金山(岡山)
2026.07.08 (水)日帰り
【岡山市北区金山寺の北部エリア探勝】
今回、岡山市北区金山寺(かなやまじ)の北部エリアを巡るコースを企画しました。
当初の予定では、金山寺(きんざんじ)<写真01~19>を起点に、招き猫美術館<写真25~62>、金山と北北西に進み、金山で折り返し、最後には金山寺の東側に位置する辻ノ山を周回するつもりでした。
ところが、金山寺と招き猫美術館で想定外の時間をとられ、結局は最後の辻ノ山訪問は断念しました。
今回のコースでは、歴史・アート・自然と、非常にバラエティに富んだ探勝ができました。
特に金山寺と招き猫美術館は圧巻で時が経つのを忘れるほど、引き込まれることになりました。
【1,300年の歴史を誇る強力なパワースポット金山寺】
当初の予定通り、金山寺(きんざんじ)<写真01~19>を起点に活動を行うことにしました。
駐車場がよくわからず、寺務所前の広い空きスペースに自動車を停めました。
後で、護摩堂<写真06>前に駐車場があるということを知りましたが、境内で唯一お会いした方も自分と同じ場所に停めておられましたので、問題はないようでした。
駐車場に近い寺務所からスタートしたのですが、一応、画像は山門からスタートした体で順番を入れ替えています。
金山寺は、奈良時代の天平21年(749年)に報恩大師(ほうおんだいし)によって開かれた備前四十八ケ寺の本山で、岡山県最古の名刹です。
平安時代の末頃には、吉備津神社の神官の家に生まれ臨済宗の開祖となった栄西がここを拠点として活動し、天台密教の葉上流(ようじょうりゅう)を開いたと伝えられています。
地元の有力大名である宇喜多直家だけではなく、豊臣秀吉からも信仰と庇護を受け、岡山城下の守護霊験所として尊崇され隆盛を極めたようです。
江戸時代以降、幕末までは岡山藩主の池田家の庇護を受けて客殿等が整備されていきました。
ところが、明治時代以降は藩の公の支援を失い、檀家寺として現在まで細々と法統を保っています。
最も南に位置する山門<写真01>を潜ると、東(右側)には「やだねの霊泉」<写真02>、西(左側)には護摩堂<写真06>、参道を北に進んでいくと、左(西側)に寺務所<写真08>と客殿<写真09>、さらに北に進むと、金山寺仮本堂<写真10,11>があります。
なお、山門は正保元年(1645年)に岡山藩主の池田光政の寄進によって建てられたもので、市の重要文化財に指定されていますが、老朽化に伴い令和3年(2021年)から修復工事中です。
また、本堂は備前金川 を本拠とする松田氏による日蓮宗への改宗を拒否したため焼き討ちされた後、天正3年(1575年)に宇喜多家の援助により建てられました。
国の重要文化財に指定されていましたが、平成24年(2012年)に全焼し、現在は仮の本堂を建てて、本堂の再建へ向けて寄付を募るなどしています。
仮本堂からさらに北へ進むと、開山堂と三重塔<写真14>があります。
開山堂には、金山寺を開いた報恩大師、二代目の心浄大師、そして金山寺に密教をもたらした栄西禅師の3人の坐像が安置されています。
三重塔<写真15>は岡山県の重要文化財に指定されており、高さ約26mを誇り、岡山県下でも最大規模の三重塔の一つです。
一方、寺務所の西側に位置する本家筋最上稲荷社(ほんけすじさいじょういなりしゃ)<写真16~19>は、現在再興事業の一環として千本鳥居の建立が進められています。
金山寺を開いた報恩大師が他所に先駆けて最上位経王大菩薩(日蓮宗が祀る稲荷の本尊)を勧請したという言い伝えから、「本家筋」の名で呼ばれています。
金山寺という天台宗のお寺の境内にありながら、お稲荷様を祀る拝殿と鳥居が並ぶ、日本古来の神仏習合の形式を色濃く残しています。
そして、開山堂<写真14>の手前の分岐より北西方面に進むと、生身毘沙門天 影向石(しょうじんびしゃもんてん ようごうせき)<写真20>が祀られていました。
影向とは、神仏がこの世に姿を現す(降臨する)ことを意味します。
この巨石は、生身(現世に生きる姿)の毘沙門天が降臨した神聖な場所として古くから信仰されてきました。
金山寺は想像以上に強力なパワースポットでした。
【日本で初めて招き猫を専門に扱ったミュージアム招き猫美術館】
