の所蔵する夏山ガイドには、東尾根がガイドされています。このシリーズ、登山コース評価の総合点が各登路ごとに掲載されていますが、東尾根は数少ない100点。やりがいがあります。
夏山ガイド、日高の巻だけは増補より削除の方が多いのか、どんどん薄くなってます
私の所蔵する夏山ガイドには、東尾根がガイドされています。このシリーズ、登山コース評価の総合点が各登路ごとに掲載されていますが、東尾根は数少ない100点。やりがいがあります。 夏山ガイド、日高の巻だけは増補より削除の方が多いのか、どんどん薄くなってます
 前々日、台風の風雨が強まる中、知床から帰宅し、雨降りの一日を休息に充てました。そんな箸休めの日でも、午後から晴れてくると、明日からどうする?と山の相談です。
やっぱり日高に行きたい。それも国境稜線に泊まりたい。そんな時のチョイスがペテガリ東尾根でした
前々日、台風の風雨が強まる中、知床から帰宅し、雨降りの一日を休息に充てました。そんな箸休めの日でも、午後から晴れてくると、明日からどうする?と山の相談です。 やっぱり日高に行きたい。それも国境稜線に泊まりたい。そんな時のチョイスがペテガリ東尾根でした
 6:43depaで17:45。長い一日でした
6:43depaで17:45。長い一日でした
 ポンヤロまでは明瞭な夏道がありますが、細かい高低差を繰り返しながらの登行です
ポンヤロまでは明瞭な夏道がありますが、細かい高低差を繰り返しながらの登行です
 1121からのポンヤロ。ペテカリの前衛峰ですが、しっかりと登り応えあります。
もう、あそこに着く前に、この山行を決行してしまったことを後悔しました。
完全なスタミナ切れ。知床とペテカリの連投は推奨できません
1121からのポンヤロ。ペテカリの前衛峰ですが、しっかりと登り応えあります。 もう、あそこに着く前に、この山行を決行してしまったことを後悔しました。 完全なスタミナ切れ。知床とペテカリの連投は推奨できません
 ポンヤオロマップの山頂。
重い、暑い、キツい、あぁ、帰りたい…。そんなことばかり言ってます。兄弟だとこの辺に遠慮がなく、却ってラクです
ポンヤオロマップの山頂。 重い、暑い、キツい、あぁ、帰りたい…。そんなことばかり言ってます。兄弟だとこの辺に遠慮がなく、却ってラクです
 ポンヤロから見た国境稜線。左の高峰がペテカリ。あんな所まで、マジ行くの?とか協議してます。ルベツネ右肩とルベツネも見えてます。頑張ればあそこまで夏道で行けるはずです。ルベツネからヤオロまでは、もう道とは言えないような道のようです。
疲労のためピン甘な写真しかありません
ポンヤロから見た国境稜線。左の高峰がペテカリ。あんな所まで、マジ行くの?とか協議してます。ルベツネ右肩とルベツネも見えてます。頑張ればあそこまで夏道で行けるはずです。ルベツネからヤオロまでは、もう道とは言えないような道のようです。 疲労のためピン甘な写真しかありません
 遥かなるペテガリ。
まあ、泊まり装備だし行けるだけ行くか、となって進みますが、この尾根、アップダウンがとにかく多くてウンザリします。50回くらい登り返します。その度に文句が出ますが、誰が聞き取ってくれる訳でなく、兄弟で聞き流して、ダラダラと進みます。兄弟山行の良いところは、文句言い放題、聞き流し放題なところです。
ポンヤロ以降は、道が被っており脛や弁慶に木の枝が当たって痛いアルバイトとなります
遥かなるペテガリ。 まあ、泊まり装備だし行けるだけ行くか、となって進みますが、この尾根、アップダウンがとにかく多くてウンザリします。50回くらい登り返します。その度に文句が出ますが、誰が聞き取ってくれる訳でなく、兄弟で聞き流して、ダラダラと進みます。兄弟山行の良いところは、文句言い放題、聞き流し放題なところです。 ポンヤロ以降は、道が被っており脛や弁慶に木の枝が当たって痛いアルバイトとなります
 小さなピークを幾つも乗り越えていきますか、その度に残りの道程を地図で確認します。で、その都度、いっこうに捗ってないアルバイトにウンザリします
小さなピークを幾つも乗り越えていきますか、その度に残りの道程を地図で確認します。で、その都度、いっこうに捗ってないアルバイトにウンザリします
 早大尾根のJP(1518)から見た早大尾根です。
早大尾根はけっこうハングしている所がありそうでした。慶應と冬季初登頂を争い、ポーラーメソッドも展開された尾根です
早大尾根のJP(1518)から見た早大尾根です。 早大尾根はけっこうハングしている所がありそうでした。慶應と冬季初登頂を争い、ポーラーメソッドも展開された尾根です
 で、目を稜線に向けると、まだこんなにあります。
いっこうに近づかないのもありますが、これから踏破していくアップダウンに閉口させられます。
実際に歩いてみると、笹被りの他、ハイマツ、ナナカマド、ミネカエデ等の灌木ブッシュに悩まされるトレースが永遠と続いてました
で、目を稜線に向けると、まだこんなにあります。 いっこうに近づかないのもありますが、これから踏破していくアップダウンに閉口させられます。 実際に歩いてみると、笹被りの他、ハイマツ、ナナカマド、ミネカエデ等の灌木ブッシュに悩まされるトレースが永遠と続いてました
 早大尾根JP1518を振り返ります。復路でもタンマリと絞られそうです。
早大尾根JPから国境稜線JPまでは靴幅リッジですが、灌木があるのでそれほどの高度感はありません。ただ、足を滑らせると大変なことになるでしょう
早大尾根JP1518を振り返ります。復路でもタンマリと絞られそうです。 早大尾根JPから国境稜線JPまでは靴幅リッジですが、灌木があるのでそれほどの高度感はありません。ただ、足を滑らせると大変なことになるでしょう
