こちらのお山でも
良い出会いに😊

また何処かのお山でお会いできたら良いなぁ😊
七合目からの景色も素敵だ😌
薬師谷コースで好きなとこ
カニいた🦀
この後ポツポツ☔
登山口付近の水仙の様子
さて無事に下山です
ここのみつまたはちょうどいい感じ
大社・日本海を見ながら下って
鬼瓦はいつの間にかなくなった
弥山

モデルコース

弥山 周回コース

コース定数

標準タイム 03:10 で算出

ふつう

12

  • 03:10
  • 4.2 km
  • 545 m

コースマップ

タイム

03:10

距離

4.2km

のぼり

545m

くだり

546m

標高グラフ

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チェックポイント

このコースで通過する山

「弥山 周回コース」を通る活動日記

  • 38

    04:27

    4.6 km

    579 m

    一年半ぶりの北山弥山

    双石山・花切山・岩壺山 (宮崎)

    2026年01月12日(月) 日帰り

    2024年の夏、この山へ2時間半かけて支柱を持って上がり、新しい標識に交換した。 重い支柱を担ぐと息が苦しくて、度々休憩しました。 思い返せば、この息苦しかった時に心臓の血管が詰まったかもしれない。 倒れなくて良かった。 その後、設置した標識は、ヤマッパーさんの写真で確認出来ております。 今回は、北山への挨拶を兼ねて、久しぶりに山頂まで登りました。 今回の目的は、標識の確認以外に、薬師谷・修理免登山道の様子も見ておこうと思った。 薬師谷道は、すごく荒れていて、道筋が不明瞭な所もありました。 初めて登られる方は、見た目で進むと道に迷われると感じました。 薬師谷を直すなら、私一人だと10日間ぐらいかかります。 残念ながら、とても出来る作業量ではないと思った。 修理免道の3合目付近を、昨年の1月に、3日がかりで直しましたが、今や見るも無残に道が斜めになっており、足の置き場を誤れば滑落してしまう。現に滑落跡も見受けられました。 整備を始めたきっかけは、10年以上前に遡りますが、子供の送り迎えの序に、奉仕作業で弥山の整備をするようになったのです。ですが、もう子供は大きくなり、この山へ通う事はなくなりました。 標識を設置したのに危険な箇所があっては、招いておいて事故に遭わせるようなもの。 救助要請されていなくとも、怪我された方々はいらっしゃると思います。 せめて滑落の危険がある個所だけでもどうにかしたい。 でも重労働を行うとすぐに息苦しくなるので、どうしようか悩みます。 整備は地元の仏経山だけに専念しようと思っておりますが、出雲の山は、あちこちに荒れた箇所があります。 「空いた時間に、自分の出来る事をやる」ってのが私の整備方針。 だいたいの状況は分かったので、次に来る時は、必要な箇所に少しでも手を付けたい。 登山道を維持するのは大変ですね。今度、市へ整備報告に行った時に、相談してみよう。 日記、おわり *--------------------* 三島屋変調百物語 おくらさま 「宮部みゆき」 居間にいたのは 痩せた老婆だった。 若い娘のような島田髷を結い、振り袖を着ていた。 私が百物語の聞き役をさせて頂く、おチカと申します。 指を突いて挨拶した。 呼びかけると、老婆は掛け軸の二尾の秋刀魚を見て「風変わりな絵もあったもんだわー」と、 「これは秋刀魚の魂が抜けて行くところだわねぇ。裁かれる方と魂が抜けていく方かな。」 「こういう絵には絵師が何かとんちを隠しているもんですよ。」 お客様はとんちがお好きなのですか? 「うんと品の良いものならね。嫁入り前の娘でございますから」 この台詞はとんちではなさそうである。 今回は難しい語り手のようである。心は若い娘、夢を見ているのだと思った。 機嫌を損ねぬよう、気を配ろうと思った。 これからお話しようとするのは、私の家の話です。 うちの屋号は美仙屋でございまして、香料や臭い袋などの小間物を商っております。 初代の主がのれん分けして御店を持たせてもらったんだそうですが、 その時、本店の姪にあたる方を嫁にもらいまし、それがたいそうな美人でねー それを屋号にと、この名前になったのでございます。 そうして生まれた娘がまた美人でして、 あたしのおとっつぁんは6代目ですが、その女房も美人で色白の細面で髪が豊かな人でした。 私たちは三姉妹で、長女がフジ,2つ下のキク,末の私がウメでございます。 頬がそげ、骨の輪郭が見えるほどにやせているウメですが、額は広く鼻筋が通っている。 