四国八十八か所お遍路参り 24日目〈高知編〉
H28.12.13
「お遍路旅、前半戦終了」
7時起床。昨日に引き続き本日も雨模様。
今日の行程は現在地から市バスと列車を乗り継ぎ高知駅へ。そして夜行バスに乗り東京へ一時帰宅する。
計画通りに行けば明日の朝方には東京に到着できる予定だ。
昨夜寝泊まりさせてもらった公園にて、テントの撤収作業をしていると、僕のほかに、もう1人テントを張っている人がいたことに今更ながら気付く。
そのオジサンは僕と同じく野宿しながら歩き遍路をされている方だった。真っ黒に焼けた肌と色褪せた大きなザックから、僕のようなニワカお遍路とは違って、只者ではないオーラをプンプン感じとれた。
以前フジオさんから聞いた事がある話なのだが、このお遍路の世界には一周だけでは飽き足らず、その後何周もエンドレスに回り続けているお遍路さんが僅かながら存在するらしい。
こういう人たちを「伝説のお遍路さん」として讃えているらしいが、まさに今、目の前にいるお遍路さんは伝説のお遍路さんだった。
話せば、総重量25キロ以上のバックパックを背負い、今回でお遍路は8周目に突入しているという。距離でいえばざっくりと11200キロ。日本列島を一周するのが12000キロというからほぼ日本列島を徒歩で一周していることになる。なんと恐るべしー。
帰り際、ザックに括り付けていた僕のゴミ袋を、これからゴミ捨て場にいくということで一緒に捨てにいってくださった。
伝説のお遍路さんはとても優しい方だった。
最寄りの以布利バス停まで歩き、バスにて中村駅に向かう。これまで歩いてきた道を車窓からボンヤリ眺めていたら自然と涙が出そうになった。
駅に到着。しかし高知駅行きの列車が来るまでしばらく待たなければならなかったため、近くにあった「四万十温泉平和な湯」へ3日ぶりの入浴&ラーメンを食べて時間を潰した。
13時50分発の列車に乗り、数回乗り継ぎしたのち19時ようやく高知駅に到着。
19時40分、東京行きの夜行バスはゆっくりと本州へと動き始めた。
これから東京に一時帰宅するが、明日からは夜何かに怯えずに安心した気持ちで眠れたり、食べたいときに食べたいものを食べれたり、大好きな人たちに会えたりと、ふと想像するだけでとても嬉しい気持ちになった。しかし、それとは反対に非日常的な生活から離れる寂しい気持ちも芽生えていた。
振り返ればお遍路に来て24日間、毎日毎日が本当に濃い日々だった。
そして、ここまで歩いてきたなかで、たくさんの人に声をかけていただき、たくさんの人に助けてもらった。
人の温かさに直に触れることができたお遍路旅だった。
これから少しばかり日常生活に戻るが、当たり前と思っている物事にも感謝の気持ちを持ち続け、そして、目の前の身近な人を大切にしていきたい。
そう思えるようなお遍路旅、前半戦だった。
2週間後の後半戦へつづく
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