06:29
16.4 km
1264 m
三ツ森北峰・権現山(小寺BSから用竹BSへ)
権現山・奈良倉山 (山梨, 東京)
2026年05月17日(日) 日帰り
このところ(数年)丹沢ばかりだったので、久々に中央本線沿いの山に行ってみることにしよう。天気も良いことだし、駅からアプローチできる山は人が多そうだ。怪しげな鏡と優れた眺望で記憶に残っている、三ツ森北峰に行ってみることにする。前回と同じルートでは面白くない。鋸尾根ではなく、西原峠から三ツ森北峰にアプローチしてみよう。 高尾駅での乗り換えをし損なうところで危なかった。これを逃すと今日の山行はその時点で終了である。天気予報の通り、今日はずいぶん暑いようだ。 昨夜は久々に、前の職場の先輩と酒を飲んだ。普段はほとんど酒を飲まないのだが、なぜか夜中に足が痛んでよく眠れなかった。痛む場所としては痛風ではないのだが。 猿橋駅から出るバスを待つ人は誰もいないだろうとたかを括っていたら全部で10人ほどいた。登山者が大半を占める。まさか三ツ森北峰を目指すのか?と思いきや、結局、三ツ森北峰に向かうバス停で降りたのは自分だけだった。いい山なんだけど......。 小寺バス停は集落の中にあるのではなく、道の途中にあるタイプのバス停だった。 一度沢に降りてから尾根に乗る。ここに立派な橋がかかっていて、渓相も実に立派。冷たい風が吹きつけて気持ちがいい。川辺にも降りられるようだし、場所が場所なら人気スポットだっただろうな、と思わせる。 明るい木漏れ日の中を家屋まで歩き、裏手から植林帯の登山道に入る。この道の最初の方は急斜面をトラバースする経路で、育ち切った下草が行手を遮る。整備はされていないのだろうが、踏み跡だけは明瞭である。幅が狭く、横は急斜面なので最初の危険地帯である。 ここでアオダイショウの子供に会った。自分に驚いて、すごい勢いで逃げていった。 植林帯に入るとひたすらジグザグに登っていく。鹿の気配があったが、姿は確認できず。 よく整備された杉の植林帯なのだが、驚くほど地面が乾いている。そういう山域なのだろうか? 上に続く、なんとなく尾根っぽい道出る。特に眺望はなく、植林と自然林の境のような感じだ。日差しが遮られているのがありがたい。日差しがキツく、直射日光を浴びるとジリジリと焼かれて辛い季節になってしまった。 時々眺望のある場所があったりする。やたら三角形の山はなんだったんだろう? そして、北側に見える、高山帯っぽい斜面の稜線は小金沢連嶺か? あちらは随分涼しそうである。 この尾根にギンランが咲いていたのだが、いずれも登山道のど真ん中。危うく踏みかけた。この植物は、どうしてこう、危険地帯で花を咲かせるのか......。 暗い植林帯を隔てる柵の横をトラバースし、西原峠に出た。一気に明るくなる。 軽トラ一台分くらいの幅の道がずっと続いているので、林業のおじさんたちがこれほどの山奥まで入ってこれるようになっているらしい。林道からも進めるようだが、YAMAPを見ると分岐の標識の裏から尾根に上がるルートが記されている。尾根に従って登ると、張り出した小枝で腕が擦り傷だらけになった。 幅の広い尾根の上は下草がなく、背の高い木々に囲まれた理想的な道ではあったが、道としては使われていないようで踏み跡は不明瞭、そこそこの大きさの枝がそこらじゅうに落ちていて非常に歩きにくかった。 林道と合流し、しばらくすると林道が終点を迎えるも、それなりに幅の広い道が続く。 途中、大寺山と小寺山の間あたりで、ヒラヒラと飛ぶアサギマダラを見かける。地図にも、その辺りにいる、と書かれていた。山の地図情報が、そこまで正確だとは......。 大寺山まで新緑が気持ちのよい、なだらかな道が続く。眺望はほとんどないが、適度に明るくて、日陰が涼しく実にいい気分である。 大寺山からはいよいよ三ツ森北峰を目指す。ここまでの緩さと様変わりして、ここがかなり危うかった。 まずは大寺山から急斜面を下る。これは急なだけなのでいいのだが、そのあとは岩場でもないが手を使ってよじ登るような急斜面が2回続く。木の根を掴んで登るタイプの細い尾根である。左右は激しく切れ落ちている。ストックを出しっぱなししていたのがまずかったのもあるが、地面が乾いていてザレザレ、非常に緊張を強いられる展開になった。木の根がしっかりしていたのが幸い、とはいえ逆向きでは歩きたくない。 