高鳥屋山・梨子野山・笠松山(長野)
2026.05.29 (金)日帰り
友との朝の珈琲タイム。
「良い天気だねぇ」
「風が気持ち良いな」
「これからどっか登るの?」
……そんな事言ったら行きたくなっちゃうじゃん笑
虚空蔵山……あと21回で200回。
いや、昨日行ったしな笑
笠松山……う〜ん。
――高鳥屋山行こう。
ついでに梨子野山もピーク取るか!
高鳥屋山。
阿智セブンサミットの一座。
実は二回目だ。
しかも前回は清内路側から登ったので、飯田側からは初。
さらにその時は梨子野山ピークも回収できなかった。
今日はそのリベンジである。
Google MAPだと駐車場に辿り着けないらしい。
文明の敗北。
結局YAMAPからApple MAPへ飛んで無事到着。
ありがとう文明。
今日は猫砂無し。
軽い。
軽すぎる。
里山ザックがまるで空気だ。
登山道はフカフカ。
歩きやすい土の道を九十九折りに登っていく。
しかも98%樹林帯。
夏でも涼しそうで良い感じだ。
案内看板も妙に可愛い。
その度に声が出る。
「カマキリ〜」
「熊〜! 出るなよ〜」
「うさぎ〜」
そして突然始まるアニメタイム。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」
「あ〜これは冨岡義勇さんだ……」
「よ、良かったねぇ」
「禰󠄀豆子セリフ少なっ……。“ん〜ん〜”とか“ムームー”ぐらいしかなくね?」
完全に独り言である。
だがソロだとこうなる。
いや、これも立派な熊避けだ。
むしろ喋ってる方が安心する。
特にブラックスタートの時の山。
暗い時間から登る時はもっと酷い。
声量も大きいし、弱音祭り開催である。
「こえ〜よ〜!」
「帰ろうかなぁ〜!」
「なんの音よ!!」
「腹減った〜!!」
「あちぃよ〜!! さみ〜よ〜!!」
忙しい。
感情が忙しい。
でもたぶん、人はそうやって恐怖や孤独を紛らわせてるんだと思う。
静かな山。
一人きり。
だからこそ、自分の声がやけに響く。
その独り言すら、少し楽しい。
そろそろ山頂かな――という所で、前方から鈴の音が聞こえた。
……危ない。
独り言やめなければ笑
高鳥屋山1398m。
今回で二回目。
今回のルートだと、ここまで1.5kmくらい。
かなり楽ちんだ。
山頂の小屋でコーヒー飲んだり、ランチしに来るのも全然アリな山である。
娘と登山 の山候補にできる。
だが――今日の目的はその先。
梨子野山。
ここからは尾根筋の樹林帯。
多少のアップダウンはあるが、風が気持ち良い。
完全にボーナスタイムだ。
木々の間を抜ける風。
葉の擦れる音。
静かな尾根。
歩きやすい道。
こういう時間、好きなんだよなぁ。
だが問題は梨子野山。
……ルートから外れるのである。
気付かず歩いていけば、そのまま梨子野峠の東屋まで行ってしまう。
だから何度もYAMAPを確認。
ちらっ。
ちらっ。
完全にスマホ頼り。
初見殺しにも程がある。
「……ここか!」
見つけた。
歩きやすい登山道の脇。
頭の高さくらいの熊笹が、微妙に口を開けている。
いかにも
“こっちです”
みたいな顔はしていない。
隠し通路感。
笹をかき分け突入。
距離にして20mほど。
蜘蛛の巣だらけ。
顔に絡む。
腕に絡む。
だが、まあなんて事はない笑
その先には、今度は下山路みたいな道。
「……ピークどこ?」
またYAMAP確認。
どうやら少し通り過ぎたらしい。
登山道を外れて戻る。
すると――あった。
三角点。
その横に、小さなプラスチック札。
“梨子野山”
「わからねぇ……」
「標識も無い……」
「何よここ笑」
「しかも森の中……あはは」
誰もいない森の中。
一人で笑ってしまった。
達成感はある。
だが――
うん。
次は無いな笑
誰かが
「行ってみたい!」
って言ったら案内はする。
でも自分からはおすすめしない。
そんな絶妙なピークだった。
「さあ帰ろう……」
「腹減ったなぁ〜」
「明日、娘行ってくれるかなぁ」
「どこ行こう」
独り言を言いながら、再び薮をかき分け戻っていく。
高鳥屋山の小屋へ戻り、やっと休憩。
ミックスナッツ小袋。
ホットコーヒー。
小屋を抜ける風が気持ち良い。
景色をぼーっと眺める。
――ああ。
やっと休憩した気がする笑
山って不思議だ。
歩いてる時も楽しいのに、
座った瞬間さらに幸せになる。
「さあ帰って仕事しよ。」
そう呟いて立ち上がる。
きっと今日は、良い仕事ができる。
心がちゃんと、満たされていたから。