若い頃はきっと美人だったのだろう。 お美しい三姉妹ですね でもだれが美しいかと問えば、それはおキク姉さんでした。 この話は、私が14の時の出来事です。 以来、心の中の時は止まったままなんです 香料はほんの一握りで百両する物もございますので、金額は大きいのです。 だから、私たちは贅沢に育ちました。 行儀作法もきちんとしつけられました。 だけど、2つだけ、厳しく言い渡されている決め事がございました。 一つ目は色恋の禁止 娘3人きりでしたから、おフジ姉さんは婿をとらねばなりません。 おフジ姉さん,おキク姉さんにも、あなたと添えないのなら死にますという人が幾人もおりました お茶に 三味線 お琴 様々な習い事に励んでおり、その行く先々で見染められましたし 付け文を渡されたり、用心のため送り迎えにわざわざ人を雇ったぐらいでした。 おフジ姉さんは琴が上手で、師匠に匹敵するほどの腕前になったのですが、言い寄られて、ついに習い事をやめるはめになったのです。 あの音色を聞けなくなると思うと、私は悔しくてなりませんでした。 おフジの琴を、お蔵様も楽しみにしていたでしょうに お蔵様? お蔵様というのは家の神様です お店の商売繁盛と、家の者が幸せに暮らせるように守護してくださる家の神様でした 奥の蔵座敷にお住まいでした 廊下の突き当たりに、立派な両開きの扉がありまして、かんぬきと錠前が掛けられ、鍵はおとっつぁんしか持っておりません。 朝と夕に、鍵を開けてもらい、中にある常香盤のお香を換えるのが私たち三姉妹の役目だったんでございます お香を絶やしてはならない どうやらこれが二つ目の決め事に違いない 代々美仙屋は娘を2~3人授かりました。 姉妹の誰かがお香を換えますから、おキク姉さんと私が嫁に行っちゃったら、おフジ姉さんが一人でやり、 また姉さんに娘が生まれたら引き継いで、そういう具合になる筈だったのですが おウメは初めて顔をしかめた「あの火事のせいで」 おチカはその意味を問うた おウメは指をこめかみにあてて、しかしその指は骨の上に皮を乗せているように細かった ただ老齢で痩せているのではなく、病を抱えて衰弱しているのではないかとも思った だが顔を上げると、おウメの表情は和らく明るかった あのねー私たち三姉妹も、お蔵様がどんな神様なのか、どんなお姿をしていらっしゃるのか、気になったし、知りたくてしょうが無かったんですよ。 常香盤の世話をしている時に目の隅にチラッと見えますが、白足袋を履いたつま先が見えたり、指先や袖口が見えたり、 なので顔を見なくても若い娘だと察しが付いたのです それと匂い。嫁入り前の娘がまとうお香の匂いがしておりました 私たちのお店はお香を扱っているのですが、そのお香の匂いを当てる事ができず、三姉妹とも意見が分かれるんです シレイ香はフジの花,金絲香はキクの花,白梅香は私 それぞれ、自分の名前にちなんだ香りを感じるんです。 どうやらお蔵様は、世話をしに来る娘に合わせて匂いも替えるらしかった。 お着物も変えるのでしょうか? 草花をかたどった刺繍は見えますが、全体が見える分けではありませんでしたから でもおとっつぁんは何も見ず何も感じません。 そのまた先代から同じように言い含められてきただけです 常香盤にはどんな香りを焚いておられたんですか 白檀香です これは、他の香に変えてはいけない事になっておりました お香を扱う店の娘は、ありふれた匂いにしておくもんだと、おとっつぁんに言われました お蔵様を、怖いとか気味が悪いとか思いませんでしたか 家の中にこうした開かずの間があり、毎日こうした不思議な出来事に触れるけど、それが平気だったんですよ。辛いとも思わなかった。 おっかないとも思わなくて、むしろ親しみを感じたという あれは、おフジ姉さんが17 おキク姉さんが15 私が14の春先の事でございました 朝から南風が強く吹き荒れる日でした 日暮れ近くに南の町屋から火が出まして、それが強風にあおられ、たちまち延焼した 表通りには避難する人があふれ、みんな荷車に家財を乗せ、あるいは互いの名を呼んで無事を確かめ合う 三姉妹は恐れおののき、互いに手を強く握って身を縮めていた いよいよ逃げないといけないかしら、そう思うと恐怖で膝が震え出す 家財がみんな焼けてしまったら明日からどうやって暮らしていけば良いのだろうか おウメが泣き出すと、おキクも泣いた。 長女のおフジは気丈に二人の妹をなだめて抱きしめる。 奉公人達も浮き足だっていてバタバタと慌ただしい。 そしたら、ついと唐紙が開いて、おとっつぁんが立っていたんです 驚いた事に、袴を履いていた。