そういえばこの山域は、こういう場所が唐突に出てくるんだったな、と思いながら気づけば三ツ森北峰に到着。誰もおらず、例の立派な鏡が健在で、霞んでいるが富士山が望めた。眺望はまさに第一級である。 久々に山でゆっくりしようと思い、この日はクッカーを持ってきていた。 サッポロ一番の塩ラーメンと、その辺で買ったアサリご飯の組み合わせである。いつもおにぎりを歩きながら食べるくらいのスピード感だったので、随分ゆったりした時間になった。暑い日は塩ラーメンがいい。山頂を独り占めできると幸せである。 30分くらい山頂で過ごしたあと、縦走を再開。まずは権現山を目指す。 大きく下って何回か登り返し。この岩の露出した、ギザギザした稜線もなかなかに険しいのである。 ここでは2つの出会いがあった。 1つ目はイワカガミ。といっても、すっかり花は干からびていたが......。岩の稜線上にたくさん、イワカガミの葉っぱが生えていた。あと1〜2週間早ければ壮観だっただろう。しかし、先週の丹沢でもっと標高の低い主稜線でようやく咲き始めたくらいだったのに、どうしてこちらはもう咲き終わっているのだろう? 異様に地面が乾いているので、そのせいか? 大月周辺の山々は、いつ来ても乾いている印象が強い。 2つ目はマムシ。とぐろを巻いて昼寝をしていたのを危うく踏みかけた。よく気付いたものだと思う。 微動だにしなかったので、寝ていたのかな、と思ったが、後から写真を確認すると、鋭い目がきちんとこちらを向いていた。大抵は威嚇体制に入ると思うのだが、出会ったマムシはどっしりと構えていた。大したやつである。 最初のギザギザした岩の稜線を越えれば、あとは緩い尾根がずっと続く。時折ブナが立っていたり、クヌギらしきものがいたり、楓が多かったり、紅葉の時期に来たらさぞかし素晴らしいだろう。カラマツの林もあり、ここは植林のような雰囲気である。カラマツ林が真っ黄色に染まっていたらとても綺麗だろう。 岩の下に据え付けられた菩薩(権現?)像を見送って、権現山に到着。ここにも人がいない。 南側にはちょうど富士山が見えるように眺望が開けている。北側は奥秩父山塊が見渡せ、雲取山などがよく見えた。非常に山深い場所に立っているのである。 あまり権現山には長居せず、縦走再開。 権現を祀る社から先はヒノキの植林帯が増えた。かなり古くから信仰されてきたらしく、縦走路のところどころに注連縄のようなものがぶら下がっていた。元々参拝のための道だったのかもしれない。 しかし、この縦走路が参拝用の道だとすると、信仰する人は上野原あたりの人々になる。権現山が東側から見ると目立っているのだろうか? 南側である大月あたりからはよく見えない山なのだが。 権現山の東側は植林が主体で、薄暗い森が続く。普段なら文句を言うところだが、常時、日差しがしっかり遮られていて涼しい。今日は許してやろう。とはいえ、概ね北側斜面には自然林が残っていたので、ちょうど境を歩いていくことになる。南側には墓村という上野原の村があるようだったが、結局確認できず。興味深い名前なのでいずれ訪れてみたいものだが......。 途中に猛禽類系の立派な羽が落ちているのを見かけたり、前方を鹿が走り抜けていくのを見たり、またギンランを見つけたりしつつ、用竹上の集落に出た。斜面に作られた集落からはあたりが一望できて、歩いているだけでも楽しいものだ。 時間があったので用竹BSから少し北上(200m!)し、コンビニで炭酸飲料を買った。CCレモンを過激にしたようなもので、体温が上がった身体によく効いた。日差しはキツいが日陰だと涼しいもので、バスを待つ間、しばらくぼんやりとした。 予定時刻から5分ほど遅れてバスが現れた。それに乗り込んで本日の山行終了。たくさんの登山者が乗っていて、満席直前だったのが驚きである。 久々に訪れた三ツ森北峰はやはり素敵な山であった。今回は新緑が実に綺麗で、ツツドリの間の抜けた鳴き声をバックに、終始癒されていた。 特筆すべきは登山者の少なさだろう。結局誰にも会うことがなかった。眺望は限定的、三ツ森北峰と権現山くらいなのものだ。三ツ森北峰前後は急峻で、ルートを誤ると危ないかもしれない。 次は紅葉の季節に、それも思いっきり冷える年の紅葉の時期に来てみたいものだ。楓が多かったので、ひょっとすると稜線が真っ赤になるかもしれないので。