金山寺を出て、金山(かなやま)八幡宮<写真21~23>に寄った後、おしゃれな道標<写真25>に導かれるように、招き猫美術館<写真26~62>を訪問しました。
本館<写真35>と別館<写真58>に分かれており、スタッフが常駐している本館に先に入りました。
開館時間は10〜17時(入館は16時半まで)となっており、到着したのがちょうど10時頃で他に入館者がおらず、ここでゆっくりとアートな空間を楽しむことにしました。
先に光明の庭という屋外の施設を見てまわりました。
すでに屋外から招き猫モード<写真27>となっており、期待がどんどん膨らみました。
招き猫美術館は、約800体もの招き猫を所蔵する日本初の招き猫専門美術館であり、特に福寿横丁<写真41,42>や百福(ももふく)の間<写真45,46>は、開運のパワースポットとしても知られています。
興味深かったのは、招き猫の手の位置でした。
右手を上げている招き猫<写真50他>は、主に金運や幸運を呼び込むとされています。
商売をしている店舗や、個人の家庭において、経済的な豊かさ(金運)を求める際に飾られることが多いです。
左手を上げている招き猫<写真51他>は、主に人や客を招き、良い出会いや人間関係を育む効果があるとされています。
家庭や店舗の入り口に飾ることで、温かい繋がりを育む助けとなります。
この美術館にカップルがたくさん来られるというスタッフの方の説明に合点がいきました。
両手を上げた招き猫<写真41>は、金運と人を招く両方の願いを込めたものです。多くの福を一度に期待できるため、開店祝いなどの贈り物としても人気があります。
ただし、欲張りすぎると考える人もいるため、もし贈呈する場合は注意が必要です。
手を高く上げた招き猫<写真37他>は、遠くからの大きな福を招くとされ、より広範囲からの運を呼び込みたい場合に選ばれます。
手を低く上げた招き猫<写真40他)は、 身近な福やささやかな福を招くとされ、近隣の人々との良好な関係を築くのに適しています。
中には仏像の国宝・中宮寺の弥勒菩薩半跏像 のように、片方の膝にもう片方の足を乗せ(半跏)、指先を頬に当てて物思いにふけるポーズ(思惟)をとる招き猫<写真38>など、何の福かわからないものもあり、招き猫の種類の多さに驚くばかりでした。
別館LUCKY CAT HOUSEでは、別途1,700円で素焼きの招き猫の絵付け体験ができ、作ったものを持ち帰ることも可能です。
また「library山猫文庫」<写真60>には、猫をテーマとした絵本が約150冊そろっています。猫好きにはたまらない空間です。
気が付くと、招き美術館でおよそ40分間を費やしていました。
これまで招き猫の聖地といえば、三十数年前に訪問したマレーシア・サラワク州のクチンと思っていましたが、なかなか岡山の招き猫美術館もオリジナリティが強くユニークで魅力的でした。
【頂上付近から立入禁止となっている金山】
招き猫美術館を出た後、金山(かなやま)に向かいました。
ずっと舗装道路をたどっていけば頂上まで行けるのですが、往路ではできるだけ近道をしようと考え、最短コースを模索しました。
県道386号線に合流すると何ヶ所か県道が大きくカーブする所があります。そこをショートカットするために地形図の破線の道を北上してみました。
ところが、誰も歩かない山道あるあるで、取り付き点からしばらくは普通に歩けていたものの、途中から迷路となり、やがてヤブコギを強いられることになりました。
結局はショートカットどころか、時間のロスとなってしまいました😅
帰りは当然、すべて県道を歩きました。
さて、金山頂上が近づき、頂上付近に設置されている「NTTドコモ 金山無線中継所」<写真66>が見えたので、頂上に向かう道を進むもうとすると、「関係者以外立入禁止」の看板が立っており、通行止めのロープが張られていました。金属類の盗難を防ぐためでしょうか。
3か所ほど頂上へのアプローチルートを確認しましたが、いずれも立入禁止となっており、山頂に立つことはあきらめました。
おそらく当面はこの状態が続くものと思われますので、金山登山は純粋に金山一帯を散策するというプランにとどめておいたほうがよさそうです。
一応、展望が効くスポット<写真68>はありましたので、自然や景色を楽しむことはできました。