正装していたのである。 火事の最中にそれがどんなに不釣り合いな事なのか、私らにも分かりますからね おとっつぁんは血の気の引いた真っ白な顔をしておりました そして私たち三姉妹を見据えてこう言うんです 「心配しなくても美仙屋は焼けないよ。お前達はここでじっとしといで。決して外へ出てはいけない」 これから私が、蔵座敷に行って扉を開けてお蔵様にお出まし頂く。 そうすれば美仙屋は決して焼けない。お蔵様がお守り下さるから するとおフジが立ち上がろうとした 父親と一緒に蔵座敷に入ろうと思ったのだ 父はその肩を押さえて「お蔵様にお出ましになる時には当主が一人で行くのが決まりだ」 「だれもこの場を動いてはいけない」「立ち騒いではいけない」「美仙屋にはお蔵様がいらっしゃる」 そう言って泣きそうな顔をするんです すまん、お前達には本当に済まない。今までは逃れて来たが、私の代でお蔵様がお替わりになるなんて、 お前達を差し出さねばならなくなるなんて、血を吐くように嘆き返すと足音も荒く廊下を去って行った。 煙の匂いが強くなり、外の動きも一層激しくなり でも私は、おフジ姉さんの懐に目を伏せて、そうしたら聞こえたんです 家のどこかでおっかさんが泣いている 泣きじゃくっている きっとおっかさんも、この場から動いてはいけないと言われた 轟々と言う風の勢いは衰え、聞こえてくるのはおっかさんの鳴き声だけ その時感じたんです。白檀の香りを 流れてくるんです 蔵座敷の方から 涼やかで清らかな気配も寄せてくる清水のように美仙屋の中を清浄に満たして行く空気、表のざわめきが潮のように引いていく おフジが軽く手の平を持ち上げた つられたようにおキクもそうした。 おウメは見た おフジとおウメの間をキラキラとした粒のような物がすり抜けて行くのを まぶしくて優しい輝き。水面に写る光のように弾けながら美仙屋を包んでいく。 おフジがうっとり目を閉じ微笑んだ おキクが深々と息をして手を胸に当てる おウメは涙を流していた そのうちにスーッと気が遠くなりましてね、夢見心地のまま、いつのまにか眠っておりました 目を覚ました時にはもう夜が明けていたんです 座敷の中におウメは一人、体を丸めて横になっていた 美仙屋は無事でございました 紙切れ一枚焼けておりません 火事はすぐ隣家まで迫っていた お隣は半分焼け、もう半分は延焼を防ぐ為に、打ち壊されておりました 通りの向こうは3件先まで焼け焦げているのに、覆いをかけたように美仙屋だけは無事でした みんなの名前を呼び家中を探し回ると、父母と長女のおフジが蔵座敷の上で、錠をを下ろした黒塗りの蔵の前でへたり込んでいた。 おっかさんもおフジ姉さんも泣きはらし、父は一夜でげっそり痩せこけ髪は真っ白になっていたんです。 そして何故かおキクの姿が見えない。 おとっつぁんは私に気がつくと、這うように近づいて来て、「おキクが行ってしまった。あの子が選ばれてしまった。」 これからはおキクがお蔵様となってこの美仙屋を守るんだ。そういう決まりなんだって言うんですよ これは美仙屋の初代が、一番最初にお蔵様と交わした約束なんだって お蔵様は美仙屋の蔵座敷におわしまし、外に出る事はない だが、火事や時震い疫病や押し込みなど美仙屋の変事が起こった時には、その代の主がお願いすれば、蔵座敷からお出でになり皆を守って下さる その代わり、その代のお蔵様のお役目もそこで終わる 次のお蔵様には、美仙屋の娘の誰かが選ばれる お蔵様になった娘はこの世の暮らしをしなくなります おとっつぁんとおフジねえさん、私が揃ってお蔵座敷に入ってみると、常香盤がひっくり返って、燃えかすと灰が散っておりました 姉妹はそれを綺麗に拭き清め、新しい筋を付けた。 そしたら金絲香の匂いがしました 背後にフワッと人の気配を感じた。おキク姉さんだと思った。 おとっつぁんの顔を見たら頷いています。 そして金絲香の小箱を出して「今日からはこれが御蔵様の為に焚くお香だよ」 そして、美仙屋の娘も御蔵様と同じ香りを纏うのだよと言われた 私は何日も泣き暮らしました どうしてこんな酷い決まりごとがあるんだ おキク姉さんがかわいそうだ。おキク姉さんに会いたい。 どうにかしておキク姉さんを蔵座敷から連れ戻せないものかしら、一緒に遠くへ逃げられないものかしら。 そればかり考え、寝ることも食べることも忘れた。 それはおフジも同じで、連れ添って涙にくれながら家を恨み父親に怒り、何もしようとしない母親を怒った だが日が経つにつれて、想いが沸き起こる これが美仙屋の運命なら、あらゆる災いから守ってもらえるなら、御蔵様になるのが自分でなくてよかった あー助かった 本音が互いの目の奥に映っていた キラリキラリと表れていた先代の御蔵様は、あの時、次は誰にしようか、どの香りがよいか、調べていたのだと思った どれにしようかな 神様の言う通り 一人の娘から人生を取り上げる。