11:13
36.5 km
3320 m
【富山の百山】 清水岳
白馬岳・小蓮華山 (長野, 富山)
2021年09月11日(土) 日帰り
富山の百山、100座目の清水岳(しょうずだけ)に登ってきました。 ※活動メモというよりは長文の日記です。 清水岳へのルートは2つあって、欅平・祖母谷側から登る富山側からと、白馬の方から登る長野側からのものです。 先週登った99座目の寺地山の看板に神岡町と大きく書かれていました(神岡町は岐阜県)。確かに寺地山は富山と岐阜の県境にある山なのですが、富山の百山だからという理由で登りに来た自分としてはちょっと残念な感じがしましたので、この時に、折角なら100座目の清水岳は富山側から登ろうと決めました。 ただし、富山側から登るとなると、アクセスが悪く、宇奈月駅から出ている黒部峡谷トロッコ電車に乗って欅平まで行く必要があります。時刻表を調べると、宇奈月駅の始発で欅平着が9:12、欅平発の最終が16:43で7時間半しかありません。山と高原地図のコースタイムを見ると、欅平から清水岳ピストンで15時間となっています。いつもCTの半分を目安に歩いていますが、終電に乗り遅れる可能性もあったので、長野側の猿倉に下山して白馬駅から電車と新幹線を乗り継いで帰ってくることにしました。 新幹線が停まる黒部宇奈月温泉駅の第三駐車場に車を止めて、ローカル線の富山地方鉄道本線で新黒部駅から宇奈月駅、そこからトロッコで欅平まで。帰りは白馬駅から大糸線で糸魚川駅(途中、南小谷駅で乗り換えあり)、そこから北陸新幹線で黒部宇奈月温泉駅に戻ってくるというルートです。新幹線の乗り換えも考えると、白馬駅発は18:30と20:52の2択でした。 欅平から猿倉まではCTで13時間40分、白馬岳ピストンも含めると14時間40分です。CTの半分で歩ければ18:30にも乗れたかもしれませんが、途中で百高山の旭岳と、できれば”越中百山”(”富山の百山”とは別)になっている百貫山と不帰岳、ついでに白馬岳にも登る事にして終電の20:52を目標にしました。 まず、当日朝は黒部宇奈月温泉駅から100mくらいのところにある新黒部駅から乗車しました。富山地方鉄道本線は駅と駅の間が非常に短く、12.6kmの間に10駅もありました。東京で言うと都電荒川線みたいな感じです。 途中、車窓から野生のお猿さんが見えたりして、田舎のローカル線を満喫できました。 終着の宇奈月温泉駅からトロッコの宇奈月駅までは乗り換えのため200mくらい歩きます。 トロッコは3種類あり、通常の乗車券で乗れる普通客車の他に、車両券を買って乗る特別客車(+370円)とリラックス客車(+530円)があります。ちなみに特別客車とリラックス客車は乗車時間によって、どちらか決まっているようです。 普通客車は外側に壁がないオープン車両で寒かった記憶があるのと、背もたれがないので、軟弱な私はリラックス車両に乗りました。写真を多く撮りたい場合は窓枠がない普通客車の右側(帰りは左側)がおすすめです。 場内アナウンスは富山出身のタレントの室井滋さんの声で、景色とマッチしていて聞いていてとても楽しいものでしたので、約90分の乗車時間が割とあっという間に感じました。 欅平に着くと、立ち食いそば屋で腹ごしらえをして祖母谷方面に向かいます。尚、私と同じ始発で来た登山客は、全員阿曽原温泉が目的のようでした。 ちなみにそばを食べていると、関西弁で「どこに向かいますか?」「仙人谷経由で剱の北方稜線に登る予定が、仙人谷の雪渓が悪くて通行止めとの事で、昨日阿曽原温泉で一泊してもう帰るところです」というハイカーさんに話しかけられました。 休日をやりくりしたうえで、わざわざ遠くから来て、現地で予定していたルートで急に通行止めと言われたら、私でももやもやするに違いないと思います。私がそばを食べていた途中だったからか、二言三言の会話の後にトロッコの改札の中に去って行かれましたが、その場でアルペンルートを使って迂回する案を提示できれば良かったかなと後から思いました。その方に予備日があったか分かりませんが、当日中に雷鳥沢か剱沢でテント泊できれば、一日遅れで北方稜線に取り付けたはずです。そんなことを考えながら祖母谷に向かいました。 尚、白馬駅に乗る電車の時間もあるので、名剣温泉、祖母谷温泉と足早に通過しました。 本日最初の目標の百貫山には登山道がないため、1kmくらいの藪漕ぎが必要ですが、清水岳への登山道の途中で枯れ沢を左に入ります。枯れ沢は所々流木や折れた枝の堆積はあるものの、藪は疎で軽快に標高を稼げました。ここまでは非常に調子が良かったのですが、稜線に入ってから藪が濃くなって全然進めません。しかも、岩場があったり、右側が20,30mの崖になっていたりと、藪が濃いだけでなく、危険個所もありました。稜線で30分くらい格闘しましたが、100mくらいしか進めなかったので、このままではこの日のうちに帰れなくなると思い、残り600mくらいを残して撤退を決めました。また、藪漕ぎの途中でGPSウオッチにストップを押していたようでした。 