不死鳥の海と鬼の洗濯板
モンスター8頭による、東九州攻略。 日本百名山ばかりでは、さすがに面白くはない。 せっかく九州地方に来たのだから...オーシャンビューの海岸や低山も少しは手をつけたいところである。 ネルギガンテとムフェト・ジーヴァには、今回祖母山の攻略が控えているが、それと一緒にとあるお山へも寄っていくことになった。 それは、「権現山」。 宮崎県日向市に聳え立つお山で、道の駅ひゅうがに程近いところにある。 降り着いたのは、権現崎公園駐車場。 早速登り始める......。 駐車場からすぐは、比較的整備された舗装道を歩いていく。 海岸線への道との分岐点から、稜線へ続く方向へ進む。 そこからさらに登っていくと、山頂へ直登する分岐点が出て来た。 これより、道なき道を進む藪漕ぎが出て来た...。 これが後に恐ろしい事態になるとは、まだ自分は知る由もなかった。 藪漕ぎを経て、強引に頂上稜線に出た。 そこから木々をかけ分けながら進むと、ついに権現山の山頂に辿り着いた。 山頂に標識などはなく、蜘蛛の巣などが密集したとても綺麗とはいえない場所だった。 少しだけ休んだのち、すぐ下りることにした。 深い樹林帯の為、何処から下りればいいのか全くわからない。 とりあえず来た道を下りる形で戻り、藪漕ぎを抜ける。 軽い藪漕ぎを抜けると、なんとか道らしきものが見えて来た。 それを頼りに歩いていくと、権現崎公園の遊歩道が見えてきた。 そんな舗装道を歩いていき、登り始めてから10分ほど経った頃なんとか権現崎公園駐車場また下りてくることが出来た。 駐車場に戻って来て下半身を見ると、夥しいほどの草や種がくっ付いていた。 それを手で払っていると...靴の表面に何処かで見たことがあるような悍ましいものが居た。 『二刺血真蜱(フタトゲチマダニ)』だった。 血を吸おうと漁っていて、すかさずティッシュで取ろうとするが全く離れようとしない。 強靭な顎と牙で皮膚に噛みつかれたら最後...数日間かけて己の身が浮腫み上がるまで容赦無く血を吸い尽くされる。 その置き土産は凄まじく、脳炎やライム病はもちろんのこと、重症熱性血小板減少症候群と言った重篤な感染症を媒介されかねない。 試行錯誤を繰り返し、なんとかティッシュに包んで粉砕及び殺処分した。 そもそも九州地方はマダニの生息及び感染報告が全国屈指であり、とりわけ宮崎県と鹿児島県は極めてその数が多いことで知られる。 つまり宮崎県のバリエーションルートを持つ低山は、何処もそれなりの危険性を孕んでいることを意味する。 全身長袖だった為事なきを得たが、もし気づいていなかったらと考えると...ぞっとする。 このあと、改めて日南市の不死鳥海岸へ向かった。 鬼の洗濯板と不死鳥海岸を望む、普段ではあまり見ることが出来ない九州地方の大海原を目に焼き付けた。 このあと、お食事を済ませ次なるお山へ向かった。 秋の権現山にて、恐怖の散歩と大海原の大展望を楽しんだネルギガンテとムフェト・ジーヴァであった。






