01:57
3.9 km
355 m
龍が棲む霊山🐉龍王山
龍王山・八木山 (福岡)
2026年05月15日(金) 日帰り
行かねば、登らねばと思い続けていた「龍王山」。 麓には「舎利蔵」「明星寺」「大日寺」など、山岳信仰や仏教文化を感じさせる地名が並び、反対側には篠栗。以前から、この山には濃い信仰の歴史が眠っているのではと気になっていました。 明星寺や虚空坊を知る人なら、「かつて山中には大きな寺院群や坊が広がっていたのでは」と想像するかもしれません。私もその一人です。 知りたいなら登るしかない。 そう思いながらも後回しにしていましたが、久しぶりに「元亨二年在銘法橋琳弁石卒都婆」を見たことで、ついに龍王山へ向かいました。 ですが……とにかく急登がきつい。 下りも松葉で滑りやすく、転ばず降りられた自分を褒めたくなるほど。ストック推奨です。 そして竜王神社への縦走路。 そこには大石が連なり、まるで龍の背のような景色が続いていました。 「山は龍である」 以前教わった言葉を思い出しながら、龍の背を歩くような感覚に。少しだけ“スピ”な気分になりつつも、実際は捻挫しないよう必死でした(笑) 山頂の竜王神社は、どうやら英彦山信仰とは少し違うようにも感じます。祠の向きも英彦山ではなく、見ているのは筑豊の麓でしょうか。 祀られていたのは観音様のようにも見えましたが、菩薩像にも見える。雨乞いとの関係を考えると、龗神(おかみのかみ)など水神・龍神信仰と結びつける方が自然にも思えます。 そこで頭に浮かぶのが麓の端雲寺。 私はあの寺を「祈祷寺」的な性格を持つ寺だったのではと感じています。ただ、その成り立ちは比較的新しく、近世的な現世利益信仰の色が濃い印象があります。おこもり堂のような造りも含め、古代や中世の山岳寺院とは少し違う。 だからこそ、龍王山上宮の雨乞い信仰と端雲寺は、そこまで強く結びついていないのではないかと考えています。 むしろ雨乞いの起源は、もっと古い。 寺院文化が成立する以前、原始信仰に近い層なのではないか――そんな印象を受けました。 水は命。 空は雨を降らせる神。 そして神に近い山頂で祈る。 とても単純で、古い祈りの形です。 古くから龍が棲む霊山とされ、龍退治伝説も残る龍王山。 一方で、中世には明星寺を中心とした大きな仏教文化が存在していました。 元々は天台宗系で、建久年間(1190〜1199)には聖光上人により三層塔が再建され再興。堂舎も多く、立派な伽藍を持つ寺院だったと伝わります。 しかし現在、遺構や遺物は驚くほど少ない。 千人塚があるのに山城の痕跡は乏しく、平安期の遺物は点在するのに、全体像が見えてこない。 地名だけが、かつての信仰世界を静かに物語っているようでした。 龍王山周辺は、今もなお「???」が多い山です。 けれど、その分からなさこそ、この山の魅力なのかもしれません。 写真には八木山にある私の推し貝原益軒さん関連もあり。 流石に明神坂へ行く気持ちはなかったな……また今度。