当たり前の暮らしを取り上げる。 その時、心底怖くなったんです 私は何てきわどい淵に立っていたんだろう 安堵しながらも後ろめたい、おフジ姉さんも同じ気持ちだったでしょう 以来、私たちはすっかり疎遠になってしまいました。 顔を合わせると気まずくてどうしようもない 重い腰を上げて常香盤の世話をするようになった だっておキク姉さんが、選ばれなかった私たちを恨んでいるように思えて おキク姉さんは、神様になってしまわれたのだが、残された姉妹は恐怖と罪悪感にさいなまれ、いたたまれないのだった。 「自分の姉さんを怖がるなんて」おウメはわっと両手を持ち上げて顔を覆った。 私は美仙屋の奥に籠もり、習い事も皆やめました 縁談は全て断り、どこへも嫁ぐ事はなかった。 だから、こんなお婆さんになっちまった。 お蔵様は年をとらないけど、私は老いぼれて行く この晴れ着はお蔵様のお召しものなんですよ おキク姉さんが気に入っていた振り袖なんです 私は何て哀れなんでしょう これは美仙屋にかけられた呪いだ 本当はお蔵様に守られてなんかいなかった 騙され、たたられていたんだわ 口惜しい。なじるような叫びを上げ、そのまま半身折って両手で畳を打ち始めた ドスン ドスン ドスン その動作の勢いで、花かんざしがズルズルと抜け落ちてきた それでもおウメはろうぜきをやめない 残った薄い髪の毛だけでは髷を保っていられず、おどろに乱れて振り袖の両肩へと流れ掛かる その両肩が横にかしいだ 振り袖の袂も床にひらりと平らになる えっ そこに座っているのは 振り袖と帯ばかりで 中身のおウメは消えてしまった 一瞬おチカは凍り付いた おウメさん!叫んで上座に飛びつこうとして動いたとたん 黒白の間が揺れた 板塀の向こうを焼き栗屋が通って行く。 出し抜けに、体に重みが戻って来た 上座の座布団を触ってみるが冷たい そんなバカな いたのに ちゃんといたのに 着飾って花かんざしを付けた老婆がいたのに 家の人を呼んだ 隣の部屋で話を聞いていたおカツは正座して目をつむっている 富二郎は手枕を抱えて横になっている まさか二人は死んでいる?。寝息を聞いた 声を限りに叫んだ「二人とも起きて~」 ぱっと起きて互いに顔を見合わせて、 お嬢さん、どうなさいました? いったいぜんたい どうしたもんでしょうね それでも、三人ともご無事で良かった 落ち着きを取り戻したものの、おチカにはまだ信じられない 確かにお客様はいらしていたのよ でも、私はだれもお通ししていないんですよ 番頭も頷く 夢でも見ていたんじゃあございませんか 絶対に違います。おチカは言い放った 夢なんかであるものですか、本当に語り手がいらしていたんです きっと私たち三人が化かされたんですね 狐か狸にでも化かされたのか、そういう話になって行ったが、おチカは承服しない 富二郎は調子にのって、お祝いに一杯やろうではないかと言う ふと床の間に目を移すと、二尾いた秋刀魚が一尾になっていた 上下に重ねて書かれていたのに今は一尾だ おウメは、一尾は秋刀魚の魂が抜けていくところだと言っていた 一尾の秋刀魚を描いた絵だった事を、買った伊兵衛は覚えていた おチカはお蔵様の話を聞いてしまった 騙され祟られていた。という悲痛な叫びが、まだ耳の底に残っている このまま忘れてしまう事はできない 調べよう と思った 芝の新明町三丁目の美仙屋、これが本当であるかは、行って見れば分かる 香具屋の美仙屋が今あればよし、昔あったと言うならそれでもよし 富二郎も手伝ってくれると言い出した おチカ以外は、聞き取った話を忘れてしまっていた 言っておくが芝の新明町に三丁目はないってご存じかい? なら場所より、香具屋という商いから探ってみるかい? 江戸の買い物案内という分厚い書物を出し、お店を調べて行った 備前屋又は美仙屋という香具屋について調べてみよう 備前屋は見つかり過ぎ、美仙屋は見つからない 備前屋巡りの切り絵図なる物を作って順に歩いた そういえば、茶もお菓子も要らないと言われた 月に一度 一日にだけ食べるとも言ってたな まさかお墓の前に、備えるのではないか お店、取引先にも聞いて歩いた 「今回はあまりにも不可思議な出来事だったもので」と、富二郎は言う このおウメというお婆さんは、よっぽどの願いがあって、私どもの前に現れたのではないかと思えてなりません 富二郎の弁に女将は、黙りこくっている たちまち現れ、たちまち消える。 