死生

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  • 活動エリア 神奈川
  • お住いの地域 神奈川
鎌倉の山々の忘れられ消えてゆく古道を探し歩いています。 藪に分け入り可能なかぎり尾根筋、谷筋を見ています。草刈り、倒木除去、ごみ拾いをしつつ、古い道を見つけて喜んでいます。 鎌倉の山々は標高150メートル程がせいぜいで低山と言うのも憚られるような里山です。藪だらけで絶景どころか満足な眺望もないし、美しい自然も花もない。しかし人の記憶、歴史の痕跡だけは沢山あるのです。 かつて鎌倉の里山には幾筋も生活道や巡礼道があり、山と山を、谷戸を、寺社を繋いでいました。 しかし昭和30年代からはじまる経済成長期、西武や野村などによる大規模で破壊的な宅地開発で鎌倉の山は切り崩され、谷は埋められ、万葉集にも謳われた名高い美奈能瀬川など多くの川が暗渠化、ドブ化され、美しい音無の滝も無くなってしまいました。 とくに十返舎一九の諸国道中金の草鞋に描かれた離山が全山すべて平らにされ、住宅地になってしまったのは痛恨の極みです… 道路が張り巡らされ、山々の古道は価値を失って忘れられ、山林の中に消えました。 里山は生活の場でした。焚木拾い、炭焼、家畜の秣場、農閑期の手仕事に使う竹取り、屋根を葺く為の茅場、石切り場など、昭和のはじめ頃まで人々は頻繁に山に入っていました。 鎌倉の古写真を見ると、昔の山は下生えがきれいに刈られ、松など美しい木が生えています。昔の日本は萩、芒、蓬など雑草ですら優美でした。 しかし今はどこの里山も人が全く入らなくなりました。現代的なライフスタイルが何世代か続いた結果、鎌倉の山は密集した笹とつる植物、強力なアレロパシー作用を持つ外来種の雑草など、きわめて繁殖力の強い植物に覆い尽くされており、多様な豊かさや美しさから程遠い有り様です。 このような山は水も餌も無く動物も住めません。入って行く道も無く、野原も無く、子供たちが遊びに行く事もできません。理由のよく分からない安易な立入禁止看板を取り付けられたまま、何年もずっと放置されている里山。この惨状がいったいいつまで続くのでしょうか。 恐らく永久に、地表がコンクリートと機械に埋め尽くされるまで…?

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