高根山 ― 高根城址
常光寺山(静岡)
2026.06.06 (土)日帰り
水窪方面を通るたび、ずっと気になっていた場所があった。 高根城址。 2017年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』のロケ地にもなった山城跡。 だが、いつでも行けそうな場所ほど、なかなか行かない。 今日も本来なら別の山を考えていたが、天気があまり良くない。 展望を期待するような日でもない。 「こういう日こそ、高根城だな。」 そう思い、水窪へ向かった。 国道から橋を渡り、水窪総合体育館の横を通って山側へ入る。 静かな町だった。 山に囲まれた谷の空気が、そのまま残っているような場所だった。 高根城公園の駐車場へ車を停める。 ここから城址までは、階段と山道を登っていく。 派手な山ではない。 ゆっくりと歩いて進んでいく。 杉林の中を登る。 雨上がりの湿った土。 鳥の声。 静かな山道だった。 展望場へ着く。 水窪の町並みが見えた。 山に囲まれた静かな集落。 だが、こういう景色は妙に落ち着く。 しばらく風に当たりながら景色を眺めていた。 大河ドラマのロケ地になったのも、なんとなく分かる気がした。 派手な観光地ではないが、景色に惹き込まれる。 振り返ると復元された門や櫓が見えた。 想像していた以上に整備されていた。 高根城。 南北朝時代から戦国時代にかけて使われた山城らしい。 後に武田信玄によって改修され、遠江侵攻の拠点にもなったという。 山頂部には井楼櫓や土塀、大手門などが復元されている。 木の質感や土の色合いが馴染んでいた。 戦国時代の山城というより、“山そのもの”の一部のようにも見える。 堀切も残っていた。 敵の侵入を防ぐための地形。 今は静かな場所だが、当時はここで人が戦い、生き残ろうとしていたのだろう。 さらに奥へ進むと山頂。 特に何もない。 帰り道。 静かな山道を下りながら、ふと考えた。 当時、この城もきっと、かなり綺麗に整備されていたのだろう。 門があり、人がいて、見張りがいて。 だが、今は鳥の声だけが響いている。 そんな時間の流れを感じながら、高根城址をあとにした。