あれは亡者であったのでしょう。 ならば供養を求めているかもしれない。 無念を訴えているのかもしれない おチカの耳には、今でもおウメの嘆きの声が残っている 美仙屋は本当は、お蔵様などに守られていなかった。騙され祟られていた。 百物語の縁で、亡者の悔しい訴えを聞いたなら、出来るだけの手を尽くして叶えてやらねばなりません それで、こうして美仙屋さんを探しているのですが、何か手がかりを知っているのなら教えてはくれませんか? 手がかりを知っていそうな松田屋の女将、膝の上に手を揃え、じーっと考え込んでいる やがて小さくつぶやいた 美仙屋の三女のおウメさんの消息は私にも分かりません これを聞いたおチカは、美仙屋は本当にあったのだと、力が抜けるのを感じた 女将は唐紙を開け番頭を呼んだ 声を低め早口に言いつける 「このお客様とお話があるので、菊の間をよろしくお願いします。しばらく人払いをしておいて」 さて、と向き合った 今の話を伺うと、皆様は本気でおウメさんを案じておられるようですから、 私が知ってる限りの事をお話ししても、美仙屋さんにもおウメさんにも許して頂けるでしょう 「どこから申し上げればいいのか」とつぶやく 私も「お蔵様」という話も初めて聞きましたし ではこちらからお訪ねしましょう 美仙屋さんは確かに香具屋なのですね 御店はどこにあったのでしょうか? 芝の神明町でございますよ でもあの辺りでは、どなたも美仙屋をご存じないようでした もうお忘れられているのでしょう あの町の商家の間では、美仙屋さんの事は忌事でした みなさん口を閉じて 恐ろしい事 忌まわしい事 縁起でも無い事 語られずに封じられた事 御店はいつ無くなったのですか ざっと30年も前になりましょうか 火事で丸焼けになり、家の者たちは一人残らず焼け死んで、美仙屋は失われてしまったという おかしな火事でして、美仙屋さんのどこかからか火が出て、 だけど周りにはちっとも燃え広がらず、ただ美仙屋さんだけが、大黒柱までも炭になるだけの燃えようでした 私は当時13歳でした。小さな料理屋を営んでおりました。 美仙屋さんにもごひいきを頂いてた上に、私の母と美仙屋さんの女将のおフジさんが小さい頃から仲良しでしたので 大人になってからもお料理事などで行き来していたのです その方は長女で、次女がおキクさんで、三女がおウメさんじゃありませんか はい、ただ、次女のおキクさんは15歳で亡くなってしまいましたが、当時、周りには知らされなかったそうです その後、おフジさんが若女将になりました。 入り婿をとりましてその後、家の母と親しくしていたのだという 美仙屋のおフジさんには、綺麗な娘さんが二人生まれました 美仙屋に生まれるのは美しい娘ばかりなのである 美仙屋は羽振りが良いのに妙に家の中は暗くて、おフジさんは笑っていても泣き顔に見えるのよね なので、強いて仲良くするようには・・・ それは幼なじみの感、あるいは母親の感かもしれない 「美仙屋には妙な陰りがある」松田谷の女将は小さくため息をつくと、こうつぶやいた 私がこう申し上げるのも、美仙屋さんが焼けて皆亡くなってしまった後に母が語ってくれた事ばかりです 亡くなる3ヶ月ぐらい前に、おフジさんがこんな事を言ったという 二人ともお嫁に出してしまおうなんて家の人は罰当たりなんですよ 姉妹のどちらかに婿をとらねば美仙屋は絶えてしまいますからね さらにおフジは言った「美仙屋のしきたりを破ろうとするとんでもない人を婿にしてしまった」と 「おとっつぁんにも、おキクにも申し訳がたたないわ」 この言葉を聞いただけでは分からないが、今お蔵様の話を聞けば嘆きの事情がうっすら透けて見えてくる だからおフジは、怯えていたのではないか。父親にしきたりを教え込まれて育ってきたのだから 私の母が「翼々大師様にお願いすれば、どんな大きな厄でも祓って頂けますよ」と言ったら おフジは顔をゆがめてこう応じたという 「だから、うちの人を祓っていただこうと思っているのですよ」と答えたという お参りした後も、おフジさんは浮かぬ顔でいるので、家の親も浮かぬ顔で帰って参りました その後、美仙屋は夫婦のいさかいが酷くなってきたという 大丈夫かと思っているうちに美仙屋さんは焼亡してしまったんですよ だから母は、あれは付け火ではないだろうかと言ったのです ですが、母も父も美仙屋の本当の難事は知らなかったんです お蔵様の事は何一つ存じませんでしたからね こうして時が経ってから、三島屋さんからお話を聞いて、ようやく全体の筋が見えたような気がします。 