一般登山道に戻るまでは行って帰って1時間ちょっとだったと思いますが、藪漕ぎと途中撤退になった事で、どっと疲れました。百貫山は私にとっては、ついでに登頂できるような気軽な山ではありませんでした。 その後、不帰岳の避難小屋に向かいますが、不帰岳に向かって藪漕ぎをするか、旭岳と白馬に登って下山するか決めかねていました。疲れはありましたが、避難小屋までペースが落ちなかったので、取り敢えず30分だけトライしてみる事にしました。百貫山と同じく、始めは枯れ沢を登ります。こちらも稜線に出てからは藪が濃かったですが、危険な箇所は無かったので、腰を据えて藪と向き合いながら進みました。予定よりちょっとオーバーしましたが、45分くらいで山頂と思しき所に到着しました。看板を探しましたが見当たらなかったので、一番標高が高そうなところを踏んで下山することにしました。尚、避難小屋に戻ってレインウエアの上下を脱いだところ、ウエアに穴が開いていました。それを見てまた疲れが増した気がしました。 さて、すっかり時間的な貯金も使い果たしたので、残りの道を急ぎます。こういうときに限って天気も崩れて、雨がパラついてきました。しかも樹林帯を抜けたタイミングで雨脚が強くなるパターンです。雨宿りしている時間もないので、ウエアを着て進みましたが、間もなく雨は止みました。よく見る余裕はありませんでしたが、あたりは草紅葉が始まりかけているようでした。 ヘトヘトになりながらも清水岳の山頂に到着しました。山頂には標識も看板も何もなかったので、ちょっと行きすぎました。誰もおらず、山頂がどこか分からない山を100座目に選んだのが自分らしくて面白かったです。ただ、そこに1羽のライチョウさんがいたので、富山の百山の100座目登頂を祝ってくれていると思う事にしました。私に気づくと逃げて行っちゃいましたが。。 もうこのあたりからは旭岳に登るかどうかと、終電に間に合うかしか頭にありませんでした。旭岳に登っても終電に間に合うかを何回も頭でシミュレーションしながら清水岳と裏旭の間を歩いていたところ、登山道から外れた前方100mのガレ場が崩れる音がしました。よく見ると、丸々と太ったクマちゃんがガレ場を登っているところでした。しかも見えたのは一瞬で、たちまちガスがかかってクマちゃんが見えなくなりました。 もしガレ場を登り切った場合は、私が進んでいる登山道とどこかで交差するはずです。 間が悪い事に、こんな日に限って熊鈴をつけていません。トロッコ電車のアナウンスで室井滋が「クマちゃんも生息しているので会うかもね?」的な事を言っていた時に何となく悪い予感はしましたが、現実になるとは。 取り敢えず、今から祖母谷まで下るという気にはなれなかったので、旭岳に向かって進みました。ただ、この時点で旭岳の山頂に登るという選択肢は消えていました。 すぐに、前方に這松が生い茂っていてクマがいるはずの左側が見えないルートになっていた時は生きた心地がしませんでした。ヒヤヒヤしながらもしばらく進みましたが、見通しの良いところであたりにクマちゃんがいない事を確認したときはホッとしました。 それからは白馬駅に着く事だけを考えて進みましたが、旭岳付近で、今までガスっていたのに急に山頂が見えたときは近く感じたので一瞬登頂しようか迷いましたが、おとなしく通過しました。非常に思わせぶりな天気に困惑しました。 その後、白馬頂上宿舎を通過したときにベンチで思い思いに談笑する小屋泊であろう人達を見ましたが、祖母谷からそこまでは、少なくない数のトカゲと蛇、3羽のライチョウ、1匹のクマに遭遇しただけで、ハイカーには一人も会いませんでした。ソーシャルディスタンスはばっちり保たれていたと思います。 雪渓に差し掛かる前に暗くなってしまったので、ヘッドライトを付けて下山しました。雪渓は思ったより硬く、所々凍っていたので注意して進みました。ガスっていたこともあり、あまり周りが見えなかったのですが、たまたま雪渓から夏道にうまくぶつかって良かったです。雪渓の左に降りすぎていたら、登り返すのが大変だったと思います。 その後猿倉には19:30に着きました。白馬駅までは、下り基調でちょうど10kmです。 1時間を切っていたらタクシーを呼ぼうと思っていましたが、電車時刻まで82分あるので、間に合わなければ途中でタクシーを呼ぶことにして、取り敢えず小走りで駅に向かう事にしました。 途中疲れて何度も歩きましたが、結局終電の10分前の20:42に白馬駅に到着できました。 駅前の自販機でコーラを買ったときに、たまたま駅舎の左側に無料の足湯があるのが目が留まりました。ネ申かと思いました。誰もいなかったので利用させていただきましたが、軽く足をこすり合わせるとヌメヌメしていました。 私の足のせいではなくて泉質だと思います。 ちなみに帰りの大糸線は白馬から南小谷までと、乗り換え後の南小谷から糸魚川までもずっと貸し切りでした。北陸新幹線は自由席でしたが、さすがに貸し切りではないものの乗客は少なかったです。 何はともあれ、富山の百山を完登出来て良かったです。 約1年間、最高に楽しめました。