 なんとか国境稜線のJPに着いたようです。かなりガオった表情してますね
なんとか国境稜線のJPに着いたようです。かなりガオった表情してますね
 ただ、この景色に労苦が報われました。
・中央:ルートルオマップ
・右:神威岳
・左:ピリカヌプリに手前がソエマツ岳
テン場からの南景です
ただ、この景色に労苦が報われました。 ・中央:ルートルオマップ ・右:神威岳 ・左:ピリカヌプリに手前がソエマツ岳 テン場からの南景です
 本峰を見上げます。
もうこれ以上進みたくないとなってテントを設営し、温まったビールを飲みながら、日が暮れていくのを茫然と眺めていました
本峰を見上げます。 もうこれ以上進みたくないとなってテントを設営し、温まったビールを飲みながら、日が暮れていくのを茫然と眺めていました
 暮れゆく南望。
左奥は野塚とかでしょうか
暮れゆく南望。 左奥は野塚とかでしょうか
 本峰のシルエット。
お休みなさい。疲れました…
本峰のシルエット。 お休みなさい。疲れました…
 3時に起床して、また長い一日が始まっていきます
3時に起床して、また長い一日が始まっていきます
 おはようございます。夜はかなり寒かったと記憶してます。
8月も後半。山には秋の空気が漂い始めていました
おはようございます。夜はかなり寒かったと記憶してます。 8月も後半。山には秋の空気が漂い始めていました
 朝日が当たり始めて、ガスが昇華していきます。
Aカールのナキウサギが終夜鳴いていました
朝日が当たり始めて、ガスが昇華していきます。 Aカールのナキウサギが終夜鳴いていました
 テン場。前日に超えて来た東尾根のアップダウンから朝日が昇ります
テン場。前日に超えて来た東尾根のアップダウンから朝日が昇ります
 ペテカリ岳が目覚めていきます。手前がAカール、右奥はCカール
ペテカリ岳が目覚めていきます。手前がAカール、右奥はCカール
 Aカールの縁が国境稜線で、そこを登っていきます。
けっこう急で足を滑らすシーンもありました
Aカールの縁が国境稜線で、そこを登っていきます。 けっこう急で足を滑らすシーンもありました
 晴れ渡った日高山脈の朝には、光の階層が見えることも…
晴れ渡った日高山脈の朝には、光の階層が見えることも…
 Cカール越しにルベツネ。やっと同じような高度までやってきました
Cカール越しにルベツネ。やっと同じような高度までやってきました
 高度を上げる毎に、ジワジワと遠望が利いてきて、カムエクが見えてくると…
高度を上げる毎に、ジワジワと遠望が利いてきて、カムエクが見えてくると…
 日高山脈です。
前年に登った1839とヤオロマップ、その更に前年のカムエク、この山行の前の月に縦走したエサオマン〜エサオマンJP〜札内…。感動的な眺望です
日高山脈です。 前年に登った1839とヤオロマップ、その更に前年のカムエク、この山行の前の月に縦走したエサオマン〜エサオマンJP〜札内…。感動的な眺望です
 多分、もう来ることはないだろうと、セルフタイマーでスナップを撮りました。
この頃は、今とは山頂標識が異なり、幅広な標識でした
多分、もう来ることはないだろうと、セルフタイマーでスナップを撮りました。 この頃は、今とは山頂標識が異なり、幅広な標識でした
 こちらは南を向いてます。
ルートルオマップ、神威、ソエマツ、ピリカ、奥に連なるのは野塚、十勝、楽古とかだと思います
こちらは南を向いてます。 ルートルオマップ、神威、ソエマツ、ピリカ、奥に連なるのは野塚、十勝、楽古とかだと思います
 貴重なフィルムを惜しみなく使いました
貴重なフィルムを惜しみなく使いました
 まるまる2日間かけて登っても、ピークに居られるのは1時間もなかったです。
国境稜線JPに戻ってテントを撤収します
まるまる2日間かけて登っても、ピークに居られるのは1時間もなかったです。 国境稜線JPに戻ってテントを撤収します
 遥かなる山でした。
テン場を後にする我々をナキウサギがいつまでも鳴いて見送ってくれているようでした
遥かなる山でした。 テン場を後にする我々をナキウサギがいつまでも鳴いて見送ってくれているようでした
 あとはノルマのような下山です。
もう地図を見ることなく、ただただ登山道が終わることを期待して歩いていくだけです
あとはノルマのような下山です。 もう地図を見ることなく、ただただ登山道が終わることを期待して歩いていくだけです
 こういうのも正直いらないです。
下山中にガスってきたのが幸いでした
こういうのも正直いらないです。 下山中にガスってきたのが幸いでした
 長すぎる尾根道にやっとのことで終止符が打たれます
長すぎる尾根道にやっとのことで終止符が打たれます
 忘れられない山岳風景
忘れられない山岳風景
 ペテカリ。知床に続き、誰にも会うことなく、静かな山旅を送ることができました。
知床岳とペテカリ岳に抱かれた2002年の夏休み、長いようで短いような1週間が終わる頃には季節が移ろってました
ペテカリ。知床に続き、誰にも会うことなく、静かな山旅を送ることができました。 知床岳とペテカリ岳に抱かれた2002年の夏休み、長いようで短いような1週間が終わる頃には季節が移ろってました
 本棚に飾ってあるペテカリの絵。
この絵を見て、苦しかった登行の記憶を肴に、酒を飲んだりしてます
本棚に飾ってあるペテカリの絵。 この絵を見て、苦しかった登行の記憶を肴に、酒を飲んだりしてます

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