恐ろしゅうございます とささやくように言った 30年前の火事で、全員焼け死んでしまわれましたが、三女のおウメさんの消息はわからないと仰いましたよね ええ という事は、おウメさんだけ火事の難を逃れたのでしょうか? おウメさんは火事より以前に、美仙屋さんから出されていたんですよ 気鬱が酷く療養のため海の見える所で養生させるんだと、おフジさんが言っていましたの それっきりおウメさんの消息は知りません 火事の後、弔いにも姿を見せませんでしたので だから、私の二親は、おウメさんもとっくの昔に亡くなっているんだろうと申しておりました いえ、それはないと思います おチカはきっぱり言った 私共を訪ねていらしたのは、お年を召したおウメさんでした。 どこかでお婆さんになるまで長生きしていらした筈です 婆さんになるまで生きて、語り手となって三島屋に・・・ 寛一が言う 生き霊という事もございます 生きている者が魂だけ抜けて、黒白の間へ座ったというのかい 生きているうちにそんな器用なまねができるものか 想いが強ければ出来るかもしれません 亡者だの生き霊だの、こんな話が出て来たのを女将は神妙に聞いている お三方とも怪談話に慣れていらっしゃるなら・・・と語り出した これも母からの伝聞でございます。 火事の後、噂で聞きかじった話でひどく怖がっていたという 燃えている最中に女の笑い声がしたと言うんです コロコロと玉を転がすような若い娘の高笑い 「ざまを見ろ ざまを見ろ」と笑っていたと そして、つむじ風があがり、火の手が御店を包み込んでしまって 「誰一人逃がすまい、焼き尽くしてやる」 ひゅーひゅーと風がなる その音を女の声に聞き間違ったのだろうと父は申しておりましたけど そりゃー 町の忌み事にもなりますわね それから5日後の事である 三島屋を訪れた寛一が、おウメの居所をつかめたという 甘い物の名店巡りが功を奏したんだね 2年ほど前から、名月まんじゅうを毎月一日に必ず買いに来る客が見つかった ろうそくと線香を商う田島屋の女中だ 寝たきりのご隠居さんの好物だと言っているという いろいろ聞くうちに、ご隠居さんの事が知れてきた 名前がウメで還暦を過ぎた老女であり、随分昔から寝たり起きたりの病人であったが 今年に入って一層弱ってしまい、家の奥座敷で床についたままになっている もう長くはあるまいと言う このお婆さんは秋のある日、おかみさんにねだった事があると言う 「振り袖を出してちょうだい」と、 寝たきりの病人ですから、夢でも見ているのかと、すぐに聞き入れたのだそうです その振り袖は、おウメが親戚の間をたらい回しにされてきた間も大事に持っていた一張羅だそうです。 「すっきりした縞柄の振り袖でしょ」と、おチカは言った ご存じでしたか? ええ、その振り袖を着て、麻の葉柄の帯をしめて家にいらしたの おかみさんは、お婆さんの枕元に振り袖を掛けて飾ってあげたという。花かんざしも添えてあげまして どこへお出でになるんですか ちょいと神田三島町まで そう遠くはない そうして一眠りして目が覚めてから、上機嫌だったそうで ですが、体の方は日ごとに弱り陰が薄くなっていく この数日で食べ物も受け付けなくなり、いつ心の臓が止まってもおかしくない容体で、こんこんと眠っているのだそうだ 「行かなくちゃ」と、おチカは言った。 しかし、先様に話が通じるかな その田島屋さんは、百物語をご存じな筈ですよ だからこそおウメさんもうちを選んで語りに来て下さったのですよ その通りであった 田島屋では夫婦が丁重に遇してくれた おチカが、黒白の間でおウメと相対した経緯を語ると、夫婦は息をのんだ 松田屋で聞いた出来事を語ると夫婦は顔を見合わせ、女将は涙ぐんでしまった 寛一が、満月まんじゅうが手掛かりになった事を語ると、主は深く頷いた でも、ここ数ヶ月は端っこをかじる事さえ出来ません ちぎって口に入れてあげても飲み込む事さえ出来ないのです 田島屋の女将はまた涙ぐむ ご隠居さんにお会いしてよろしいでしょうか どうぞお願いします 隠居は遠縁にあたり、こちらからも聞きにくくて おウメは自分のともしびが消える寸前に自分の悲しみを吐き出したくなったのだ 女将の付き添いで、おチカ一人が部屋へ入る事となった ほのかに梅の香が漂っていた、梅の香を焚くと喜ぶものですから その人は床の上で仰向けになっていた 布団がぺたんとして殆ど盛り上がっていない 白いくくり枕の上に乗った頭も小さい顔も目が落ちくぼみ眉は抜け落ち皮膚は乾いている 僅かに開いた唇から「くー くくー」と音がしている それでも一目でおチカは分かった あー この方だ そっと前屈みになり ささやくように呼びかけてみた おウメさん 私は神田の三島屋から参りましたいつぞやのチカでございます 黒白の間でおウメが語った秋刀魚の絵の話をした 「くー くくー」老女のかすかな寝息 おウメさんが仰っていた通り、お蔵様は美仙屋を騙してむしろ祟っていたのではないでしょうか おウメさんが怒り悲しみ大声でそう言い立てたくなるのも当然です よくぞ三島屋にお出で下さり、胸の内を吐き出して下さいました。 おウメの呼気が止んだ。 肉のないまぶたが震えだし、こめかみがピクピクと脈打つ。 目が開いた。 それは干ばつで乾き言った所に、にわかに清水が湧き出したかのようだった 瞳だけは幼女の輝き、たしかにおウメは時を止めたのだ おウメはおチカを見た。 「三島屋のおチカさん」 傍らで田島屋のおかみがハッとする。おウメがしゃべった。 「はい、美仙屋のおウメさん」と、微笑みかける 「探し当ててお見舞いに伺いました」 おウメは瞬きした。 「わたし ちゃんと三島屋さんをお訪ねしたんですか」 全部が夢かと思っていたと言う。 「いえ夢なんかじゃありません」 「客間で、私と向き合ってお話しして下さいましたよ」 そう おウメの表情がゆがむ。動こうとしているのだ。 おかみさん、おウメさんの手をとってさしあげたいのですが・・・ 女将が布団をめくり、おチカが両手でおウメの手をとった 骸骨さながらの腕だ。指が長くほっそりしている 綺麗な指ですねおウメさん おチカの手を握り返す力も無い。 「おキク姉さんはもっと綺麗だった」と、遠い昔をお追うとして瞳が動いている 「可愛そうなおキク姉さん」瞳が潤み始める。 「私達みんな可愛そう」 えーえー おチカは頷きかける おウメの目尻から一筋涙が流れる 「誰もいなくなってしまったの。美仙屋はお蔵様のせいで滅んでしまったの」 また一筋涙があふれる おとっつぁんが、こんな話を語ってくれました。 昔、身寄りのない女の子を、美仙屋の主が引き取ってきたんです それで、美仙屋の養女となった。 大事に育てられはしたものの、幸せでは無かったのだという 美仙屋にいる飛び抜けて美しい女性とは違っていたから 何かにつけ比べられ、あざ笑われながらの暮らしはかえって気まずくなるばかり 娘は進んで女中のように働き、粗食に甘んじ日陰に身を縮める日々を過ごしたあげく ひょっくり病にかかり早死にしてしまった その娘がお蔵様になったのよ 美仙屋に育ててもらった恩はあるが、積もり積もった憤懣と悲しみは、娘の意思としてこの世に留まった。 「よし、これからは美仙屋を守護してやろう。その代わり大事な娘の魂を取ってやろう」 それがお蔵様の取り決めの真実だった 常香盤を守る事は、その取り決めを守る事 香を絶やさず焚き続ける事は美仙屋にかけられた呪いを受け継ぐ事でもあった おとっつぁんは取り決めを守りました しかし、おフジの夫は違った なにが人質だ、私の大切な子を取られてたまるか 蔵座敷の常香盤を割ってしまったの おチカは頷いた。そうか、そういう事だったのか 常香盤は砕け、呪いは破れた 呪いと引き換えに美仙屋が受けていた守護も消えた。 それまで、お蔵様が退けていた全ての災難が美仙屋に襲いかかり、全てを焼き尽くしてしまった。 おウメの手を取って、その冷たい指をおチカは優しく握りしめた。 あなただけでも生き残ってくれて良かった 美仙屋さんの悲しみを語るあなたが、それこそが変わり百物語を続けてきて、おチカが学んだいちばん大きな事だ 人は語る語りうる。良い事も悪い事も。楽しい事も辛い事も、正しい事も誤ちも。 語って聞き取られた事柄は、一人一人のはかない命を越えて残って行く。 「私も あなたに お礼を申します」痩せ衰えたおウメは、ほほえもうとしている。 「聞いて下さって、ありがとう」 田島屋の女将がうつむいて泣いている 「胸の支えが降りました。悲しみを吐き出したから、ねー おチカさん」 おウメの声はいっそう細り、おチカは前屈みになって耳を近づけた。 「あなたもご自分をお家の中に閉じ込めているんですってね」 おウメはそんな事まで知っているのか 「どうしてか分けがあるんでしょうけど、いけませんよ」と、おウメはささやいた。 「あたしと同じになっちまう。さもなきゃ お蔵様になっちまう」 時を止め、悔恨に打ちひしがれ、昔を恋うて懐かしむ老女に、おチカは身じろいだ 座敷の端で息を潜めていた富次朗も、身を起こして目を見張る。 「これがあたしのお礼の言葉」語尾がかすれて呼気にまみれる。 おウメは瞳でおチカにうったえかけてきた。 「ねえ、ここは考え所ですよ。三島屋のおチカさん」 「さー、もういいわ」 満足そうに微笑んで おウメはまぶたを閉じた 最後の一筋の涙があふれ目尻を伝っていく。 「亡くなりました」おチカは静かにそう告げた

  • 12

    03:31

    5.6 km

    575 m

    出雲弥山

    鼻高山・弥山・旅伏山 (島根)

    2025年12月31日(水) 日帰り

    薬師道から登ると何度か道迷いになりました。 足を滑らせないようにと気を使う箇所が何箇所かありました。

  • 9

    02:54

    4.5 km

    531 m

    弥山😊🍁

    鼻高山・弥山・旅伏山 (島根)

    2025年11月08日(土) 日帰り

    出雲に行って来ました😊出雲の弥山に 山頂は素晴らしい😊出雲平野全貌 とても楽しいかったです😍😍おわり😅

  • 41

    03:13

    5.1 km

    550 m

    弥山

    鼻高山・弥山・旅伏山 (島根)

    2025年10月27日(月) 日帰り

    宮島の弥山は何度も登ったけど、出雲の弥山は初めて登った。標高はほぼ同じだけど、出雲の弥山の方が険しいと思った。 先日、宮島で岩船岳まで縦走したけど、鼻高山への縦走路はどんなだろう、今度挑戦してみよう。

  • 43

    02:53

    4.6 km

    529 m

    弥山(出雲大社の奥)

    鼻高山・弥山・旅伏山 (島根)

    2025年10月12日(日) 日帰り

    出雲の弥山 参道から本殿東側(右手)後方を望むと、山頂に大きな木🌲が目立つ山⛰️👁️ 前に来た時に妙に気になり登ってみたかった みせん広場駐車場🅿️から時計回り🔁に🚶‍♂️ 見たとおりの急峻な地形で、岩が脆くガレザレているところや、苔が生えて滑りやすい⚠️ 登り中、足元に栗🌰🌰🌰…😍 夢中で拾っていると、鹿🦌の鳴き声に混じって、遠くで『うォ〜ンお〜い』と表現しにくい鳴き声が🤔… まさか🐻ではないよなぁ…なんてちょっとビビリ😨ながらもしっかりゲット😎 山頂の眺望は抜群でした♪🤩

  • 3

    01:16

    3.7 km

    508 m

    弥山

    鼻高山・弥山・旅伏山 (島根)

    2025年10月11日(土) 日帰り

    最近はロードランしていたのでYAMAP無課金おじさんに降格(写真もそんなに撮らないし、人のペースが見れないとか位で特段の不便はない) 直近ではロードの蒜山マラソン 続いての可部連山トレイル…は自分の中でちょっと優先度下がりつつある。けどせっかくなので山へトレーニング兼ねて。 最近なんでもないサンダル履きの小走りで足の甲を痛めた(主たる原因不明)けど、この登山でちょっとぶり返した〜😅 ひとまず今のところのラスボス、松江城マラソンまではマッタリ行こう🏋️

  • 25

    03:47

    5.0 km

    640 m

    くうちゃん、出雲だ!弥山だ!

    鼻高山・弥山・旅伏山 (島根)

    2025年09月13日(土) 日帰り

    日本海を眺める山に登りたい!ということで出雲へ。雨が気になるので、一日予定を前倒しにしましたが、それでもすっきりしない天気😔 途中は、小雨。道を間違え時間をロス😓急登に泣きながらやっとたどり着いた頂上は強風。青い空や海はお預けとなりましたが、いつも見ている瀬戸内海とは違う眺めを楽しむことができました。弥山の頂上、晴れていたら最高だったな~ 平野が広がる出雲は、解放感にあふれていますね😄